2023-08-03 (Thu)✎
『日本百景』 夏 第560回 北日高国境稜線 その3 (1967m峰) 〔北海道〕
北日高国境稜線の最奥部にそびえる
日高で3番目に高い無名峰・1967m峰
1967m峰 いっきゅーろくななめーとるほう (日高山脈襟裳国定公園)
1967m峰は日高山脈北部の十勝と日高を隔てる国境稜線上にある峰で、日高山系では最高峰の幌尻岳 2052m ・カムイエンウチカウシ山 1979m に次ぐ第3の標高を誇りながら、山名がつけられずに無名峰となっている峰である。
端正な三角錐を示し全国にその名を
とどろかせても不可思議ではないのに
現実は標高を示されただけの無名峰だ
その山容も端正な三角錐を魅せて神秘性を抱かせているにも関わらず、不可思議にも山名がつけられぬまま、標高をそのままの通称として呼ばれるに至っているのである。 即ち、国土地理院による地勢の上では、『山として認められていない』という事である。
北日高の固有名種
ピパイロキンバイ
東の十勝側から望むと、この山域の固有名種で隣にそびえるピパイロ岳 1917m の名を冠したピパイロキンバイの眩いまでの黄色の花が三角錐の傾斜を埋め尽くすのである。 その眩い黄色の花が埋め尽くす斜面から、遠くにそびえる中部日高のカムイエクウシカウシ山や、南アルプスの塩見岳のような入道頭の頂をもたげる、これまた無名峰の1839(いっぱーさんきゅー)m峰が、奥深く感慨深い日高の山の眺めを魅せてくれる。
岩の隙間にひっそりと咲く小さな花
イワウメ
一方、西の日高側は岩山を成しており、イワウメやエゾノハクサンイチゲなどの白色の花が、北日高国境稜線上に数多く形成されるカールを白く染め尽くしている。 そして、日高を代表する七ッ沼カールと日高の盟主・幌尻岳へと稜線は続いているのである。
1967m峰の十勝側から
戸蔦別Aカールと最奥にそびえる
日高の盟主・幌尻岳を望む
だが、北日高国境稜線上でも最奥の位置にあるこの山へは、到底日帰りで往復するのは無理で、しかも稜線上には宿泊施設は元よりテント適地も乏しく、また水も七ッ沼カール以外では入手できないので、2~3日分の水を担いでの縦走登山をこなせる体力が必須の山となるのである。
七ッ沼カールから1967m峰までの行程詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 日高町市街より車(0:50)→千呂露川・北電ゲート(0:50)→北電・二岐沢取水ダム
(4:30)→北戸蔦別岳(1:20)→戸蔦別岳(0:50)→七ッ沼カール底
《2日目》 七ッ沼カール底(2:20)→北戸蔦別岳(2:20)→1967峰(2:20)→北戸蔦別岳
《3日目》 北戸蔦別岳(3:50)→北電・二岐沢取水ダム(0:50)→千呂露川・北電ゲートより車
(0:50)→日高町市街
※ 2016年8月の台風災害により林道は壊滅状態となり、現在は登山口である北電・二岐沢
のゲートの10km手前で林道は閉鎖となり、徒歩以外の通行が不能となっている
※ 前回の『第559回 北日高国境稜線 その2』の続き
戸蔦別岳よりお花畑越しに
北日高国境稜線を望む
《2日目》 国境稜線を伝って1967峰へ
今日の行程は、キツいといえばキツいかもしれない。 それは、この日の宿泊場所が、『国境稜線』上でのビバークとなるからである。 ビバークをするとなれば当然、一日に必要な水を持ち運ばねばならない。
その事を想定して進んでいこう。
朝日を浴びる
エゾノハクサンイチゲ
少ししなびた花びらの
キバナシャクナゲ
・・北海道の夏山の朝はすごぶる早い。 夏至に近ければ、3時過ぎには日の出となっている。
もう、5時を過ぎると、『夜明け』というイメージは飛んでしまうかもしれない。 グズグズしていると、朝の景色も撮れぬままの出発ともなりかねない。 従って、5時には出発したいものである。
朝の光で輝く
エゾノハクサンイチゲ
:
緯度の高い北海道の夏至時は
朝の5時にはもう日が高くなっている
出発の準備が整ったら、ヤマでの『お約束』の通り1日分の水を汲んでから、カール底を出発しよう。
水をプラスしての装備一式で、猛烈な急坂であるカール壁の登りを強いられると確実に足にくるだろう。 朝っぱらから、かなりの体力を使う事になるので覚悟しておこう。
七ッ沼カールの湖沼群と
エゾノハクサンイチゲの群落
カール壁までの標高差100mを登りつめて上にでると、エゾノハクサンイチゲの群落と《七ッ沼カール》の湖沼群のおりなす朝景色が息を整えてくれる事だろう。 ひと息着いたなら、戸蔦別岳への250mのイッキ登りを始めよう。
