2012-03-28 (Wed)✎
『オホーツク縦貫鉄道の夢』 第33回 北オホーツクの湖沼めぐり その1
初冬のクッチャロ湖と急行【天北】の図案の
「思い出お~い 天北線」オレンジカード
いよいよ、オホーツク沿岸をたどる架空鉄道旅行も“ラストラン”の区間だ。 思えば、ダラダラと1年以上も間延びしてしまったなぁ。 それは、いざ作成してみると、『コマ不足』や『ネタ不足』が露呈して苦労しまくったからである。
まぁ、こんな言い訳をしても仕方ないので、浜頓別駅の『1番線』に到着した興浜北線の列車より、跨線橋を渡って『3番線』に停車中の天北線・稚内行下り列車に乗り換える事にしよう。
浜頓別町の名所紹介
浜頓別駅開業65周年入場券より
浜頓別駅を発車した列車は、僅か1分程で浜頓別の市街地を抜けて原野に踊り出る。
程なく、右手から湖水をオホーツクへ注ぐクッチャロ川が寄り添ってくる。
この川は泥炭層からなる湿地帯の中を蛇行しながら、やがて《クッチャロ湖》の河口へ遡っていく。
列車はこの蛇行する川と並走し、最後に河口付近で川を渡って、いよいよハクチョウの渡来地で有名な《クッチャロ湖》の畔に出る。
湿原の先は果てしない空か
それともオホーツクの大海原か
この辺りは《クッチャロ湖》を中心に豊かな自然を育む広大な湿原を形成していて、『北オホーツク道立自然公園』(北海道庁HPよりリンク)にも指定されている。 比べると規模は小さいが、その内容は釧路湿原にもヒケを取らない原生花と野生動物の宝庫だ。
《クッチャロ湖・大沼》の畔に寄り添い、大沼の下端から上端の“くびれ部”まで進むと《山軽》だ。
素晴らしい自然の宝庫を目の前にして通り過ぎるのはもったいないので、ここはこの駅で降りて北オホーツクの湿原と原生花園めぐりをしてみよう。
《山軽》で降りて、まず訪ねる所と言えば眼前に広がる《クッチャロ湖》であろう。
この湖は泥炭層の湿地帯に広がる海跡湖で、河口に近い大沼はオホーツクから逆流した海水が入り込む為に塩水湖を呈している。 そして、冬でも完全凍結しない事から、シベリアへ向かう渡り鳥にとっての絶好の憩いの場となっている。 絶滅危惧種に指定されているオジロワシやオオワシなどの貴重な鳥類も見られるという。
オオワシ
違う所で撮ったけど
そういう事もあって、平成元年には釧路湿原の登録で名が知られたラムサール条約(湿原における世界的保全の条約)に登録されている。 渡り鳥のシーズンである流氷明けの頃には、多くのハクチョウが優美な姿を見せてくれる事だろう。 また、湖畔には《水鳥観察館》や《鳥類観測ステーション》などがあり、飛来する渡り鳥について学ぶ事もできるだろう。
そういう事もあって、平成元年には釧路湿原の登録で名が知られたラムサール条約(湿原における世界的保全の条約)に登録されている。 渡り鳥のシーズンである流氷明けの頃には、多くのハクチョウが優美な姿を見せてくれる事だろう。 また、湖畔には《水鳥観察館》や《鳥類観測ステーション》などがあり、飛来する渡り鳥について学ぶ事もできるだろう。
オオハクチョウのツガイ
これも別の所で撮ったけど
渡り鳥の楽園である《クッチャロ湖》を堪能したなら、少し駅から離れるが海沿いの《ベニヤ原生花園》へ出向くのもいいだろう。
濃い紫が短い北の夏の終わりを告げて
海浜の砂嘴に広がる湿地帯には、夏には色とりどりの花が咲き競うのである。
海浜の花の代表としてハマナスやハマボウフウなど、中ほどの湿地帯にはヒオウギアヤメやエゾカンゾウ、ノバナショウブなとの湿性花、そして本州では山岳地帯でしか見られないエゾフウロやハクサンチドリなどの“高山植物”も可憐な姿を魅せてくれる。 それでは、しばし筆者の拙い写真をごろうじろ。
ヒオウギアヤメの濃い紫が短い北の夏を謳う
さて、北オホーツクの湿原で思う存分遊んだなら、次に進もう。 なお、例の如くタイムスケジュールは完全無視って事で・・。 まぁ、これだけ遊んでしまうと1日では足りないだろうし、全てをめぐるとなると絶対的に車が必要となってくる実情も完全無視って事で。
