風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第528回  森吉山

『日本百景』 晩夏   第528回   森吉山  〔秋田県〕

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大らかに裾野を広げてゆく森吉山

  森吉山 もりよしざん (森吉山県立自然公園)
秋田県北秋田市に位置するアスピーデ・トロイデの複式の古い火山で、標高は1,454.2mで、標高1,000m以上の外輪山数座に囲まれた独立峰である。 山頂からは鳥海山・田沢湖・岩手山・白神山地・男鹿半島・日本海などが一望できる。

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晩夏の森吉山は
秋の花・アザミが満開だった

森吉山は『花の百名山』としても知られ、初夏から秋にかけてミズバショウ・ザゼンソウ・チングルマ・ヒナザクラ・イワイチョウ・イワカガミ・ウラジロヨウラク・ツツジ・シラネアオイなど約300種類の高山植物が咲き乱れる。

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オオシラビソ・ブナ・アオモリトドマツの
原生林に覆われる森吉山
これらが秋には彩り魅せ
冬には樹氷林群となる

山腹から裾野にかけてはブナ林を中心とした広葉樹林に覆われて、標高1,000mから山頂部まではオオシラビソやアオモリトドマツの原生林が広がっている。 この広葉樹林は樹齢約250~350年に達し、ツキノワグマやニホンカモシカ等の哺乳類や、クマゲラやイヌワシなどの鳥類の希少種の生息地となっている。
また、冬にはアオモリトドマツが樹氷群となり、山形県の蔵王や青森県の八甲田と並び『日本三大樹氷』の一つに数えられる『森吉山の樹氷』となる。



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森吉山・戸鳥内登山ルート詳細図

   行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
JR大曲駅より車(2:00)→『道の駅・阿仁』(0:30)→戸鳥内コース登山口
(1:10)→阿仁町避難小屋(0:40)→森吉山(1:30)→戸鳥内コース登山口より車
(1:00)→秋田内陸鉄道・阿仁前田駅(温泉)

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往復5時間の
手軽な大自然をごろうじろ

北東北の山々は、岩手山より北となると標高がグンと下がって1400~1600m程となるが、厳しい気象環境の為か、中央高地に勝るとも劣らない壮大な自然を魅せてくれる。 森吉山もその一つで、標高は1500mに満たないながらも『花の百名山』の一座として指定される程に、様々な花々咲き乱れる。
また、秋の紅葉や冬の樹氷も魅惑的だ。 そして、標高が低く日帰り登山で対応できるので、無雪期は手軽に山の花々を愛でる事ができる。 それでは、空身の気軽なスタイルで晩夏の山を遊んでみよう。

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背後に森吉山がそびえる
『道の駅・あに』
『道の駅・あに』のウェブサイトより

レンタカーの出発地点である大曲より、前日の夜までに『道の駅・阿仁』までアプローチする。
距離的には大曲から80km程度なので、2時間もあれば到着するだろう。 このまま登山口までアプローチしても良かったのだか、トイレや飲料水の事などを考えると、全ての設備が整った『道の駅』を仮眠の場とする方が望ましいと考えたのである。

『道の駅・阿仁』には、午後8時半頃に到着。 そのまま寝入って、目覚めたのが予定より早い深夜2時前。 車寝は一度目が覚めるとなかなか二度寝は難しいので、早速トイレなどの所用を済ませて登山口へ直行する。 でも、深夜の街灯が全くない森の中、そして途中からダート道となる中を平気で走る事のできるワテって、やはりどこか変なのだろうか。 真夜中の森の中へ車を走らせると、通ってきた林道が行き止まりっぽい地形で寸断され、その周囲に設けられた駐車場前に着く。 時間は午前3時前。

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午前3時の真っ暗闇で車のライトで
色褪せて文字が消えた
案内板を照らすなんて
怪しいを通り越しとるがね
『森吉山・ブナ帯登山口』より

