風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第527回  南ア・鋸岳 その2 (鋸岳と角兵衛沢下降)

『日本百景』 晩夏  第527回  南ア・鋸岳 その2 (鋸岳~角兵衛沢下降) 〔山梨県・長野県〕

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第二高点より望む第一高点
独特な山容を魅せて
踏破欲を駆り立てる

  鋸岳 のこぎりたけ (南アルプス国立公園)
赤石山脈(南アルプス)北端に位置する標高2,685メートルの山で、その山名の通り鋸刃状の荒々しい山姿を魅せている。 山頂周辺は、南アルプス国立公園の特別保護地区に指定されている。

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鉄拳が突き立てられた
鋸岳の第二高点
第一高点より
待遇が良いような気がする

甲斐駒ヶ岳の北西に隣接する山で、その名のごとく鋸状の急峻な山容をしている。 三角点は北端に近いピーク(2,606.8メートル)にあるが、それより南側の第一高点 2,685m・第三高点・第二高点 2,675m の方が高い。

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後に登った鋸岳・第一高点は
落雷で頂上標柱が二つに割れていたよ

その南東側に、烏帽子岳 2,594m と三ツ頭 2,589m が続く。 戸台口からの南アルプス林道バスの車窓からは、途中で鋸岳の全貌を見渡す事ができる。 また、富士川(釜無川)及び天竜川水系の戸台川の支流の源流の山である。

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六合石室より望む
朝の光に染まる鋸刃の峰々

甲州側から魅た『鋸刃』の峰々は、甲斐駒ヶ岳の西から三ッ頭・熊穴沢ノ頭・中ノ川乗越・第二高点・大ギャップ・中岳・鹿窓・小ギャップ・第一高点(鋸岳)・角兵衛沢のコル・角兵衛沢ノ頭・三角点ピーク・大崩れノ頭・横岳峠・横岳へと連なっている。 南アルプスの中では特異な山で、不安定な岩稜歩きのルートとなる為か一般登山者の姿を見る事は少ない。

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この岩の海を泳いで!?いくのが
鋸岳への最短ルートだ

登山道は戸台川から沢沿いに稜線に登るいくつかのコース(角兵衛沢・熊ノ穴沢・七丈ヶ滝尾根)と、甲斐駒ヶ岳から稜線上を長野県側の山麓(富士見)まで至るコースがあるが、いずれも一般ルートではなく、ある程度の岩登りの技術を要する難易度の高い山とされている。

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ルート上にあるのは
伝説の岩室のみ

また、近辺にある山小屋は前回に泊まった六合目の石室のみで、最も近い山小屋でも七丈小屋や北沢峠の山小屋など1日行程となる。 これにより、山体の急峻さとも相まって、隣接する甲斐駒ヶ岳と比べて登山者は極めて少ない。



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甲斐駒ヶ岳~鋸岳 核心部分のルート詳細図

   行程表            駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR甲府駅よりバス(2:05)→広河原よりバス(0:25)→北沢峠(1:00)→仙水峠
      (1:20)→駒津峰(1:20)→甲斐駒ヶ岳(1:30)→六合石室
《2日目》 六合石室(2:10)→中ノ川乗越(0:40)→鋸岳・第二高点(2:00)→鋸岳・第一高点
      (0:30)→角兵衛沢ノコル(1:40)→大岩下ノ岩小屋(1:40)→角兵衛沢入口
      (2:20)→北沢峠
《3日目》 北沢峠よりバス(0:25)→広河原よりバス(2:05)→JR甲府駅
   ※ 前話『第526回 その1』の続き

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夜明けの伝説の石室では
仙丈ヶ岳が朝の光に
染まる絶景を魅せてくれた

 《2日目》 鋸岳稜線を伝って角兵衛沢出合へ
朝、日の出の少し前に石室の中から出てみよう。 そこには、朝の美しい光に染まりゆく仙丈ヶ岳の姿が・・。 やがて、朝日が昇り始めるとほのかなオレンジ色に山が染まる。 この素晴らしい情景に、しばし出発の準備の手が止められる。 しかし、今日は、この山行の“メインイベント”なのである。
歩行時間も11時間に達する超ハード行程である。 今日のこの日を素晴らしいものにする為にも、出発時間を余り遅らせないようにしたいものだ。 それでは出発しよう。 

