2012-01-20 (Fri)✎
『オホーツク縦貫鉄道の夢』めぐりのハズが・・、北海道の無意味なたらい回しツアー その2
行程記録
《前夜》 大阪より夜行バス→東京・池尻大橋
《1日目》 池尻大橋→大門(浜松町)→羽田空港→釧路空港→釧路→根室→道の駅・根室スワン44
《2日目》 根室スワン44→温根沼→野付半島→中標津→美幌峠→卯原内→佐呂間→中湧別→
道の駅・紋別
《3日目》 道の駅・紋別→コムケ湖→興部→日ノ出岬→雄武→北見枝幸→ウスタイペ千畳敷→
北見神威岬→沼川→宗谷岬→ノシャップ岬→抜海→勇知
《4日目》 勇知→稚咲内(サロベツ・オロロンライン)→筬島→美深峠→添牛内→雨竜→札幌→
道の駅・えにわ
《5日目》 道の駅・えにわ→インクラの滝(雪深く断念)→勇払→あつまの湯→道の駅・むかわ
《6日目》 道の駅・むかわ→豊郷→節婦の浜→豊郷→苫小牧→札幌→千歳空港→関西空港→自宅
バリバリに凍った車のフロントガラスをデフロッサーで解かすのに30分以上かかるので、取り敢えず4時半起きとしよう。 今年は暖かく、車内温度は1℃位だ。 風の吹きっさらしの1℃と違って、かなり暖かい。 まぁ、去年は、糠平で車内温度-14.5℃(外は-18~19℃)を耐えているから、+1℃なと春先みたいなもんである。
デフロスターがフロントガラスの氷を徐々に解かしていく。 その様はシダ植物が分裂しているようで、なかなかコスモチックである。 まぁ、どうでもいい事なのだが。
さて、その間に食事とトイレを済ませて、去年に夜明けの情景で魅せられた温根沼に向かうとしよう。
出発は5:40位・・。 この温根沼は、宿泊(というより停留)地より3km程離れているだけだ。
また、車を止めるスペースも心配ないくらいにあるので、ロケーションとしては心置きなく撮影できる。
だが、天気が頂けない。 雪混じりのドン曇りであった。 予定通りの飛行機にキチンと乗れていれば、昨日の昼から夕方にかけて春国岱で野鳥撮影に勤しむつもりであったが、今回は春国岱の撮影はポシャるわ、温根沼は朝日が拝めないわ・・と、のっけからの『散々なデキ』の状態が継続中である。
7時半位(日の出は7時前後)まで粘ったが、空は更にドン曇りとなっていちるの望みも断たれたので、撤退を始める。 なぜなら今回は、『オホーツク縦貫鉄道の夢』の現状を追うべく、オホーツク沿岸を北上するのである。
それは、ここ根室から稚内まで600km以上あり、それを2日がかりでめぐっていかねばならないからである。 つまり、時間の余裕がほとんどない、旅としてはお粗末な行程計画なのだ。 今思えば、そんなお粗末な行程で、いい情景やシーンが拝めると思う方が認識が甘いのである。
さて、撤退と決めたら、『オホーツク縦貫鉄道』が駆けた道のりをできるだけ忠実に北上していこう。
R44で標津線の分岐駅であった厚床まで進む。 道に雪は、ほぼ乗っておらず走りやすい。
厚床のセイコーマートでお食事を買い込んで、標津線ルートのR243に入っていく。
ちなみに厚床駅は、建替えられて『オホーツク縦貫鉄道』を語る上では“今イチ”の様相なのでパスとした。
さて、標津線の遺構が保存されている奥行臼であるが、完全に“見落とした”のである。
何の目的でやって来たのだろうか?と、筆者自身が問いたい位の華麗なる見逃しである。
でも、現役時代の写真があるので、まぁいいか・・って事で、反省もナシに流す。
現物があるのでまぁいいか
現役時代の奥行臼駅
この見逃しで完全に標津線を追う気が失せて、R243よりR244に乗り換えて尾岱沼方面に向かう。
天気は北上すればする程に悪くなっていくようだ。
こんなのを期待したのだが
四半世紀前の尾岱沼にて
尾岱沼の展望台のある『道の駅・おだいとう』についた頃は、完全な雪空となっていた。
また、期待した白鳥は全くおらず、野付湾が鉛色の水を湛えているだけであった。
なので、ここもトイレのみで出発する。
そして、このエリアの最後の砦が、次に向かう野付半島である。 野付半島へは茶志骨という所から分岐する道道950号線を北上していくのであるが、通ってみるとあらビックリ。 今までアイスバーンだった国道244号に対して、格下の道道950号線は除雪がなされて、黒いアスファルトが見えているではないか!
