2012-03-30 (Fri)✎
日本の滝を訪ねて 第55回 今庄ノ滝 〔新潟県〕
アプローチの事は
あまり憶えてはいない
:
他のサイトで見ると
滝の傍に行くまで結構大変との事である
今庄ノ滝 いまじょうのたき 落差 50m 新潟県津南町
この滝を見たのは全くの偶然だった。 まだ鉄道を追いかけていた20歳になるかならないかの頃、いつもの如く翌朝の飯山線の列車を撮る為に足滝の駅で駅寝した時の事だった。
だが、駅寝はしたもののぐっすりと眠りコケて、朝の始発を逃してしまうテイタラクをしてしまったのである。 朝のキラキラの写真も偵察不足で、駅ホームの裏側の土手によじ登ってかろうじて1枚撮っただけだった。 本気で鉄写真を撮る人間からしたらダラシなく、ともすれば張っ倒される程のナンチャッテ鉄は、この頃から育て育まれていたのである。
こんなにいい天気で
こんなにいい景色なのに
もったいね~
:
この足滝での寝坊が
滝への道の魁となりました
・・で、朝方を過ぎてからは川の対岸から撮ると完全ド逆光で、これを確認すると鉄道を撮る気が失せてきたのである。 そして、2時間ほど列車の来ない時間帯でもあり、途端にする事がなくなる。
これが暖かい部屋の中なら昼寝・・なのだろうが、テントを撤収してしまったし、北海道の様に『無人駅に暖炉』もない。 従って、『二度寝』はできない事もないが、かなり勇気がいる。 なぜなら、シュラフを取り出して寝る事は可能だが、ヘタすると職務質問厨になってしまうからだ。
・・で、する事もなく川向こうをボ~っと眺めていると、かなりデカい滝が溢れんばかりに水を落としていた。 この時は滝を見つけては訪れる程に興味はなく、ほんとにヒマを持て余した『単なる気まぐれ』であったのだ。
でも、この気まぐれが、滝の素晴らしさに目覚めるキッカケになったのだ。 それは、地図にも乗らない無名滝でこんなデカイのがある・・という事を知ったからである。 「この国にはこんな無名滝がいくつも隠れ潜んでいる」と思ったなら、この国の隠されざる情景を訪ねてみたい・・と思うようになったのである。
それで、駅から2kmほど離れたこの滝を訪ねてみたのである。 この滝は鉄道一辺倒から、少しずつ被写体のレパートリーを広げていく第一歩の情景だったのだ。
寝坊と逆光とヒマ
幾つものドジが合わさって
偶然にも撮影の幅が広がったのである
ちなみに、この滝に着いた時は好天だった朝から急に鈍曇りとなって、期待した写真は撮れずじまいとなった。 また、滝から駅に戻って乗客のおばあさんに、「昔にあの滝の山に城(庄)があったので、今庄の滝と呼ばれている」と教えて頂いた。 この一見平凡な滝が、私が滝に目覚めるキッカケとなった滝である。
- 関連記事
スポンサーサイト