風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  『日本百景』  >  『日本百景』 夏 >  第556回  白山 その1 (白山に咲く花)

第556回  白山 その1 (白山に咲く花)

『日本百景』 夏  第556回  白山 その1 (白山に咲く花) 〔石川県・岐阜県〕

n556-t.jpg
翠ヶ池と白山・御前峰

  白  山 はくさん (白山国立公園)
石川県と岐阜県の県境に位置する標高2702mの最高峰・御前峰を中心とした活火山群である。 
山域は白山国立公園に指定されている。 白山とは、最高峰の御前峰 2702m・剣ヶ峰2677m・大汝峰 2684mの『白山三峰』を中心とした周辺の山峰の総称である。 単独峰のような呼称だが、実際は山群でありその山域は広大で、単に『白山』と称した場合は石川・福井・岐阜・富山各県に及んでいる。
このような事から、『白山連峰』と呼ばれる事もある。

n556-8.jpg
豪雪地帯にそびえる白山は
盛夏でも豊富な雪田を魅せる

山名の由来であるが、かつてこの峰は『越白嶺(こしのしらね)』と呼ばれ、その名残が現在の白山周辺の地名『白峰』として残っている。 その後、『白山』と書いて“しらやま”と読む時期を経て、現在の呼称となっているとの事である。

n482 (2)
白山頂上にある祠

富士山・立山と共に日本三霊山の一つに数えられ、古来から厚い山岳信仰の対象となった峰である。
最高峰・御前峰(ごぜんがみね)には、一等三角点と白山比咩神社奥宮がある。

n556-f10.jpg
『ハクサン』を冠する可憐な花
ハクサンコザクラ

n556-gozen.jpg
ゴゼンタチバナの『ゴゼン』は
白山最高峰の御前峰から採られたと
いう事を今初めて知ったよ

また、豪雪地帯である北陸と中部地方の境目に位置する為に、短い山の夏には雪解けの清水で育まれた高山植物の花々が競って咲き誇る。 山名の『ハクサン』を冠する花が20種以上と我が国では最多を誇り、『花の名峰』の称号を欲しいままにしている。



n556-m.jpeg
白山・エコーライン~山上周遊ルート 行程図

    行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 金沢市街より車(1:40)→別当出合(2:20)→甚ノ助ヒュッテ(0:20)→南竜道分岐
     (0:30)→エコーライン分岐(1:20)→白山・室堂

《2日目》 白山・室堂(0:45)→白山・御前峰(0:40)→白山・剣ヶ峰(0:50)→白山・大汝峰
     (0:25)→千蛇ヶ池(0:30)→白山・室堂(1:10)→甚ノ助ヒュッテ
     (1:40)→別当出合より車(1:40)→金沢市街

n556-hakama (2)
雨露とショウジョウバカマ
6月の梅雨時を彩るピンクの花

標高2500mを越える山々の6月はまだ雪が多く残っており、ともすれば雪上歩行技術を会得せねば難しい季節だ。 でも、山好きならば・・、そして6月にしか見られない初夏の花を目にしたいのであれば是非ともいってみたい季節・・、それが6月の山である。

n556-f11.jpg
イワカガミの群落
6月は小さく可憐な花がよく見られる

その事を踏まえてこの6月という時期は、登山道整備が成されていて初心者登山も受け入れている山を選択するのがベストだろうと思う。 そこで、標高2500m以上で花の宝庫であり、道も完璧過ぎるほどに整備されている白山がピックアップされる。

n556-kokemomo (2)
雨に濡れたイワハゼが透き通り

そこで、今回の白山山行は2回に分けて、(その1)では白山の中でも『花の登山道』と言われるエコーラインコースを通り、そのコースの路傍に咲く花々を中心に語っていこう。

n556-360.jpg
別当出合の登山口をくぐると
すぐに吊り橋を渡る
※『360°旅行ナビ』より

行程表では《金沢市街》よりの“通し”としているが、できれば前夜に《別当出合》までアプローチをして、早朝登山を心掛けたいものである。 さて、登山基点となる《別当出合》には休憩舎・トイレ・駐車場があり、シーズンには登山指導所や売店も出て、設備上は申し分ない。 ここで支度を済ませて、さあ出発だ。 