未知の山・エサオマントッタベツ岳や
中部日高の盟主・カムエクが望める
登っていく毎に
七ッ沼カールも魅えてくる
振り返れば、登るごとに足下に広がる《七ッ沼カール》。 ここは、「カメラ片手に」と行きたい所だが、そういう余裕もないだろう。 とにかく、水を含めて20数㎏となったザックを担いで一歩づつ登りつめる苦しい1時間だ。 登りつめた戸蔦別岳からは、幌尻岳と《七ッ沼カール》が見渡せるが、朝方は逆光で少しくすんでいる。
戸蔦別岳より望む
七ッ沼カールと幌尻岳
右に少しカメラアイをそらすと
北カールを抱く幌尻岳が
デンとそびえ立って魅える
北カールと七ッ沼カール全体を撮るには
超広角レンズでないとムリのようだ
この先も長いので、休憩も程々に先に進もう。 ここから北戸蔦別岳の頂上までは昨日に通ったルートの逆を行くだけなので、『第558回のその1』を参照頂きたい。 逆ルートを歩いた感想としては、「北戸蔦別岳の登りは、見た目よりキツかった」という事だろうか。
これより北日高の
国境稜線を歩いていこう
さて、北戸蔦別岳の頂上であるが、ワテはこの場所を本日のビバーク地としたのである。
それは、1967峰の稜線までにテントが張れるサイトは、確認しているものでは1967峰の頂上直下のみで、この先20数kgを担いでの『国境稜線』の未踏区間歩きを敬遠した為である。 ワテはこのようにしたが、テント設営場所は各自で決定頂きたい。
北戸蔦別岳の頂上には
テント1張分のビバークスペースがある
目指すは国境稜線の奥にそびえる
三角錐を魅せる無名峰・1967m峰だ
テントを設営した後、中に荷物をデポって行動水とカメラなどの『ピストン行程』に向けての装備を準備したなら出発だ。 目指すは、遠くに端正な三角錐を魅せる無名峰・1967峰だ。 その峰へは、骨っぽい岩峰となった北日高国境稜線のアップダウンが待ち受けている。
国境稜線に刻まれた一筋の道
国境稜線は完璧な台形を成す
北戸蔦別岳の上辺を伝っている
北戸蔦別岳より、ハイマツと岩が混成した細い稜線上をいく。 昨日ヌカビラ岳より見上げた時はスラッとした細身に見えた北戸蔦別岳であるが、歩いてみると大きな台形を成しているのが判るであろう。
この台形の山を端までつめると、ハイマツの中を急下降するようになる。 本当に台形の山なのだ。
台形の北戸蔦別岳からは
灌木のブッシュを
つかみながらの急下降となる
ハイマツの根をつかみながら下っていくと、《十勝》側に移って《戸蔦別川》の源流谷へ向かって山肌を巻きながら下っていく。 この山肌を巻くようにつけられた道だが、これがまた細く、しかも潅木のブッシュ帯で歩き辛い事おびただしい。 もちろん、ここで踏み外すと、《戸蔦別川》の源流谷へ向かってのダイビングとなるのは必定である。
あの峰は十勝幌尻岳かな?
:
日高の山々を正確に
言い当てる事は到底適わない
山肌のヘツリを潅木の枝伝いにトラバースしていくと、1967峰と北戸蔦別岳の間の最低鞍部に下り着く。 ここでひとまず難所は乗りきる事になるが、本日はピストン行程なので、帰りにもこの難所を通らねばならないのは言うまでもない。
灌木のブッシュをつかむ
急下降で最低鞍部に出ると
お花畑の大斜面に出る
お花畑の大斜面の奥に
三角錐の角を出す1967m峰と
鬼の角のようなピパイロ岳が望める
最低鞍部よりは、ハイマツの中を急登していく。 だが、これは距離が短く、途中からはお花畑の緩やかな道となる。 お花畑の中を伝っていくと、展望の利く広い丘の上に出る。 ひと息着くとしたなら、この辺りがいいだろう。 ここはビバークサイトとしてはいいみたいであるが、ここも日高山系の宿命通り『水』はない。
1856m標高点より望む
戸蔦別A・Bの双子のカール
この丘よりは、1967峰の前衛峰となる1856m標高点(容姿は山のピークそのものなのだが、山としては認められていないみたいである)までの急登となる。 岩と砂利交じりの斜面を200m近く登りつめると、ようやく1967峰が眼前にそびえるようになる。 この1856m標高点からは、1967峰へ続くか細い岩稜を伝うようになる。 1967峰への取付手前は特にか細くなっているので、踏み外さぬよう注意が必要だ。
逆光で黒潰れしてますが
北アの穂高・大キレットに匹敵する
岩稜で鎖ナシです・・ハイ
1967峰へ取り付くと、本州の山では確実に鎖が設置されるであろう岩峰の登攀となる。
