2011-11-16 (Wed)✎
名峰百選の山々 第40回 『53 立山』 富山県
《一ノ越山荘》から立山までの標高差は300m。 山荘の正面から連なる大岩がゴロゴロと転がる岩ガレの急傾斜を、ほぼ一直線に登っていく。 登っていくと、頭上に見えたハイマツと岩屑の丘・《三ノ越》にいつの間にか登りつき、この丘からは《立山奥宮》の社務所が初めて視界に入る。
この大地は茫洋とした感じの広い丘で、霧にでも巻かれると方向を見失いやすい所だ。 山頂台地から岩コロが転がる丘を歩いていくと、日本最高所にある“池”《硯ヶ池》が見えてくる。 この池を見送って先に進むと、《別山・北峰》と記されたプラカードが差してある草むらに出る。 ここが立山・別山 2880メートル の頂上みたいだ。 踏跡はこの先のブッシュに向かって続いてはいるが、道はここまでだ。
往路を山頂台地の端まで戻ろう。 先程も述べた通り、この辺りは茫洋とした岩ガレ場で道が判りにくいので注意しよう。 道は山頂台地に登り着いてから、すぐに左に折れている。 《硯ヶ池》が視界に入ると、“縦走路から外れている”という事を頭に入れておこう。 左折してからすぐに《別山山頂》とある大きな標柱があり(左折地点では大岩に隠れて見えない)、以後は明瞭な道が《別山乗越》に向かって続いている。
立山山系(中部山岳国立公園) 3015m コース難度 ★ 体力度 ★
立山の“山屏風”と
紅葉のナナカマド
《メインサイトより抜粋》
立山連峰の盟主・立山は大汝山 3015メートル を最高点とする山塊で、古くから山岳信仰の中心であった。 立山黒部アルペンルートが開通してからはファミリー登山コースとなってしまったが、それまではアルピニズム発祥の山として、様々な登攀争いが繰り広げられた山域だ。
それはそうとして、山の眺望はあまりにも楽に登れるのが腹立たしくなる程に素晴らしく、剱岳をはじめ、黒部渓谷・後立山連峰・槍穂高、果ては富士山までも見渡せる。 また、立山の麓にある広大なお花畑・五色ヶ原も、この山域の魅力を大いに引き立てている。 そして、あくまでも楽に・・という人にも“立山”は楽しめる。 それは、バス停すぐの《室堂平》や《弥陀ヶ原》などの景勝地である。
それはそうとして、山の眺望はあまりにも楽に登れるのが腹立たしくなる程に素晴らしく、剱岳をはじめ、黒部渓谷・後立山連峰・槍穂高、果ては富士山までも見渡せる。 また、立山の麓にある広大なお花畑・五色ヶ原も、この山域の魅力を大いに引き立てている。 そして、あくまでも楽に・・という人にも“立山”は楽しめる。 それは、バス停すぐの《室堂平》や《弥陀ヶ原》などの景勝地である。
立山連峰縦走ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス(1:00)→室堂(1:20)→一ノ越
(1:00)→立山・雄山(0:15)→立山・大汝山(1:00)→真砂岳(1:00)→立山・別山
JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス(1:00)→室堂(1:20)→一ノ越
(1:00)→立山・雄山(0:15)→立山・大汝山(1:00)→真砂岳(1:00)→立山・別山
(0:20)→剱御前小屋(1:00)→雷鳥沢(0:30)→室堂よりバスとケーブル
(1:00)→立山駅より鉄道利用(1:05)→JR富山駅
室堂を訪れる観光客なら誰でも
1ショットは撮る風景で試し撮り
ミクリヶ池と立山
ミクリヶ池と立山
この立山連峰を登るにあたって、最大の難関は『立山ケーブル』の乗車待ちであろう。 ひどい時には、富山始発の電車で立山駅に着いても、2~3時間待ちとなる事がある。 《上高地》といい、ここ『立山ケーブル』といい、北アルプスの登山基地というのはどうしてこう混むのだろうか。
さて、このような待ち時間があるゆえ、登山開始は早くても8時半となるだろう。 これを踏まえての7時間弱という行程時間は、結構キツいのである。 あまりゆったり構えすぎると、その日の内に富山駅に戻れなくなることも有り得るのだ。 前置きが長くなったが、それでは立山連峰の縦走を始めよう。