n556-nadesiko.jpg
橋を渡った直後は標高1250m程で
ナデシコ系など亜高山帯の花が見られる
ナデシコ科の花だと思うが花名は不詳

トイレ前の道を奥に進むと、『観光新道』との分岐に出る。 今回の目的は花の豊富な『エコーラインコース』をめぐる事にあるので、『観光新道』は見送る事にしよう。 分岐を過ぎて少し階段を下ると、《別当谷》に架かる吊橋を渡る。 渡り終えると樹林帯に入っての登りが始まる。 この地点はまだ奥手に作業林道が平行しているので、道も広く標識も整備されて歩き良い。 やがて、右上に『不動滝』と堰堤が見えれば、程なく林道と合流する。 

n556-hakama (1)
雨の登山はシンドイけれど
梅雨時の花に露が乗ると
水滴のコスモを魅せてくれる

車も通れる作業林道を少し歩くと、《中飯場》に出る。 ここには架設トイレがあり、最後の憩いの場!?となるので利用していった方が無難だ。 登山道はトイレの脇から、山の土手に入り込んでいる。
ここからは深い樹林帯の中の急登となり、時折ジグザグを交えながら高度を稼いでいく。
登りつめると、周りの樹木がダケカンバ類に変わりだし、やがて崖の突き出たような《別当覗》の展望所に出る。

n556-betto.jpg
別当覗から別当谷の崩壊地と
吊り橋を望む

ここから望む《別当谷》の大崩壊は実にすざましい。 また、その背後に『観光新道』の尾根道が仰げて、こちらの『砂防新道』共々遙か右上の《黒ボコ岩》を目指して連なっている。 この展望所より進路を90°右に変えて、トドマツ交じりの樹林帯を登っていく。

n556-kinugasa.jpg透けた光で更に魅惑的となった
キヌガサソウ

『室堂まで3km』の道標を見る辺りから足元にクマザサが現れて、これを掻き分けながら階段状となっているサザレ石帯を登れば、丸い礎石の残る《高飯場跡》の広場に出る。

n482 (8)
ボロボロのまま放置された
旧甚之助ヒュッテ
※ 25年前の写真なので
旧小屋は撤去されてる

見上げると《甚ノ助ヒュッテ》の屋根部分が見えてきて、程なく甚之助ヒュッテに着く。
かつては幅の狭いヒラメのような『元祖・避難小屋』のような建物であったが、今は隣に綺麗なトイレ付きの小屋が建っている。 ヒュッテ前は水場となっていて、ひと息着くにはいい頃合いだろう。

n482 (7)
トイレが併設された新しい甚之助ヒュッテ
でも旧小屋の方が愛着が湧きそう
※ 山小屋ネットより

ヒュッテ前でひと息着いたら、登山を再開しよう。 《甚之助ヒュッテ》より20分程進むと《南竜ヶ馬場》へと向かう水平道に入る分岐があり、この分岐を右に進む。 この分岐からは、白山では”別荘地”に当たるテント村《南竜ヶ馬場》まで、ほぼ水平に移動する。

n556 (1)
白山の別荘地《南竜ヶ馬場》

《南竜ヶ馬場》で《エコーライン分岐》に入って、見上げる高さの台地までジグザグに登っていくと、待望のお花畑が広がってくる。

n556-f1 (1)
黒の女王・クロユリ

n556-f1 (4)
小さなハート型の花びらの妖精
ハクサンコザクラ

n556-f1 (2)
眩い黄色の光を放つ
シナノキンバイ

n556-f1 (3)
実となると稚児車となる事から
名づけられたチングルマ

クロユリ・ハクサンコザクラ・シナノキンバイ・チングルマ・・と、赤・黄・白・黒と様々な色彩で彩られた花が咲き乱れている。

n556 (2)
エコーラインより望む
白山の盟主・御前峰

そして展望も『花の峰・白山』らしく、丸みを帯びたおだやかな山容を魅せてくれる。
素晴らしい展望と、色とりどりの花を愛でながら緩やかに尾根筋を伝っていくと、《万才谷雪渓》の上部が途切れる辺りから最後のジグザグ急登となる。 これを乗りきると、《弥陀ヶ原》の下端に登り着く。

n556-mansai.jpg
五葉坂と万才谷雪渓
室堂への最後の登りだ

《万才谷雪渓》の雪解け水は、白山の花を育む『母の水』だ。 この雪渓が消えていくと大草原となる。 雪渓が解けて大草原が現れた頃はもう夏の終わりで、秋の気配が漂ってきている事であろう。