登りは大した事はないのだが、帰りはこれが下りとなるので少々厄介だ。 岩をホールドしながらこれを登りつめると、テント1張り可能なビバークサイトが見えてくる。 これが見えれば、頂上まであと30mだ。
1967峰の頂上には頂を示す
板キレが置かれているだけであった
中部日高の盟主にて
憧れの山・カムエクが望めた
望遠で少し引っ張ると
カムエクの右に入道頭の無名峰
1839m峰も視認できた
鬼の角のような姿を魅せるピパイロ岳
:
コチラ側からの山旅は
またいずれかの時に語るとしようか
1967峰の頂上には頂を示す板キレがあるだけだが、展望は折り紙付だ。 その素晴らしい展望は、十勝の伏美岳から登った時の写真をひとつまみ御披露する事にしよう。 なお、伏美岳からのルートは、またいずれの時に記事にしようと思っているので、その時を御期待下さい。
十勝側から望む1967m峰の絶景
鶴翼の姿を示す
中部日高の盟主・カムエク
望遠で引っ張ると
更に憧れの峰への想いが募る
1967m峰の頂より続く
お花畑の大斜面
日高の盟主・幌尻岳へ続く国境稜線と
戸蔦別岳の双子のカール
:
今回の山旅はコレを
歩いてきたのだ
戸蔦別岳Aカールと
日高の盟主・幌尻岳
いつまでも望んでいたい・・
ピハイロキンバイの
お花畑の大斜面越しに望む
中部日高の山々の感慨深い眺め
カムエク・1839m峰・ペテガリ岳と連なる奥深い日高の絶景に、いつまでも望んでいたい思いではあるが、空身ピストン行程ゆえに頃合を見て引き返そう。 帰りも往路を行くのだが、対峙する戸蔦別岳まで2時間半はかかるので、タイムスケジュールは常に考えておこう。 また帰りも、日高では『一級国道』とはいえ、3ヶ所の難所越えがあるので気は抜けない。 北戸蔦別岳に戻る頃には、もう午後2~3時になっている事だろう。
キバナシャクナゲ
今思うに午後2~3時で戻れるとは
相当な健脚だったんだな・・ワテ
1967m峰で望んだあの双子のカールが
間近となる位置まで歩いてきたのだから
今日はイワウメの花に囲まれた
一夜を過ごす事にしようか
今日はキツい行程であったので、またとない山頂での夕暮れシーンを見届けたなら、早めに休む事にしよう。 なお、山頂での夕暮れシーン及び朝の情景は次回の『その4』で御披露する事にして、今回は『ひとつまみ』に留めておく事にしよう。
『ひとつまみ』とホザきながら9枚とは
いい根性してるな・・このタワケ
暮れていく十勝側の山なみ
今日歩いてきた国境稜線が
暮れなずんでいく
暮れの斜陽と影は
山をひと際高く魅せる
:
ひと際高くそびえる1967m峰
影が覆い始めると
ヤマは茜色に染まり始める
そしてクライマックスを迎える
花も1日の終わりの光を
目一杯浴びて輝く
今日を精一杯輝くのが
その使命の如く
やがて1日が終わり
闇と星空の世界へと変わっていく
ウヨクの奴らが国民の覚醒が
必要とか言ってるが
それは高市など己が支持する
候補者・議員に票を投じる事だそうな
でも覚醒ってこの現凶を作り出した
原因を見極めて排除する事でしょうが
その原因とはチョンの背乗り天皇である
天皇の正体をチョンと暴き
チョンに追放さえすれば
日本に巣喰う在日チョンの
一斉排除の口実が手に入り
日本の現状打破の道筋が立つのである
それができなければ何も改善しないのである
現にチョンの背乗りである天皇に
下賜りつけと言っている時点で
チョンに頭を下げろと言うのと同じなのである
でもチョンの背乗り天皇に下賜づく洗脳は
もはや解く事が不能のようだ
さもなくばあんなチョン面の天皇を・・
「チョンと(日本人は)縁(血縁)がある」と
宣うチョンそのままの天皇に下賜ついたりしない
なのでそれを踏まえた打開策は
とにかく増税とマイナカード紐付けの
大悪政を糺す事でありできる事といえば
徹底的に岸田内閣の支持率を落として
総辞職に持っていくしかないと思うよ
解散総選挙は反対票を投じる先も
チョンの成りすましのバヨク政党なので
改善の期待ができないしィ
総辞職だと全てが白紙撤回となるので
そこに狙いを定めるしかないかと
取り敢えず支持率を
10%台まで落とす事ですね
マイナカードの紐付けは
国民の資産情報が全て政府に握られて
新たなる増税のネタを生み出す
徴税マシンになりかねませんよ
それと財務省の官僚一匹を
何でもいいから別件で逮捕・投獄して
身ぐるみ全てを剥ぐ事ですね
もう増税を仕向ける日本国民の敵だから
拷問しても構わないと思うワテ
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