2012-03-25 (Sun)✎
名峰百選の山々 第53回 『87 大台・日出ヶ岳』 奈良県・三重県
台高山系(吉野熊野国立公園) 1695m コース難度 ★ 体力度 ★
大台・正木ヶ原より
広がる空を望む
《メインサイトより抜粋》
『関西の尾瀬』といわれる大台ケ原。 ここは、トウヒ林をはじめとする原生林の宝庫である。
大台ケ原は日出ヶ岳 1695メートル を中心とする台地状の山塊で、《牛石ヶ原》・《正木ヶ原》などの草原台地を抱く。
大台ケ原は日出ヶ岳 1695メートル を中心とする台地状の山塊で、《牛石ヶ原》・《正木ヶ原》などの草原台地を抱く。
この素晴らしい景観を抱く大台ケ原の中でも、特にお薦めしたいのは、《大蛇嵓》・《千石嵓》といった大岩壁からの景観で、これら“”の先端に立つと足元は1000mはあろうか・・という大絶壁の奈落の底で、思わず足も竦み震えさえ感じるだろう。
また、深く切れ込んだ谷の向こう側には、落差が我が国第二といわれる《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》が250m以上という瀑布を掛け、その轟きは遙か遠く離れたこのまで響き渡っている。
これらの滝は、滝見尾根から間近に見る事もできる。
また、深く切れ込んだ谷の向こう側には、落差が我が国第二といわれる《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》が250m以上という瀑布を掛け、その轟きは遙か遠く離れたこのまで響き渡っている。
これらの滝は、滝見尾根から間近に見る事もできる。
大台ケ原周遊ルート行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
吉野町・上市より車(1:30)→大台駐車場(0:45)→大台・日出ヶ岳(0:40)→シャクナゲ平
(1:00)→大台・日出ヶ岳(1:10)→大蛇嵓(1:10)→大台駐車場より車(1:30)→吉野町・上市
今回は、『関西の尾瀬』といわれる大台ケ原を、トレッキングを主として訪れてみよう。 その前にアプローチの事であるが、『大台ケ原』には1000台は収容できる大駐車場がある事、大和上市駅からの定期バスが1日2本しかない事を検討すれば、絶対的にマイカーでのアプローチが有利であろう。
そして、余裕を持って『大台ケ原』を散策するなら、前日アプローチは譲れない条件となろう。
これは、『日本百景』で取り上げているどの景勝地にも当てはまる事であるが。 それでは、前日に《大台駐車場》までアプローチをして、『大台ケ原』最高峰の日出ヶ岳で御来光を仰ぐ、ちょっと贅沢なプランで進めていこう。
(1:00)→大台・日出ヶ岳(1:10)→大蛇嵓(1:10)→大台駐車場より車(1:30)→吉野町・上市
今回は、『関西の尾瀬』といわれる大台ケ原を、トレッキングを主として訪れてみよう。 その前にアプローチの事であるが、『大台ケ原』には1000台は収容できる大駐車場がある事、大和上市駅からの定期バスが1日2本しかない事を検討すれば、絶対的にマイカーでのアプローチが有利であろう。
そして、余裕を持って『大台ケ原』を散策するなら、前日アプローチは譲れない条件となろう。
これは、『日本百景』で取り上げているどの景勝地にも当てはまる事であるが。 それでは、前日に《大台駐車場》までアプローチをして、『大台ケ原』最高峰の日出ヶ岳で御来光を仰ぐ、ちょっと贅沢なプランで進めていこう。