車のライトで大きな立て看板を照らして見ると『森吉山・ブナ帯キャンプ場』と示してあり、どうやらここが登山口のようである。 看板の奥の暗闇に、ボヤ~っとトイレと思しき櫓が建っている。
まぁ、ゴンドラがあり、向こう側の登山口には有人の《こめつが山荘》があって、しかも往復5時間足らずの山でキャンプを張る人間はまずいないだろう。 その通り、このキャンプ場はとっくの昔に閉鎖に追い込まれたようである。

さて、5時頃まで仮眠と思っていたが、羽虫が車内に入り込んで車内環境が最悪となったので、カンテラを引き出して登山をスタートする。 現在の時間は4時ちょっと過ぎ。 「歩いている内に夜が明けるだろう」と、黙々と山道を進んでいく。 心なしか、空の縁が白み掛かってきたようだ。 だが、初めての登山道で道もよく把握していないのに、深夜登山するワテの精神力もなかなかのものである。
えっ、アホっ? お粗末でした。

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歩いていくうちに
空が明るくなってきた

道はほとんど傾斜のない歩き良い山道で、ともすれば「ほんとに山に登っているのかな?」と疑問に思うほどに平坦であった。 約30分程歩いていくと、カンテラなしでも周囲が見渡せる程に明るくなってくる。 やがて、『キャンプ場(登山口)より1.7km』の道標と水場が現れる。 ここは「『道の駅』の便所で汲んだ水より自然の水」って事で、ポリタンの水を汲み直す。 これより、やや傾斜が増して行き、徐々に明けていく朝の雰囲気と相俟って心地良い負担が身体にかかってくる。

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ゴンドラの頂上駅付近で
東北の山々の夜明けの表情を望む

傾斜が増したといっても大した事はなく、ハイペースで登っていく。 すると、先程の水場より30分少々でゴンドラの頂上駅の広場横に着く。 ここは、開けたゴンドラ駅前の広場に降りて小休止する事にしよう。

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朝の光は柔らかく
山々を照らしていく

開けた所の方が風も爽やかで、朝の山の展望も広がるのである。 小休止すると結構な汗をかいていて、風にそよがれると肌寒い位だ。 「これ位の登り坂は何ともない」と思えたのだが、やはりまだ身体は出来ていないようである。

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日ノ出は森吉山の肩から昇ったようだ

肌寒さに耐えきれなくなって、5分程休憩しただけで出発。 このゴンドラ駅から5分程登ると、絶好の朝景色が広がるテラスの上に出る。 まだ5時半過ぎ。 思う存分に朝の風景を楽しもう。
カメラを首に下げて、写真を撮りながら歩いていこう。 山を楽しみながら歩いていくと、やがて木道の上を歩くようになる。 稜線上に出たようだ。

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頂稜部に出ると
ブナやシラビソの原生林が広がる

《石森》という稜線上の小突起の前は、《こめつが山荘》への道と《森吉山頂》への分岐となる『三叉路』だ。 もちろん、進路は《森吉山頂》だ。

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森吉山へ登っていく途中で
来た道を振り返る

ちょっと先に避難小屋と思しき建物と、その背後に豊かな森林に覆われた《森吉山》が鎮座している。
この《石森》からは、お花畑に囲まれたフラワーロードとなる。

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オレンジ色の女王
コオニユリ

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花のオアシス・池塘が
アチラコチラに点在していた

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湿地帯に潜む妖精
イワイチョウ

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朝日を浴びて
花開きだしたミズギボシ

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夏の終わりを象徴する
花落ちたチングルマの実

コオニユリ・ミズキボシ・イワイチョウ・ツリガネシャジン・チングルマの実など、晩夏の山を飾る花々が咲き競う。 囲まれた花を愛でながら歩いていくと、あっという間に避難小屋の建物の前に出る。

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往復5時間の日帰りの山では
勿体ない位にハイスペックな
阿仁町(現在は北秋田市)避難小屋

