2011-12-12 (Mon)✎
『私の訪ねた路線』 第71回 秋田内陸縦貫鉄道 その2 新線開通区間と旧国鉄角館線区間 〔秋田県〕
《路線データ》
営業区間と営業キロ
鷹ノ巣~角館 94.2km 鷹ノ巣~比立内は旧国鉄・阿仁合線、松葉~角館は旧国鉄・角館線
からの第三セクター移管線 比立内~松葉は移管後の開業線
運行本数(’06)
鷹ノ巣~角館 下り10本(内 2本 急行)、上り5本(内 1本 急行)
鷹ノ巣~阿仁合 下り5本、上り9本
阿仁合~角館 下り1本、上り6本
鷹ノ巣~比立内 上り1本
阿仁合~比立内 下り1本
《乗車記と周辺景勝地の散策》
前回は旧阿仁合線の終着駅であった比立内までを列車で伝ってみた。 今回はこの比立内より先の新線開通区間と、国鉄時代は1日僅か3往復・全線一閉塞で列車交換の設備すらなく全駅無人駅という、白糠線に次いで路線廃止に近い位置にあった旧角館線区間を乗車してみようと思う。
また、これよりの区間は秋田内陸線に変わってからの撮影は皆無なので、これより広がる森吉山とその山麓の豊かな自然情景を訪ねたネタを織り交ぜて語っていこう。
新線区間には奥阿仁・阿仁マタギ・戸沢・上桧木内・左通・羽後中里と駅が設けられたが、全て階段で築堤上に造られたホームに昇る構造で、また駅舎も規格からデザインまで同じ造りの駅と、駅舎を語る上では全く持って面白みはない。 無理やり違いを挙げると、阿仁マタギに急行が停車するのと、上桧木内が島式の交換可能駅である事位だろうか。
従って、豊かな周囲の自然の事を語っていこう。 まずは、車窓の左側にそびえる自然豊かな森の山・森吉山だ。 森吉山へのアプローチは阿仁合の辺りから入っていくといいが、取りあえずここで語ろうと思う。 夏の終わりに登った時に魅せられた優しき情景を一つまみごろうじろ。
森吉山の頂にて
朝の光を浴びて
大地が目覚める瞬間
過ぎ行く夏の象徴
花の落ちたチングルマの実
淡い紫は秋の色
この色が大地を染める頃
夏は駆け足で去っていく
森吉山の次は、清き水が創造する白布達を御紹介しよう。 『日本の滝百選』、いわゆる『百名滝』の中で最も人気のある安ノ滝や立又渓谷の幸兵衛滝、ちょっと離れ過ぎるかな・・と思うが神秘の滝・茶釜ノ滝などが掛かる滝の楽園だ。 こちらも、その一つまみをごろうじろ。
『百名滝』でも
最も人気のある安ノ滝
紅葉の中に美しき枝垂れ滝
幸兵衛滝
絢爛たる錦の絵姿を魅せられて
茶釜ノ滝
そして、旧国鉄角館線の終端駅であった松葉に着く。 この松葉は、なぜか急行の停車駅だ。
だが、阿仁合線の閑散区間であった阿仁合~比立内の間の無人駅なみのレベルの駅だ。 でも、仕方がない事だろう。 なぜなら、国鉄時代は僅か3往復だったのだから。
松葉駅の待合室だけは
あの時と同じだった
国鉄時代にこの路線を訪ねた時は、松葉で降りて列車を見送ったものの、あまりにもヒマで時間を持て余したので、時間潰しをすべく田沢湖まで歩いて往復したのである。 それでも時間が余ったので、次の羽後長戸呂まで歩くなど、時間経過との闘いであった。 この日は、カレコレ12~13km歩いたのではないか・・と思う。
竜子姫の住処
田沢湖まで4km程
その松葉駅周辺の情景なのだが、秋田内陸に経営移管されてから訪ねた時には、あの時の純和風の田舎風景が工場らしき建物が建つ殺風景なものに様変わりしていて、それを車窓から見て愕然とした思いがある。
純和風の心和む風景
だったのだが
後は羽後長戸呂・八津・西明寺・羽後太田と、これまた同じ規格の駅舎が続く。 変化といえば、八津駅が交換可能駅となった事位か。 観光スポットとしては、桧木内川に沿って植樹されたソメイヨシノが春になると満開になる事と、カタクリの里を訪ね歩く事位だろうか。
田んぼの中に
統一規格の箱モノが一つ・・
:
それが旧国鉄角館線の
クオリティであった
やがて、久方ぶりに街が現れたと思うと、程なく新幹線が走る田沢湖線と併走して角館に着く。
ここは武家屋敷で有名な所だが、完全に観光地化されていてあまり興味は涌いてこないのである。
また、森吉山とその山麓に潜む名瀑に興味のある方は
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No title * by 風来梨
こんばんは。
そうですね。 失礼な言い方かもしれませんが、ここが残っているのに、何故に名寄本線は廃止になったの?とも言えますね。
レベルでいえば、オータさんの地元の胆振線と同じような沿線人口だったかと・・。 そして、この線で誇れるのは、素晴らしき大自然がすぐ近くにある事位ですね。
そうですね。 失礼な言い方かもしれませんが、ここが残っているのに、何故に名寄本線は廃止になったの?とも言えますね。
レベルでいえば、オータさんの地元の胆振線と同じような沿線人口だったかと・・。 そして、この線で誇れるのは、素晴らしき大自然がすぐ近くにある事位ですね。
今、新幹線開通後を巡って 道内…函館本線も揺れております。