風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  よも”ヤマ”話 >  '97の山旅 夏・山旅放浪 他 >  よも”ヤマ”話  第187話  黒部渓谷 その2

よも”ヤマ”話  第187話  黒部渓谷 その2

よも”ヤマ”話  第187話  黒部渓谷 その2 (十字峡~欅平) [長野県] '97・ 10

y186-last.jpg
奇勝・十字峡
剱沢カールや剱の三ノ窓などの
氷河が源頭の剱沢と
鹿島槍から駆け下ってきた棒小屋沢が
十文字に相対して黒部川に注ぐ

  下ノ廊下・十字峡 しものろうか・じゅうじきょう (中部山岳国立公園)
黒部川の上流域にある黒部渓谷の『下ノ廊下』と呼ばれるV字谷で、左右両岸より2つの沢が合流している場所がある。 そして、その合流する沢はぴったりと相対して、黒部川に十文字となって合流している為、『十字峡』と呼ばれている。

y187 (2)
氷河を源とした
壮大な水の旅を示す剱沢

この相対する2つの沢は、左岸側の沢が立山と剱岳の間にある別山平(剱沢カール底)を源頭とする剱沢で、真砂岳が源頭の真砂沢や剱岳東面で氷河として認定されている三ノ窓雪渓や小窓雪渓を源頭とする北股沢を合わせて剱沢本流となる。

八ッ峰
その源である氷河の三ノ窓雪渓

また、剱沢本流の途中には知られざる秘滝『剱大滝』が掛かっている。 一方の右岸は、鹿島槍ヶ岳を源頭する棒小屋沢は、鹿島槍ヶ岳の西面を源頭に黒部渓谷のV字谷をほぼ垂直に流れる急峻な沢で、沢遡行は不可能に等しくほぼ前人未踏と云われる沢である。

y187-w.jpg
当時は霧雨で濡れて滑るので
下まで行けなかったよ
なのでウィキペディア画像をば・・

登山路は黒部渓谷・下ノ廊下の左岸側につけられた旧『日電歩道』であるが、この十字峡で剱沢をつり橋で渡る事になるが、このつり橋を渡る少し手前に広い場所があり、この場所からが2つの沢がぴったり十字峡で合流しているのが視認できる。 また、合流する沢の間近の岩の上に降り立つ事もできるが、過去に常時濡れて滑りやすいこの岩から転落しての死亡事故も数多く発生している。



y186-m.jpg
黒部渓谷・下廊下
(黒部ダム~阿曽原小屋)の行程詳細図

   行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》JR信濃大町駅よりバス(0:40)→扇沢よりトロリーバス(0:20)→黒部ダム
    (2:20)→新越ノ滝(2:40)→十字峡(1:50)→仙人谷ダム(0:45)→阿曽原温泉
《2日目》阿曽原温泉(2:15)→折尾沢ノ無名滝(2:15)→欅平より渓谷鉄道利用 
    (1:20)→宇奈月温泉駅より鉄道利用(1:30)→JR富山駅
   ※ 前話『第186回 その1』の続き

y186-t.jpg
剱沢の壮大な水の流れの終点が
黒部川とクロスする十字峡だ

《白竜峡》を背に延々と歩いていくと、やがて《黒部渓谷》のクラスマックス・《十字峡》に差しかかる。 “幻ノ大滝”と云われる『剱大滝』を擁する《剱沢》が左手より豊富な水を落とす滝を掛け、右手は鹿島槍からの《棒小屋沢》がぴったりと十文字に合流している。

y187 (1)
合流寸前で
滝となって落ちる剱沢

y187 (4)
氷河・大雪渓・岩洞・・
そして神秘の大滝の『剱大滝』と
自然の神秘を欲しいままとする剱沢の
最後の瀬滝はこの十字峡に合流すの滝だ

黒部本流の岩を食む流れと《剱沢》の瀑布、そして《棒小屋沢》の流れが、それぞれのベクトルで水流を描いて幾何学的な水紋を魅せてくれる。 

y187-2 (4)
鹿島槍を源頭に直線距離1km足らずで
標高差2000m以上駆け下る棒小屋沢

《十字峡》は《剱沢》に架かる探勝路の吊橋からも眺める事ができるが、ここまできたなら是非とも直に見たいものである。 この《十字峡》を直に見るには、吊橋の前の広場より《剱沢》の滝の前の大岩に下り立つ事ができる。

