風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第574回  厳冬期の北八ヶ岳 その1

『日本百景』 冬 第574回  厳冬期の北八ヶ岳・その1北横岳)〔長野県〕

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坪庭より望む北横岳

  北横岳 きたよこだけ (八ヶ岳中信高原国定公園)
八ヶ岳連峰北部の山で、南北に列を成す八ヶ岳連峰の『北八ヶ岳』と呼ばれる北方部分の盟主となる峰ある。 標高は2480mで、八ヶ岳中信国定公園に属する。 本来の正しい名称は横岳であるが、同じ八ヶ岳連峰の僅か10 kmほど南の『南八ヶ岳』に同名の横岳がある為、より標高の低い北八ヶ岳の横岳は区別の為に便宜的に北横岳と称される事が多い。

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北横岳の山頂からは
南八ヶ岳の盟主たる山々が一望できる

前述の如く八ヶ岳火山列の北端部に位置し、厚い溶岩流と溶岩円頂丘からなる東西4km,・南北2kmの小規模な火山である。 約900-700年前に噴火した形跡が見られ、2003年に気象庁による活火山見直し作業において活火山に指定されている。 山頂からは、正面に赤岳 2899mや横岳 2829mなどの南八ヶ岳の主峰群が一望できる他、浅間山やより近くなった蓼科山などが望める。

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佐久平や浅間山も望める

山頂は南北に分かれ、標高は南峰が2,471.6 m,・北峰が2,480 mである。 但し、三角点が南峰にある為に、低い方の南峰の標高をもって横岳の標高とされる場合が多い。 山頂近辺のごくわずかな一角が森林限界を超えてハイマツ帯となっている他、縞枯山との鞍部の標高2,200 mの一帯に広がる坪庭にもハイマツが密生している。

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坪庭の溶岩台地と北横岳

通常、ハイマツ帯は亜高山帯針葉樹林の上部に位置するが、ここでは坪庭のハイマツ帯の上部に亜高山帯針葉樹林があるという植生の逆転現象が起こっている。 これは、おそらく単純に気温の条件によるものではなく、坪庭周辺がきわめて土壌の乏しい溶岩地帯である事で亜高山針葉樹林が根付かず、逆に貧弱な土壌下でも適応できるハイマツが育ったモノと思われる。

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溶岩台地の縁にある樹々の帯が
縞枯現象を起こした
オオシラビソの立ち枯れ帯である

また、南隣に隣接する縞枯山とともに、大規模な縞枯れ現象が見られる。 これはモミ属のシラビソ・オオシラビソが一斉に立ち枯れ、その跡に稚樹が一斉に成長して、またある年月で一斉に立ち枯れるというサイクルを繰り返す為、その立ち枯れが標高に沿って帯状に見えるもので、なおかつその帯が年々僅かながら移動していく現象である。



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北八ヶ岳・厳冬期 の詳細行程図
後に行った北八ヶ岳・厳冬期の
縦走の記事で作成した
地図の使いまわしでっす

   行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR茅野駅よりバス(1:00)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ(0:10)→山頂駅
     (1:20)→北横岳ヒュッテ(0:25)→北横岳(1:00)→坪庭(0:20)→縞枯山荘
《2日目》 縞枯山荘(0:05)→雨池峠(1:00)→縞枯山(0:45)→茶臼山(1:20)→麦草峠
     (1:20)→丸山(0:20)→高見石
《3日目》 高見石(2:00)→中山峠(0:10)→黒百合平(1:30)
       黒百合平より天狗岳・西天狗までは往復1時間10分(1:30)→黒百合平
《4日目》 黒百合平(1:50)→渋ノ湯よりバス(0:50)→JR茅野駅

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北横岳に落ちゆく陽と
逆光に陰る坪庭の溶岩台地

  《1日目》 坪庭より北横岳へ
厳冬期の山を麓から登るのは、相当なる山の猛者でもおいそれとは成し得る事はできないし、また挑むとしても山の熟練者でパーティを組んで始めて何とかなるかもしれないって所だろう。 従って、厳冬期の山は、ロープウェイの通じている山で計画するのが必須条件となるのである。

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黄昏時の縞枯山荘と夕日に染まる三ッ岳
厳冬期の北八ヶ岳は縞枯山荘・北横岳ヒュッテ
麦草ヒュッテ・高見石小屋・黒百合ヒュッテと
営業していて何とか厳冬期の縦走山行が可能だ

それにロープウェイの通じている山は、大概は山を衰退させる禿げ山を造成する『ガン細胞』スキー場ゲレンデがあるので、厳冬期でも年末年始などは山小屋の一部が営業しているので宿泊場所も確保できる。
今回はテント幕営を交えての計画であるが、真冬の山での個人単独の幕営山行は氷点下20度という装備・体力とも限界となる中で行うので、1泊が限界であろう。 それも、天候を見極めて、一晩中で快晴の日を選んで実行せねばならないのである。

