風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰次選の山々 第6回  飯豊・北股岳

名峰次選の山々 第6回 『127 飯豊・北股岳』 新潟県・飯豊山系(磐梯朝日国立公園) 2025m
コース難度 ★★★ 体力度 ★★★★
 

山岳美を魅せる北股岳
 
名峰次選の第6回目は、飯豊連峰の孤峰と呼ばれる朳差岳と飯豊北部の最高峰である飯豊・北股岳を登ってみよう。 なお、この山行は長丁場となるので、第6回を飯豊・北股岳、第7回を朳差岳と分けて御紹介しようと思う。
 
登りに使うルートは《梶川尾根》だが、できればこのコースは登りでは使いたくないのが心情である。  
それは、このルートが別名『心臓破りの一般ルート』と呼ばれる位にキツイルートで、ワテ自身は帰りに下りで使った事があるのだが、下りでさえも炎天下で焼かれて軽い脱水症状を感じた経験があるからだ。
 
そして、その時に見た登高者が完全にヘバってダウンして、水場の所でテントを張ってビバークしてたのを見たような、見なかったような・・の記憶もある。 そして、石転ビの雪渓は、名峰百選の飯豊山と飯豊・大日岳で使う・・という筆者の都合もあるので致し方ないだろう。←どこが致し方ないのだろう?
 

この画像の真ん中位から延びる尾根が
“心臓破りの初心者コース”と
云われる梶川尾根デス
                                 
   行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 飯豊山荘(2:30)→湯沢峰(3:20)→梶川峰(1:45)→門内小屋
《2日目》 門内小屋より飯豊・北俣岳往復 所要2時間、門内小屋(1:45)→頼母木小屋 
     (0:40)→大石山(1:35)→朳差小屋・朳差岳へは小屋から5分
《3日目》 朳差小屋(1:25)→大石山(0:35)→頼母木小屋(0:50)→丸森尾根分岐
     (3:30)→飯豊山荘
 
  《1日目》
今日はキツイルートを登高するので、夜明けと共に登高開始しよう。 ワテが訪れた時は雨は止み、空は限りなく曇天であった。 考えようによれば、のっけからこのキツい急坂を登るのにピーカン照りだと、直に干上がってしまう。 なので、この尾根を登るにあたっての条件としてはベストなのかもしれない。
 
約2時間の登高を経て、「ある程度登ったろう」、「少なくとも水場までは1時間以内の所までは来ただろう」と“都合の良い事”が頭を支配し始めた頃、道標の立つ峠地形の広場に登り着く。 ここでザックを下ろし、地図を“見るんじゃなかった”。 《湯沢峰》は、標高1000mちょっと。 予想では少なくとも1300mは登っている感覚だったから、その失望感と心理的ダメージはかなりデカい。やはり、雪渓コースは尾根直登に比べて、標高差が気にならない程に楽なルートなのだ。

この湯沢峰からコブを乗り越えるが如く軽く下って、またそれなりの傾斜で登っていく。 そして、次のポイントである《滝見場》に到達するのだが、それなりに歩いてそれなりに登った負荷が身体に圧し掛かっているにも拘らず、地図上での標高差は僅か100mちょっとしか登っていない。
 

本当だったらこんな感じに
雪渓が見えるのだが
今回は滝が増水して濁流になってたよ

ちなみに、この《滝見場》は梅花皮ノ大滝を望む展望所であるが、「今はそれ所ではない!」と付け加えておきましょうか。 途中で雨が本降りとなり、疲れた体を雨が打つ中を登っていく。 
そうこうしながら《湯沢峠》から2時間20分という時をかけて、ようやく水場の《五郎清水》に着く。

水場は冷たく良い清水が湧き出しているのだが、ちよっと登山道からは遠い。 しかも雨の中、ヤブとルンゼを伝ってかなり下に下りていかねばならない。 ヘタッている身には結構キツい。 
でも、まだ梶川峰まで標高差にして300mあるので、行動水は絶対に必要だろう。 なので《五郎清水》で1リットル程汲みなおし、ズブヌレのTシャツを脱いで上半身素肌になって、その上にカッパを着る。 そうでもしないと、蒸れて不快この上ないから。

さて、荷は重くなったが少し体は復活して、梶川峰へ最後の登りとなる。 この梶川峰にさえ登ってしまえば、もうさしたる登りはない。 キツい登りはなくなるが、今日のような悪天の時だけの『特別御奉仕』があるのは後ほど語るとしようか。

