2022-11-09 (Wed)✎
『日本百景』 秋 第533回 剱沢・秋景 その1 (室堂~剱沢) 〔富山県〕
剱沢カールと
斜陽で影り始める剱岳
剱沢 つるぎさわ (中部山岳国立公園)
剱沢(つるぎざわ)は富山県中新川郡立山町を流れる黒部川の支流で、四大支流の一つである。
また、針ノ木雪渓・白馬大雪渓とならぶ『三大雪渓』としても知られている。
三ノ窓雪渓の氷河を源とする
剱沢・北股の流れ
:
小屋が全て営業を終えた
10月第3週には橋が撤去されて
仙人池に行くにも渡渉となる
※ 仙人池山行の時に撮影
剱沢は黒部川の四大支流の一つで、南北に走る剱岳の主稜線の東側の水をすべて集める沢で、中間部の二股で北股と南股に分岐している。 北股は三ノ窓氷河や小窓氷河を源流とし、南股は平蔵谷・長次郎谷・真砂沢などがある。 いずれも厚い万年雪を堆積させ、剱岳が岩と雪の殿堂といわれる所以となっている。
一方二股から下流は深い峡谷を成して、秘めたる滝・剱大滝を経て黒部下ノ廊下に注ぐ。
この合流点が黒部峡谷十字峡である。
岩壁に貼り付く
森林限界寸前の黄色の紅葉に
彩られる剱岳本峰
南股源頭部のカール底にあるキャンプ場や、山岳氷河である三ノ窓氷河や小窓氷河、落差140mの秘めたる滝・剱大滝などの名所がある事でも知られている。 このカール底には剱沢小屋や野営場が設けられ、山岳警備隊の派出所などもあって剱岳登山の代表的な基地となっている。
剱沢から黒部ダム縦走路 行程詳細図
※『剱の谷へ紅葉狩り』より転用
行程記録 ※ 今回も『行程』と言うには不様過ぎるな・・
《1日目》 富山地鉄・立山駅よりケーブルカーと高原バス利用(1:10)→室堂(3:40)→剱沢
《2日目》 剱沢より剱沢へ紅葉狩り(1:10)→剱沢〔連泊〕
※ 平蔵谷出合まで空身で片道1時間
《3日目》 剱沢(3:50)→真砂沢小屋前
《4日目》 真砂沢小屋前(0:10)→真砂沢出合(1:40)→ハシゴ谷乗越(1:40)→内蔵助平
(2:20)→内蔵助谷出合(1:40)→黒部第四ダムよりトロリーバス利用
(0:15)→扇沢よりバス(0:35)→JR・信濃大町駅
※ 剱沢で引き返した今回の山行と過去の山行をムリヤリ引っ付けた為、日程が1日増えてマス
剱岳の森林限界より上の岩稜も
貼りついた芝草や岩草の紅葉で
ドレスアップされていた
《1日目》 ヘタレが更に進行して
剱沢までが1日の行程の限界に
ヘタレ&オチャメを繰り返しながら最高の紅葉情景を見た事と、2年前の『スーパーオチャメ』のリベンジの『剱の谷に紅葉狩り』山行を敢行したよ。
意味深な雲に彩られる真砂岳
:
この写真を撮った翌日に
雪が降って「やっちゃった」よ
リベンジに関しては、さすがに『やっちゃった』現場の内蔵助カールは回避して、過去に5回以上通った事のある剱沢雪渓を真砂沢まで下って、これも3回通った事のあるハシゴ谷乗越から内蔵助沢、そして黒部渓谷に抜けて黒部ダムに至るルートを通る事にした。
ヤマに行きさえすれば
紅葉の絶景が撮れるという
『お花畑』な思考で頭が涌いているワテ
だが、考える事をヤメているタワケの頭には、計画を立てた時点で『お花畑』が涌いていた。
そう、「そこに行きさえすれば最高の紅葉が味わえる」、「ヘタレ始めた頃も黒部ダムまでいけたから今回も行けるしィ」と。 つまり、そこに行き着くまでの苦難を全くもって頭から切り離しているのである。
今のワテのレベルは
ミクリヶ池や室堂を周回する
トレッキングハイカーと変わらんよ
いつもの事であるが、これで散々オチャメな目に遭うのである。 だが、キッチリとオチャメにあって苦しみ喘ぎ、そして一人念仏(通称・ブツブツ念じ)でグチをこぼすが、なぜか写真は良く撮れて興行!?としては大成功となっていたのだ。 それで、反省という事柄が端折られて、毎回同じようなナメた心根で行っちゃうのである。
立山玉殿の水を力水に
『剱の谷に紅葉狩り』の
リベンジ山行開始!