y187 (3)
紅葉時は更なる
絶景を魅せてくれる

ここからだと、《十字峡》の合流点が手に取るように見えて迫力満点だ。 とどろく轟音と迫力満点のシーンに、シャッターを押す指もついつい力が入る。 次々に現れる情景にアングルを色々と思い描きたい所だが、この先も距離が結構あり時間もかかるので、頃合を見て引き上げよう。

y187-2 (1)
十字峡を越えると日電歩道は
高度を上げて沢からどんどん離れる

《十字峡》からは、先程の吊橋で《剱沢》を渡って対岸の岩を高巻きした後に、《水平歩道》(旧『日電歩道』)に戻る。 『水平歩道』は《黒部川》の水面よりどんどん離れて、標高差200mはあろうかという大岩壁の上に続いている。

y187-2 (2)
水面から高度差で
もう150m位離れているので
うかつに紅葉撮影で身を乗り出せない

y187-2 (3)
黒部川が蛇行し始めると
下ノ廊下の次なる景勝地だ

y187-2 (5)
微妙に半月の弧を描く半月峡
だが半月を視認するには
空撮するしかないだろうね

これを伝うと、《黒部川》の渓流が半月状に蛇行する《半月峡》の上に出る。 だが、水面まで200mの奈落の底では、状況ははっきりとは見渡せない。 またカメラも、超望遠レンズがなければ苦しい所である。 

y187-2 (6)
半月峡の次はS字峡だけど
半月峡同様判り辛い

y187-2 (7)
望遠で引っ張ってみると
何とかS字峡と判明

続いて、《黒部渓谷》の情景の代名詞・《S字峡》が現れる。 《S字峡》も先程と同じく標高差200mの崖の上からで、どうやら写真集などを飾る《S字峡》は超望遠レンズで狙ったものであろう。

y187-2 (8)
限界の210mmで・・
高度差200mをテント一式担いで
手持ち撮影ならこれが限界

これを越えてしばらく歩くと、対岸となる右岸に送電線の引き出し口が2つ見えてくる。
そして、その入口に、『関西電力』『黒四発電所』と書かれてある。 これがあの有名な、『黒部川第四地下発電所』・通称《クロヨン発電所》である。 

y187-4 (3)
このトンネル内に
クロヨン発電所の地下発電施設がある


《クロヨン発電所》を通り過ぎると山肌をジグザグに切って急下降して、《黒部川》本流を立派な吊橋で渡る。 渡り終えると、《高熱隧道》の残骸であろうか・・、コンクリートの廃墟が建ち、その中は岩壁からの漏水でぬかるみとなっていた。 ここからはトラックも通れるような幅の広い砂利道となり、長いスノーガードトンネルと黒部川治水工事の飯場を越えて、ようやく《仙人谷ダム》の堰堤にたどり着く。
《黒部渓谷》の要注意道はここまでで、ここからは地図でも一般道と同じ実線で示してある。

n409-4 (12)
仙人ダムの堰堤から
『関電上部軌道』の引込み線を歩く
発電所職員や資材搬送の為に
1日数本の運行があるけど
これの『撮り鉄』の為に行くと
したらレジェンドだよ

《仙人谷ダム》の堰堤を通り、ダム内を地下通路のように掘られた宿舎通路を『阿曽原へ』の指示通りに歩いていく。 やがて、外に出て白い蒸気を噴き上げる『関電上部軌道』の引込み線を越えて、《人見平》の『関電宿舎』の前を通る。 ここからしばらく樹林帯の中を歩き、やがて急激に高度を稼いで元の『水平歩道』に戻る。

これを登りきると、一度《黒部川》から別れて樹林帯の中深くを行くようになる。 後は、《阿曽原温泉小屋》の建物が見えるまで歩いていけばいい。 最後に《仙人池》からの道と合流して100mばかり下っていくと、《阿曽原温泉小屋》の前に出る。 

r187-w2 (2)
プレハブ造りの阿曽原温泉小屋
紅葉シーズンならば50人の定員に
250人以上押し寄せるので
三角座り寝が必然だった
今は予約制だろうから泊まれないけど
だから担ぐのがしんどくても
テントが断然有利
※ ウィキペディア画像を拝借