・・そして、ようやく何の感動もなくいきなり飛び出る感じで、梶川峰 1692メートル の殺風景な標柱サークルの上に出る。 もう、あまりにも感慨がなくて、ここは立ち止まる事なく通過。

梶川峰を過ぎると過去に通った記憶の通り、稜線上の広い砂礫帯を緩い傾斜で行くようになる。
また、マツムシソウやツリガネシャジンを中心としたお花畑もチラホラと見え始める。 
だが稜線に出た事で、時折吹っ飛ばされそうなく位の暴風雨がアゲインストで吹きつけてくる。 これが、先程に予告した“今日のような荒天の日だけの『特別御奉仕』”である。

でも、ここまでズブ濡れとなり、ヘタるだけヘタったので、「もう、今更の暴風雨位」と開き直れる。
現に、暴風雨が吹きすさむ中、“少しでもバテを解消する為に”との名目で、平らな岩に腰掛けてパンをかっ食らっていた位である。 

さて、あまり美味くなく、前を向くと勝手に口に入る雨水で水っぽいパンだったが、とにかくカロリーは取った。 そして、何となくであるが、バテとヘタリも消えてきた。 疲れというのはやはり“気持ち”が大きなウェートを占めるもので、暴風雨の中での行動に考えを集中させると、“疲れ”に気をまわす事がなかった・・というか、疲れていた事を忘れていたかのような錯覚さえある。

やがて、主稜線との交点となる《扇ノ地紙》という所に出て、ササに覆われた回廊のような縦走路を行くようになる。 これは暴風雨が避けれるからラッキーと思ったが、最後の最後に門内小屋の手前で大岩を巻くヘツリ場が現れて難儀する。 岩場の足元が細い所で、下からの突き上げ暴風雨が吹き上げてくるからである。 普段は何でもない岩場なので鎖などはなく、風に煽られるとヤバい場面だった。 何でも、そこが《門内小屋》の水場らしい。

ここは、「水は何とかなるが、風に煽られて吹き飛ばされたら何ともならん!」と、これを越える事だけに集中する。 トラバースの基本である三点支持を駆使して何とか2度の“凌ぎ”だけで伝い渡る事ができた。 この天候の悪い時だけの難所を伝い渡ると、小屋の建物が見えてきてひと安心。

予定では《梅花皮小屋》であったが、この暴風雨の中で稜線を伝うのはちとヤバ過ぎるので、文字通り“避難小屋”のお世話になるしかないだろう。 到着は13:20頃。 行程時間は、7時間40分だった。

着いたら、即効乾いた服に着替えて昼寝。 台風の如くの暴風雨で、小屋はビシビシと唸っていた。
まぁ、今日を乗り切ったから、明日は『台風一過』のいい天気だろう。
 
  《2日目》
今日は北股岳の往復は空身で、総歩行時間6時間と比較的に楽な行程であるのだが、これから続く絶景とお花畑の目白押しに、ついつい足が立ち止まってしまう事だろう。 従って、山の鉄則通りに“早発”を心掛けよう。
 
飯豊連峰に咲く花々

           キジムシロ         ハクサンイチゲ      タカネスミレ 
 
門内小屋よりは緩やかな笹の丘を抜けて、《ギルダの丘》というお花畑を見ながらその草原の端からガレた斜面をイッキに登ると、連峰北部の最高峰・北股岳 2025メートル だ。 この頂に立って波がうねったように連なる《胎内尾根》を目にすると、飯豊連峰の山の深さ・・、そしてその重厚さをひしひしと感じ取る事ができるだろう。 十分に飯豊やまの山なみを堪能したら、往路を《門内小屋》へと戻ろう。
 

飯豊・北股岳頂上は
濃いガスに覆われていた
 

少し待つと
急速にガスが晴れて
 

心が震える情景を魅せてくれた
この光景には我を忘れたよ
何たって昨日の大雨に打たれた“体験者”だもの
 

朝露を浴びて輝く
マツムシソウ

ここから先は、次回の『名峰次選 第7回 朳差岳』に引き継ぐとしよう。
 
   ※ 詳細はメインサイトより『飯豊連峰縦走・ヘタレ山行』をどうぞ
 
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