2023-07-16 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第558回 北日高国境稜線 その1 (国境稜線へ) 〔北海道〕
ピラミタルな戸蔦別岳と
北カールを従えた幌尻岳が
夕日に染まる絶景
戸蔦別岳 とったべつたけ (日高山脈襟裳国定公園)
標高1959mと日高山脈で4番目に高い標高を示す峰で、日高山脈の最高峰・幌尻岳(ほろしりだけ)とは尾根続きで登山道が続いている為、一度に登られる事が多い。 その容姿は巨大な幌尻岳とは対照的に、スッキリと尖ったピラミット型を魅せている。
戸蔦別A・Bの二つのカールと
国境稜線の遥か向こうにある1967峰
七ッ沼カール・北カールに加えて、戸蔦別川上部にA・Bの2つのカールを抱く。 これらのカールは、2度の氷河期を経て形成されたものだという。 幌尻山荘からは2つの登山道があり、北西尾根から幌尻岳を越えてくるものは約7時間、もう1つの北戸蔦別岳(1920m)との中間に登ってくる道は、約4時間30分で山頂に達する。
戸蔦別岳の頂上に立つと
幌尻山荘から幌尻岳を周る
集会ルートが一望できる
小屋を朝出て幌尻岳に登り、カールバンド伝ってこの峰を踏んで、北戸蔦別岳との中間点にある降り口から小屋に戻る周回ルートを取る事が可能で、この山系にやってきた大半の登山者がこのルートを利用する。
2016年の台風災害で
壊滅状態となったチロロ川林道
※ 北海道森林管理局の
『登山口に通じる林道の状況』より
他にも千呂露川の二岐沢から北戸蔦別岳経由のコースもあるが、途中のヌカビラ岳 1808m までの登りがかなりキツく、また近年に北海道を襲った豪雨被害で登山口に至る林道が壊滅状態となり、容易には使えないルートとなっている。
二岐沢ルートより七ッ沼カール 行程詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 日高町市街より車(0:50)→千呂露川・北電ゲート(0:50)→北電・二岐沢取水ダム
(4:30)→北戸蔦別岳(1:20)→戸蔦別岳(0:50)→七ッ沼カール底
《2日目》 七ッ沼カール底(2:20)→北戸蔦別岳(2:20)→1967峰(2:20)→北戸蔦別岳
《3日目》 北戸蔦別岳(3:50)→北電・二岐沢取水ダム(0:50)→千呂露川・北電ゲートより車
(0:50)→日高町市街
※ 2016年8月の台風災害により林道は壊滅状態となり、現在は登山口である北電・二岐沢
のゲートの10km手前で林道は閉鎖となり、徒歩以外の通行が不能となっている
日高の絶景を魅せられに
《1日目》 二岐沢より北戸蔦別岳・七ッ沼カールへ
さて、この項目ではサブルートの《二岐沢》より登って、『北日高国境稜線』を踏破しようと思う。
なお、1967峰から先のピパイロ岳 1917m や伏美岳 1792m を伝っての稜線完歩は、伏美登山口よりピパイロ岳から1967峰ので歩いているので、またいずれの機会にこのカテゴリーで取り上げる事にしたいと思う。
行程表では《日高町》よりスタートとなっているが、これは便宜的事例に過ぎないので、『日高』の山に登る時の『お約束』はきっちりと果たさねばならない。 それは、いうまでもなく、前日アプローチの早朝出発だ。 《千呂露川・北電ゲート》前は車5~6台の駐車が可能で、その場で幕営すると車中よりよく眠れるだろう。
このルートは元より『北日高国境稜線』上は山小屋など全くないので、幕営山行は絶対条件となる。