なお、《仙人》》からの道であるが、以前は《阿曽原峠》を通って直接《阿曽原温泉小屋》に出ていたが、《阿曽原峠》付近の道が崩落した為に、これまでの仙人谷に沿ってのルートは破棄され、1629mピーク周りで《仙人谷ダム》の手前に下る山道ルートに変えられている。

r187-w2 (1)
阿曽原温泉の露天風呂

名前の如くこの小屋では温泉に浸かれるのであるが、小屋の開設期間中はいつでも超満員との事である。 《黒部渓谷》を探勝するならここで宿泊するしか手がないのだから仕方がないが、それでも尋常な込み方ではないらしい。 何でも、50名の定員に250名が押し寄せるとの事。 これでは、寝る事もおぼつかないだろう。 以上の事から、ワテはテント泊をお薦めしたい。 長い距離を歩いて疲れた足を延ばして寝る事ができるのは、テントの特権である。 但し、防寒着は忘れずに。



y187-m.jpg
黒部渓谷・下廊下
(阿曽原小屋~槻平)の行程詳細図
※ 仙人池の地図の使いまわし

  《2日目》 阿曽原温泉より欅平へ
《阿曽原》を朝早く出発すると、その日の内に帰宅も可能だ。 但し、秋の早朝はまだ空が白み始めた程度で、ヘットランプを点けながら登っていかねばならない。 《阿曽原》のキャンプ場より小沢を渡って、『水平歩道』まで標高差150mを登っていく。 この登りは結構急で、《阿曽原温泉小屋》を遙か下に見下ろす高台まで登っていく。 

y187-4 (1)
今日は前方に見えるこの奥鐘山が
背後に見えるまで
12.5km歩かねばならない

途中に『まわり道』と示された看板があり、この高巻きを越えると『水平歩道』に入っていく。
ここから《欅平》まで12.5km・延々4時間半の行程だ。 しばらく行くと、《餓鬼谷》に出る。

y187-4 (10)
写真簡単に撮っているようだけど
こういう所で幕営装備一式の
20㎏担ぎながら撮ってるんだよ

この《餓鬼谷》は大きく左側に食い込み、《水平歩道》もそれに沿って大きく左を迂回するようにつけられている。 

y187-4 (2)
かつては仙人池から
1日で欅平に行けたのに
近年は阿曾原から7時間もかかったよ
ちなみにこの1年後に
スーパーオチャメ』ったりする

岩盤につけられたヘツリ道を伝って歩いていくと、とてつもなく大きな奥鐘山の大岩盤が現れる。
これより、前方に見える奥鐘山が振り返って見る位置にくるまで、延々と歩き続けなければならない。

y187-4 (6)
沢まで高低差200mのハイライトが
この餓鬼谷から折尾谷の谷迂回路だ

《餓鬼谷》を越えると、今度は《折尾谷》に向かって左へ大きく入り込んでいく。 この谷を左に最も入り込んだ所に、落差60~70mはあろうかという無名滝が一条掛かっている。 

y187-3 (1)
最近になって折尾沢ノ滝と
名付けられたようだが
永らく『無名滝』として通していた
落差60~70mの滝

y187-3 (2)
この滝は下を切り取った方が
紅葉に映えるみたい

ことに紅葉の時は、滝の周りが彩り鮮やかに色づいて素晴らしい。 この無名滝まで小屋から2時間少々。 ここが《阿曽原》と《欅平》の中間地点のようだ。 ここから先程まで左へ深く入り込んだ分を取り返すが如く、進行方向を黒部本流に向けて取る。 直線距離で結べば1kmにも満たない距離であるが、《折尾谷》を迂回することによって3~4倍のアルバイトを強いられる。

y187-4 (5)
奥鐘山の大岩盤が横位置になったよ

約30分かけて、黒部本流を見下ろす高台まで戻ってくる。 気づかぬ内に、奥鐘山の大岩盤が真正面にそびえるようになっている。 ここからは、左岸の岩盤が大きく迫り出して、また大迂回を強いられる。
この迂回を越えると、いよいよ難関・《志茂谷》だ。

y187-4 (4)
一見は何でもない
タダのトンネルの志茂谷トンネル

沢までの標高差は黒部渓谷最大の300m。 そして、対岸は足も竦む垂直な一枚岩の大岩盤、そして土砂崩れの中を掘っただけの真っ暗なトンネル・・。 これらを乗り越えなければ《欅平》へはたどり着けない。 特に《志茂谷》のトンネルは上から下から《志茂谷沢》の出水がトンネル内に滴り流れ、ヘットランプを照らしながらの千鳥歩きとなる。 

y187-4 (8)
トンネル内は水深10センチで
地下水が滴り落ちる洞窟である
要するに横の土砂崩れの中を
掘っただけの通路である

これを通り抜け、地形通りに《志茂谷》の迂回を越えると、指呼の間に《欅平》の鉄橋が見えてくる。
しかし、道標を見ると、《欅平》まで4.5kmあるという。 直線距離は1km位だが、地形通りに歩くとその4~5倍という《黒部渓谷》歩きの逃れられぬ宿命なのだ。 何度も地形に沿って小さな迂回を繰り返すと、奥鐘山の大岩盤が背後の位置に見えてゴールが近い事を感じさせる。 

