2023-01-06 (Fri)✎
『日本百景』 冬 第540回 豊予海峡 〔愛媛県・大分県〕
海峡を行き交う船の灯と
対岸の街の光は
エキゾチックな眺めを演出する
エキゾチックな眺めを演出する
豊予海峡 ほうよかいきょう (瀬戸内海国立公園)
大分県大分市(旧佐賀関町)の関崎と、愛媛県伊方町(旧三崎町)の佐田岬によって挟まれる海峡で、速吸瀬戸(はやすいのせと)とも呼ばれる。 海峡の両側の大分県及び愛媛県の旧国名である豊後国及び伊予国から、1字ずつ取って豊予海峡と呼ばれている。
豊後水道の最も狭まって
潮流が速い海の難路を見護る佐田岬灯台
豊後水道の中で水路が最も狭い部分で、伊予灘との境界にあたる。 海峡幅は約14kmで最大水深は約195m。 海峡の中央部に、日本最大の断層である中央構造線が走る。 佐賀関港と三崎港の間に、国道九四フェリーが運航されている。
国道197号線は
この桟橋より先は海上国道となる
※ ウィキペディア画像を拝借
また、このフェリーの航路は、国道197号線として海上国道となっている。 これは、このフェリーが旧日本道路公団が開設した航路で、後に民間事業者の国道九四フェリーへ移管された為である。
一流ブラントとなっている
大分・佐賀関産の『関さば』
※『ぐるなび』より
豊予海峡は好漁場として知られており、潮流が速い事から、獲れる魚は身が引き締まり脂がのっており、市場での評価が高い。 特に、佐賀関港に水揚げされるアジとサバは、魚自体の品質の高さに、魚を傷めない一本釣りの漁法や面買い、活け締めによる鮮度保持、厳格な品質管理が相まって『関あじ』、『関さば』として全国的に有名な高級魚のブランドとなっている。 なお、三崎側で水揚げされたアジやサバは『岬あじ』、『岬さば』と呼ばれ、より安価で取引される。
豊予海峡の対岸の港町・佐賀関まで
水先案内の光を届ける佐田岬灯台
佐田岬 さだみさき (瀬戸内海国立公園)
愛媛県の佐田岬半島先端にある四国最西端の岬で、九州本島最南端の佐多岬(さたみさき)と字や読みが似ているため、混同される事がある。 漢字の違いの他に、こちらは“さだみさき”と、濁音である事が異なる。
灯台の建つ海崖には
旧日本軍が佐田岬砲台を要する
豊予要塞を構築していた
佐田岬砲台の司令部の遺構
:
お色直しを受けて2017年より
観光用に公開されている
※ 上下いずれも
ウィキペディア画像を拝借
また、灯台の建つ海崖には、旧日本軍が本土決戦に備えて佐田岬半島先端部に豊予海峡の防備の為の豊予要塞を構築していた。 その主戦砲台が佐田岬砲台で、岬園地に戦争遺構として残っている。
この要塞は、実際に戦火を交える事なく終戦により廃止・閉鎖されて、永らくの放置されていたが、2017年に一部が国定公園・佐田岬園地として整備されて観光用に開放されている。
豊予海峡・地図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
JR八幡浜駅よりレンタカー使用(0:50)三崎港(0:40)→佐田岬灯台
※ 八幡浜駅から佐田岬までの距離は54kmである
国道197号の陸路終点の三崎港までの39kmは完全2車線道路として整備されているが、
三崎港から佐田岬までの距離にして15kmの残り区間は、愛媛県道256号線が狭隘道路で
かなりの所要時間を要する
豊予海峡を行き交う船と
海原を照らす朝の光
《佐田岬》は四国最西端の岬で、豊予海峡に突き出す細長い半島の突端に位置する。 この半島の地形であるが、豊予海峡へ突き出す長さが直線距離で40kmにも及ぶが、幅は最も短い所で1kmを切る800mと実に細長いのである。 そして目指すは、岬灯台の建つその一番先端なのである。
