風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第46回  木曽駒ヶ岳・宝剣岳

名峰百選の山々 第46回  『67 木曽駒ヶ岳 、 68 宝剣岳』  長野県
木曽山系(中央アルプス県立自然公園) 木曽駒ヶ岳 2956m 、 宝剣岳 2931m 
コース難度 ★★★★  体力度 ★★ 〔厳冬期〕
 

冬山暮色
雪山は夕暮れに
素晴らしい色彩を魅せてくれる
 
 《メインサイトより抜粋》
中央アルプスは南北アルプスの間に連なる“木曽山脈”の総称で、高さも南北アルプスのそれにひけをとらない。 最高峰は木曽駒ヶ岳 2956メートル で、そのすぐ横に剣先の如く鋭く尖った頂を魅せる宝剣岳 2931メートル が並ぶ。 また、この中央アルプスの山々は氷食が著しく、鋭く尖った峰を持つ山が多いのが特徴である。
 

木曽駒ヶ岳・宝剣岳の厳冬期 行程図
 
   行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR駒ヶ根駅よりバス(0:50)→しらび平よりロープウェイ(0:10)→千畳敷 
     (1:00)→浄土乗越
《2日目》 浄土乗越(0:30)→木曽中岳(0:40)→木曽駒ヶ岳(1:10)→浄土乗越 
     (0:25)→宝剣岳(0:30)→浄土乗越(1:10)→千畳敷よりロープウェイ 
     (0:10)→しらび平よりバス(0:50)→JR駒ヶ根駅
 
 《1日目》 千畳敷カールより中央アルプス稜線へ
夏ならば日帰りでもこなせる初心者コースを、正月のいわゆる〔厳冬期〕に挑んでみよう。 
もちろん、ある目的も兼ね備えてである。 《しらび平》からのロープウェイは、朝9時から動き始める。 これに乗るべくJR駒ヶ根駅始発のバスに乗り込もう。 

僅か1時間ちょっとの登山では時間が余りすぎる・・と思われるだろうが、稜線上の天候次第ではビバークや天候待ち、そして最悪の場合は登山断念も有り得るのである。 従って、千畳敷カール駅に到着した時点での天候の“見極め”が大変重要になってくる。 この“見極め”を余裕を持って的確に行なう為にも、始発のロープウェイに乗りたいものだ。 

さて、千畳敷カール駅での“見極め”で『行ける』と判断したなら、アイゼン(もちろん、10本爪以上の前爪付を使用する事)をしっかり靴に装着して、ピッケルを必ず持って(スキーストックは不可)、気を引き締めてロープウェイ駅の建物から“ゲレンデ”に飛び出そう。
 

冬の宝剣岳は
見上げるだけでも満足
 
《千畳敷カール》から《宝剣山荘》の建つ《浄土乗越》までは標高差250m、所要1時間強の急登だ。 
ここで注意しないといけないのは、“雪崩”である。 これに巻き込まれたなら、まず助からない。 
そして、この“雪崩”は天気の良い、いわゆる『小春日和』に発生しやすいので厄介だ。 この事からも安全な場所で登山情報を分析し、雪の状態や天候を判断する“見極め”が重要になってくる。
 

夏は“花のうつわ”となる
千畳敷カールも
白銀と岩峰の世界だ
 
また登り道も、《夏道》のようにジグザグを切っている訳はなく、アイスバーンの“滑り台”の直登なのである。 転倒すると滑落に直結するので、夏道のように“うっかり”転倒もできない。 そして、ルートファインディングにも神経を使わねばならない。 それは、雪庇を踏み抜くとたちまち滑落してしまうからだ。 雪質を見極め、足を踏み出す場所を決めて登る一歩一歩が重要となる。 雪の上では単なる“歩く”という行為が、これ程奥深いものに変わるのか・・と改めて感じるのである。 

できるだけ確実な踏跡をたどって、忠実に登っていこう。 なお、山々の素晴らしい眺めは、出発時か下山の後に安全な場所で撮る事にしよう。 当然の事だが、登っている最中は“カメラ”どころではないだろうから。 たぶん、午前中に《宝剣山荘》の建つ《浄土乗越》に登り着く事ができるだろう。
 

伊那前岳より望む
南アルプスの山なみ
 
余裕があれば、木曽駒ヶ岳の往復や伊那前岳へ足を延ばすといいだろう。 ただ、冬の山の稜線は、白銀一色に覆われていてリングワンダリングに陥りやすいので注意しよう。 縦走路から外れた所にそびえる伊那前岳 2883メートル からの眺めは、また格別だ。 白銀をまとった宝剣岳の鋭い剣先が輝き、それに連なる稜線の山なみと素晴らしい情景を満喫できるであろう。
 

