風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第50回  石鎚山

名峰百選の山々 第50回  『92 石鎚山』  愛媛県  石鎚山系(石鎚国定公園) 1982m 
コース難度 ★★★  体力度 ★  〔厳冬期〕
 

尖峰を突き出す西日本最高峰
石鎚山・天狗岳
春のリベンジにて
 
  《メインサイトより抜粋》
標高1982mの石鎚山は、西日本の最高峰。 石鎚山は、遠く奈良時代に役行者によって開かれたといわれる。 それ以来、霊山として、修験道の行場として、多くの信者を迎え入れてきた。 

さて、登山の事であるが、この石鎚山の名物といえば“鎖場”であろう。 山頂までに3つの長い鎖場があり、中でも《三ノ鎖》は長さ62mとバリエーションに富んだ登山コースを行くのである。
 

石鎚山登山ルート行程図
 
   行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR伊予西条駅よりバス(0:55)→石鎚ロープウェイ・山麓下谷駅よりロープウェイ
     (0:10)→山頂・成就駅(2:45)→ニノ鎖小屋(0:50)→石鎚山最高点・天狗岳
     (0:35)→ニノ鎖小屋
《2日目》 ニノ鎖小屋(0:50)→石鎚山最高点・天狗岳(0:35)→ニノ鎖小屋 
     (2:15)→山頂・成就駅よりロープウェイ(0:10)→山麓下谷駅
     (0:55)→JR伊予西条駅
 
  《1日目》 成就社より石鎚山最高峰へ
山が好きな旅人が四国を旅するなら、真っ先に訪れたい所がこの石鎚山であろう。 今回は、最も最短距離で四季を問わず通行が可能な『石鎚山表参道』コースを使い、なおかつ2日行程とたっぷり時間を取って名峰・石鎚山を心ゆくまで楽しんでみようと思う。 

石鎚山のアプローチであるが、関西圏からの出発ならば『松山行』の直通夜行列車(臨時列車ではあるが)があるので、これを利用すると土日の週末連休を使っての山行計画も実行可能となる。 
この夜行列車がJR伊予西条駅に到着するのはAM6:00頃。 理想的な時間である。 駅よりバスに乗って1時間足らずで、石鎚ロープウェイの《山麓下谷駅》へ着く。

ここから、標高1300mの《成就駅》まで何の苦労もなく運んでくれるので、夜行列車明けの疲れた体には大いに有効だ。 ロープウェイ駅より冬はスキー場となっている圧轢砂利道(スキー場化されると、自然は破壊されてこうなるのだ・・)を25分程伝うと、《石鎚神社》の《成就本堂》に着く。
 

雪の朝を迎えた
石鎚山・成就本堂
 
ここは石鎚登山や参拝客の宿場街となっていて、通年に渡って食事付宿泊が可能である。 もし、時間と予算に余裕があるなら、宿泊利用すると更に余裕のある山行となるだろう。 《成就社》の大きな山門をくぐると登山開始だ。 もし、晴れていたなら、《成就社》の本堂越しに石鎚山の荒々しい稜線を望む事ができるだろう。 これが望めると、気合も入ってくる。 

さて、ルートであるが、登山道に入った・・といってもいきなりの急登といった訳ではなく、反対に長々と緩やかに下っていくのだ。 これが、延長850mに渡って続く《八丁下り》である。 
森の中にポツンと休憩所跡が見えてくるとこの《八丁下り》も終わり、当然の如く“リバウンド”の上り坂が始まる。
《八丁下り》で、標高にして100m程“損”をした・・という勘定だ。 

ここからは、桟道や丸太階段で失った標高を急激に取り戻していく。 ワテが歩いた〔厳冬期〕では、下り時にアイゼンが丸太に引っ掛かって難儀したものである。 桟道や丸太階段で整備された登山道を1時間少々登っていくと、『試し鎖』とその迂回路の分岐に出る。 この鎖場は下りが直立の大岩下りで、自信のない方や《積雪期》に通過する場合は無理をせずに迂回路を通った方が身の為だろう。
 

ゴツゴツした嶮しさに
“無言の圧力”を示す石鎚山塊
 
『試し鎖』の大岩の向こう側に出ると、《前社ノ森》である。 迂回路を使うと、鎖場通過の1/5位の所要で《前社ノ森》に着く事ができるだろう。 《前社ノ森》には茶屋があり、山開き期間中は飲み物などを販売しているとの事である。 だが、ワテの訪れた冬季には、風雪避けの格好の“テント場”となっていた。
 

石鎚山を望む草原の丘
 
ここから更に丸太階段で標高を稼ぐと、《夜明峠》に出る。 《夜明峠》は樹林に囲まれて視界は悪いが、少し先に進むと樹林帯を抜け出して視界が良くなる。 ここから《ニノ鎖小屋》までが、このコースのプロムナードである。
 

