風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第524回  ヒサゴ沼

『日本百景』 夏  第524回  ヒサゴ沼 〔北海道〕

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  ヒサゴ沼 ひさごぬま (大雪山国立公園)
ヒサゴ沼は広大な大雪山のほぼど真ん中に位置する沼で、湖畔には避難小屋があって奥大雪への登山拠点となっている。 この湖畔の北にはデベソ岩がシンボルの化雲岳 1954m があり、その山の頂で登山路は十字にクロスして、どの方角へも向かう事ができる。

また、化雲岳からかかる万年雪渓はヒサゴ沼の水源であり、この雪渓からの流水が避難小屋が建つなど登山起点となるヒサゴ沼を『大雪随一のオアシス』と言わしめる所以となっている。 そして、この化雲岳までの傾斜には、チングルマなどの同一の花の大群落が広がる大雪山らしい花の大群落を魅せてくれる。

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西へ向かうと
憧れの山・トムラウシへ

この雪渓とお花畑を経て化雲岳まで登り、そのまま北に直進すると天人峡への下山路で、左折して西に向かうと憧れの山・トムラウシ 2141m へと向かう事ができる。

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東へ向かうと
大雪縦走路を経由して
旭岳などの表大雪山域へ

逆に東へ向かうと今まで歩いてきた大雪縦走路を経て表大雪の旭岳へのメインルートとなり、また五色ヶ原や沼ノ原など、エゾノハクサンイチゲの花で大地が白く染まる奇跡の絶景を見ながら東大雪の山々への夢を馳せる事もできる。

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2009年の遭難事故を契機に
お色直しを受けて綺麗になった
ヒサゴ沼避難小屋
※ 十勝総合振興局環境部のウェブサイトより

このように、大雪山の登山拠点であり、登山者の心のオアシスであるヒサゴ沼の避難小屋だが、標高が高く気象条件も厳しい為に施設の老朽化が進行していて、2009年に発生したトムラウシ山遭難事故では、前日の荒天時の小屋の中が雨漏りだらけで濡れた装備を乾かす事ができなかった事が低体温症を誘発して遭難事故に至った事から、十勝総合振興局は2019年の夏山シーズンに小屋の外壁を中心に改修工事を実施して完了している。



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忠別岳避難小屋~トムラウシ 行程詳細図

   行程記録       駐車場・トイレ・山小屋情報
     ※ 今回実際にかかった時間ですけど・・、何か?
《1日目》 JR上川駅よりバス(0:30)→層雲峡バス停よりロープウェイとリフト
      (0:25)→黒岳7合目(1:10)→黒岳(0:15)→黒岳石室
《2日目》 黒岳石室(2:00)→北海岳(1:05)→白雲岳分岐より白雲岳往復・所要1時間
      (0:30)白雲岳避難小屋
《3日目》 白雲岳避難小屋(3:30)→忠別岳(0:20→忠別岳避難小屋
《4日目》 忠別岳避難小屋(1:10)→五色岳より五色ヶ原散策・所要1時間
      (1:00)→化雲岳(1:00)→ヒサゴ沼
《5日目》 ヒサゴ沼(1:20)→トムラウシ・日本庭園(2:20)→トムラウシ山
      (2:50)→ヒサゴ沼分岐(0:50)→ヒサゴ沼
《6日目》 ヒサゴ沼(1:10)→化雲岳(1:30)→小化雲岳(4:00)→天人峡よりタクシー
      (0:50)→JR旭川駅
   ※ 前回『第523回 高根ヶ原』の続きです。

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忠別岳頂上直下の
砂礫のお花畑より望む
奥大雪の山なみ

 《4日目》 五色ヶ原・化雲平・・ 花の山旅
小屋の所在する位置が中途半端な位置で、大雪ではあまり人気のない小屋・忠別岳避難小屋なれど、利用者が少なくグッスリと寝れたよ。 起きたのは4時。 朝飯を食って出発の準備をする。

