風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第543回  湯瀬渓谷・雪情景

『日本百景』 冬  第543回   湯瀬渓谷・雪情景  〔秋田県〕

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雪国・秋田の渓谷は
4月初旬でもこのように
雪化粧をしている

  湯瀬渓谷 ゆぜけいこく
秋田県鹿角市八幡平地区にある渓谷で、十和田八幡平国立公園の代表格である十和田湖と八幡平の概ね中間地点に位置するが、十和田八幡平国立公園の区域外で、公園指定はされていない。 1977年に『新秋田三十景』に選定されている。

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渓谷随一の滝・ひやげ滝
滝の姿がひしゃくのように魅える
事から名づけられたという

米代川の上流部に位置しており、その清流によって浸食された峡谷と両側にそそり立つ奇岩絶壁や、街道筋に生えている唐傘松(鹿角市指定天然記念物)や奇岩上に点在する姫子松などがある景勝地となっている。 だんぶり長者によって派遣された天狗が一夜で完成したといわれる天狗橋もあり、渓谷の右岸には旧鹿角街道(津軽街道とも)が約2kmにわたってその跡を留め、現在はハイキングコースとして整備されている。

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湯瀬温泉郷は高層ホテルが
中心の温泉地だが

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こういった古き良き
温泉情緒も魅せてくれる
※ 上下いずれも
ウィキペディア画像を拝借

渓谷の上流域には、湯瀬温泉郷がある。 湯瀬温泉郷の名は、川の瀬からも湯が湧くほど湯量が豊富な事から、このように呼ばれるようになったとの事である)。



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湯瀬渓谷詳細図

   行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
盛岡駅より鉄道利用(2:00)→湯瀬駅(0:10)→湯瀬渓谷・湯瀬口(0:20)→ひやき滝
(0:40)→地蔵岩(0:15)→湯瀬渓谷・八幡平口(1:00)→湯瀬駅より鉄道利用
(1:55)→盛岡駅
  ※ 行程表の所要時間は無雪期の標準タイムで、積雪期の渓谷内は倍の所要時間がかかり、
    また途中で進行不能となって引き返す事も想定される

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冬真っ只中の湯瀬渓谷を
渡る花輪線列車

盛岡から2時間・・、県境を越えて秋田県に入って最初の駅が《湯瀬》だ。 この駅で下車したなら、国道282号線を《八幡平》方向へ歩いていこう。 国道282号線を15分程歩くと、ホテルが立ち並ぶ温泉街を抜け出た所にある《湯瀬渓谷入口》に着く。 入口には、『秋田景勝三十景・湯瀬渓谷』との案内板があり、すぐに判る事であろう。

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『(社)十和田八幡平観光物産協会』の
湯瀬渓谷散策map

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渓谷の入口付近で
花輪線が鉄橋で渡るので
これも渓谷入口の目印となる

湯瀬渓谷は《湯瀬》から《八幡平》までの約4kmの渓谷で、人知れず瀑布を落とす滝もさる事ながら、吸い込まれていきそうな深い淵が印象的な渓谷である。 この渓谷の遊歩道はその昔『津軽街道』であったとの事である。

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30年も前のハイキングコースとして
整備がされてない時代の湯瀬渓谷は
当時の津軽街道そのままの姿を魅せていた

陸奥と関東を結ぶ主脈であった面影を随所に残している。 これらの名残は、歩いていくうちで追って説明していこう。 また、近年は地元の鹿角市によってハイキングコースとして整備され、無雪期ならば探勝に何ら問題はないだろう。

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四季折々で魅惑的な情景を魅せるが
やはり“静”の時を得てモノトーンの
情景を魅せる冬がより一層魅惑的だろう

そして、この渓谷が最も魅力を増すのは、やはり冬の深雪をまとった時であろう。 “静”の時を得て、淵がより一層深く魅惑的に見えるからである。 だが、冬のこの地は東北でも指折りの豪雪地帯で、冬は完全に雪に埋もれて渓谷沿いの崖のへつりと化した所をラッセルしながら進まねばならないのである。

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真冬は街道時代そのままの
雪の吹き溜まりの道となる

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冬にこの渓谷を訪れた第一目的は
雪の渓谷を渡る
花輪線列車が撮りたいが為だった

もちろん、踏み外したり雪庇を踏み抜くと渓谷に真っ逆さまである。 このように冬は、生命の危険もあるルートとなるのである。 その事を踏まえて、冬の絶景を魅にいこう。 入口からしばらく歩くと、《剣ヶ岩》が現れる。

