2011-11-01 (Tue)✎
日本の滝を訪ねて 第40回 黒部渓谷に潜む滝 その2 〔富山県〕
色めきづく秋の十字峡
前回はここまで歩いた
《メインサイトより抜粋》
雲ノ平ではまだ源流であったあの優しい小川が、このような大渓谷を創るとは想像もしえない事である。
立山連峰と後立山連峰を2つに裂くこの壮大なV字谷は、最大の所で水面標高差2000mを越えるという。 しかし、数値で示した所でピンとはこないであろうから、実際に探勝してみるのがいいだろう。
さて、この探勝路であるが、《黒部ダム》より上流は文字通り川を遡行せねばならず、相当な知識と体力・技術を持ってしても難しい所である。 だが、ダムより下流は、『日電歩道』というダム建設調査路の跡がそのまま残っていて、これを伝っての探勝は可能だ。 しかし、川面まで200mの崖をヘツった道がほとんどで、これはもう登山者の領域だ。
・・最後に、主な景勝ポイントとして、“幻ノ大滝”・剱大滝を要する剱沢と鹿島槍ヶ岳を源とする棒小屋沢がひったりと十文字に交差する十字峡、新越沢が断崖から直落下する新越ノ滝、流れの妙が魅力のS字峡、幽谷の魅力あふれる白龍峡などがある。
さて、この探勝路であるが、《黒部ダム》より上流は文字通り川を遡行せねばならず、相当な知識と体力・技術を持ってしても難しい所である。 だが、ダムより下流は、『日電歩道』というダム建設調査路の跡がそのまま残っていて、これを伝っての探勝は可能だ。 しかし、川面まで200mの崖をヘツった道がほとんどで、これはもう登山者の領域だ。
・・最後に、主な景勝ポイントとして、“幻ノ大滝”・剱大滝を要する剱沢と鹿島槍ヶ岳を源とする棒小屋沢がひったりと十文字に交差する十字峡、新越沢が断崖から直落下する新越ノ滝、流れの妙が魅力のS字峡、幽谷の魅力あふれる白龍峡などがある。
《1日目》 JR信濃大町駅よりバス(0:40)→扇沢よりトロリーバス(0:20)→黒部ダム
(2:20)→新越ノ滝(2:40)→十字峡(1:50)→仙人谷ダム(0:45)→阿曽原温泉
《2日目》 阿曽原温泉(2:15)→折尾沢ノ無名滝(2:15)→欅平より渓谷鉄道利用
(1:20)→宇奈月温泉駅より鉄道利用(1:30)→JR富山駅
※ 『日本の滝を訪ねて 第37回 黒部渓谷に潜む滝 その1』《1日目》行程からの続き
《2日目》 阿曽原温泉より欅平へ
《阿曽原》を朝早く出発すると、その日の内に帰宅も可能だ。 但し、秋の早朝はまだ空が白み始めた程度で、ヘットランプを点けながら登っていかねばならない。 《阿曽原》のキャンプ場より小沢を渡って、『水平歩道』まで標高差150mを登っていく。
《阿曽原》を朝早く出発すると、その日の内に帰宅も可能だ。 但し、秋の早朝はまだ空が白み始めた程度で、ヘットランプを点けながら登っていかねばならない。 《阿曽原》のキャンプ場より小沢を渡って、『水平歩道』まで標高差150mを登っていく。
しっとり雨の黒部渓谷
標高差2000mの迫力
剱の大タテガビン
この登りは結構急で、《阿曽原温泉小屋》を遙か下に見下ろす高台まで登っていく。 途中に『まわり道』と示された看板があり、この高巻きを越えると『水平歩道』に入っていく。 ここから《欅平》まで12.5km・延々4時間半の行程だ。
しばらく行くと、《餓鬼谷》に出る。 この《餓鬼谷》は大きく左側に食い込み、《水平歩道》もそれに沿って大きく左を迂回するようにつけられている。 岩盤につけられたヘツリ道を伝って歩いていくと、とてつもなく大きな奥鐘山の大岩盤が現れる。
これより、前方に見える奥鐘山が振り返って見る位置にくるまで、延々と歩き続けなければならない。
