風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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日本の滝を訪ねて  第64回  千丈渓

日本の滝を訪ねて・・  第64回  千丈渓 〔島根県〕
 

渓谷の名称の由来となった千丈敷岩
岩肌を無数の滑滝がはっている
 
  千丈渓  せんじょうけい  島根県・江津市(旧 桜江町)
 
中国地方にも《赤目四十八滝》ばりの連瀑連なる渓谷があるのを御存知であろうか。 
その渓谷こそ、この『千丈渓』である。

江ノ川水系の八戸川の支流が創造したこの渓谷は、15~40m級の落差を誇る滝が目白押しに現れる。 
それだけではない。 美しい淵や早瀬・千丈敷の大滑岩など、渓谷探勝の醍醐味が次々と眼前に現れるのだ。 渓谷の景観の主を飾る滝も落差40mを誇る《紅葉滝》から、落差が僅か2mでありながら宝石を散りばめたような景観を魅せてその存在感絶大な《三三ノ滝》まで、様々な景観の滝をそなえている。




黒い岩肌と深い淵が静寂をかもし出す
 
   行程表            駐車場・トイレ・山小屋情報
江津市街より車(0:45)→千丈渓・入口(0:05)→三三ノ滝(0:20)→相生滝
(0:10)→千丈敷(0:40)→紅葉滝(0:40)→一ノ滝(1:20)→千丈渓・入口より車
(0:45)→江津市街
 
この『千丈渓』を訪れるべく、アプローチ可能な交通機関はない。 従って、マイカーかタクシーを利用しなければならない。 なお、タクシーを利用する場合は、JR三江線の川戸駅からタクシーを拾うのが予算的にもいいだろう。 

それでは、渓谷探勝をしてみよう。 駐車場に車を止めて、砂防ダムに沿って砂利道を歩いていく。 まもなく、存在感の一番大きな“最小滝”・《三三ノ滝》が樹木の陰に隠れているのが見えるだろう。 樹間からの木漏れ日が、まるで宝石のように輝いている。 僅か2mの滝といえぬ落水が神秘的に輝くのだ。 のっけから、衝撃さえある素晴らしい光景に魅せられる。 
 

木漏れ日が宝石のように輝く 
正に秘めたる滝 
三三ノ滝

この《三三ノ滝》を過ぎると、川幅が狭まってきて渓谷らしくなってくる。 しばらく歩いていくと、渓谷本流の最初の滝・《相生滝》が見えてくる。 この滝は滝つぼの大きな滑め段滝で、その水墨画のような情景がいい。 
渓谷はますます幽谷を帯びてきて、岩角に咲く花なども幽谷に似合うラズベリー・ブルーのものが見られるようになる。 

ますます道は狭くなって岩をヘツリ気味にいくようになると、美しい4段斜瀑を魅せる《松ヶ丘ノ滝》が見えてくる。 この滝の横をトラバース気味にヘツって滝上に出ると、そこは一枚の大きな平滑岩からなる《千丈敷》がある。 沢に埋めてある踏み岩を飛び越えて、中の平滑岩にあるあずま屋でしばし休憩しよう。
 

美しい4段斜瀑を魅せる
松ヶ丘ノ滝
 
ここからは沢と少し離れ、左岸の土手を大きく高巻きする。 鉄の階段を約250段位昇っていくので運動不足の人にはかなりキツいかもしれない。 この急登を乗りきるとオーダーは少し下がる(約200段)が、当然の如く急下降が現れる。 鉄の階段は足の踏場が狭く、かなり滑りやすい。 この高巻きだけで30分は時間を費やして、再び沢沿いに戻る。 

渓谷最大の落差を誇る紅葉滝

早瀬が岩をかむのを見ながら歩いていくと、渓谷最大の滝・《紅葉滝》が落差40mの見事な“ナイヤガラ”を魅せている。 その背後には、《藤倉滝》が早瀬を岩に刻んでいる。
《紅葉滝》の前で吊橋を渡り、少し進んだ所で道は途切れている。 見渡しても、道らしきものは見当たらない。 また、《紅葉滝》は“ナイヤガラ”状の滝なので、直登はまず不可能だ。 
 
ここでよくよく見渡すと、壊れかけのコンクリートが土手に沿ってあるのが見えるだろう。 その上部は、土手に切られたつづら折りの階段となっているようである。 これを登りつめると林道に出る。 しかし、この林道脇に立っている道標が“くせモノ”で、最奥部の《一ノ滝》を差し示す向きは、明らかに《紅葉滝》を直登する方向であった。 林道を行く方向には《日和》と指してあるだけに迷いやすい。 
 
なお、《一ノ滝》の正しい方向は、この《日和》と同じく林道を奥につめればいいのである。 林道を2km程歩くと、20m位の滝が3段に連なった《一ノ滝》が見えてくる。
この滝は格段に立派な釜を持ち、その姿は“名瀑”と名高い『大杉谷』の《七ッ釜滝》にそっくりである。
 

三段の釜をもつ名瀑・一ノ滝

渓谷の最奥にある滝で、いろいろなアングルに挑んで帰路に着こう。 帰りは、林道を伝っていくのも良し、渓谷探勝路をもう一度通るも良し・・である。 林道を行く方が30分以上は早く戻れるだろう。 
『千丈渓』の周辺は降水量の多い地域だ。 天候が崩れたきたなら、迷わず林道を戻ろう。
 
   ※ 詳しくはメインサイトの『千丈渓』を御覧下さい。
 
 
 



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