冬は雪に姿を隠す
神秘の滝・ひやげ滝
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遊歩道から100mほど奥に入ると
ひしゃくの形をしたひやげ滝がある

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この滝は春先以降でないと
目にする事は叶わないだろう

この岩は下から見ると何の変哲もない岩だが、この岩の上に周り込むと剣が突き立っているように見えるのだ。 この《剣ヶ岩》から更に奥に登っていくと、《ひやげ滝》がある。

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なぜなら滝までは崖の斜面を
急登せねばならないからだ

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もちろんひやげ滝上部の
ナメ岩に木影の模様が入る
絶景も雪解けまではお預けだろう

だが、この滝は探勝路から100mほど奥に入った崖に掛かる滝で、厳冬期は雪で道が完全に埋まって立ち寄る事は敵わないだろう。

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ひやげ滝は望めなかったが
剣ヶ岩の氷柱の芸術を望めた

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もちろん冬の渓谷に入った
第一目的の雪の花輪線も
最高傑作(但しワテ基準)が撮れたよ

その代わりに、《剣ヶ岩》の岩を伝う雫が滝の如くの氷柱となる絶景を魅せてくれるだろう。 
そして、幸運にも陽が射したなら、氷柱が黄金色に輝く様を拝めるかもしれない。 樹氷と氷柱のこの美しき光の妙を見たなら、先に進む事にしよう。

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舞い振る雪が
次々と深い淵に消えていく

《剣ヶ岩》から10分程歩くと、この渓谷最大の見どころ・《細滝》とその落水が長い歳月をかけて彫り、そして刻み込んでいった《釜淵》である。 覗き込めば、吸い込まれていきそうな深くまどろんだ淵。
その底から、何とも言えぬ澄みきった蒼紺を魅せる水面。 そして、この情景を一層引き立てるのが、冬の雪景色であろう。

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吸い込まれていきそうな深い淵

舞い込む雪がこの淵に入り込む瞬間、白銀が蒼紺の淵に合わさる瞬間に神秘的な何か・・、言葉では言い表せないものを感じるのである。 これが、“吸い込まれそうな深い蒼紺”なのであろうか。
そして、この静止した神秘的な時は、淵から目線を離して辺り一面の雪化粧を振り返った時に終わる。
そう・・、神秘的な時から解放されて、“我に帰る”のだ。 この渓谷の魅力は、これに尽きる・・といっても過言ではない。

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釜淵より先は渓谷は穏やかになるが
厳冬期の歩道は凍結して滑りやすくなり
引き返しとなる事も有り得る

この《釜淵》から先はこれまでと打って変わって、明るく開けた感じの眺めとなる。 また、『津軽街道』に伴う史跡も、この辺りに多く見受けられる。 まずは、《地蔵岩》。 これは、渓谷の対岸の岩壁に大きな地蔵が彫られていて、それに大きな赤い“前掛け”を掛けてある。 そして、遊歩道側にあるこの地蔵を祀る祠に、街道を通る全ての者の無事祈願を祈りこめられてあった。

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地蔵岩の付近は一枚岩の
上に遊歩道があって滑りやすく
転落の危険が多々あって
春先でないと通れなかったよ

昔の旅は命がけであったのだ。 だから、今で言う“安全”ではなく、“無事”を祈願しているのだ・・と思う。 この《地蔵岩》のすぐ後ろをJR花輪線が通っているので、列車の車窓からも望む事ができる。 
但し、鉄橋を渡るほんの一瞬であるが。 この後、この地の守護神を祀る《大日堂》があり、この辺りから遊歩道は渓谷から離れていき、《八幡平》側の出口に着く。 

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現在は柵が
設けられているようだ
※『津軽街道(鹿角街道)をゆく』より

こちらは、入口の《湯瀬口》と違って渓谷を示す現代的な案内板などはなく、苔むした路傍の石に道しるべが彫ってあるだけである。 『津軽街道』の名残であろう。

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八幡平駅側の渓谷入口は最近になって
『旧津軽街道』を示す道標が立てられたが
以前は道祖神の鳥居と路傍の石に
刻まれた道しるべのみだった
※『津軽街道(鹿角街道)をゆく』より

帰路は、国道を《湯瀬》まで戻ってひと風呂浴びて帰るも良し、八幡平駅までいって列車の車窓から一瞬の渓谷美を眺めるのも良し・・である。

  ※ なお、地蔵岩~八幡平口の記述は、以前は柵が設置されておらず転落の危険があった為に、
    雪解けとなってから改めて訪れた時の記述です。


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