白山に咲く花々・その1
n556-iwakagami (1)
イワカガミ
雨露でドレスアップしていた

n556-usubaki.jpg
珍種・ウスバキスミレ

n556-daimonji.jpg
真に”大”の文字
ミヤマダイモンジソウ

庭園となった《弥陀ヶ原》の大草原を真っ直ぐに突っ切ると、左斜めから寄り添ってくる『砂防新道』と合流する。 合流してなおも《弥陀ヶ原》の大平原を突っ切ると、《五葉坂》と呼ばれる最後の登りを経て、宿舎の建つ白山・《室堂平》へとたどり着く。

白山に咲く花々・その2
n556-kijimusiro.jpg
ハート形の黄色の花びら
キジムシロ

n556-iwanashi.jpg
イワナシ
甘い蜜を出していそうな魅惑の花

n556-iwagkkyo (2)
光を浴びて魅惑の紫を魅せる
イワギキョウ

室堂一帯は白山神社の境内となっていてキャンプは一切禁止で、キャンプ指定地は《南竜道分岐》より水平動を伝った《南竜ヶ馬場》となっている。 このようにキャンプ指定地が白山の頂上よりかなり下にあり、白山に限ってはテント幕営はあまり有利とはいえないようだ。

n482-5 (2)
山岳ビジターセンターに建て直されて
室堂の宿坊は山荘となった
※ 白山市のウェブサイトより

かつての室堂の宿坊は「いかにも修行の行者が泊る神社の宿坊」という感じであった(擦り切れてボロボロの畳が敷かれた2段の寝所だった)が、今はビジターセンターの建物が建ち、その周囲に今風の綺麗な山荘が立ち並んでいる。

n556-murodo.jpg
明日は室堂宿坊の『掟』で
午前3時起きなので早く寝ましょう
あくまでも昔の宿坊時代の事で
今の山荘では『掟』はないと思われます

かつてはトイレも寝所の外に建つ便所棟に行かねばならなかったし、消灯後は完璧に真っ暗になってカンテラが必需品だった。 今の旅館にほど近い設備を有した山荘しか知らない者なら、たぶん寝付く事が出来なくなるかもね。 そして、シーズン以外は食事提供もナシだったしィ。 でも、かつての方が、「山に来てるなぁ」って味わいが深かったよ。

n556-furo.jpg
高山植物で最もポピュラーなのが
ハクサンフウロだろうね

n556-cidori.jpg
ハクサンチドリ
ヨツバシオガマとよく似てるが
四つ葉の有無で見分けるといい

n556-siyakunage.jpg
ハクサンシャクナゲ
見分け方は判らない

n556-kozakura2.jpg
ピンクの小さな妖精
ハクサンコザクラ

続きは、次回の『白山 その2』の『白山・山上お池めぐり』にて。 それでは『ハクサン』を冠する和名の植物の種を掲載して、次回につなぐとしましょうか。


にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
前回の続き
それに副業にせよフリーランスの起業にせよ
銀行から金を借りなければ立ち行かない訳で
従って仕事をやめて無職のままでは銀行は
金を貸してはくれず起業自体が不能だよ

要するにこのオッサンは
フリーランスの準備などと
寝言をぬかしているけど
最初からオワコンで詰んでいるのである

にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
事を成したいのならその裏付けが不足なく
整うまではひたすら我慢が必要だし
同じ我慢するなら我慢できる状況にするべく
立ち回る事が必要な訳である

だが我慢するだけなら気持ちがキレてしまうが
副業である程度稼げるようになると
「(ソリの合わない奴は)ムカつくけど
稼ぎはワテよりはるか下で会社に飼われた
社畜そのものだわ」と思えるようになる

にほんブログ村 写真ブログへ
そういう状況にもって行けば
社畜となって身を粉にして働く奴らの
その姿が哀れに思えて清々しいよ

そしてやり甲斐が全くない今の仕事も
副業を延ばす糧となるなら
少しはヤル気も出るし
また副業が延びた時の事を想像しての
金の計算は楽しくて仕方無いよ

PVアクセスランキング にほんブログ村
こうやって嫌でつまらない事も
楽しくこなすのがFIREや老後を
豊かにする一番の手法なのだ
次回に続く





関連記事
スポンサーサイト



コメント






管理者にだけ表示を許可