2011-10-15 (Sat)✎
名峰次選の山々 第37回 『150 白馬朝日岳』 富山県・新潟県
後立山山系(中部山岳国立公園) 2418m コース難度 ★★★ 体力度 ★★★
小桜ヶ原より望む白馬朝日岳は
風格と気品が感じられる
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
・・さて、下山だが、白馬岳方向へ進むと10m位で下山道が分岐している。 溶岩のようなザク石が転がる中を30分程下っていくと、池塘が点在する小庭園状の鞍部に出る。 ここは《千代ノ吹上》といい、ここより超ロングランルートの『栂海新道』が分岐している。 その果てには《親不知》の街や日本海、遠く《佐渡ヶ島》が見渡せる。 “いつか歩いてみたい”との願望を呼び起こさせる眺めだ。
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
(2:00)→白馬山荘(0:15)→白馬岳(0:25)→白馬岳キャンプ場
《2日目》 白馬岳キャンプ場(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(2:00)→雪倉岳避難小屋
(0:50)→雪倉岳(1:30)→小桜ヶ原(0:30)→白馬水平道分岐(1:45)→朝日平
《3日目》 朝日平(1:00)→白馬朝日岳(0:30)→千代ノ吹上(1:40)→五輪ノ森
《2日目》 白馬岳キャンプ場(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(2:00)→雪倉岳避難小屋
(0:50)→雪倉岳(1:30)→小桜ヶ原(0:30)→白馬水平道分岐(1:45)→朝日平
《3日目》 朝日平(1:00)→白馬朝日岳(0:30)→千代ノ吹上(1:40)→五輪ノ森
(0:40)→花園三角点(1:20)→白高地沢徒渉点(1:30)→兵馬ノ平
(0:50)→蓮華温泉よりタクシー(0:40)→JR平岩駅
※ 《1日目》の白馬岳までの行程は『名峰百選 第35回 白馬岳』を
《2日目》の雪倉岳を越えて朝日平までの行程は『名峰次選 第36回 雪倉岳』
をそれぞれご参照下さい。
《3日目》 五輪尾根を通って蓮華温泉へ
朝、目覚ましを合わさなくても早起きはできるであろう。 とにかく寒いのである。 湯タンポが冷める時が目覚まし時となる(ちなみに、秋山テント山行では湯たんぽが必需品なのは記さなくても判るだろう)。
朝、目覚ましを合わさなくても早起きはできるであろう。 とにかく寒いのである。 湯タンポが冷める時が目覚まし時となる(ちなみに、秋山テント山行では湯たんぽが必需品なのは記さなくても判るだろう)。
早く目覚めたのはこれ幸い・・と、イッキに朝食を済ませてテントをたたんでしまおう。
氷点下前後の寒さというのは、動けば途端に暑くなってくるからである。
《朝日平》を出発して《水谷ノコル》へ一度下った後、白馬朝日岳へ300mの急登が始まる。
体が暖かくなる程に登ると、森林限界を越えて展望がすごぶる良くなってくる。
剱岳の岩峰がほのかに赤く染まり、ピンク色の空とあいまって素晴らしい情景を魅せてくれる。
また、毛勝三山などの玄人向けの山々も味のある山容を魅せてくれる。
《朝日平》を出発して《水谷ノコル》へ一度下った後、白馬朝日岳へ300mの急登が始まる。
体が暖かくなる程に登ると、森林限界を越えて展望がすごぶる良くなってくる。
剱岳の岩峰がほのかに赤く染まり、ピンク色の空とあいまって素晴らしい情景を魅せてくれる。
また、毛勝三山などの玄人向けの山々も味のある山容を魅せてくれる。
朝日を浴びて輝く毛勝三山
更に登っていくと小さな沢が寄り添ってきて、これとしばらく平行して登っていく。 たぶん、近くに湧泉があるのかもしれない。 やがて、ハイマツが周りを飾るようになると、丸い丘の下端に出る。
ここから、砂礫の丘を丘の中央に向けてつめていくといい。 丘の中央、白馬朝日岳 2418メートル の頂上からの眺めは正に360°の大パノラマだ。
うっすらと頚城の山も
ハイマツ越しに望む剱岳、遠く逆光のバックライトで輝く白馬岳からの稜線、スカイブルーの空の下に広がる妙高・火打などの頚城の山なみ、これより下る《五輪尾根》の秋色づく樹海、そして日本海へ抜ける超ロングランルート・『栂海新道』など、素晴らしい眺めを欲しいままにできる。 これだけ魅せられるとついつい長く留まってしまいがちだが、この《五輪尾根》ルートは下りで7時間近くかかるロングコースであるので、頃良く出発せねばタイムオーバーにもなりかねない。
・・さて、下山だが、白馬岳方向へ進むと10m位で下山道が分岐している。 溶岩のようなザク石が転がる中を30分程下っていくと、池塘が点在する小庭園状の鞍部に出る。 ここは《千代ノ吹上》といい、ここより超ロングランルートの『栂海新道』が分岐している。 その果てには《親不知》の街や日本海、遠く《佐渡ヶ島》が見渡せる。 “いつか歩いてみたい”との願望を呼び起こさせる眺めだ。
千代の吹上より
栂海新道方面を望む
《五輪尾根》ルートは、大きな岩に『ツガミ↑』と記された岩を見送って、右に大きく旋回するように伝っていく。 左を締める山腹を伝うと、いよいよ難路の始まりだ。 水の湧き出たガラガラのザク岩地帯の急下降だ。 ガラ岩の中を水が伏流しながら流れるので、踏み出すごとにジワジワ水が染み出してくる。