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冬山テントが
こんなメルヘンな訳ないよ
冬に焚火なんて絶対にできないし
氷点下20度は万力で挟まれたように
足のつま先が痛くなるよ
熱湯を入れた湯たんぽを抱いて寝るだけですね
※『無料イラストAC』より

もちろん、天候の急変を想定して、いつでも小屋に逃げ込める小屋の前のテント場以外には有り得ないだろう。 従って、厳冬期に営業中の小屋を調べてから事を始める事と、テント幕営はしょうもない自己満足と自慢のタネ(何の自慢にもならないけど)を増やすだけのバカげた事だと自覚すべきだろうね。
だが、その『バカげた事』の体験が、人生の困難を切り抜ける貴重な『引出し』となる体験と成り得るのである。

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月面の世界のような所で
テントを張って
その月面のクレータのような
情景から本物の“月”を魅る
そんな半分命賭けの
馬鹿げた体験が今後の人生の糧となる

厳冬期のピラタスロープウェイは、ほぼ全ての乗客がスキー板を持つ完全にスキー場へのスキー客の専用ロープウェイとなっている。 従って、始発が朝9時で、尖がった凶器であるスキー板やスノーボードは剝き出しでもOKだが、冬山の用具であるアイゼンやピッケルはザックの中に入れるか、袋に包んでザックに縛るかしないと持ち込み不可となる。 なので、荷ほどきの時間などを加えると、登山開始は朝の10時前となろう。

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ロープウェイのゴンドラより
麓駅を望む
※ 別の時に撮影

なので、初日はロープウェイの山頂駅から10分位の縞枯山荘に入るだけにして、翌朝から登り始める方がいいだろう。 だが、当時のワテは『奇跡の体力』のホルダーで体力的な自信もあった(自信がなければ、厳冬期に縦走テント登山など想定しないだろうしィ)ので、初日に北八ヶ岳の最高峰・北横岳に登る計画を立てたのである。

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縞枯山荘の人気の掘り炬燵
練炭を焚くので熱いくらいで
酒盛り宴会に巻き込まれる危険が多分にある
※ 縞枯山荘のブログより

夏ならばロープウェイの山頂駅より北横岳まで片道1時間10分のコースタイムだが、厳冬期となれば話は違って、夏のコースタイムの2倍以上の時間を想定しないといけないであろう。 従って、朝10時登山開始ならば、往復して陽が沈む16時頃までに縞枯山荘に着く事が出来る位となろう。 その事を踏まえて、ロープウェイの山頂駅よりガイドを始めよう。

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北横岳の山体の右側に
南八ヶ岳の山々が望める

山頂駅の建物の外で荷物をバラして、アイゼンを装着して、ピッケルを手にして登山開始。 
夏ならばハイマツと露岩が山水画のような情景を創造する《坪庭》も、冬は雪に大半が埋もれて荒涼たる眺めを魅せる。 道標の指示通りに《坪庭》の溶岩台地の上に上がると、《坪庭》の縁を周るように着いているトレースを伝って《坪庭》の対岸に出る。

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坪庭の上は雪が乗っているだけで
踏み込むと落とし穴にハマって
下手すれば脱出不能となるので
入り込まない事が懸命だ

ここでは、あまり仕切りロープはアテにしない方がいい。 なぜなら、登山道の仕切りロープは夏道で設定してあるので、冬道の論理は通用しないのである。 ここで気をつける事は、明快なトレースのみを伝っていく事である。

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トレースを忠実に進み
坪庭は写真に撮るだけに留めよう

また、何分に《坪庭》は広く、前人が間違った踏跡に入り込んでしまうと完全に道をロストしてしまうので注意が必要だし、間違ってルートから外れると溶岩台地の岩の間にズボッとハマってしまいかねないので注意が必要だ。 云わば、トレースを踏み外すと、岩の間に雪が被ってるだけの落とし穴だらけであるという事である。 また、“リングワンダリング”に陥らない為にも、『北横岳は左手にある』という事を覚えておくといい。

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坪庭の端までゆくと
一度ガクンと下ってから
北横岳の山体に取り付く

さて、《坪庭》の終わりで、この溶岩台地を区切る谷に一度下って北横岳の山体に取り付く。 
この上下があれば、『道は正しい』という事である。 これに取り付くと、《坪庭》の全景を眺めながら山腹を斜めに切るように登っていく。

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登ってきた道を振り返る

やがて樹林帯に突入し、ジグザクを切ってつめていくと程なく北横岳と三ッ岳の稜線上に飛び出す。
ここから左に5分もたどれは、《北横岳ヒュッテ》だ。

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北横岳ヒュッテ
こちらに泊まって北横岳周辺の
冬景色を望むのもいいかもしれないね
※『ヤマレコ』より

ヒュッテの脇を下る道を行くと、《七ッ池》の池塘群がある。 夏ならば瞑想的な雰囲気を求めて散策するのもいいが、今は冬で凍結しているので見送る事にしよう。

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坪庭のハイマツより上に
針葉樹林帯がある
植生の逆転現象が見られる