さて、このような待ち時間があるゆえ、登山開始は早くても8時半となるだろう。 これを踏まえての7時間弱という行程時間は、結構キツいのである。 あまりゆったり構えすぎると、その日の内に富山駅に戻れなくなることも有り得るのだ。 前置きが長くなったが、それでは立山連峰の縦走を始めよう。
《室堂》のバスターミナルの屋上に出て名水『立山の湧水』を水筒に入れてから、東に向かって進んでいこう。 整備された道をやや上り気味に歩いていくと、『雷鳥保護センター』を併設している《室堂山荘》の前に出る。 ここで室堂山と浄土山をめぐるコースを分けて、石畳みの敷かれた《祓堂》経由の短絡ルートに入っていく。
初雪をまとった立山連峰
早い時期などは、途中に浄土山から落ちる雪渓の端が石畳みの道を覆っていて、行楽客などの軽装者がスニーカーでおっかなびっくり伝っているのが目に入ることだろう。 また、転倒して大騒ぎする中高年がいたりして、登山コースらしき趣はあまり感じない。
《祓堂》の祠を過ぎるとジグザグの急傾斜となって、これを乗りきると《一ノ越乗越》だ。 ここには《一ノ越山荘》が建っていて、行楽客から縦走登山者まで様々な格好の人々が山荘前のテラスで思い思いにくつろいでいる。
《祓堂》の祠を過ぎるとジグザグの急傾斜となって、これを乗りきると《一ノ越乗越》だ。 ここには《一ノ越山荘》が建っていて、行楽客から縦走登山者まで様々な格好の人々が山荘前のテラスで思い思いにくつろいでいる。
山荘前のテラスから見渡すと、眩い光にうっすらと富士山や槍の穂先が雲間に浮かんでいる事だろう。
このテラスからの眺めも素晴らしいが、立山の頂点に立って3000mの高さから見下ろす眺めはもっと素晴らしいであろう。 この“もっと”素晴らしい景色を眺めるべく、立山の頂へ登っていこう。
《一ノ越山荘》から立山までの標高差は300m。 山荘の正面から連なる大岩がゴロゴロと転がる岩ガレの急傾斜を、ほぼ一直線に登っていく。 登っていくと、頭上に見えたハイマツと岩屑の丘・《三ノ越》にいつの間にか登りつき、この丘からは《立山奥宮》の社務所が初めて視界に入る。
こうなれぱ頂上も近い。
立山・雄山 山頂にて
社務所の打ち鳴らす太鼓の響きを聴きながら登っていくと、《立山奥宮》の社務所の左端に踊り出る。
社務所で立山・雄山の通行手形を買って(当時200円)、社務所の右端の鳥居をくぐり30段程の石段を登ると、立山・雄山 3003メートル 頂上だ。
虹色に染まる鳴沢岳
背後は鹿島槍ヶ岳
頂上からは富士山をはじめ、北アルプスの津々浦々の山なみが見渡せる事だろう。 そして、足元に光る“蒼紺のルビー”・《黒部湖》と《黒部ダム》、深い筋を魅せる針ノ木岳 2821メートル や赤沢岳 2677メートル の山なみ。 ことに紅葉の頃なら、錦繍きらびやかなじゅうたんが、山麓に向かって彩り鮮やかに敷かれている事だろう。 また、《室堂平》に建物が粒のように建ち、その先に広大な《弥陀ヶ原》が広がっている。
室堂を俯瞰する
立山・雄山より剱を望む
周りを見渡して最後に目にするのは、やはり岩の殿堂・剱岳 2998メートル であろう。
《八ッ峰》に連なる岩峰は、いつ眺めても感動のため息が出る。 素晴らしい眺めを思いっきり味わったなら、立山の最高峰・大汝山に向かっていこう。 立山の縦走路は、一旦社務の鳥居まで戻ったその脇から続いている。 岩ガレの中につけられた道を小さく上下しながら15分程伝っていくと、立山の最高峰・大汝山 3015メートル の頂上だ。
立山連峰最高峰・大汝山の頂上は
何となく侘しい
頂上に乗っかかる大岩の上に立つと、北アルプスの山なみのほとんどを見渡す事ができるだろう。
もし、山に詳しい人がその場にいるならば、山の名称の指南を受けるといいだろう。 最高峰の感慨を満喫したなら、縦走路に戻って先に進んでいこう。
もし、山に詳しい人がその場にいるならば、山の名称の指南を受けるといいだろう。 最高峰の感慨を満喫したなら、縦走路に戻って先に進んでいこう。
槍もバッチリ!