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六合石室で魅た夢の朝

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仙丈ヶ岳が最も美しく望めるのは
鋸岳の稜線だろう

“夢の一夜”の幻想を魅せてくれた《六合石室》と別れ、稜線上へ花崗岩の大岩を伝っていく。 
道なき道を伝うこと10分で、砂礫の広がる縦走路に出る。 この砂礫帯を少し下ると、《赤河原》への《七丈ノ滝尾根》ルートが分岐している。 こちらの方は道標リボンが多く吊り下げられていて、すぐに道であると判断できる。 だが、鋸岳へのルートは分岐でさえもリボンがなく、踏跡による自らの判断だけが頼りとなる。

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六合石室~三ッ頭~中川乗越は
倒木だらけの森林限界や紛らわしい岩稜など
写真を撮る余裕なかったので
六合石室の朝の絶景で誤魔化しマス

でも、《七丈ノ滝尾根》ルートは丹渓山荘(40年以上前に南アルプス林道が開通した為に廃業)が廃業して以来通る者はおらず、道は荒れ放題となっているらしい。 もう、廃道といってもいい位なので、このリボンには惑わされないように・・っていうか、もうリボンは外されているかも。

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オレンジに染まる雲海と
中央アルプスと御岳山
コレ以下6枚も上の写真に以下同文

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ならば強引に
仙丈ヶ岳と中央アルプスを一緒に

さて、鋸岳への縦走路は潅木帯に突入し、細い獣道のような踏跡を上下していく。 やがて、《六合石室》上の稜線から間近に見えた岩稜・《三ッ頭》に向けて登っていくようになる。 稜線上には、小規模なお花畑が朝日を浴びて輝いている。 《三ッ頭》の頂上に立つと、北岳から仙丈ケ岳・鋸岳、振り返ると白亜の頂をもたげる甲斐駒ヶ岳が周りを取り囲むように迫り立ってくる。 

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御岳山も望めた

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朝も時が経って朝の光も
オレンジ色から黄金色に

《三ッ頭》からは急下降でイッキに潅木帯に突入し、廃道となった烏帽子岳への道を分けて更に不明瞭となった踏跡を伝っていく。 《扇平》の岩稜を避けるべく甲州側(右手)を巻いていくのだが、これがまた道が不明瞭で、やたらめったらに倒木が散乱している。 多分近年の気象災害で荒れ果てたのだろう。 

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光の当たり具合で
山と雲海が様々な姿や色を魅せる

倒木によってほとんど道が消失した中を、かすかに残された踏跡を伝って上下していく。
途中にはイバラのブッシュを漕いだり、草付きの急斜面を草を握ってよじ登るなどの“大ワザ”もなりふり構わず行使せねばならない。 あまりにも悪い道の状況に、今思えばこのようにも考えられる。 

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中アの空木岳ゆ南駒ヶ岳
次はあの山へ行こう

それは、「もしかしたら、稜線を大きく踏み外した廃道ルート(《扇平》には2つの巻道があり、稜線に近い方が正規のルートで、下は廃道扱い)を進んでしまったのではないか?」という事だ。
それゆえに、《三ッ頭》より《熊穴沢ノ頭》まては、自分が本当に正しいルートを伝ったのかどうかの自信はない。

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中ノ川乗越までの下りは
木の茂った岩稜下りで
岩角の隙間に咲く花を撮るのが精一杯

道なき道を大きく斜上していくと稜線上に這い上がり、樹林に囲まれた細い稜線上を伝っていく。 
この細道は《熊穴沢ノ頭》のピークで途切れて、これより《中ノ沢乗越》まで木の根や岩角をつかんでの『モンキー下り』の急下降となる。 前面には、山全体が瓦礫石の積み重なりである鋸岳・第二高点の高みがそそり立っているのが見える。 これを見ると、嫌な予想が頭に過ってくる事だろう。
それは、「あのガラ場を本当に登るのか?」という事である。 