ヒュッテから北横岳の頂上までは標高差100mの直登で、25分(夏ならば15分程)もあれば頂上に登り着く事ができるだろう。

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北横岳の頂上に立てば
まず南八ヶ岳の山々が織りなす
圧巻たる情景が目に入ってくる

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北横岳の最高点・北峰の頂上
360度の大展望だが
吹っ飛ばされるほどに風が強い

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北横岳より望む浅間山

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『リトル富士』の容姿でしか見た事のない
蓼科山が巨大山体を魅せるのは
北横岳の頂上だけだろう

北横岳 2480m の頂上からは、樹氷原越しに望む南八ヶ岳の山なみや南アルプス、美ヶ原や霧ヶ峰の高原、浅間山や白銀をまとった北アルプスの山なみが大パノラマで迫ってくる。 但し、山頂広場は眺めはいいが吹きっさらしで、飛び交う雹でかなりの“痛み”が伴うので念の為。

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浅間山をアップで

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南アルプスと
北横岳ヒュッテを望む

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アップを撮る前は必ず
引いた写真を撮るね

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で・・キメ写真として
アップを撮る

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恐らく金峰山を撮ったのだろうね
雲がかかって山が不明瞭

帰路は往路を忠実に戻る事にしよう。 途中で三ッ岳との分岐があってコチラを行ってみたい衝動に駆られるが、三ッ岳の稜線上は雪が覆い被っているだけの溶岩台地で、ルート全体で《坪庭》を遥かに凌ぐ“落とし穴”地帯となるので積雪期は通らない方がいいだろう。

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三ッ岳の分岐からは
魅惑的な頂をもたげる三ッ岳が望めるが
三ッ岳は超絶穴ボコ地帯なので入らなぬように

下山し終えて《坪庭》まで戻ると、往路で歩いた通りに《坪庭》の縁を周るように伝って、一度スキー場のゲレンデの手前まで出る。 後はテレマークスキーのトレースを伝って《縞枯山荘》へ戻るのである。
それは、夏ならば広い《坪庭》の溶岩台地を斜めに切る短絡道があるのだが、冬は変にトレースから踏み出てしまうと、穴ボコ地獄や“リングワンダリング”に陥る危険があるので『止むを得ず』である。

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翌朝
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たぶんこうなる
※ いずれも『無料イラストAC』より

今日は縞枯山荘に宿泊して、明日の素晴らしき情景を夢見つつ、一夜を結ぼう。 なお、年末年始の山小屋恒例の酒盛り宴会は、翌朝の身体がキツくなるので自重した方がいいだろう。

  ※ 《2日目》は、次回『第575回 その2』にて


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前回の続き
けれどデキる奴も無能も全く同じに
歳食ってヘタっていくのである
それは宿命で逃れる事のできない事だ

だけど無能は仕事を任されない事で
自由な時間ができるし自分の望む事で
貴重な経験や体験を積む事ができて
それが歳食ってからの機転の効く武器となる
ワテも放浪山旅での様々な体験が肥しとなったよ

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でもデキる奴として会社中心の生活となったなら
得意な会社業務でコケた時に会社生活しか知らない分
行き詰った時の逃げ方を知らず逃げ場を無くすのである
逃げ場を無くして初めて会社業務だけの
『有能』となっていた己を知るのである

転職でも同じ事でその会社での『有能』判定が
転職先でも通用する保証はなく
転職先は高い給料で釣っているのだから
ダメと判断すれば次のチャンスもなく放り出されるだろう
外資系企業なら特に・・である

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『有能』は常に『有能』を維持して
いかねば先はないのであるし
歳食ってヘタれるという人間の宿命とも
対峙して行かねばならないのだ

立ち止まって己の現状を鑑みる事もままならず
追い詰められるが如く己のスキルを磨き
高め続けねばならない生き地獄そのものなのだ

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その己のスキルを高め続ける理由は
己の利益の為ではなく会社に利益を貢ぐ為であり
それが『有能』における会社での自身の居場所を
確保する哀れなまでの処世術となるのである
他に逃げ方を知らないから哀れな様となるのである

コレって『有能』という褒め言葉に乗せられて
延々と会社業務の為に
全てを捧げて身を粉にして働く
文字通りの『社畜』な訳である

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雇い先も会社に従順で奉仕の限りを尽くす
『社畜』を多く飼いたいし
『社畜』に己が飼いならされた
『社畜』である事を気づかれてはならないのだ

だから他より多めの給料を渡し
『有能』ともてはやすのであるが
それは永久ではなく歳食ってヘタレて
スキルが落ちたなら扱いが一変するのだ

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だがいろんな体験をして
抜け道を模索する知恵のついた無能は
歳食ってヘタレた状況での
対処法をすぐに思いつくのである

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それは副業であり体力に任せたアルバイトの
掛け持ちだったりと様々であるが
『無能』と蔑まされた事への慣れと
仕事を任されない分の自由な時間があるのだ
但しクビになる程に何にもできないのはナシであるが
長くなるので
次回のバナー下に続く



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