:
ぢ・つ・わ・・この写真
断念して引き返した
最後に撮った写真だったりする
それでは、前回よりも更にヘタレに磨きをかけた『剱の谷へ紅葉狩り』を御披露しようか。
前述したように、筆者の不様な行動を差し置いても、素晴らしい紅葉を見れるのでお得なのである。
但し、筆者の撮る写真レベルであるが・・。 なお、掲載写真と文の内容を合わせてないので、文を読むのが面倒な方は掲載写真で紅葉だけでも楽しめますよ。
今回の山行は引き返しの
『リベンジ成らず』だったとはいえ
素晴らしい情景で撮れたよ
さて、今回のリベンジ山行は、《1日目》は《真砂沢小屋》、《2日目》に《黒部ダム》に抜けるヘタレを全く考慮しないナメきった予定を立てていた。 でも、『予定』っていうのは、どれだけ構想を膨らませても罪はないのである。 要するに、『それが完遂できるかできないか』の論点が存在するだけなのである。
紅葉に染まる雷鳥坂
但し、複数名で行動する場合は、構想を膨らませ過ぎて実行不能の場合に陥ると、その立案者は激しい叱責を受けるので念の為。 まぁ、それが嫌だから群れた行動を取らない・・という後向きな考えが筆者の性質だったりして。
今年の紅葉は赤が濃いのかな?
:
文に合わせると立山ケーブルと
高原バスの写真となるが
高原バスの中では爆睡してたしィ
周知の如く拠点となる立山の室堂へは《立山ケーブル》と《高原バス》を乗り継いでいく事になるが、所要で1時間半かかり、また始発も夏より1時間遅い7:00となる。 また、夏よりもかなりマシとはいえ秋も行楽シーズンで、《立山ケーブル》の乗車待ちで待たされる懸念もある。
奥大日方面は沢や地獄谷の
不毛の灰色と彩り着く奥大日との
色彩の妙を楽しめる
なので乗車待ちの懸念を払しょくするべく『早く』、ついでに『安く』立山駅に向かうべく、名古屋からのJR夜行高速バスに乗る。 これは、大阪からの阪急高速バスの富山駅前着が6時で、富山ガチャコン(富山地鉄電車の事)で立山に着くのが7時半で、これでは《立山ケーブル》の順番待ちに巻き込まれて、室堂に着くのは10時前後となってしまう。
奥大日に続く紅葉の波
だが、名古屋からのJR夜行高速バスなら富山に5時前に着くので、富山ガチャコンの始発に乗れて、6時台前半に立山に着く事ができる。 6時台前半なら、《立山ケーブル》の順番待ちに巻き込まれずに済む。 その結果は7時10分の2番便に乗れて、室堂には8時半過ぎと上々だ。
雷鳥坂を見上げると
色着く紅葉限界からハイマツなどの緑
そして森林限界のガレ石帯と
3色の層の彩りが魅られた
だが、ヘタレ具合の進行度を吟味するのを怠ったよ。 『残念』で身体を切ってからは身体自体がヘタって、これまでは顔を覆う程に遅くなかった登りも時間がかかり、かつての『奇跡の体力』のホルダー期には1時間ちょいで登れた別山乗越までの雷鳥坂も2時間以上かかって、別山乗越到着時には12時を周っていたよ。
剣御前小屋前から
鱗雲と剣御前峰
:
あら・・適当に写真を羅列してたら
偶然にも剣御前小屋前で
撮った写真であっちゃった
でもこの写真は引き返し時に
撮ったモノだったりする
室堂周辺を除いて唯一
10月第3週まで
営業している剣御前小屋
剱沢折り返しが決定づけられた今
貴重なトイレなので
このトイレで『大』を捻り出す
※上の2枚いずれも
『Peaks・山小屋ガイド』より
これでタイム的に真砂沢まで行く事がムリと決定づけられ(前回は11時半を周った位だった)、明後日の天候の予報が悪かった事もあり、1日日程を増やしても日程的には黒部ダムまで行けたものの、12時を周った事で気力が萎えて計画を変更して、剱沢でテントをデポっての『剱の谷への紅葉狩りに』変更したよ。
着いた時間が12時を周って気が萎えて
剱沢折り返しに行程計画を変更
:
剣御前小屋で1時間近く
タムロしてから
剱沢に向けて下っていく
という訳で、今回の山行では剱沢にテントをデポって、空身で平蔵谷出合の秋の雪渓上端部までの往復となってしまったよ。 だから、沢を渡るべくの渡渉靴やら雪渓歩きの軽アイゼンとかの、ヘタっているのに荷重過多な荷物を背負ってきたのが全てムダとなったよ。