テント設営など『慣らし』の意味でも、明日のキツい行程の為にもこれがベターであろう。
それでは出発しよう。
※ 前述のように台風による災害で林道が壊滅状態の為、登山口ゲートから10km手前で
閉鎖となっている。 この記事は、災害で林道が破壊される以前に登った時のモノである
北電の取水ダムと
ダム制御施設の建屋
※『日高の登山口・千露露林道』より
さて、ルートであるが、《北電・取水ダム》までは車も通れるような砂利道を行く。 距離にして3km程である。 やがて《取水ダム》が現れ、これより沢沿いの密林帯に入っていく。 大きなハスの葉が鬱蒼と生い茂る細い踏跡を伝っていく。 ハスの葉には夜露が溜まっていて、触れるとベチョベチョに濡れてしまうので注意したい。 1時間近く歩くと鬱蒼とした森から抜け出して、明るい沢の出合に出る。
《二岐沢・二俣》である。
中州状の所が多くあり沢としては初心者レベルだが
『靴を濡らすまい』と調子に乗って
大荷物を背負って飛び石伝いをすると
足を捻挫してゲームオーバーとなりかねないよ
ルートは、これより右の沢に入っていく。 もちろん、これより徒渉の領域となる。 沢歩きとしては極々簡単なもので、空身であれば石を飛び伝う事で靴を濡らさずに行けるレベルなのだが、幕営装備を担いで・・となるとそうもいかない。 踏み外して足でも挫くととんでもない事になるので、徒渉靴に履き替えた方がベターだ。
沢からはヌカビラ岳が望めた
※ 下山時に撮影
ルートは概ね沢の伏流につけられていて徒渉靴ではもったいない位であるが、数ヶ所沢を跨ぐ所もあるので、膝の負担を考えながらいこう。 やがて、30m位のナメ滝が現れると、いよいよヌカビラ岳から『北日高国境稜線』への取付となる。 30mの滝の最上部を横目に見ながら沢を渡って対岸の土手に取り付くのだが、この土手の傾斜が半端ではないので要注意だ。 幕営装備持ちだと、最初の一歩が踏み出せないのである。 表現的には多少オーバーだが、見た感じは多分このように感じるだろう。
そして、登りきった土手の上で見下ろすと、「よく這い上がれたもんだ」と感心する事だろう。
だが、これは最初だけではないのだ。 取付よりはマシになるが、猛烈な急登でふくら脛が破裂する思いを味わう事になる。 重い荷物を担いでいると、尚更である。
2リットルのポリタンを
満タンにするのに5分程かかる
チョロチョロ水のトッタの泉
でも石清水なので美味いよ
1時間半程の急登で肉体的な疲労を感じ始める頃、ちょっとした幸福が眼前に現れる。
《トッタの泉》と呼ばれる岩清水である。 水量はチョロチョロで2㍑汲むにも5分位かかるが、冷たく美味しい岩清水で生気を取り戻す事ができるだろう。 また、水を担ぎ上げるのが定めの『日高』山域において、途中までではあるが水の重さより解放されるのも有り難い。
だが、過信は禁物。 努々、この《トッタの泉》の存在をアテにし過ぎて、「水を一切持たぬ」という愚行はせぬように。 さて、本日の行程は水のある《七ッ沼カール底》までなので、行動水を満タンにしたなら先に進もう。
前面を遮るような
巨大な岩塔を巻いて登る
※ 下山時に撮影
《トッタの泉》よりも、相変わらずの急登が続く。 1時間弱この急登を辛抱すると樹林帯を抜け出して、巨大なヌカピラ岳の黒々とした山体が視界に入ってくる。 この巨大な山体の右縁を伝うように斜めに迫り上がっていくと、眼前にそびえる巨大な岩塔が近づいてきて、やかて行く手を塞ぐようになる。