日の出の1時間ちょっと前、まだ空の端が少し白くなった頃に出発しよう。 ケヤキやブナ・トウヒの樹木が生い茂る薄暗い中を登っていく。 まだ薄暗い上に、これら樹木に麓の灯も隠れてしまうのでカンテラは必需品だろう。 山頂までの道のほとんどが丸太をかました階段で、足下はまず心配しなくていいだろう。 約40分程で《正木ヶ原》からの道と合流して、あと一投足で日出ヶ岳 1695メートル の頂上だ。
大台ケ原最高峰・日出ヶ岳より
御来光を望む
頂上にはコンクリート二階建ての展望台があり、屋上では先着のハイカー達が日の出の瞬間をカメラに収めようと陣取っている。 待つ事一時・・。 御来光が、《宮川ダム湖》の辺りから現れる。
しばらく、朝日のおりなす美しい情景に浸ろう。 この『大台ケ原』は日本でも有数の降水量を誇る所なので、雲海も多く発生するのである。 また、周りの立ち枯れした樹木に光が当たると美しい色彩を放つ。 これらの情景を上手く取り入れると、叙情的な作品を得る事ができそうだ。
かぎろい色の空と
真綿の天海がおりなす山の夜明け
天海を背景に
枯木が神秘的に映える
朝日の撮影が一段落着いたなら、『大杉谷』の方向へ下っていこう。 目的は、この下の《シャクナゲ平》に咲き競うヤマシャクナゲの群落である。 日出ヶ岳の頂上から、『粟谷小屋へ』を示す道標の通りに直進する。 頂上からグングンと下る容赦のない坂だ。 これを『大杉谷』探勝に続いて登ってくると、結構辛いかもしれない。
所要40分・標高差200m程下ると、シャクナゲが群落を競う《シャクナゲ平》に着く。 “平”と地名はついているものの小さな山間の小空地で、開花シーズンであればそれと判るが通常はただの樹林帯の中で、シャクナゲの葉の特徴などを把握していないと通り過ぎてしまう所でもある。
所要40分・標高差200m程下ると、シャクナゲが群落を競う《シャクナゲ平》に着く。 “平”と地名はついているものの小さな山間の小空地で、開花シーズンであればそれと判るが通常はただの樹林帯の中で、シャクナゲの葉の特徴などを把握していないと通り過ぎてしまう所でもある。
5月下旬ともなると
シャクナゲが山野に咲き乱れる
ちなみに、シャクナゲの花は葉が濃い緑なので、露出補正に苦労する被写体と思うのだが如何に。
シャクナゲをカメラに収めたなら、往路を登っていく。 これ位の傾斜を一発こなせば、体も“山歩き”モードとなり動きやすくなるだろう。 日出ヶ岳の山頂に戻って、今度は『大台ケ原』を右周りに周遊していこう。
正木ヶ原より
熊野灘を望む
まずは、トウヒの立ち枯れ木が林立する《正木ヶ原》だ。 美しい山なみの眺めと《尾鷲灘》の海も望める展望の良さ、美しい枯れ木立と朝の光、全てが魅せる情景だ。 この最も『大台ケ原』らしい風景を魅せる《正木ヶ原》を下っていくと、トウヒの樹林帯深くに入り込んで《鷲尾辻》という遊歩道との合流点に出る。 鹿などの獣に食われたのであろうか、下の方が剥がれ落ちたトウヒ林が目立つ木立の中を歩いていく。 たぶん、窩を追われ、食い物も底を着いた獣達が極まって食したものだろう。
ケヤキ・トウヒ・ブナの原生林が
光を浴びて幻想的な情景を魅せる
自然破壊の警鐘を、このような形で自然は訴えているのであろうか。 スキー場などの大規模開発は山系そのもの・・、そして我々の未来における生存を脅かすものであるという事を。 自然を破壊して成り立つ低次元の娯楽のどこが“スポーツ”なのか?という事を。 自然は、その事をこのような形で問いかけているのだと思う。
馬も酔う!?