この避難小屋は阿仁町管理の建物であるのだが、トイレも屋内にあり建付けも最上級といっていい位の避難小屋だ。 水場有無の確認はしていないが、水場へ向けての指示をした道標も立っていた。
山頂まで片道2時間チョイでは利用の機会がないと思えるが、建物は完璧ですごく“使える”のである。

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どこまでもたおやかな
眺めが続いていく

避難小屋から《森吉山頂》までは、ちょうど1km。 つづら折りのガレ場を緩やかに登りつめれはいい。

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足もとが秋の花で覆われ始めたら
頂上までもう一息だ

麓の登山口からゆっくりゆっくり歩いて2時間半、『森吉山 1454m』と刻まれた誇らしげな頂上標柱の傍に立つと、一等三角点が示す通りに 360°の大展望が広がる。

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立派な頂上標柱の傍らに立って
眼下を見下ろす至福の瞬間

今まで歩いてきた草原が、眼下に果てしなく広がるのだ。 その草原の丘の高台に、ドイツのお菓子箱のような避難小屋が点在する優しい山容の風景を魅せてくれる。

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草原の丘にドイツのお菓子箱のような
避難小屋が点在する優しく穏やかな風景

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草原にチョコンと乗る避難小屋は
ドイツのお菓子箱のようだ

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背後には秋田の盟主・秋田駒が
山という文字そのままの姿を魅せていた

また、過ぎゆく夏を惜しむかのように淡い紫色の花が風になびく姿は、情感深い光景をかもし出してくれる。 しばし、この贅沢で情感深い過ぎゆく夏の朝を味わおう。 空の色が朝の眩い光から、鋭い夏の輝きに変るその一歩手前の瞬間まで・・。

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 過ぎ行く夏を惜しむかのように
涼しき晩夏の風にそよぐシャジンの花

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鋭い夏の陽射しとなってきたら
そろそろ引き上げるとしよう

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登ってきた草原を
ゆっくりと下っていこう

心ゆくまで楽しんだなら、また花を愛でながらゆっくりと下っていく事にしよう。 晩夏を象徴するアザミのトゲトゲした花に、過ぎ行く夏の哀愁を重ね合わせつつ。

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アザミ咲く草原を下っていく

シャキシャキ行けば登りでも2時間を切るコースであるので、下りとなると更に所要時間が短くなる。

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避難小屋の建つ所まで下ると
後は下り一辺倒となる

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光を浴びるべく
花も顔を上に向け花開く

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アザミのトゲトゲした花に
過ぎ行く夏の哀愁を重ねつつ

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秋に咲く花は自身を
知っているかのように
哀愁漂う様相を魅せる

下り始めは夏の終わりを飾る花々を愛でながらの歩行であったが、《石森》を過ぎると目にするモノも立ち寄る所もなく1時間を切るペースで下りきる。 でも、スキー場からのゴンドラ、夏でも運行しているのね。

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山の花から野に咲く花に変わると
程なくこの登山は終わりとなる

ちなみに、登り始めに語った登山口一帯のキャンプ場だが、予想通りに跡形もなく整地されていた。
周囲にこだまするヒグラシの鳴き声が、過ぎ行く時の無常と残酷さを代弁していた。


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このぼど外人の入国受け入れが大幅に
緩和されたが入国制限緩和の理由は
観光業の救済の為のインバウンド需要狙いで
感染拡大が収まった訳でも感染拡大原因が示され
外人の入国緩和にお墨付きが出た訳でもない

でもインバウンド狙いを国策として
重視するのは自殺行為だよね
なぜならリスク提示ナシにインバウンド目当ての
外人入国緩和は感染爆発を引き起こす
危険性を孕んでいるのだし・・

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それ以上に怖いのが観光で入国した外人の間で
感染したりウイルスを『お持ち帰り』して
自国でクラスター要因となって
「日本で感染した」と悪評を垂れて
日本が悪者とな危険を孕んでいるのだ

それに東京五輪の開催で外人が感染源の
感染爆発を招いた事でも解るように
再び日本が感染爆発に陥る招くリスクが高いのだ
それ以上に感染蔓延国の烙印を押されて
世界での立場が危うくなる危険も孕んでいる