この岩塔の上に出ると
ヌカビラ岳の肩は近い
※ 下山時に撮影
この岩塔を巻きながらよじ登り、岩塔の割れ目のルンゼを這い上がると、『日高』の素晴らしき風景が視界に入ってくるだろう。 ヌカビラ岳の肩に出たのだ。
草原状で大展望が広がる
ヌカビラ岳の肩
ヌカビラ岳の肩は広い草付きとなっていて、休憩と行動食を取るには持って来いの所だ。
幌尻岳と《北カール》、そして最初の目的地の北戸蔦別岳の眺めを望みながら、山の民だけが味わえる贅沢なひとときを過ごそう。
端正な三角錐の戸蔦別岳と
幌尻岳に伝うカールバンドと
北カールを従えた幌尻岳が一望できる
より前に進むと1881峰がズレて
一段高い戸蔦別岳の
三角錐が裾を広げ始める
幌尻岳・戸蔦別岳の
左の山はチロロ岳かなぁ
ハイマツ越しに花の器
幌尻岳・北カールを望む
さて、この肩からは、目の前の高みに一投足でヌカビラ岳 1808m の頂上だ。 しかし、この山頂は展望・環境とも先程の肩より劣る(周りは、潅木やハイマツが茂り始めている)ので、休憩は断然に肩の方がいいだろう。 ヌカビラ岳の頂上よりは、ハイマツのブッシュを縫うように一旦下って、北戸蔦別岳のスラッとした砂利敷の傾斜をつめていくだけだ。 肩から30分もあれば登りきれるだろう。
北戸蔦別岳から
幌尻岳北カールをズームアップ
眩いばかりの黄色を魅せる
キンバイソウ
岩間に咲く小さな小さなウめの花
イワウメ
たどり着いた北戸蔦別岳 1912m の頂上は、真に『パラダイス』である。 キジムシロやエゾノハクサンイチゲ・イワウメなどの花々が斜面いっぱいに所狭し・・と咲き乱れ、そして展望は、ヌカビラ岳の肩のそれを遙かに凌ぐ素晴らしい情景が広がるのだ。
北戸蔦別岳から望む
遥かなる無名峰・1967峰
北戸蔦別からは1881峰から戸蔦別岳と
日高の盟主・幌尻岳へと続くスカイライン
そして戸蔦別のA・Bカールと幌尻岳北カールの
3つのカールが望める絶景が広がる
幌尻岳、そして《北カール》、戸蔦別岳とエサオマントッタベツ岳、戸蔦別のA・B2つのカールを挟んで対面にそびえる伏美岳・ピパイロ岳からの『北日高国境稜線』。 眼の位置を右に振ると、憧れのカムエクや1839峰などの『中部日高』の雄峰が遙か向こうの空に浮かんでいる。 そして、今回の目的である1967峰へのルートもハッキリと見渡せる。
国境稜線に刻まれた一筋の道
思った以上に岩でゴツゴツした骨っぽい山容に、伏美側から仰ぎ見た斜面いっぱいのお花畑を抱く1967峰の優しいイメージとのギャップが生じる。 まぁ、その両面性のある名峰・1967峰は、明日のお楽しみとしよう。
さすがに、これ程の情景を情景を魅せられると、大きく休憩を取ってしまう。 ワテも1時間以上、ここで楽しんでしまったクチである。 だが、いつまでもグズグズはしていられない。 持ち水(たぶん、行動水のみであろう)の事を考えると、どうしても水のある《七ッ沼カール底》へ行かねばならないのである。
北戸蔦別岳の先にある1881峰は
結構高くて戸蔦別岳までは
想像以上のアップダウンとなる
北戸蔦別岳より望む戸蔦別岳は指呼の間のように間近にそびえるが、実際たどるとなると結構な距離である。 北戸蔦別岳からは250m下って1881m峰との鞍部に立ち、本州の山なら鎖が処置される程の結構な岩場(岩場を想定していなかっただけに、いきなりの感があって戸惑う)をヘツリながら登って1881m峰に立つ。
1881峰の草地に咲く
ヨツバシオガマ?