《山軽》を出ると、湖のくびれ部を越えて《クッチャロ湖》の小沼が車窓に広がってくる。
《山軽》を出ると、湖のくびれ部を越えて《クッチャロ湖》の小沼が車窓に広がってくる。
小沼の縁を伝ってこの北端まで来ると仮乗降場の《安別》だ。 駅は板バリであるが、割としっかりした待合室のあるグレードの高い乗降場である。
天北線廃止の記念切符でも
クッチャロ湖をゆく列車のシーンが使われた
ここは、《クッチャロ湖》を背景や前景としての絶好の撮影地だ。 急行【天北】の勇姿や湖畔を伝うキハ22単行の哀愁の情景、上手くいけば湖に憩うコハクチョウに御出演を願う事も叶うだろう。
ちなみに、筆者は当時(今も・・)の拙いウデの為に、この全てのチャンスを逃しているのだが・・。
クッチャロ湖・小沼の湖畔にて
クッチャロ湖畔を疾走する
急行【天北】号
天北線の撮影では、何も考えない当時の私の撮影スタイルが裏目に出た。
湖と列車を撮ろうと、クッチャロ湖の北端にある安別仮乗降場の周辺を湖の裏側まで偵察したのだが、その成果は悲しいかな・・の下のデキ。
クッチャロ湖の対岸から撮ってみたのですが
見えますでしょうか? 列車が
見えますでしょうか? 列車が
そう、210mmではいつもの失敗事例である『点景』どころか、車両自体が写っとりゃせんがね。
つまり、歩き過ぎて列車が視認できる範囲を超えてしまっていたのである。
当時は小僧だったとはいえ、これはかなりのおマヌケだねぇ。
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No title * by bell
あ~~~ぁ~~ァっ、イイナ~~、いつまでも、学生の頃の様にって、主婦って三食昼ネ付きでも、子ども2人チョイト不自由な目いは見えない檻の、模範囚です、
No title * by Rev.Ren'oh
こんにちは。しばらくです…。
天北線は分割民営化後もしばらくは残っていたのですねェ…。
クッチャロ湖畔の、この撮影場所は実は“お立ち台”だつたのですね。私は偶然歩いていてここはいい…と思って、秋と冬の二度訪れた場所です。
ここへ来る時はいつも浜頓別ユースが定宿でした。
学生時代が懐かしいです…♪♪
ポチッ!
天北線は分割民営化後もしばらくは残っていたのですねェ…。
クッチャロ湖畔の、この撮影場所は実は“お立ち台”だつたのですね。私は偶然歩いていてここはいい…と思って、秋と冬の二度訪れた場所です。
ここへ来る時はいつも浜頓別ユースが定宿でした。
学生時代が懐かしいです…♪♪
ポチッ!
No title * by 風来梨
べるさん、こんばんは。
この頃は日本にも力がありましたね。
交通弱者にも再三度外視で定時運行の列車を確約するような・・。
今の世界は日本の国でなく特亜の為に動く政府だから、この時代の事は天国のように感じますね。
この頃は日本にも力がありましたね。
交通弱者にも再三度外視で定時運行の列車を確約するような・・。
今の世界は日本の国でなく特亜の為に動く政府だから、この時代の事は天国のように感じますね。
No title * by 風来梨
Ren'onさん、こんばんは。
私は、このクッチャロ湖では、狙い通りの写真は撮れませんでした。
それで、稚内へ向けて上っていきました。 浅茅野で駅寝してそれなりに・・、沼川や恵北で駅寝した時は、結構満足なものが撮れました。
私も駅寝しながら風景鉄道を撮っていた頃が懐かしいです。
この頃は、結構情熱してましたし・・。
私は、このクッチャロ湖では、狙い通りの写真は撮れませんでした。
それで、稚内へ向けて上っていきました。 浅茅野で駅寝してそれなりに・・、沼川や恵北で駅寝した時は、結構満足なものが撮れました。
私も駅寝しながら風景鉄道を撮っていた頃が懐かしいです。
この頃は、結構情熱してましたし・・。