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それにインバウンド需要狙いというのは
経済再生の為ではなく政治屋の利権確保の為で
再び外人が原因の感染爆発を招くと
せっかく立ち直りかけた国内経済が
再度崩壊しかねないのである

大阪の政治の実権を握る維新が大阪市を廃止する
『都構想』をゴリ押ししようとしたのも
外人向けのカジノなどIR施設を大阪湾の舞州に
建設する資金欲しさに大阪市の市税を大阪府の
独断で使えるように仕向けたモノなのである

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その結果は『都構想』は住民投票で否決されたが
維新が『都構想』への移行を目論んで
移行準備金として使い込んだ110億の金は
維新より返還されず焦げついたままである

維新もゴタクを並べる前にこの使い込んだ
大阪市の税金110億を返還するのが先だろう!
それと同じで外人の入国緩和によるインバウンド需要で
経済再生とゴタクを並べる前に東京五輪の開催で
感染爆発を引き起こした責任を取らせるのが先だろうが!

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悪事に対して罪を問い罰しないからいつまで
経っても事が良い方向に進まないのだ
それどころか更なる災禍を招くのである
その悪癖は戦争の責任として天皇ヒロヒトを
処刑処罰しなかった失態から延々と続いているのだ

まぁ愚痴となるだけなので利権を目論む政府が
日本人の命と国の経済よりもインバウンド需要と
利権確保が大事というなら日本の国民も命を
守るべく感染源である入国する外人に極力接触せぬ
ように対策を取る事が必要となってくるだろう

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例えば外人の観光入国者は外人専用の車両に
貸切で乗せて移動させたり宿泊も完全に
隔離するなどの対策が必要で肝はこの隔離を
公表しないで粛々と推し進めるべきだろう

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そして日本人の個々もエレベーターなどでは
極力外人との同乗は避けるべきだろう
そして経済再生というのなら日本の経済を破壊した
五輪などの国際大会参加者への支援は世界的な
感染終息宣言が出されるまで一切凍結すべきだろう





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No Subject * by hanagon60
ここは豊かな森に覆われた魅力いっぱいの山域ですよね。
頂上からの展望にも優れているんですね。
森吉の山には登ってはいないのですが、仙台赴任中はお気に入りになって3回にわたりこの山域を訪れました。
趣味に合わせて渓谷や滝巡りでした。
https://hanagon60.blog.fc2.com/blog-entry-340.html
https://hanagon60.blog.fc2.com/blog-entry-604.html

Re: No Subject * by  風来梨
hanagonさん、こんばんは。

森吉山と秋田駒は、日帰りができるいい山ですね。
それと滝の宝庫で、私は茶釜ノ滝にお熱でした。
その他、幸兵衛ノ滝や安ノ滝の定番も立ち寄りましたね。

でも桃胴滝と九階滝は装備がなく断念でした。
茶釜ノ滝は秋にまた記事にしようかと。

コメント






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No Subject

ここは豊かな森に覆われた魅力いっぱいの山域ですよね。
頂上からの展望にも優れているんですね。
森吉の山には登ってはいないのですが、仙台赴任中はお気に入りになって3回にわたりこの山域を訪れました。
趣味に合わせて渓谷や滝巡りでした。
https://hanagon60.blog.fc2.com/blog-entry-340.html
https://hanagon60.blog.fc2.com/blog-entry-604.html
2022-09-22 * hanagon60 [ 編集 ]

Re: No Subject

hanagonさん、こんばんは。

森吉山と秋田駒は、日帰りができるいい山ですね。
それと滝の宝庫で、私は茶釜ノ滝にお熱でした。
その他、幸兵衛ノ滝や安ノ滝の定番も立ち寄りましたね。

でも桃胴滝と九階滝は装備がなく断念でした。
茶釜ノ滝は秋にまた記事にしようかと。
2022-09-23 *  風来梨 [ 編集 ]