2022-11-05 (Sat)✎
よも”ヤマ”話 第184話 前穂高岳 〔長野県〕 '97・ 8
前穂高岳 3090m【名峰百選 76峰目】
涸沢から望む前穂高岳は
とにかくカッコいい
前穂高岳 まえほたかたけ (中部山岳国立公園)
南北に連なる穂高連峰の主稜線の南端部で、奥穂高岳で分岐して東に延びる吊尾根でつながっている頂が前穂高岳である。 標高は3090m。 穂高連峰全体から見れば、連峰よりちょっと東にずれた位置にある岩峰で、南は明神岳の岩峰を起こして上高地へすっぱりと切れ落ち、北は北尾根を起伏させながら屏風岩で横尾谷に接している。 北西は涸沢カールが見事に削り取った岩壁で、北尾根や前穂高岳・奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳が半円を描いて涸沢カールを抱きかかえているように見える。
前穂高岳を北穂高岳から眺めると山頂部が3つの頭に分かれ、その先大きく起伏しながら屏風ノ頭へ高度を下げていく北尾根が見事である。 上部からⅠ峰・Ⅱ峰・Ⅲ峰・・と数えてⅧ峰まである。
この北尾根はⅠ峰からⅤ峰までを上半部、Ⅵ峰からⅧ峰までを下半部と分け、初級のバリエーション・ルートになっている。 その上半部は、岩登りの感触が楽しめる人気ルートとなっている。
前穂高岳より望む奥穂高岳
前穂高岳は穂高連峰の中で唯一の長野県だけの山で、上高地から岳沢経由で直接登れるので人気がある。 またこの山の魅力は穂高の主稜線から少しズレた位置にある為に、穂高連峰から槍ヶ岳への大展望が楽しめるという点にあるだろう。
更には、北穂高岳の滝谷と肩を並べるほどのロッククライミングのゲレンデでもある。 井上靖の名作『氷壁』の中で「ナイロンザイル切断事件」を起こしての墜落遭難を語った1シーンは、実際に起きた事故をモデルにしていて、ナイロンザイルが切れるという事実が社会問題として取り上げられたとの事。
なお、岩稜登攀ルートについては熟達した岩稜登攀を志す者の領域で、『日本百景』で語る一般登山者の領域を越えてしまうので割愛する。 この項目では筆者の歩いたルートである上高地から岳沢を通り、頂上へ登る一般ルートを語る事にしよう。
前穂高・岳沢ルート 行程詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR松本駅より鉄道(0:25)→新島々よりバス(1:15)→上高地(2:30)→岳沢
《2日目》 岳沢(3:00)→紀美子平より前穂高岳往復・所要約50分(2:45)→岳沢
(2:00)→上高地よりバス(1:15)→新島々より鉄道(0:25)→JR松本駅
前穂高岳より望む
奥穂・馬ノ背・ジャンダルム
《1日目》 上高地より岳沢へ
この記事を書くちょっと前までは、槍から大キレットを通って奥穂高まで縦走した時に登っていたものとばかり思っていたが、その時の『よも”ヤマ”話』では奥穂高での天気が思わしくなく、前穂高には行ける状況ではなくパスした事が記されていた。
我が『日本百景』の穂高縦走の項目記事でも前穂高は端折っていたが、何故か前穂高の写真があったので「あの時に“ついでに”登ったモノだ」と思い込んでいたが、よくよく調べると前穂は岳沢天泊(テント泊)でリベンジ山行をしていたみたいだったので、そのリベンジ山行を記したいと思う。 でも、記憶的にはあまり残っていないので、奥穂から雨の日に下った記憶からの記述が多くなると思う。
上高地から岳沢までの間にも
穂高連峰の岩稜を望める所はあるが
大概は下山間近で頭の中は
上高地に着く事以外にないだろうね
※『岳沢小屋』のウェブサイトより
さて、今日の行程はテント場の岳沢までのショート行程なので、上高地からのバスは何が何でも早朝便に乗る必要はなく、登山者ラッシュが一段落した8時頃に新島々を出るバスで十分だろう。 また、マイカーなら前日に上高地まで出張っておいて上高地・小梨平のキャンプ場で風呂付キャンプ(クアハウス・小梨の湯がある)するのもいいだろう。
それでは、前穂へのリベンジ山行を始めるとしよう。 『バ河童橋』と呼ばれる橋を、俗世間の塊な光景(朝の遅い便で上高地に着くと、既に上高地界隈は観光客でワラワラ状態となっている)を極力目にしないように素早く渡ると、小さな湿原に敷かれた木道を伝って程なく岳沢への登山道前に出る。
下山ルートと化している為か