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第二高点の大岩盤
コレをほぼ直登で
登らねばなりません

急下降で“石の海”と化した《中ノ川乗越》に下り着く。 周囲を見渡すと、一面瓦礫の海だ。 
草付きなどの巻道もなさそうだ。 どうやら、あの嫌な予想は正解のようで、第二高点から落ちる瓦礫の“滝”を登っていかねばならない。 3歩進むと1歩崩れるガラ場を、ジグザグを切る事もなく直登でつめていく。 直登ゆえに、崩れると連鎖反応で大きく崩れて歯止めが利かない。

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この岩の滝を登りつめると
草付きとなって
チラホラと花も見られた

苦労に苦労を重ねて標高差250mほど登って上部の僅かな草付きを越えると、最も左の岩稜の上に出る。 
岩稜の上に出ると傾斜は幾分ましになり、展望もすごぶる良くなってくる。 後は、南アルプスの名峰のおりなす絶景を見ながら瓦礫を伝っていくと、鉄剣が岩に立てられている鋸岳・第二高点 2675m の頂だ。 

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こういう撮り方したら
第二高点の鉄剣が判らんだろうが!
クソタワケ!
記事にこの写真を載せる時に
思った事である

甲斐駒ヶ岳・北岳・仙丈ヶ岳・塩見岳・南アルプス南部の山なみ、そして真綿のような雲海に浮かぶ中央アルプスや御岳の高峰群・・。 それにも増して魅きつけられる情景は、前面に立ちはばかる鋸岳・第一高点への悪絶たる吊尾根の情景だ。

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東・・八ヶ岳と湧き立つ雲海

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南・・白鳳三山のオベリスク
甲斐駒と仙丈ヶ岳も

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西・・中アと御岳がそびえる西の空は
どこまでも透き通っていた

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そして何よりも北・・
前面に立ちはばかる
鋸岳・第一高点への悪絶たる眺め

この悪絶たる岩稜を望むと、これを越える事の喜び・・そして不安と、様々な思いが頭を過ってくる。
取り敢えず素晴らしい景色で気を落ち着かせてから、あの悪絶たる岩稜に挑んでみよう。

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第一高点と八ヶ岳を見ながら
最難関へ踏み入れようか

第二高点から10m程戻って、『第一高点→』と記された木の札の指す通りに信州側(左手)へ下っていく。 やがて、ガレ場から潅木帯に突入し、《大ギャップ》から落ち込んでくるガラ沢に出る。
文章でかけば簡単そうであるが、この草付きの下り道でさえガラ沢までの標高差は200m以上あり、しかも傾斜は40°を越えているのである。

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大ギャップ~鹿窓は
ザックを下ろして写真が撮れる
状況ではなかったので
中ア~御岳~北アの山のオーケストラを

ガラ沢に出ると、踏み出す毎に崩れる“石の河”を“徒渉”して、第三高点から延びてくる岩尾根に取り付く。 
これを伝って50mほどガレ沢を下って、《鹿窓》に通ずる巨大なルンゼに入っていく。
ここからは完全なる岩登りの領域だ。 このルンゼから仰ぎ見れば、天窓のように光を注ぐ《鹿窓》まで200mを直登していくのだ。 

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上の写真と以下同文で
第二高点から望む
仙丈ヶ岳と白峰三山おば・・

ルンゼは足の取っ掛かりが小さく、脚力・腕力全ての力でよじ登らねばならない。 本来ならば、鹿窓を仰ぎ見るアングルの写真を掲載せねばならない所であるが、周りのどこにもザックを下ろしてカメラを取り出すようなスペースがなく、『撮る事ができなかった』というのが実情である。 

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この下は北アの奥穂~西穂並みの
岩稜イッキ登りで写真など
撮る余裕はありませんですた

これを登っていくと《鹿窓》が眼前に現れ、古びたロープが一本垂れ下がっているのが見えるだろう。 
ちなみに、このロープはあまり当てにしない事である。 風雨にさらされたものゆえに、いつ切れるか判らないからである。 とにかく、ここまできたらもうひと踏ん張りだ。 

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鹿窓を潜った時はかなり興奮したよ

ルンゼを登りつめると、天から光を一筋降り注いでいた《鹿窓》を実際に潜り抜けて甲州側に出る。 
甲州側に出ると、稜線を通らずに軽く右下の草付きを巻く。 《鹿窓》の岩峰を巻いたなら再び左の小尾根から稜線を乗り越えて、草をつかんでの下降を強いられる急下降を30m程こなすと、猫の額のように狭い《小ギャップ》の底に出る。 目の前にはほぼ垂直の20mばかりの岩壁がたちはばかる。 