ワテが訪れた時は
2017年の岬園地整備以前で
こんなモニュメントなんか無かったよ
※ ウィキペディア画像を拝借
また、交通機関は四国・九州間のフェリーの発着港のある《三崎町》までしかなく、ここから《佐田岬灯台》までは15kmと歩いていくには少しキツい距離だ。 このように、車がなければ岬めぐりは著しく不利なのである。 従って、この行程ではレンタカー利用の形式とした。 もちろん、マイカー持参がベストであるが・・。 それでは、『佐田岬』めぐりを始めよう。
高規格道路に整備された
国道197号線の新道
『佐田岬メロディライン』
※ ウィキペディア画像を拝借
岬へは、《八幡浜》市街より国道197号線が連なっている。 半島中央部の山背にはハイウェイなみに整備された『新道』が、ほぼ一直線に続いている。 だが、海辺から離れた半島中央部を通るので、眺望はもう一つ落ちる。 景色を望むならば、海辺と漁師町をクネクネと連ねる『旧道』を通ってみてはどうだろう。
入江が塞き止められてできた
潟湖の亀ヶ池と海岸線を縫うように
連ねる国道197号線の旧道
旧道をゆくと時間は3倍かかるが
伊予の海の情景を楽しむ事ができる
※『tabirin』より
旧道の景勝地ではイチ押しの
女子(めっこ)岬をめぐる事ができる
※『佐田岬ナビ』より
女子(めっこ)岬の突端に建つ
女子岬灯台
※『灯台ナビ』より
時間は3倍位かかるが、漁師町の表情や養殖イカダ・段々畑など、写真の“ネタ”となる風景をあちらこちらで見かける事ができるだろう。 やがて、《八幡浜》より40km、四国最西端の町・《三崎町》に着く。
豊予海峡間の海上国道を渡す
国道九四フェリー
※ ウィキペディア画像を拝借
この町は、九州へのフェリーが発着する九州への玄関口だ。 車のナンバーも、九州の地名を標した車をよく見かける。 さて、『佐田岬』へは、港をかすめて細く連なる舗装道を15km進んでいく。
岬までにこれといった景勝地も見当たらないので「岬に早く着きたい」と思う所であるが、この道はカーブが多く、所々ですれ違いも困難な程に道路の幅が狭まるので飛ばし過ぎは禁物だ。 忠実に走っていけば、40分位で岬の駐車場に着くだろう。
暮れて空が暗くなり
灯台の灯が点灯する
灯台下の石垣前に設置された
佐田岬灯台の説明版
『佐田岬』を眺めるなら、灯台に燈火が灯る夜間が格別だ。 九州の《大分》や《別府》と対峙する位置に建つ白亜の灯台は、激しい潮流と多くの岩礁帯の為に“海の難所”と恐れられる《豊予海峡》をただ一点の光跡で照らしている。 そして、対岸にはうっすらと九州の山なみと、宝石のように輝く街の灯がエキゾチックな雰囲気をかもしだしている。
日が暮れて対岸の佐賀関の街の光と
灯台の放つ光と行き交う船の灯が
エキゾチックを創造する
空が完全に暮れると
対岸の街の人々が明かりを灯し
街の放つ光で闇の海原が白く輝く
その情景に海峡を行き交う船舶の光跡が合わさると、よりエキゾチックな・・、より叙情的な・・『光の芸術』が完成する。 時刻表で船の出港時間を調べて、岬の果てでのみ表現できるエキゾチックなシーンを狙ってみよう。
その情景は心にゾクゾクと響く
エキゾチックな夜景だった
エキゾチックな岬の夜景を眺めた後は街に戻って宿を取るのもいいが、ちょっと我慢して車中泊すれば、明日の海峡の日の出のシーンと朝日に輝く白亜の灯台を眺める事ができる。
夜景だけでは終われない
ここは是非とも海の夜明けの絶景も
翌朝のサンライズは、《八幡浜》へ続く細長い半島に沿った海原より昇り始める。 朝日を眺めたなら、昨日のエキゾチックなシーンを演出した岬灯台へ行ってみよう。 灯台へは、駐車場より遊歩道を1km程歩いていくといい。