やはり、この道は観光道路で、生活道路よりも除雪が優先されているのだろうな・・と思う。
そういえば、すれ違った車の半分近くが『わ』ナンバーのレンタカーだったみたいだし。
さて、この道路を10km程いくと、《ナラワラ》の看板が現れる。 左は荒涼とした眺めのオホーツク、右はツンドラのような情景を魅せるナラワラである。 それでは、『今回撮った写真』の初の御披露といこうか。 まぁ、『披露』というより『疲労』な写真であるのだが。
さて、狙ったのは、野付湾の野鳥である。 まぁ、最大210mmでは、何が写ってるかが解らんが、それでも写真撮りとしての魂は無くしたくない。 現物が存在しない哀れな偽物・デジタルを使って、虚実を手に入れるという事は絶対にしたくないのだ。 まぁ、これは、偏固なワテの考えなので悪しからず。
野付半島で出会えた野鳥たち
後は、野付半島の岬である竜神岬まで車道を行き、一般車通行止の駐車スペースで岬灯台を撮って引き上げる。 なお、雪が吹き付けていて岬灯台までいくのは億劫だったので、遠目から灯台を撮ったのみである。
何か、粘りや張り合いがないようになったね。 あぁ・・、年月の流れは、ヘタレを更にヘタらせるのである。 あるのは、平家物語のあの文句・『ひとえに風の前の塵に同じ』である。
観光地の灯台にしては殺風景な
野付・竜神岬灯台
今はまだ昼前だ。 これより国道に戻って根北峠を越える予定だが、標津に入る前に道路状況を示す電光板
が「根北峠は積雪の為、通行止」を掲示している。 これで、早めの網走着は不能となった。
迂回路が美幌峠を通るR243で、かなりの遠回りとなるからである。
でも、なだらかで標高も低い根北峠が通行止なのに、なして美幌峠は通れるのだろうね。
やはり、周囲がゴーストタウンの根北峠と屈斜路湖を控えた観光道路の美幌峠の違いだろうね。
昼過ぎに着いた美幌峠は、小吹雪で視界ゼロで、真っ白けの状態だった。 でも、道の駅とレストハウスは開いてたよ。 ここで急に暖かいモノが食いたくなって、「ラーメン一丁!」した。
まぁ、根北峠がダメだったので、根北線の遺構は撮れず終いとなったが、これもストックがあるのでまあいいかって事で。 美幌峠を下って美幌に出た頃はもう3時前、もう夕暮れどっぷりの時間帯だ。
緯度の高い北海道では、冬では2時半はもう夕方の勢いがあるのだ。 天気のいい時など、斜光が差してきて夕方の情景を魅せるのである。 そして、今日は雪が降ったり止んだりで、写真は撮れそうにない。
ギリシャ神話の神殿でも見てるかのような
廃止されてから国の重文となった『通らずの橋』
・・と言う訳で、後は移動のみです。 卯原内の湧網線資料館は、雪がキツくなってるし、閉館っぽいし・・でパス。 佐呂間駅跡の資料館も吹雪いて車外に出るのはヤハめだったし・・、こんなに吹雪いては、残ってるかどうかも定かでない廃線遺構めぐりなどできそうもないし・・、計呂地駅跡に着いた4時過ぎは、夜そのものの暗闇だったし・・である。
で、5時ちょっと過ぎ、美幌峠を迂回したにしては早くに中湧別駅跡の『道の駅・なかゆうべつチューリップの湯』に着く。 駅にあった跨線橋をそのまま切り取って展示しているようだ。 でも、冬季は公開していないようで、展示車両はビニールシートで包まれていた。 冬期は常時雪が舞うこの地では、「さも有りなん」って事だろう。
さて、取り敢えず目的である『チューリップの湯』に入って駐車場を見渡すと、どうも車寝するには賑わい過ぎるな・・という事で、ここでの停留・就寝はパスする。 まだ5時半過ぎだし、紋別まで向かう事にしよう。
取り敢えず、湧別駅跡の消防署に立ち寄ってから紋別に向かう。 立ち寄った湧別駅跡は、どこにでもあるコンクリートの官公庁舎であった。 ともすれば、「湧別駅ってこんなに広大な敷地だったの?」と思う位に、道路を挟んで左右に広がっている。 そして、目的の駅跡のモニュメントは、雪に埋もれていた。
夜半過ぎ(6時前は、大通り以外は街灯のみの夜半過ぎ状態デス)にこれを掘り返すのは、傍目から見れば変質者そのものなので自重する。 従って、旅立ち前では高い目的であった『湧別駅跡』は、撮れずじまいとなってしまった。
後は、紋別まで完全アイスバーンを伝って、紋別郊外の『道の駅・紋別』へ。
この『道の駅』は国道より離れたスポーツセンターの敷地内にあり、冬季は閉鎖状態のプールの建物が見える位置にある。 従って、冬は流氷船・ガリンコ号の運行時以外は、あまり利用者のいない『道の駅』なのである。 ・・という事は、穏やかな就寝が期待される良い停留場なのである。
セイコーマートで出来立てのカツ丼を購入して、かっ食らって、7時過ぎにはシュラフに潜り込む。
今日も暖かく、車内は氷点下に落ちなかった。 寝着いた8時から翌朝5時まで、9時間爆睡したよ。
※《3日目》は、次回(その3)にて・・
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No title * by yun**ake200*
荒涼として厳寒のオホーツクと思えば、淡い色があって、ロマンあふれる光景ですね。動物たちが生き生きと写っているためでしょうか?それとも夕景色が近いせいでしょうか? 何にしても、ポエムを感じる写真ですね。
No title * by 風来梨
こんばんは。
去年に初めて訪れた春国岱での体験は、私の撮影観を大いに変えました。 北の野鳥やエゾシカの躍動する姿を撮ってみたいと・・。
でも、今までの冬の被写体の鉄道も捨てがたい・・って事で、「2兎追う者は1兎を得ず」となってしまったのが今年の状況です。
それで、早くも「来年こそは・・」と思っています。
去年に初めて訪れた春国岱での体験は、私の撮影観を大いに変えました。 北の野鳥やエゾシカの躍動する姿を撮ってみたいと・・。
でも、今までの冬の被写体の鉄道も捨てがたい・・って事で、「2兎追う者は1兎を得ず」となってしまったのが今年の状況です。
それで、早くも「来年こそは・・」と思っています。