《餓鬼谷》を越えると、今度は《折尾谷》に向かって左へ大きく入り込んでいく。 この谷を左に最も入り込んだ所に、落差60~70mはあろうか・・という無名滝が一条掛かっている。
錦絵絢爛たる
折尾沢ノ無名滝
ことに紅葉の時は、滝の周りが彩り鮮やかに色づいて素晴らしい。 この無名滝まで小屋から2時間少々。 ここが《阿曽原》と《欅平》の中間地点のようだ。 ここから先程まで左へ深く入り込んだ分を取り返すが如く、進行方向を黒部本流に向けて取る。 直線距離で結べば1kmにも満たない距離であるが、《折尾谷》を迂回することによって3~4倍のアルバイトを強いられる。
“へつり”道を歩く
約30分かけて、黒部本流を見下ろす高台まで戻ってくる。 気づかぬ内に、奥鐘山の大岩盤が真正面にそびえるようになっている。 ここからは、左岸の岩盤が大きく迫り出して、また大迂回を強いられる。
この迂回を越えると、いよいよ難関・《志茂谷》だ。
沢までの標高差は黒部渓谷最大の300m。 そして、対岸は足も竦む垂直な一枚岩の大岩盤、そして土砂崩れの中を掘っただけの真っ暗なトンネル。 これらを乗り越えれば《欅平》へはたどり着けない。
特に《志茂谷》のトンネルは上から下から《志茂谷沢》の出水がトンネル内に滴り流れ、ヘットランプを照らしながらの千鳥歩きとなる。
これを通り抜け、地形通りに《志茂谷》の迂回を越えると、指呼の間に《欅平》の鉄橋が見えてくる。
しかし、道標を見ると、《欅平》まで4.5kmあるという。 直線距離は1km位だが、地形通りに歩くとその4~5倍という《黒部渓谷》歩きの逃れられぬ宿命なのだ。 何度も地形に沿って小さな迂回を繰り返すと、奥鐘山の大岩盤が背後の位置に見えてゴールが近い事を感じさせる。
これを通り抜け、地形通りに《志茂谷》の迂回を越えると、指呼の間に《欅平》の鉄橋が見えてくる。
しかし、道標を見ると、《欅平》まで4.5kmあるという。 直線距離は1km位だが、地形通りに歩くとその4~5倍という《黒部渓谷》歩きの逃れられぬ宿命なのだ。 何度も地形に沿って小さな迂回を繰り返すと、奥鐘山の大岩盤が背後の位置に見えてゴールが近い事を感じさせる。
奥鐘山の大岩盤
とにかくこの岩盤を振り返る
位置まで進まねばならない
とにかくこの岩盤を振り返る
位置まで進まねばならない
鉄塔を3つ程越えると、《黒部ダム》からのさしも長い『水平歩道』も終わりを告げる。
《上欅平分岐》だ。 ここから下の案内放送さえ聴こえる《欅平》の駅まで、標高差200m下っていく。
分岐から20分程で、《黒部渓谷》という秘境から《欅平》駅の広場脇へ抜け出る。
《欅平》からの『黒部峡谷鉄道』に乗って帰るのだが、乗車にあたって難点が2つある。 1つは乗車定員制で、行楽客の押し寄せる秋本番ともなると1日乗車待ちを食らう事もある。
分岐から20分程で、《黒部渓谷》という秘境から《欅平》駅の広場脇へ抜け出る。
《欅平》からの『黒部峡谷鉄道』に乗って帰るのだが、乗車にあたって難点が2つある。 1つは乗車定員制で、行楽客の押し寄せる秋本番ともなると1日乗車待ちを食らう事もある。
寒い!サーピス悪い!
いわく付きの黒部トロッコ列車
いわく付きの黒部トロッコ列車
もう一つは、乗車中の寒さが尋常ではない・・という事である。 これは、最低クラスの“普通車”(吹きっさらしの車輌である)の利用者に限られるが。 車輌の“囲い”に料金差をつけるとは、“関西電力もやってくれるな”という気持ちでいっぱいである。 後は、《宇奈月温泉》でひと風呂浴びるも良し、そのまま富山に出て帰路を急ぐも良しである。
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