直射光を受けて
コントラスト豊かに輝く
 
後は、辺りが紅に染まる夕暮れ時を待つのみだ。 その素晴らしきシーンの数々は、掲載写真で“その思い”を語りたいと思う。 この素晴らしき情景を文章で連ねても、“思い”までは語り尽くす事ができないであろうから。
 

          夕暮れに染まりゆく宝剣岳          氷塊とスペクトルの空


厳冬に灼陽が輝く


燃える光は空を紅に染め
山をシャドーに変える
 
 《2日目》 木曽駒ヶ岳・宝剣岳を踏んで下山
さて、“ある目的”を実行するべく、早起きして外に出よう。 正月・・、それも元旦ならば、ある目的にも“ハク”がつくというものだ。 但し、夏山と違って、外に出るのに“羽織一丁引っ掛けて”という訳にはいかない。
 
冬山の朝は、想像以上に厳しいのである。 “快晴”という絶好のロケーションであっても気温はまず氷点下20℃以下であろうし、風もまともに立ち歩けない位の突風が吹き荒れているのである。
この中を“ある目的”を達成する為に、小1時間は耐えねばならない。 素晴らしい景色をカメラに収めるのも、結構苦労するのだ。
 

かぎろい色に染まる
南アルプスの山なみ
 
さて、目的である御来光を眺めよう。 朝、《伊那谷》側の空を眺めてみよう。 南アルプスの山なみが、かぎろい色の空にシルエットで浮かんでいる。 その中程、間ノ岳と塩見岳の中間にひときわ高いコニーデ型の山が見えるだろう。 日本一の標高の山・富士山だ。 この富士山の頂点から、一年の始め・・、元旦の御来光が昇るのである。
 

富士の頂点から
御来光が昇る
 
オレンジ色の空の中、富士山を“指揮者”とする山のオーケストラが視界に広がってくる。 崇高な雰囲気漂う御来光シーンに吸い込まれそうになるが、本当に吸い込まれると《伊那谷》に吹き飛ばされて遭難の“一丁あがり”となるので御用心。 厳冬ならではの素晴らしき御来光を満喫したなら、中央アルプスの盟主・木曽駒ヶ岳へいってみよう。
 
白銀一色の山の稜線が、朝の光を浴びて黄金色に輝く中を歩いていく。 稜線上のトレース(踏跡)は至る所についており、これをたどっていってもあまりアテにはならない。 自分の歩きやすい、そして風の抵抗が最も弱いと自らが思う体勢で歩いていこう。 要は型にはまらず、自分の歩きやすいように歩いていけばいいのだ。
 

木曽中岳頂上にある氷塊
 
白銀のなだらかな斜面を登っていくと、こんもりした木曽中岳 2925メートル の頂上に立つ。 
ここからは、“氷の剣”と化した宝剣岳や南アルプスの名峰がおりなす山屏風、振り返れば盟主・木曽駒ヶ岳とその後に控える重量感あふれる台形を魅せる御岳山、もちろん北アルプスの山なみも見渡せる。
 

深い雪をまとった
中央アルプス主稜線

360°の大パノラマを見ながら、木曽中岳を越えてだだっ広い斜面を思い思いに登っていくと、祠の立つ中央アルプスの盟主・木曽駒ヶ岳 2956メートル の頂上だ。 頂上では景色はともかくとして、突風がすざましい。 隔てる障害物がない分、突風が吹き荒れている。 そのすざましい事。
木曽側から吹き上げる突風が、積もっている雪を巻き上げて“炸裂弾”として襲ってくるからたまらない。
 

荒れ狂う風と
雪の中での“アリバイ”写真
 
木曽側にそびえる御岳山の雄々しい姿を望むにも、この突風ゆえにままならない。 風が強すぎて目を開けられないのだ。 それならば・・とカメラのファインダーを覗いてみると、巻き上げられた雪の“弾丸”が飛び交うのが黒い軌跡として見えるだろう。 これに当たると痛いし、それにファインダーごしにしか望めない景色も今いち感情も入れにくいので“アリバイ写真”のみで引き返したが、本来ならば素晴らしき景色を欲しいままにできるのであろう。
 

バックライト眩しく
宝剣岳と南アルプスが輝く


木曽駒ヶ岳頂上から望む御岳山
 
帰りは小屋の建つ《浄土乗越》まで、往路を忠実に引き返そう。 なお、写真を撮るには、木曽中岳の頂上がいいだろう。 大きな岩の“盾”があり、それを背にすると風がある程度は防ぐ事ができそうだ。 
《宝剣山荘》に戻ってひと息着いたなら、今度は宝剣岳にいってみよう。 
 
但し、雪山経験に基づいた“自信”のある方のみである。 宝剣岳へは鎖場を通過するので、自信のない人は今回は見送りとしたい。 また、地元の山岳遭対協でも、冬の宝剣岳は『登山禁止』と告知しているので、その点も留意しておこう。
 