上高地にしては
貧弱な登山口の岳沢登山口
※『岳沢小屋』のウェブサイトより
この登山道を直進する者は極僅かで、ほとんどの通行者が右に折れて明神池に至る梓川対岸歩道へ進んでいく。 だが、この対岸歩道は舗装されて、工事用の車が頻繁に通って砂埃りが舞う『あな悪し』な道だったりする。
事実、岳沢から穂高を目指す者は、このコースが穂高を目指す最短ルートではあるものの、登りがキツく、途中の眺めも大半が樹林帯で隠されて今イチな為に敬遠されて、もっぱら奥穂高からの下りルートで使用される道である。 だから、下ってくる登山者とは結構な数で遭遇する。
天然のクーラー・風穴
だがワテがリベンジした頃は
まだ売り出しておらず
看板表示など一切なかったよ
※『岳沢小屋』のウェブサイトより
ちなみに、岳沢までの見どころは途中に天然クーラーの風穴がある事と、振り向けば5千尺ホテルがリゾート地らしく見える事だろうか。 でも、この眺めは下山者なら「もうすぐ上高地だ」と心はやるモノがあるが、登りの者にとっては何の感慨もないしィ。
岳沢から望む穂高の山屏風
やがて、穂高の岩屏風が前に立ちはばかる岳沢に着く。 岳沢は大雨となると小屋の建つ狭い平坦部に鉄砲水が流れ込みやすい地形で、前回奥穂から降りた時は正規ルートは雨で冠水して、仮設の道を通っていたよ。 本日は岳沢でテント泊。 大雨となると冠水する位なので水は豊富で、水は無料だしトイレも流水を利用した水洗便所だったよ。
※ 岳沢小屋は2006年に雪崩により倒壊し一時廃業となっていた。 2010年に別の山荘経営者
の下で再建されたが、以前より小さな規模の小屋で予約必須となっているらしい。
重太郎新道は鎖場の連続で
写真を撮る余裕もないので
頂上での写真の羅列となりマス
《2日目》 前穂高岳往復と下山
たぶん、岳沢にテント一式をデホって行ったと思うが憶えていない。 まぁ、前穂往復で荷物一式担ぐバカはいないと思うし、タワケはバカだけど損得勘定や下心には長けているので、そんな無駄な努力はしないと思うしィ。
強烈な登りの重太郎新道
岳沢から前穂高岳の吊り尾根に至る登山ルートは『重太郎新道』と呼ばれているが、上高地界隈の一般登山道では最も急峻で鎖場も多くあり、上高地区域では唯一の『上級者向け』の一般道である。
雷鳥広場付近のガレ場では
雷鳥の姿も見られる
:
岩につまずいて転げ落ちる奴もいる
飛べないドン鳥だ
今は少しなら羽ばたきで
宙に浮く奴もいるけど
また、紀美子平の手前にある森林限界帯上に出るまで展望も乏しく、あまり登りがいのないルートである。 ハシゴや鎖場が頻繁に出てくるなと上級者向けルートだが、一般向けルートでもあるので、樹林帯が途切れて展望が比較的良い場所にはベンチが設けられ、『カモシカ広場』やら『雷鳥広場』など休憩適地となっている。
『雷鳥広場』からは、前穂高への迫り上がるような急登を鎖片手に登って、最後はスラブ状の長い鎖場で巨大岩盤を登りつめると紀美子平に着く。
ガレ岩の積み重なった
狭い傾斜地にある
前穂への分岐・紀美子平
※『北アルプス登山ガイド』より
紀美子平はガレ岩が段々状となった狭い分岐(ほとんど憶えていないので、他のサイトの写真を見ての感想)で、左にトラバースしていくと吊り尾根を経て奥穂に至る。
紀美子平より望む
上高地と大正池
前穂へは、段々状のガレ岩を直登していくといい。 始めはキツイ岩のよじ登りだが、やがて傾斜が緩くなってそのままガレ岩帯の上を伝うと、ガレ岩帯の行き止まりぽい所に【名峰百選】たる峰・前穂高岳の頂上標柱が立っている。
尽きるまでガレ岩帯を詰めていくと
奥穂高岳の頂上に辿り着く
前穂高岳の頂上は
快晴なるもガスが湧き立って
眺望の邪魔をする
唯一ガスが晴れていたのが
奥穂~西穂の岩稜線だった
ガスが晴れるまでのいっときを
上高地の方向を見下ろして
やり過ごすとしよう
いっとき待つと奥穂の岩稜線の
ガスが完全に晴れて
素晴らしい眺望が広がる
ガスが最も奥まで晴れた時には
北穂や南岳も望めた
頂上標柱からは、奥穂から西穂の山屏風が絶景となって広がる。 だが、涸沢側はガスが湧き立っていて眺望がなかったようで、涸沢側を俯瞰した写真が一枚もないっていうか、涸沢自体この時は縁のない地域で、涸沢の初訪問はこれより20年も後のヘタレ期までお預けである。
涸沢側の写真がないので
奥穂~西穂・オチャメ山行の時の