また、このガラ岩は浮石が多く、その下地はぬかるんでいるので、転びでもするとダメージは計り知れない。 ただ、唯一の救いは、背後に白馬朝日岳と雪倉岳のスカイラインが迫力を持ってそびえ立っている眺めであろうか。
白馬朝日岳よさらば
今度は夏の花期に再開しよう
残雪が消えるこの時期でこれなのだから、夏の早い内は残雪で悩まされる道となろう。
所々にシロウマアサツキやミズバショウらしき株を見ながら下ると、このガラ場は終わり樹林帯にもぐり込む。 《五輪ノ森》といわれるオオシラビソの林である。 長く緊張する急下降が続いたので、ひと息いれよう。 だが、ここまでで2時間近くかかるのだから、あまりのんびりとはしてられない。
所々にシロウマアサツキやミズバショウらしき株を見ながら下ると、このガラ場は終わり樹林帯にもぐり込む。 《五輪ノ森》といわれるオオシラビソの林である。 長く緊張する急下降が続いたので、ひと息いれよう。 だが、ここまでで2時間近くかかるのだから、あまりのんびりとはしてられない。
秋色めく白馬朝日岳を見上げる
《五輪ノ森》を抜けると、《青ザク》と呼ばれるガラ場を下っていく。 これを100m程下ると、広い草原に木道が見えてくる。 この一帯を《五輪高原》といい、夏は湿性植物の花園となるそうだ。
この階段状の木道(雨の日はスリップに注意)を延々下っていくと、《花園三角点》と呼ばれるピークに下り着く。
ここの標高は1754m。 実に700m近く降りてきたことになる。 《蓮華温泉》の標高が1500mだから、標高差の上ではもう楽勝と思われるだろうが、それは次の坂を下るとショックに変わる。
それは次に述べよう。 この三角点より対岸に乗る《蓮華温泉》へ向けて下っていくのだが、その間には大きな谷があるのだ。
《カモシカ坂》と呼ばれる樹林帯の急坂を延々下っていくのだが、気がつけば《蓮華温泉》の建物が遙か頭上にあるのが見えるだろう。 約500mダダ下りをせねばならないのだから。 下山でゴール地点が遙か上にあるというこの光景を見せられると、少なからずのショックがあるだろう。
シーズンオフは橋が外されて
沢の徒渉もあるのだ
この坂を下りきると、《白高地沢》のたもとに出る。 この沢を渡るのだが、辺りを見渡すと“取り外された”橋の築堤がある。 ここはシーズン以外は橋を外しているようで、この沢は“直足”で徒渉せねばならないようだ。 10月下旬の沢は身を切るように冷たい。 水に素足をつけるのは1分が限界である。
ここは度胸一発、1分の荒行を敢行せねばならない。 登山靴と靴下をザックにつめて、ピッケルで川床を突きながら素早く渡りきろう。 この徒渉を過ぎると難関はなくなり、後は下りすぎた分300mを取り返すだけだ。
沢に沿う高台を伝って《ヒョウタン池》という沼のある湿地帯を経ると、また大きな川にぶち当たる。
この川には鉄橋が架けられているが、シーズンオフは御丁寧に欄干が全て外されている。
水面から30m上を幅1mの“平均台”で渡るのは、かなりスリルがある。
この橋を渡ると150mイッキに登って、《兵馬ノ平》という湿原台地の上に出る。 ここからは、もうハイキングコースだ。 《蓮華温泉》からの小ハイキングの行楽客も現れて、そのいでたちを見るとよもやこの先難路はあるまい・・と思えるだろう。 後は紅葉を楽しみながら木道を伝っていくといい。
水面から30m上を幅1mの“平均台”で渡るのは、かなりスリルがある。
この橋を渡ると150mイッキに登って、《兵馬ノ平》という湿原台地の上に出る。 ここからは、もうハイキングコースだ。 《蓮華温泉》からの小ハイキングの行楽客も現れて、そのいでたちを見るとよもやこの先難路はあるまい・・と思えるだろう。 後は紅葉を楽しみながら木道を伝っていくといい。
途中に《雪倉ノ滝》を眺める展望台を経由する散策路もあるが、ちょっと下りに疲れてしまったので今回は見送りとしたい。
湿原の中を伝うと、《蓮華温泉》のキャンプ場を経て登山口に出る。 砂利道の500m先には、《白高地沢》でショックをまの当たりにした《蓮華温泉》のロッジが建っている。 せめて、このショックを取り戻すべく下山即温泉を実行しよう。
なお、《蓮華温泉》であるが、10月20日辺りの土日をもって冬季閉鎖するとの事。 ワテが訪れた日は、運良く営業最終日との事であった。 帰路は、バスの運転はもう終わっている(体育の日の三連休位までの運行)ので、タクシーを呼ぶか温泉で上手くヒッチハイクさせてもらうか・・である。 費用の面を考えると、どうしても後者が魅力である。
湿原の中を伝うと、《蓮華温泉》のキャンプ場を経て登山口に出る。 砂利道の500m先には、《白高地沢》でショックをまの当たりにした《蓮華温泉》のロッジが建っている。 せめて、このショックを取り戻すべく下山即温泉を実行しよう。
なお、《蓮華温泉》であるが、10月20日辺りの土日をもって冬季閉鎖するとの事。 ワテが訪れた日は、運良く営業最終日との事であった。 帰路は、バスの運転はもう終わっている(体育の日の三連休位までの運行)ので、タクシーを呼ぶか温泉で上手くヒッチハイクさせてもらうか・・である。 費用の面を考えると、どうしても後者が魅力である。
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