冬にあの尖がりの上に立つのは
原則的に不可(禁止)なのデス
 
宝剣岳へは、小屋の裏側から《宝剣沢》を挟むようにその脇を伝っていく。 奈落の底のように落ち込む《宝剣沢》の眺めに肝を冷やしながら、風に磨かれてアイスバーンとなった雪を載せる細い稜線を伝っていく。 右を向けば《宝剣沢》を要する木曽谷、左を向けば千畳敷カールを要する《伊那谷》と、“奈落の底”が両サイドに口を開けている。 

やがて、《伊那谷》側が盛り上がってくる稜線に仕切られて、《木曽谷》側をトラバース気味にヘツッていく。 斜めにへばりつくようにトラバースしていくと、迫り出した大きな岩を巻いて、《宝剣沢》に直接落ち込む岩壁を伝う“恐怖のトラバース”地帯に突入する。 さすがに、この季節ともなるとオチャラケたおばちゃんクライマーなどは存在せず、気が散る事だけはなさそうだ。 だが、この“恐怖のトラバース”は半端ではない。 

10cmもない岩の継ぎ目にアイゼンをかけて、ピッケルを持ち代えながら鎖を握り代える。 
その行為を一つ一つコマ送りのように、慎重にこなしていかなければならない。 しくじったら、間違いなく《宝剣沢》へ滑り落ちてしまうのだ。 距離にしたら50m程だが、かいた冷や汗の量がただ事ではないのを物語っている。 

この“恐怖のトラバース”を乗り越えると、《宝剣岩》が縦に突き刺さっている宝剣岳 2931メートル の頂上だ。 頂上からは、南アルプスの山なみ、荒々しい剣先を連ねる宝剣岳の支峰、そしてその奥にそびえる雄大な姿の空木岳 2864メートル など、山なみのおりなす素晴らしき情景をじっくりと楽しむ事ができる。 頂上からの大パノラマを満喫したなら、往路を戻ろう。
 

南アルプスの
大パノラマを望む
 
ここから《極楽平》までの宝剣岳支峰越えは、さすがに危険すぎるので自重すべきだろう。 
帰りも、あの“恐怖のトラバース”を越えるのだが、一度乗り越えた経験は心強く、また常に岩を見ながら行けるので気が楽だ。 登りの時は《宝剣沢》が視界にちらついて、より恐怖感を煽られたものだが。 
ピッケルを突きながら、着実に一歩一歩下っていこう。 

《宝剣山荘》に戻って気を落ち着けたなら、そろそろ下山に取りかかろう。 ここから、《千畳敷カール》の底まではアイスバーンの氷の上を下っていく為、滑落の危険が大いにあるので注意していこう。
中には、スキーの要領でポンポン飛び跳ねて下っていく人を見かけるが、“マネ”はしない方がいいだろう。
 

鋭い剱を突き上げる
まさに“宝の剱”
 
滑り落ちたら“おしまい”の所で、スキーのような“滑る”行為をするのは本末転倒である。 そんなに焦らなくても時間は十分あるし、また下る早さもそうは変わらないのだから。 今回の山行は肉体的な疲れと汗はほとんどないものの、精神的な疲れと冷や汗は大いにあったと思う。 

こういう疲れは後に結構残るので、今日は無理をせず麓に宿を取ってゆっくりと保養しよう。
麓で中央アルプスの峰々を見ながら、今回の山行を回想するのもいいだろう。 こうする事によって冬山の厳しい体験は、後からかみしめるように味のある“思い出”に変わるのだから。

   ※ 詳細は、メインサイトより『中央アルプス』を御覧下さい。



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No title * by yamanbou
冬の宝剣岳はいいでしょうね。
度胸ありますね。
3~4年前に倉敷の方が写真を撮りに行って
滑落されました。
でも一度、そこからダイヤモンド富士を見たいものです。

No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。

冬の宝剣岳はいいですよ。 宝剣山荘の裏手に出て、眺めるだけでも感動です。

20代は勢いがありました。 何をやっても達成できる・・っていうような・・。 今思えば、あの時は奇跡な事さえできてしまいましたね・・。

コメント






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No title

冬の宝剣岳はいいでしょうね。
度胸ありますね。
3~4年前に倉敷の方が写真を撮りに行って
滑落されました。
でも一度、そこからダイヤモンド富士を見たいものです。
2012-01-16 * yamanbou [ 編集 ]

No title

yamanbouさん、こんばんは。

冬の宝剣岳はいいですよ。 宝剣山荘の裏手に出て、眺めるだけでも感動です。

20代は勢いがありました。 何をやっても達成できる・・っていうような・・。 今思えば、あの時は奇跡な事さえできてしまいましたね・・。
2012-01-16 * 風来梨 [ 編集 ]