涸沢から前穂をば・・
でも、山をやってて、アラフィフ前まで涸沢が処女地だって事は、ワテの偉大なる変過ぎる登山履歴の一つだろうね。 まぁ、ソー◇ンしたり、ヘリに2回乗ったりした時点で筋金入りの厚顔無恥なタワケだけれど。
ガスは帯のように巻きついて
消えそうで消えない
だが巻きついていたガスが消えると
三角錐の岩稜がドンと立ちはばかる
地表である上高地まで続く
端正で美しい三角錐の岩稜だ
後は、登ってきた猛烈な急登を下っていくだけだ。 ヘタれた今なら倍の時間がかかるだろうね。
でも、この時は『奇跡の体力』の全盛期だったので、空身で前穂往復してテント撤収して上高地まで下っていけたよ。 恐らく午後の昼下がりには、上高地に降り着いていた事だろうね。 今なら、岳沢連泊は確定だろうけど。
準備も無しに仕事が嫌だと会社を辞めて
労働者層が支払った税金と同様の
失業保険を受けながら
こうなったのは経営者層の
搾取が原因と貶す例のオッサン
そして現状に耐えて会社に勤める
労働者層を会社に従順な犬やら
奴隷やらと侮辱の限りを尽くし
その労働者の払う金に寄生して
施しを受けようとするこのオッサン
このオッサンは経営者層や富裕層を
労働者から搾取する事しか頭にない
クズ共だと貶していたがクズはどっちだ!
働いて税を納める労働者を貶すその口で
労働者の支払う失業保険を
働く気がないのに満額で受けようと画策し
仕事に就きたくない為の時間稼ぎに
職業訓練受講に申し込み
アフィリエイトやアメ株のリテイリングで
不労所得を得ようとする
なぜワテがこのオッサンに怒るかというと
ワテ自身も年間で数十万の
税金を払っているからだ
まぁ税の内訳のほとんどが所有物件の
固定資産税と合同会社の法人税関連だけど
要するに税からの給付で施しを受けるなら
「助けてもらって有難う」だろう?
それを税を支払う者を「自分をメンヘルに
追い込んだ社会の敵」と貶す
こんな奴にビタ1文施したくはないのだ
それに日本の全てを否定して
日本が傾く事を望み
円安・物価高など日本はお先真っ暗だと
日本経済が傾く事を嬉しそうに語るクズ
その態度は日本の不幸を喜ぶ在日そのものだ
でも物価の高騰一つとっても
日本はアメを始めとした諸外国より
よっぽど緩やかで生活も安定して
ちょっと辛抱して勤めれば
食うに困る事も生活に困窮する事もないのだ
:
長くなるので次回に続く
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Re: No Subject * by 風来梨
hanagonさん、こんにちは。
この年になると身体がヘタって思うように動かず、若かりし時にやっておけばよかったと悔いる事は多々ありますね。
それが最も多いのが、数年という短時間で淘汰された廃止ローカル線、それも自由になる金を持つ社会人になる前の事で取りこぼしが結構多いですね。
ヤマでもかつて苦も無く行けたヤマが、ン十年ぶりのリベンジを目論むと、途中断念やら『オチャメ』やらと完遂できない結果となる事も多いですね。
>激混みの秋の涸沢を避けて平日の岳沢でまったり紅葉テント
先日小屋が営業を終えて誰もいない剱沢で、黒部ダムまでの計画は途中断念となりましたが、秋の剱沢の紅葉の独り占めを満喫できました。
数日後に記事アップするべくの予定をしていますので、アップされた際には宜しければどうぞ。
この年になると身体がヘタって思うように動かず、若かりし時にやっておけばよかったと悔いる事は多々ありますね。
それが最も多いのが、数年という短時間で淘汰された廃止ローカル線、それも自由になる金を持つ社会人になる前の事で取りこぼしが結構多いですね。
ヤマでもかつて苦も無く行けたヤマが、ン十年ぶりのリベンジを目論むと、途中断念やら『オチャメ』やらと完遂できない結果となる事も多いですね。
>激混みの秋の涸沢を避けて平日の岳沢でまったり紅葉テント
先日小屋が営業を終えて誰もいない剱沢で、黒部ダムまでの計画は途中断念となりましたが、秋の剱沢の紅葉の独り占めを満喫できました。
数日後に記事アップするべくの予定をしていますので、アップされた際には宜しければどうぞ。
北尾根は本当にカッコいいですね。若い頃登っておけばよかったです。今思えば沢一辺倒だったのが悔やまれます。
激混みの秋の涸沢を避けて平日の岳沢でまったり紅葉テントとか今ならいいかもしれません。