素晴らしい秋の剱岳に
魅せられながら下っていく
コースタイムなら30分
だがヘタって気も萎えたタワケは
途中の小屋を見上げる所まで
下るのにも50分かかったよ
夏の残り香・チングルマの実が
小さな紅葉に同化していた
剣御前から1時間かけて
ようやく剱沢に下り着いたよ
気が萎えて唯一開いている剱御前小屋(この小屋だけ10月第3週の土日まで営業している)前で1時間近くヘバって、苦手な剱沢への下りにも更なる時間を食って、剱沢に着いたのは日が傾き始める午後2時半だったよ。
別山の上に広がる雲もアートだった
:
剱沢に着いた午後2時半は
斜陽が差し始める
夕暮れへ一直線の勢いだった
ちなみに、剱沢の小屋は営業を終えて施設は全て閉鎖されていたし、それは何度も訪れているので把握していたよ。 今日は素晴らしい剱の夕景を期待したが、午後4時頃からガスがかかってきて、夕暮れ時には完全な白霧の世界となって剱岳の姿は消えていたよ。
夕暮れは白霧の世界となっていたので
白霧になる前の絶景おば
剱岳は八ッ峰の荒々しい岩稜を
入れてこそより引き立つね
剱沢の池を借景に
剱の岩壁の紅葉おば・・
晴れていたら放射冷却で氷点下まで落ちるこの時期だが、ガスった事で放射冷却がなかったのか就寝前のテント内温度は5℃までしか下がらず(夜中は1℃まで下がったけど)かなり暖かかったよ。
なお、この山域では空身で平蔵谷出合まで紅葉狩りをした上で往路を戻ったのだが、今回の記事シリーズでは剱沢を2回に分けて次回の(その2)で平蔵谷までを、(その3)では平蔵谷から真砂沢までを取り上げようと思う。
午後3時を周ると
剱岳が影に覆われだした
源次郎尾根と八ッ峰
背後にはクレオパトラニードルも
別山上の美しい雲は
白霧の世界となる前兆だったのね
記事の最後を締めようか
なんたって、記事掲載可能な秋の剱沢写真は腐る程にあるしィ。 だから写真の内容が(その2)と(その3)では、「このタワケ(筆者)は閲覧者をナメてんのか!」と思われる程に食い違いを生じる事が予測されますので、その点のクレームはタワケが可哀そうなので止めてあげてね。
※ 続く《2日目》の『第534回 その2』では、平蔵谷出合までの剱沢最上流部の絶景おば・・
『マウントを取る』って行為は
一般的に嫌われる言動である
それは相手より上だとの
優位性を示す為に威圧的な
態度や言動を取る事だからである
でもワテに言わせれば
「マウント一つ取れない奴は
自身で誇れるものが何もない
何と情けなくつまらない奴なんだろう」
って思ってしまうよ
それは周りに対して
「コレだけはそうそう他人に引けを取らない」
という己自身の誇れるものが
何一つないって事で
『マウントを取る』奴を
威圧的な嫌な奴と罵る事で
誇れるモノのない己自身の不甲斐なさを
誤魔化しているだけなのである
けれど行き過ぎると相手を不快にさせるので
時と場合と状況と周囲の人数を考慮して
大いに『マウント』を取ればいいのだ
そう・・それは自身のみなぎる
自信と誇りを語る場面なのである
だからホンモノの『マウント』は
熱く語る事ができるのだ
でも『マウントを取る』って事を大げさに
忌み嫌う奴は自身に誇れるモノが何もなく
その事にスネて周囲を全て自身と同じく
誇れるモノのない情けない奴らとなるように
周囲の横並びを欲するのである
所詮こんな下ばっかり向いて
相手を妬む事しか知らない奴とは
話は合わないだろうから
そういう奴の前で『マウント』を
取るのはやめた方がいいだろう
『マウント』を取るなら
親しい友人と2人で語り合う時がいい
それはとっても心の晴れる
『マウント取り』となって話も弾むだろう
但しお約束として
自身が『マウント』を取ったなら
相手にも『マウント』を取らせる
話術を磨く事である
互いに自身の誇れる事を自慢し合うと
話の場はもっともっと盛り上がり
一晩では語り尽くせぬ語らいの場となるだろう
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