白亜の灯台が朝日に照らされて
ほのかに色づいたなら
岬の夜明けのショータイムが始まる
朝日が昇る瀬戸内の海は
朝の逆光と冬の重苦しい雲が
意味深の情景を醸し出す
そしてクライマックス
海峡を行き交う船が朝日が
海原に射す光の点を踏む
光の点はゆっくりと
船が進む向きと
交差しながら大きくなっていく
ショータイムの時は短い
次の船が通過する頃にはもう
瀬戸内の海からこちらまで
朝日の筋が通っていた
白亜の灯台の前で海峡を望むと、「今、自分は旅人なんだ」との実感がひしひしと湧いてくる。
重苦しい冬の雲間から
強い光が差し込んで
また、白亜の灯台を前景に大海原が広がる《椿原展望台》もお薦めの一つだ。 その他にも、旧日本軍の砲台や塹壕跡などの名跡がある。
佐田岬のすぐ沖合にある御竜島に
旧日本軍が配備した穹窖(洞窟式)砲台
三八式十二糎榴弾砲の
レプリカが設置されている
:
ワテが訪れた時は
まだ岬園地整備前で
砲台跡は立入禁止だったよ
※ 上下いずれも
ウィキペディア画像を拝借
素晴らしい情景を思う存分味わったなら、岬を後にしよう。 帰りは、名曲・『岬めぐり』の唄の通りにいこう。
入江が塞がってできた潟湖の亀ヶ池と
狭い土地を最大限活用した段々畑
「窓に広がる碧い海を悲しみ深く胸に沈めたなら、この旅終えて街に帰ろう」という唄の通りに・・。
この前の続き
:
北海道シンカンセンの札幌延伸開業で
北海道の鉄道は壊滅的な赤字に陥り
破産状態となっで立ち行かなくなる
それは札幌延伸にかかる建設費が
最低6000億はかかり予測では
物価高騰や武漢コロナ不況も伴って
7〜8000億かかるとされている
コレは絶対的に不可能であるが
北海道シンカンセンが
年間で300億の黒字を上げたとしても
今までの部分開業の赤字と利息を加えると
償還に4〜50年はかかる計算であるし
部分開業の新青森~新函館北斗の業績は
輸送密度が1430人/日で
関西本線の閑散区間である加茂~亀山より少し上で
畜電池車両が走る烏山線より下なのである
また元廃止対象線の第三セクターの多くより下である
そして年間の赤字額は200億超えで
実にJR北海道の年間赤字の
40%を占めるのである
裏返しで言うと赤字を生み出す轍である
北海道シンカンセンを廃止して
経営体質の改善と鉄道旅の若者を呼び戻すなど
シンカンセンという値上げ手段に頼らずに
増収策を図る方がよっぽど経営改善につながるのだ
そして延伸すると前のバナー下でも述べた通り
中の抜け落ちで函館〜苫小牧を始めとする
特急【北斗】の固定需要の半分以上を失うのだ
なぜなら函館から新函館北斗までリレー列車に
乗っての乗換と長万部での乗換とで
大きな荷物を下げて座席取りを強いられた挙句
2回の乗継の時間ロスはリレー列車の
乗車時間を含めて40〜50分のロスとなる
それで料金はシンカンセン用の割高な運賃設定
(経営不振のJR北海道なら有り得る)と
と乗継特急の二重取りで恐らく
現在より1.3〜1.5倍となるだろう
即ち室蘭本線の各都市への乗り継ぎは
乗換で生じるロスを含めると
函館から直通の特急【北斗】よりも時間がかかり
2回の乗り換え負担と料金アップを食らうのだ
コレでは余程のシンカンセンびいきでないと
今より1時間半かかっても直通で料金は1/3の
高速バスに流れるか更なる鉄道離れを起こして
高速道路をマイカーで・・という事になろう
:
恐らく5~6回シリーズとなりマス
次回(3回目)に続く
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