独特の山容を魅せる
瓶ヶ森峰が見渡せる
 
菱形に持ち上がった山頂部を魅せる瓶ヶ森 1897メートル や、対照的になだらかな草原の山・笹ヶ峰 1860メートル のおりなす山岳美の妙や、足下に広がる伊予の街並みと《燧灘》へと続く海原も印象的だ。 もちろん、これより目指す石鎚山も、荒々しい稜線が真正面に立ち迫って迫力満点だ。 
足元はしっかりしているので、カメラ片手に心ゆくまで絶景を堪能しよう。
 

暮れ空に燧灘が浮かんできた
 
真正面に立ちはばかる石鎚山の崖にへばりつく《山頂小屋》がはっきりと視認できるまでに近づくと、《ニノ鎖小屋》下に広がる幕営場の台地の上まで来ている事だろう。 今日の宿泊場所はここだ。 
テントを設営したなら荷物を中にしまって、空身の楽な身なりで石鎚山を往復してこよう。 
なお、《ニノ鎖小屋》より先の行程ガイドは明日の早朝に御来光を望むべく再び登るので、《2日目》に御来光のガイド付で述べたいと思う。 

最後に宿泊形態の事であるが、眼前に小屋があるのに何故テント泊か?と思われるだろうが、これには理由がある。 それは、《ニノ鎖小屋》と《頂上小屋》が’99年7月以降は、建替えの為に長期閉鎖(聞く所によると、建替えに5年程かかるとの事)となるとの事である。 従って、山頂で朝日を望むならテント一式は必需品となるだろう。
 
  《2日目》 西日本最高峰を踏んで下山
朝日を山頂で拝むなら、日の出の1時間半前位にはテント場を出発せねばならないだろう。
しかし、日の出の1時間半前といえばまだ空の縁がうっすらと白み始めた頃で、辺りはまだ真っ暗である。 従って、カンテラ(ヘッドランプ)持参で登っていかねばならない。 

雪のある時期は
“鎖の行”は無謀であろう
石鎚山直下の『三ノ鎖』にて

もちろん、『ニノ鎖』から続く鎖場も薄暗い中では心許ないので、桟橋とハシゴが連なる巻道を行くとしよう。 しかし、これらの“鎖場”は石鎚山の名物でもあるので、鎖場のチャレンジは昨日の内にしておきたいものである。 なお、一番有名なのは頂上直下の『三ノ鎖』で、長さは62mもあるとの事である。

巻道を伝うこと30分位で、《頂上小屋》の下小屋(頂上小屋は上下2ヶ所にある)の前に出る。
ここから『三ノ鎖』のみチャレンジする事もできる。 もし、空がある程度明るくなって視界が利くようになったなら、チャレンジするのもいいだろう。 但し、鎖場の通過にはそれなりの時間が必要なので、“登ったはいいが日の出は見逃した”なんて事にならぬように。

さて、巻道は『三ノ鎖』の大岩壁を半周するようにして乗り越える。 この岩壁を乗り越えると、《頂上小屋》の上小屋だ。 そして、小屋の屋根の方へ周り込むように上がると、《石鎚神社》の奥宮の祠がある弥山山頂 1974メートル だ。
 

石鎚神社・奥宮の祠


春に見た弥山より
ニノ森の山なみ 
 
ここまで巻道を使って約35分位だ。 時間に余裕があればひと足先に延ばして、御来光は是非にも西日本最高峰の天狗岳 1982メートル で望みたいものだ。 だが、弥山から最高峰の天狗岳までの15分は鎖の設置されていない痩せた岩場で、ナイフリッジの続く岩場の通過は岩場の心得がないと冷汗ものである。 特に積雪期などはアイゼンワークを知らないと、筆者が体験したように“心の凍る心地”となるのでくれぐれも無理をなさらぬように。
 

あいにくこの日は
降雪と深い霧に包まれていた
 
さて、お待ちかねの御来光であるが、今回は“あんなに!?努力!?した”にもかかわらず、雪と氷の“白霧の世界”であった。 なお、春に御来光を拝むべくリベンジを実行したので、項末の掲載写真で春の情景を一つまみ御紹介したいと思う。
 

春のシベンジで
ようやく拝めた御来光
 
・・下山は、余裕があれば鎖場を下るのも良し、安全な巻道を通るも良し・・である。 テント場に戻ったなら、テントを撤収して往路を忠実に下ろう。 ゆっくり下っても、昼前にはロープウェイ駅に着けるだろう。 下山後の温泉は、“足を延ばして道後温泉へ”というのが旅の“通”だろう。

    ※ 詳細は、メインサイトより『石鎚山』を御覧下さい。
 
 
 
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