1881m峰の頂上には木が1本立ち、それに頂上である事が記してある。 これは、北戸蔦別岳よりも『格上』である事を示している(北戸蔦別岳は、カマボコ板にも満たない小さな木切れにマジックで『北戸蔦別岳』と記されてあっただけで、しかもその木切れは岩の間に隠されていた)。
砂礫の花の咲く坂をひと登りで
戸蔦別岳の頂上に登り着く
これを越えると10mほど岩場を下って、《幌尻山荘》への《降り口分岐》を経てから戸蔦別岳に取り付いていく。 約100m程の登りだ。 1日で最も暑い時に登るこの100mに、かなりの疲労を感じる事だろう。
戸蔦別岳から望む北戸蔦別岳は
一般の地図に載らない峰とは思えぬ程に
威風堂々とした姿を魅せる
登り着いた戸蔦別岳 1959m からは、《七ッ沼カール》が見下ろせる。 今まで振り返り見る事でしかなかった《七ッ沼カール》を見下ろしながら下っていくのも、また違った趣がある。 やがて、カールの踏跡へ。 辺りは、エゾノハクサンイチゲが咲き乱れている。
花の道を伝って
パラダイスの七ッ沼カールへ
ハクサンイチゲの花の園が
七ッ沼カール底への降り口だ
花々に彩られた文字通りの『花道』を伝ってカール底へ。 但し、結構な急傾斜なので、花に見とれて足元が疎かにならぬように。 カール底に下り着くまでに、豊富な冷たい湧水が疲れ果てた体を癒してくれるだろう。 そして、カール底に広がる湖畔とお花畑の風景が、日頃の喧噪に疲れた心を癒してくれるだろう。 今日は心と体をゆっくりと癒すべく、カールでの一夜を結ぼう。
※ 続きは、次回の『第559回 その2』の『七ッ沼カール』にて
システムが構築されていないのに
利権欲しさに見切り発車的に
マイナカードの健康保険証への
紐付けを行って案の定
取り違え認識となるエラーを出したのである
そういったマイナカードのシステム不備が
露呈してネットを中心に炎上している
そして炎上の中心は
マイナカード返却運動に発展している
でも返却運動の中心がパヨク思考の奴らなんだよね
そして利権狂いとなった自民党政府も
クソ過ぎる対応で「マイナカードの返却数は
大した数ではない」とホザいて紐付けによる
個人情報の差し押さえ推進に躍起だ
でもシステムが構築されていないのに
見切り発車的に紐付けを進めては
大システム障害が起こって
世の中がパニくりかねないよ
けれど何故に自民党政権は
マイナカートの紐付けをしたがるのか?
それはITシステム開発の大手企業からの
管理コンピューター利権が手に入るからである
富○通・N△Tソリューション
野村総◇・□藤忠商事など
大手企業からの政治献金欲しさの為である
でもコレって贈収賄の最たるモノでないの?
そしてシステムが構築されたとしても
紛失や盗難により簡単に個人情報が
盗まれたりハッキングされたりしかねない訳で
徴税の虜となった財務省は個人資産も
管理する方針で紐付けしており
資産に対しては全ての把握を目指し
過度な税を請求しかねないのである
個人資産や勤務状況・銀行口座・給与明細等の
金に関わる事は赤裸々に読み盗られ
運転免許証などの紐付けで
軽犯罪まで含めた全てが把握されるのである
駐禁・速度違反から立ちションに至るまで
また個人のハッカーによるハッキング犯罪や
個人情報の盗み取りも脅威となるのだ
下手すれば個人の預金が勝手に
引き出されるなんて事も有り得るのだ
そもそもマイナカードやマイナンバーなんて
外に持ち出して出歩くべきではないのだ
それこそ実印や銀行印の如く
大切にしまってみだりに使わない事こそ
自身の身と財産を守る基本なのである
正直言うと返却数が
1000万を超えて欲しいと思うよ
返却数が1000万を超えれば
政府による紐付けの強行は阻止が適うから
ワテも返却数が1000万となったら返却するよ
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