2023-08-18 (Fri)✎
『日本百景』 夏 第561回 北日高国境稜線 その4 (国境稜線の夕景・朝景) 〔北海道〕
北日高の国境稜線上に立てば
盟主・幌尻岳と戸蔦別岳の
夕日の絶景を魅る事ができる
日高山脈 ひだかさんみゃく (日高山脈襟裳国定公園)
北海道の中央南部にある唯一の山脈で、空知支庁と十勝支庁(現在はいずれも振興局)の境である狩勝峠に所在する佐幌岳から、襟裳岬までを南北に貫いている。 長さは南北およそ150 kmで、南北に延びる稜線のほとんどが十勝支庁と日高支庁(日高も同じく現在は振興局)の国境を隔てる国境稜線となっている。
日高の盟主・幌尻岳と
日本屈指の秘境・七ッ沼カール
なお最高峰は日高・幌尻岳で標高2052m(現在の標高は2052.8mを切り上げて2053mとされているが、2008年までは2052mの表記だった)である。 山域の103,447 haが日高山脈襟裳国定公園に指定されている。 アルプス山脈やアンデス山脈、ロッキー山脈と同時期に日高造山運動により形成された山岳地帯で、北海道随一の険阻な山脈である。
戸蔦別岳の背後に未開の山・
エサオマントッタベツ岳の
ナイフリッジとなった稜線が魅える
山脈全体に渡って地形が急峻で険しく、稜線は至る所でナイフリッジを連ね、氷河地形である圏谷(カール)が見られる日本では数少ない極めて峻険な山脈である。 登山道がある山は少なく、林道歩きと沢登りが前提となるため登山は容易ではない。
カムエクを制覇して
下山した時のワテの雄姿だが
左に日高横断道路の
コンクリート構造物が写っているね
日高側のペテガリ岳への
アクセス路となっている
日高横断道路の未成道路
カムエクへの詳細図にも
この未成放棄された
日高横断道路の事を記してたよ
山脈を横断する交通路は北端の狩勝峠と日勝峠及び、南部の野塚トンネルと襟裳岬付近の追分峠のみで、山脈中央部でも山脈を横断する交通路が建設されたものの、北海道の経済的な苦境などによって全て建設は凍結されて、建設途中で放棄されている。
1997年の国道236号
『天馬街道』の開通までは
襟裳岬を経る海岸線周り以外に道はなかった
その襟裳岬を経る海岸線の道は
自然災害による通行止が頻発し
その巨額の維持費から
『黄金道路』と名づけられたのである
従って、日高支庁と十勝支庁の往来は北端の日勝峠か、南部の『天馬街道』と呼ばれる国道236号線の野塚トンネル以外になく、1997年9月の野塚トンネルの開通までは、黄金道路(維持費に黄金を積むが如くの費用が掛かる為に名づけられた)を通って襟裳岬を経るという、海岸沿いを岬まで大回りする以外に往来方法がなかったのである。
二岐沢ルートより七ッ沼カール
行程詳細図〔再掲〕
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 日高町市街より車(0:50)→千呂露川・北電ゲート(0:50)→北電・二岐沢取水ダム
(4:30)→北戸蔦別岳(1:20)→戸蔦別岳(0:50)→七ッ沼カール底
《2日目》 七ッ沼カール底(2:20)→北戸蔦別岳(2:20)→1967峰(2:20)→北戸蔦別岳
《3日目》 北戸蔦別岳(3:50)→北電・二岐沢取水ダム(0:50)→千呂露川・北電ゲートより車
(0:50)→日高町市街
※ 2016年8月の台風災害により林道は壊滅状態となり、現在は登山口である北電・二岐沢
のゲートの10km手前で林道は閉鎖となり、徒歩以外の通行が不能となっている
※ 前回の『第560回 北日高国境稜線 その3』の続き
朝・・山が2重3重に映るという
説明不能な奇跡の現象を
目にする事ができた
《3日目》 二岐沢出合へ下山
北の国の朝は早い。 日の出までに目覚めるのはちょっと困難だ。 この時は3:15に目覚めたのだが、もう既に日の出は終わっていた。 昨日、心ゆくまで夕日を望んだので、「良し」としよう。
黄色の花が黄金花となった
さて、4時に床を出て、5時には出発しよう。 下山といえども、『早出早着』は山のセオリーである。 なお、朝の準備では、『持ち水』を飲み干さぬようにしたい。 飲み干してしまうと、《トッタの泉》まで水の補給がきかぬまま歩くハメとなるのだから・・。
北日高国境稜線の夜明けは
何と午前3時過ぎだった
余談ではあるが、ワテは《七ッ沼カール》より3.5㍑の水を持ち運び、『行動水』として前日に1.5㍑を消費して、残りの内の1.3㍑を夕・朝の2食に充てた。 そして、残りの0.7㍑を下山の『行動水』とするのである。 この割り振りは各自で決める事であるが、この決定には何といっても経験がものをいうのである。
あの無名峰・1967m峰まで歩いたのだから
自身の体力を卑下する事はないが
それでも『重さ』は体力を奪う難敵なのだ
自身の体力、1日の幕営生活に必要な水の量、自身の1日の行程に対する必要な『行動水』の量、次に確実に補給できる水場までの距離、水の補給が適うまでの時間、これら全てを把握して緻密に計算せねばならないからだ。 それと共に、「水を1㍑担ぐという事は1kg荷重が重む」という事も・・。