大汝山から少し岩ガレを下っていくと、大汝の休憩舎が見えてくる。 シーズン中に限り出店があるそうだが、普段はトタン板が打ち付けられて中には入れない。 この休憩舎から、しばらく岩屑をまぶした平坦な道を行く。 やがて、《富士ノ折立》のつけ根に差しかかり、この山塊を横目に見ながら急傾斜で下っていく。 下り始めは、丸太の階段となっているので道は判り良い。
かなりのオーダーで下っていくと、道が岩屑の転がるガラ場からザラザラの砂地に変わっていく。
道がザラザラに変わると真砂岳の緩やかな稜線上に出て、緩傾斜で登りつめると真砂岳 2861メートル の頂上だ。 天気が良ければ、剱の《八ッ峰》がタイナミックに展開している事だろう。
かなりのオーダーで下っていくと、道が岩屑の転がるガラ場からザラザラの砂地に変わっていく。
道がザラザラに変わると真砂岳の緩やかな稜線上に出て、緩傾斜で登りつめると真砂岳 2861メートル の頂上だ。 天気が良ければ、剱の《八ッ峰》がタイナミックに展開している事だろう。
ダイナミックな姿を魅せる
剱・八ッ峰
山頂から真っすぐに延びる《内蔵助山荘》から《黒部ダム》への道を見送り、一段下の《別山乗越》へ続く道に進路を取る。 この道を進むと、やがて道は二手に分かれる。 右は立山・別山の頂を踏むコース、左はショートカットして直接《別山乗越》へ向かう道である。 頂上を踏めるチャンスがあれば、できるだけ踏んで行きたいものである。 従って、頂上経由の右の道を行く事にしよう。 分岐からものの10分で、別山山頂大地に着く。
この大地は茫洋とした感じの広い丘で、霧にでも巻かれると方向を見失いやすい所だ。 山頂台地から岩コロが転がる丘を歩いていくと、日本最高所にある“池”《硯ヶ池》が見えてくる。 この池を見送って先に進むと、《別山・北峰》と記されたプラカードが差してある草むらに出る。 ここが立山・別山 2880メートル の頂上みたいだ。 踏跡はこの先のブッシュに向かって続いてはいるが、道はここまでだ。
往路を山頂台地の端まで戻ろう。 先程も述べた通り、この辺りは茫洋とした岩ガレ場で道が判りにくいので注意しよう。 道は山頂台地に登り着いてから、すぐに左に折れている。 《硯ヶ池》が視界に入ると、“縦走路から外れている”という事を頭に入れておこう。 左折してからすぐに《別山山頂》とある大きな標柱があり(左折地点では大岩に隠れて見えない)、以後は明瞭な道が《別山乗越》に向かって続いている。
冬化粧を始めた剱岳は
また格別
下り始めてすぐに短絡道と合わさって20分程歩くと、《剱御前小屋》の建つ《別山乗越》だ。
ここからの剱岳は真にダイナミックだ。 言葉で語るよりは、写真を見て頂く方が賢明であろう。
ここからの剱岳は真にダイナミックだ。 言葉で語るよりは、写真を見て頂く方が賢明であろう。
帰路は、《雷鳥平》や《地獄谷》を経由して《室堂》に戻ろう。
なお道筋は、ガイドをする程のものでもないので割愛したい。 下山時間に余裕があれば、《ミクリヶ池》の温泉でひと風呂浴びていこう。 また、《弥陀ヶ原》で一泊して、翌朝の《弥陀ヶ原》めぐりもいいだろう。
なお道筋は、ガイドをする程のものでもないので割愛したい。 下山時間に余裕があれば、《ミクリヶ池》の温泉でひと風呂浴びていこう。 また、《弥陀ヶ原》で一泊して、翌朝の《弥陀ヶ原》めぐりもいいだろう。
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No title * by 風来梨
こんばんは。
この立山に行った時は、もう20年も前の山を始めたばかりの時のものです。 井手達も、山に登る者の姿でなかったかも・・。
でも、自分自身も懐かしく思える写真です。
この立山に行った時は、もう20年も前の山を始めたばかりの時のものです。 井手達も、山に登る者の姿でなかったかも・・。
でも、自分自身も懐かしく思える写真です。
No title * by yamanbou
写真に重量感がありますね。
立山から見た笠ヶ岳の姿と針の木の迫力に感動したものです。
立山から見た笠ヶ岳の姿と針の木の迫力に感動したものです。
No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。
立山って、眺める山ですね。 剱や後立山、黒部湖と室堂・・。
全てがいい位置にあって、姿を楽しむも良し、迫力を持って撮るのも良しですね、
立山って、眺める山ですね。 剱や後立山、黒部湖と室堂・・。
全てがいい位置にあって、姿を楽しむも良し、迫力を持って撮るのも良しですね、
No title * by オータ
北アルプスに関しては、けっこう無知なもので、立山の全貌を初めて知ったようなものです。傑作!
室堂から単純に往復するだけかと思っていたら、周回路になっていたりいくつもピークがあるのですね。また、あの剱岳にこんなに近いとは…
室堂から単純に往復するだけかと思っていたら、周回路になっていたりいくつもピークがあるのですね。また、あの剱岳にこんなに近いとは…
No title * by 風来梨
こんばんは。
夏ならば、立山三山周遊コースが北ア入門コースとしてはうってつけです。 眺めがよく、坂もキツくなく、しばらく山から遠ざかっていた下膨れの筆者が普段着&ビニール靴でも登れる位の初心者ルートです。
最後の剱2枚は全盛期に近い時に撮ったので、写真にメリハリがあるような気が・・。
夏ならば、立山三山周遊コースが北ア入門コースとしてはうってつけです。 眺めがよく、坂もキツくなく、しばらく山から遠ざかっていた下膨れの筆者が普段着&ビニール靴でも登れる位の初心者ルートです。
最後の剱2枚は全盛期に近い時に撮ったので、写真にメリハリがあるような気が・・。
雪の大谷ウォークに素敵な山々だった記憶だけ・・
フイルム写真であるかも・・懐かしいなぁ~~ポチ☆
貴方の様に登山は出来ないけれど・・・