2010-12-30 (Thu)✎
名峰次選の山々 第9回 『195 瓶ヶ森』 愛媛県、高知県 石鎚山系 1896m (石鎚国定公園)
コース難度 ★ 体力度 ★
氷見二千石原より
望む瓶ヶ森
名峰次選の第9回目は、初心者でも手軽に登れる山である瓶ヶ森を御紹介しよう。 この山に限ってはハイキングコースとさほど変らないので、行程表の概念は当てはめにくいのである。 なぜなら、カメラ片手にゆっくりと歩けば1時間以上かかるだろうし、周囲の風景に目もくれずにシャカシャカ歩くと、山域一周でも1時間強で周れる事だろう。 従って今回に限り、行程表ナシという事にしよう。
国道194号線の愛媛・高知県境の《寒風山トンネル》を越えると、ほどなく道の駅『木ノ香』に着く。
この《寒風山トンネル》は、今回御紹介する瓶ヶ森を含む石鎚山系東側の主脈をぶち抜いたトンネルである。 ここから石鎚の東に延びる主脈に沿ってつけられた瓶ヶ森林道か、又は石鎚公園線と呼ばれる高知県道40号を1時間ほど行くと、《瓶ヶ森》直下の登山口に着く。
ここから《瓶ヶ森》の頂上までは、登り40分という“トレッキング”コースだ。 登山口から石畳みに整備された道を登っていくと、『男山経由女山(頂上)へ』と『氷見二千石原経由女山へ』との道標がある。 前者の稜線伝いのルートは道程が1.2kmほど、《氷見二千石原》経由は1.5kmほど・・とある。
ここは、稜線伝いに先に頂上に立ち、その後に景勝の《氷見二千石原》を楽しむ事にしよう。
氷見二千石原を望む
稜線伝いのルートなので、出だしからそれなりの急登となる。 周囲は美しいササ原が広がる。
そして見上げれば、淡いピンク色の模様を従えた《瓶ヶ森》が悠然と構えている。 これを目にするだけで、登りの辛さなど感じなくなるだろう。
素晴らしい情景に見とれていると、あっという間に社務所のような建物と祠のある男山の頂上に着く。
ここは最高峰ではないらしく、立ち止まる人も少ないみたいだ。 でも、四国共通の事として、男より女の方が上位にあるのね。 滝でもそうだったし。 「肩身の狭きは、男ばかりなりけり」云々。
ここは最高峰ではないらしく、立ち止まる人も少ないみたいだ。 でも、四国共通の事として、男より女の方が上位にあるのね。 滝でもそうだったし。 「肩身の狭きは、男ばかりなりけり」云々。
“男”は山容だけは
威厳を保っているようで
丸く優しい姿の“女”に向かって
ゆるやかに登り返していく
男山を過ぎると少し下ってなだらかにたわんだ稜線が、360°遮るもののない女山の頂に向かって続いている。 何とも優雅な雰囲気のある山である。 山を歩く喜びに浸りながらこの稜線のたわみを伝っていくと、丸く優しい山容に360°の大展望が広がる《瓶ヶ森》の最高点・女山 1896メートル の頂上だ。
美しいササ原の背後に
眩い日差しに遮られていた
石鎚山が薄っすらと
頂上に着いたのが日の光が最も眩くなる11時頃であったので、石鎚山や笹ヶ峰などの山なみはくすんでしまって今イチだったものの、何一つ遮る事のない360°の大展望は爽快だ。 山頂で思う存分心地良さに浸ったなら、《氷見二千石原》をめぐって帰路に着こう。
頂上からは、なだらかな傾斜が一面に広がるササ原のじゅうたんへ向かって続いている。 カメラを取り出しては立ち止まり、ファインダーを覗いては引き返しを繰り返すので、僅か600m程の道程に1時間近くかかってしまった。
このなだらかな下りは《氷見二千石原》の端まで続き、そこから直角に左に折れてこの一面のササのじゅうたんを突き抜けていく。 《氷見二千石原》からは《瓶ヶ森》の稜線が立ち並び、そこを登る登山者や男山の祠などを望む事ができる。 美しいササの原に立ち枯れをした樹木の藁をアクセントとして取り入れたり、ローアングルの広角で遠近感を出してみたり・・と山遊撮影を愉しむ。
立ち枯れして白骸化した藁をアクセントに
そうこうしている内に800mなどあっという間に過ぎ、もう最初に通った稜線通しのルートとの分岐に出る。 ここから駐車場までは100m程だ。 この分岐を過ぎると石畳みの人工的な階段道となり、「下界への門をくぐったのだな」と実感する事だろう。
『瓶ヶ森』をどうぞ
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