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小ギャップの岩壁の垂直登り
垂れているロープは一枚岩に掛かり
使い物にならないので左側を自力で
よじ登った方が楽に登れる

ここにも古いザイルロープがあるが、登りにくい筋に垂れ下がっているので、これに頼らずに自力でよじ登った方が楽である。 岩の取っかかりも十分にあるので、見た目程には難しくない。 だが、岩が脆い為、崩落石には注意したい。

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小ギャップを登りつめると
後は見上げる第一高点の
小坊主まで登りつめるだけだ

《小ギャップ》の直登を乗りきると悪場はなくなり、見上げる第一高点まで痩せ尾根を登りつめるだけだ。

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鋸岳・第一高点では
登った直後にガスが巻き始めた

登り着いた鋸岳・第一高点 2685m は南北に細長い山頂で、仙丈ヶ岳・北岳・甲斐駒ヶ岳が第一高点を取り囲むような絶景が広がる。 但し、第二高点からの縦走でもう昼近くになっている事だろうから(当時の『奇跡の体力』を有したワテで10:10であった←自慢か?)、ガスが上がってきて景色は皆無という可能性も高い(ちなみに、ワテの時は一瞬のみでガスに巻かれてしまった)だろう。

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鋸岳の頂上にて
2年連続で山旅放浪したからか
痩せて精悍な身体つきになっているね
そして自信にも満ち溢れているような・・

とにかく、この悪絶たる難関を乗り越えたのだ。 その興奮が、この山頂に立った時の全てだろうと思う。 
その感動と喜びを十分にかみしめたなら、下山に取りかかろう。 下山路であるが、《角兵衛沢ノコル》までは木の根や岩角をつかんでの急下降となる。 下り着いた《角兵衛沢ノコル》は、《中ノ川乗越》に勝るとも劣らない“石の海”だ。 これより、この“石の海”を下っていかねばならない。 

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石の海を泳ぐ
溺れるとたぶん水死ではなく
全身打撲による絶命だろうね

石は大なり小なり全てといっていい程に転石で、踏み出す毎にガラガラと崩れ落ちる。 また、石の全てが転石で常に移動しているので、踏跡がつかずルートマーキングも定める事ができない。 周囲の状況を見渡して、適当に歩き良いと思う所を下っていくしかない。 

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鋸岳から見下ろした
角兵衛沢の石の海

道は概ね左側に延びているので、左の岩稜を意識しながら下っていくといいだろう。 右に《スフィンクス岩》・左に大岩壁を2つ見送ると、足場はガラ場であるがカラマツが林立している所に出る。
このカラマツ林に道標リボンが吊り下げられていて、これを探しながらカラマツ林をジグザグに下っていく。

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下に見える沢まで
標高差1400mの石の海下り
沢に下ったら北沢峠まで
750mの登り返しだ

眼下には、『南アルプス林道』が対岸の山肌を縫うように続いているのが見渡せる。 これから、あの林道から遙か下にある沢に降りて、なおかつあの林道の終点まで行かなければならないのである。
考えてみたなら、もの凄い高低差と行程距離である。 ちなみに数値で表すと、鋸岳から戸台川渡渉点までの標高差1400mの下りと、戸台川から北沢峠までの750mの上りである。 今のヘタレでは絶対ムリですね。

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大岩下ノ岩小屋
たぶん余程の体力がないと
ここでもう一泊の
2泊3日となるだろうね

再びガラ沢を下り、広葉樹林の樹林帯に突入すると、左側の大岩壁の下部に人の身長位の岩の庇が口を開けているのが見えてくるだろう。 これが、現在でも使われている(らしい!?)自然の岩小屋・《大岩下ノ岩小屋》である。 岩の庇の脇に清水が湧き出ており、テント・ツェルトの類があれば十分利用ができる。

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大岩下ノ岩小屋の石清水
場所が訪れるのに容易な所なら
銘水の称号を得るであろう
正真正銘の石清水だ