馬酔木(アシビ)の花
やがて、薄暗いトウヒの樹林帯から、広く開けた《牛石ヶ原》に出る。 ここは、馬酔木の大群落が印象的であった。 この《牛石ヶ原》は小規模ながら高層湿原を形成していて、池塘が数ヶ所点在している。
また、大台・牛石伝説の主人公・神武天皇の銅像が、《牛石》と遙か《熊野灘》を望んで立っている。
広い高層湿原の《牛石ヶ原》を越えるとブナの林やシャクナゲのお花畑を経て、いよいよ景観“イチ押し”の《大蛇嵓》である。
広い高層湿原の《牛石ヶ原》を越えるとブナの林やシャクナゲのお花畑を経て、いよいよ景観“イチ押し”の《大蛇嵓》である。
大蛇より望む大峰山群の眺め
足下は垂直高低差
足下は垂直高低差
1000m以上の断崖絶壁だ
高低差1000mといわれる大岩崖の端に立つと、景色がどうこういうよりも気が動転して、心なしか鼓動が高まっていくのが自覚できるだろう。 そして、何か判らぬまま下に吸い込まれていきそうな気がする。 この惑いの“力”に耐えて辺りを見まわすと、何とか我を取り戻して素晴らしい景色が目に入ってくる。
落差250m以上と
いわれる大台・中ノ滝
対岸に白布を掛ける《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》。 裕に落差250mを越える大瀑布が、こんなにも惜しげなく山峡に轟音をこだまさせて無造作に投げ出されている。 何と贅沢な眺めなのだろうか。
また、大峰山系の山なみのうねりや《千石嵓》・《セイロ嵓》などの大岩盤も見応え満点だ。
ここは足が竦んだ瞬間に一瞬だけタイムトラベルして見る世界と、惜しみなく投げ出される素晴らしい情景と“一粒で二度美味しい”楽しみ方ができるのである。
《大蛇嵓》で素晴らしい眺めを目に焼きつけたなら、後は駐車場までゆっくりと戻るだけだ。
途中で《シオカラ谷》という《大台・東ノ滝》の大瀑を従えた沢を渡る。 この《シオカラ谷》の左岸を伝っていくと、『滝見尾根』から《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》を望めるのだが、現在は尾根が崩れて通行禁止との事である。 残念だが、今回は吊橋から降りて沢の清流で汗を拭くのみにとどめておこうと思う。
また、大峰山系の山なみのうねりや《千石嵓》・《セイロ嵓》などの大岩盤も見応え満点だ。
ここは足が竦んだ瞬間に一瞬だけタイムトラベルして見る世界と、惜しみなく投げ出される素晴らしい情景と“一粒で二度美味しい”楽しみ方ができるのである。
《大蛇嵓》で素晴らしい眺めを目に焼きつけたなら、後は駐車場までゆっくりと戻るだけだ。
途中で《シオカラ谷》という《大台・東ノ滝》の大瀑を従えた沢を渡る。 この《シオカラ谷》の左岸を伝っていくと、『滝見尾根』から《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》を望めるのだが、現在は尾根が崩れて通行禁止との事である。 残念だが、今回は吊橋から降りて沢の清流で汗を拭くのみにとどめておこうと思う。
滝見尾根から望む大台・中ノ滝
西ノ滝は滝飛沫が虹を掛けていた
汗を清流に流して数々の情景を思い返したなら、後は駐車場への坂をイッキにスパートするのみだ。
ひと汗かいた後の体なら、ほんの25分程で駐車場にたどり着ける。 駐車場に戻って残された課題はただ一つ、安全運転と無事帰宅だ。 これを成し遂げて、はじめて胸を張って山行を終える事ができるのである。
ひと汗かいた後の体なら、ほんの25分程で駐車場にたどり着ける。 駐車場に戻って残された課題はただ一つ、安全運転と無事帰宅だ。 これを成し遂げて、はじめて胸を張って山行を終える事ができるのである。
※『滝見尾根』を西ノ滝の滝直下まで探勝する機会がありましたので、その様子をコチラに記載
しました(下の画像は滝見尾根より望む西ノ滝・中ノ滝)。
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