y187-4 (9)
上欅平分岐の手前で
黒部渓谷とは
黒部渓谷鉄道までお別れとなる

鉄塔を3つ程越えると、《黒部ダム》からのさしも長い『水平歩道』も終わりを告げる。
《上欅平分岐》だ。 ここから下の案内放送さえ聴こえる《欅平》の駅まで、標高差200m下っていく。
分岐から20分程で、《黒部渓谷》という秘境から《欅平》駅の広場脇へ抜け出る。 

y187-4 (7)
欅平上部からは
標高差200mをイッキ下りする
この時は20分チョイ
近年はみっちり1時間かかったよ

だが、ヘタれた四半世紀後には、《仙人池》から《阿蘇原温泉小屋》までで所要9時間の1日工程、翌日の《阿蘇原温泉小屋》から《欅平》までも7時間かかって、《欅平》に着いたのは11時過ぎで、大阪に帰れる黒部渓谷鉄道の最終の1本前だったよ。

そして《上欅平分岐》からの下りもかつては20分程だったのが、みっちり1時間かかったよ。 
あぁ・・、恐るべきヘタレ退化だ。 恐らく、同一人物として認めてはもらえないだろうね。 
しかも! この夜はほとんど寝ずに夜勤に入ってぶっ倒れかけたよ。

y187-kyaki.jpg
欅平駅
ここは山峡の下界だ
山とは相いれない姿の
列車折り返しのみの
観光客が半数以上となる

話は悲しい方向に反れたが、《欅平》からは『黒部峡谷鉄道』に乗って帰るのであるが、乗車にあたって難点が2つある事を頭に入れておこう。 1つは乗車定員制で、行楽客の押し寄せる秋本番ともなると、1日乗車待ちを食らう事もある。

y76 (7)
荷物一式担いでの渓谷歩きで
汗をかいた後にコレに乗ると
寒さで身体が縦震えするよ
下手すれば凍えてショック死するかもね

もう一つは、「乗車中の寒さが尋常ではない」という事である。 これは、最低クラスの『普通車』(吹きっさらしの車輌である)の利用者に限られるが・・。 車輌の“囲い”に料金差をつけるとは、「関西電力もやってくれるな」という気持ちでいっぱいである。 後は、《宇奈月温泉》でひと風呂浴びるも良し、そのまま富山に出て帰路を急ぐも良し・・である。


にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
パヨク政党がガなる
働かない弱者や
LGBTなど人の道に外れた変な奴らを
支援する必要はない

生活保護は日本人のみで
外人は要件に該当すれば
即刻母国へ強制送還するべきだろう

にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
感染蔓延の原因となった
東京五輪に参加して
日本の国に感染爆発をもたらした
アスリート共の強化支援もする必要がない

そもそもこういったアスリート共は
支援せずとも稼ぎがあるのに
強くなる為にもっと出せ!といい

にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
政治屋もスポーツや外人利権の為に
億単位の金を出しているのだ
そして感染爆発を引き起こしたのだ

平時なら大いに出せばいい
だが今は東京五輪から始まった
感染爆発災禍で国民が
生命・生活・経済とも逼迫しているのだ

にほんブログ村 写真ブログへ
だから日本人の払った税金は
日本人の為にだけ使うべきなのだ
そして本当に困った者だけに支援を施し
支援金のバラ撒きは止めるべきだ

そしてこんな状況で「仕事が嫌だ」と
我儘を通した例のオッサンのような
働かず税金に寄生する寄生虫に施す必要はない
野垂れ死にしようとも一切突き放すべきなのだ

にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へ
もちろん失業保険も
こういう「働くのが嫌だ」という
悪質な者には一切の
支給・支援を拒絶すべきだろう
正直言うと交通費が出るだけでも税金のムダだ

例のオッサンは税金から出してもらって
通う職業訓練校で就職させる事に
躍起になっている」と文句をいってるが
そんなの当り前だろうが!
働く者の出した金で学校に通っているのだから

PVアクセスランキング にほんブログ村
アスリートなど生活支援が不要な者や
働かない弱者・外人にバラ撒くのは一切やめて
無利子無担保で必ず返済が必要な
一定額の活動資金(10年・1000万が妥当)を
融資する制度を創設するべきだろう







関連記事
スポンサーサイト



コメント






管理者にだけ表示を許可