それは幌尻岳からの周遊ルートより
遥かに難度が高いのだ
:
それを乗り越えた自信が
ヘタれた今でも
『やれば成せる』自負につながっている
この事も絡めて、目的地まで担いで歩ける自分の体力の限界も把握せねばならないのだ。
これらの事から、「『日高』は、ただキツイだけの山ではない」という事を汲み取っていただければ幸いである。 しかし、困難を敬遠しているだけでは何も始まらない。 困難を乗り越えた先に、ヤマは必ず答えを出してくれるのだから。
困難を乗り越えたなら
ヤマは必ず答えを出してくれるのだから
それを信じて・・
下山ルートは、往路で登った《1日目》の『第558回のその1』のルートを下っていくので特に記述する事はないが、道中はかなり急なので足を挫かぬように注意しよう。 5時に北戸蔦別岳を出発したなら、ヌカビラ岳の肩で山の朝景がギリギリ狙えよう(6時を過ぎると、もう日は高くなっている)。
下山に沢に着く頃は
日差しもキツくなっているので
沢はちょうどいい涼みとなる
このゲートをくぐれば
北日高国境稜線の山旅はひとまず終了
※ 現在は林道が崩壊しているので
林道閉鎖ゲートまで歩く必要アリ
また、最後は沢の徒渉もあるので、最後まで気は抜けない。 下山を終えて、ゲートを越えて、林道をマイカーで戻り、《日高》の街でひと風呂浴びる時に、初めてホッとひと息着く事にしよう。
北日高国境稜線
夕景が魅せる絶景
盟主・幌尻岳と戸蔦別岳が
夕陽に染まり始めて
絶景のショータイムが始まる
対面の雲海に浮かぶ
十勝幌尻岳も色着き始めた
白いイワウメがほのかに
灯色を奏で始める
陽が落ちてきて
山の頂上以外は影となっていく
イワウメがほのかな灯色を奏でると
クライマックスを迎える
今・・この地に立って
この世の絶景を欲しいままにする
至福の自分がいるのだな
キジムシロが抱く黄色を
最も魅せるその瞬間が今・・
少しづつ頂上を
染める斜陽も陰り始める
その時・・足元のイワウメの
ほのかな灯色が最高潮に達する
そして日高の山々が赤く染まる
奇跡の絶景に至り
花も二度と目にできないかもしれない
奇跡の色合いを魅せる
そして岩を一瞬輝かせて
1日のお別れの時を迎える
やがて陽が沈み
ほのかに染まった山々が
影から闇の世界に落ちていく
往路の下山という事で文章が短くなってしまったので、下山前夜とその日の朝に魅せられた奇跡の絶景を羅列して締めくくる事にしよう。
北日高国境稜線
朝の軌跡
北の夏至に近い頃は
4時に目覚めて外を見ると
既に日の出は済んでいた
昨日真っ赤に焼けた幌尻岳が
再び山肌を輝かせ始める
雲海に浮かぶ対面の十勝幌尻岳も
朝の情景を魅せていた
そして奇跡の絶景・・
何という現象かは解らないが
確かに山が3重の影となって見えた
下山し始めに撮った写真の
撮影時刻は5時10分前
北日高国境稜線を振り返る
:
また来たいけど
体力的にもうムリかもしれないね
例のオッサン‥家族があるのだろう?
なぜにそんな家庭崩壊につながるような
恥ができるのだろうか?
それは無職で食費を抑える為に
庭にある雑草を食う事を始めたらしい
調べたら食う事もできて
沖縄などでは食用として食べられている
との事だがそういう事ではないだろう
働かずに庭の雑草を食っている恥を
世間様に知られると陰口を叩かれる
家族の立場はどうなのよ?って事である
ワテはそんな恥は絶対しないけど
ワテのような独り身なら話題を得る目的で
庭の雑草を食べたり虫を食べたり
するのも吝かではないだろう
だが家族を持ち世間体の維持を
課せられた奴がそんな恥を晒してどうする?
そんなのが隣近所を通じて
家族の者に縁のある学校や
嫁のパート先などに知れ渡るとどうなる?
学校に知れ渡ると「コイツのオヤジは働きもせず
庭の雑草食ってるそうだぜ!」と
ハチの巣を突いた騒ぎとなり
息子はシカト・ハミゴに遭うか
イジメのターゲットとなろう
前にも述べたがワテのオヤジも
働いてるかどうか定かでなく
家にほとんど金を入れなかった
だから息子であるワテはマトモな
教育は受けれず終いだったし
学費免除の恥さらしな目にもあった
だけど親父もその事に負い目はあったらしく
仕事をしてない時は家に帰ってこなかったよ
自身が家庭に金を入れない事に
引け目は感じていて
ワテと目を合わせれなかったようだ
だから残されたワテはこういう状況で
生き抜く知恵や逆に同情をひいて
奢ってもらうなどの処世術を覚えた
姉貴はもっと上手く立ち回って
友達の家に入りびたって帰ってこなかったよ
思うけどこの息子アホなの?
マトモな頭脳を持ってたら
「雑草食うような恥さらしはヤメてちゃんと働けよ」
といってこのオッサンを
殴ってしかるべきだと思うよ
このオッサンを目一杯殴って考えを改めさせて
きちんと働くマトモな家庭を取り戻す事が
学校生活を中心とした自身の生活の安寧
即ち我が身を護る事につながるのだから
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