なお、この水場が、《仙水小屋》前の水場以来の久しぶりの水場である。 持ち水が欠乏したなら、岩小屋の探検がてら汲んでいこう。 冷たくて美味しい岩清水である・・っていうか、ヘタレ出した十数年後にここにテント張って、折しも台風がやってきてここでまる2日ビバークしてるんだよね~。
あぁ、また恥ずかしい自分史を晒しちまったよ。

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次の鋸岳山行では
台風が来てここで2泊ビバークして
ラジオで高校野球を6試合聴いてたよ

さて、岩小屋よりは、少しガラ場を下ってから広葉樹林の林の中をジグザグに切りながら下っていく。 
しかし、これまでのガラガラの大下りはさすがにキツく、関節の感覚はほとんど麻痺している事だろう。 
ワテの所感であるが、難所越えよりもこの大下りの方が体力的にコタえたのであるが・・。 

後は、鬱蒼とした樹林帯に入り、道なりにどんどん下っていくと一合目の《角兵衛ノ岩小屋》(ただの大石であり、利用不可能)が現れる。 これより先は土砂崩れがあったのであろうか、踏跡が消えて道が不明瞭となる。 ワテ自身も道に迷って、適当に沢へ下っていかざるを得なかったのであるが、正しい道を取れば鋸岳の案内板が立つ登山口に下り着く事ができる。 とにかく、《戸台川》の河原に出るのだが、まだまだ難関が立ち塞がるのである。

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戸台川渡渉点
石が全般的に尖っていて
素足だと痛そうでソ

まずは、《戸台川》の徒渉である。 素足になって登山靴をリュックに詰めて渡ろう。 
なお、渡渉はこの後にも最低1回、多ければ3回待ち受けているので、いちいち靴下を履き直すのは時間のムダだ。 素足のまま登山靴を履いて歩いていく事にしよう。 

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戸台川遡行 詳細図
※ 他の記事からの使い回し地図でっす

《戸台川》を渡ると左岸を伝い、支沢を渡り20分程歩くと本流を渡って広い中州に出る。 
この辺りが《丹渓キャンプ場》のようである。 中洲をつめていくと、流木で荒れた《薮沢》との出合に出る。 沢の出合を渡った土手上に、廃業後放置されて廃屋となった《丹渓山荘》跡がある。
何でも沢ヤさんを中心に、この中にテントを張って泊まる人が割と多いらしい。 気がつけば、ワテもテントを張って泊まれば良かったかな。

中洲から流木伝いに右岸に渡って、荒れた河原を右の岩壁に沿って登っていくと、《八丁坂》の入口に出る。 ここからは、整備されたつづら折りの坂を登っていくだけだ。 もちろん、沢には丸太の橋も掛けられていて靴を脱ぐ心配はない。 心配といえば、行程時間が9時間を越えた上で500m登る事での『疲れ』位であろうか。 

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北沢峠の山荘に比べて
素朴で山小屋らしい大平山荘
幕営装備一式担いで11時間歩いた事だし
今日は山荘泊まりと少し贅沢をする
※『大平山荘』のウェブサイトより

《北沢峠》に到着しても、たぶん《広河原》への最終バス(16時前に出る)には間に合わないだろう。 
今日は11時間も歩いた事だし、登り着いた《太平山荘》でゆっくり休む事にしよう。



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歳食ってヘタった十数年後は
甲斐駒から望むだけで
諦めざるを得なかったよな

 《3日目》 北沢峠より帰路に着く
今日は、昨日に乗れなかった《広河原》行のバスに乗って帰路に着くのみだ。 歩くのも、《太平山荘》より《北沢峠》までの15分程である。 この日はきっと、山での難関を乗り越えた自信に満ちた顔でバスに乗り込んでいるであろう。 もう語るべき事もないので、この山行の総括を締めたいと思う。 

これまでの記述の通り、このコースはかなりの難コースである。 また宿泊施設も整っておらず(宿泊地の《六合小屋》の荒廃状況はすざましく、南アルプス山域でもその点で有名な小屋である)、幕営装備持参の山行となろう。 従って、初心者の“飛び入り”登山は大変危険である。 それなりの装備と気構えを持って、準備を怠りなくチャレンジするべきだろう。 来るべき時の為に準備してきた者には、必ず山はそれ以上のものを魅せて、そして与えてくれるだろうから・・。


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