小屋の利用者の大半は小屋が空いていると銀マットを広げて荷物を目一杯“敷地”に配するが、ワテは住環境よりも重さを嫌って銀マットまで端折る“根性なし”なのだ。 だから、小屋の板の上に何も敷かずにシュラフでもヘッチャラなのである。 つまり、テントの中でもシュラフマット一つという劣悪環境で鍛えているので、小屋の中では荷をバラす必要がないのだ。 暑い時の小屋などは、シュラフも出さんでゴロ寝する時もある位だ。

という訳で、テントを撤収する時間が省けて、5時前には出発準備完了。 北海道は緯度が高いので、夜明けはすごぶる早い。 夏至などでは2時半には薄っすらと明るくなる位である。 7月の始めに日高の北戸蔦別岳でテントを張った時、朝の3時半で完全に陽が上がっていたのを見た事があるので本当である。

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朝日を浴びて染まる
エゾコザクラ

出発した5時半前は、もう夜明けとはいえない位に“朝”となっていた。 難しい表現だが、普通に都会で朝と言う7時過ぎ位の光の加減だ。 でも、エゾコザクラが綺麗に輝いていたので撮影に熱中する。
今日は、ヒサゴ沼までの真剣に歩けば3時間チョイの行程だ。 ダラダラとタワケの本領を発揮した歩き方でも5時間もあれば着くだろう。

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忠別岳から五色岳のアップダウンは
この日最大のアルバイト区間だ

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五色岳の頂上直前では
東大雪の未開の山々一望できた

忠別岳避難小屋から稜線に戻って、五色岳へと緩やかに登っていく。 対峙する忠別岳に比べてまろやかで緑濃き山だ。 そして、身体も山に入って4日目で少し山慣れしたのか、結構順調に進んでくれる。
小屋から五色岳までちょうど1時間と、コースタイム15分アンダーであった。 かつての片鱗が戻ってきた? でも、長くは続かないので御心配なく。

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振り返れば表大雪の
山なみが望める

五色岳の頂上は曇りに陽が射す程度で、真剣に歩けば3時間で着くお気楽行程を組んでいる。
そして重い荷物も、食料の半分を消費して幾分軽くなってきている。 余裕があるからと先へ急ぐと9時前に到着しかねないので、徹底的にダラダラと行く事にしよう。

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忠別岳より望む
五色ヶ原の大平原

まずは、五色岳の頂上に荷物をデポって、五色ヶ原の散策だ。 でも、昨日に忠別岳避難小屋に待機しながら大雪を撮っているカメラマンの方が、今の五色ヶ原はチョロチョロとしか咲いてないよ・・と教えてくれたので、期待度はかなり低い。 まぁ、取り敢えずハイマツを掻き分けて、五色ヶ原へ下りてみよう。

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沼ノ原と石狩連峰を望む

五色ヶ原へは、五色岳の頂上からものの5分ほど下ればいい。 ハイマツも最初の10m位で、それを過ぎると木道が敷かれた視界の広がる草原が広がる。 そして、その奥には石狩岳と沼ノ原の大沼が見えてくるだろう。 だが、結果は聞いた通り、ほとんどが草の緑で、チングルマがチョボチョボと咲いているだけだった。 前に見たコレのように、ハクサンイチゲ満開の姿は夢物語だったよ。 

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今年はミヤマキンバイの
黄色が主であった

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こんな奇跡の情景を
期待したのだけれど

トムラウシは雲一つなく見えていたのだけどねぇ。 なかなか目論見通りに上手くはいかないもんだ。
でも、奥の方でミヤマキンバイの黄色がそれなりに咲き競っている所を見つけて、トムラウシを背後に持ってきてシャッターを切る。

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チングルマは
やや萎れ気味だった

他にも、チングルマの群生している所を見つけて、花をアップに絞り込んで撮ったり、その逆をしたりと、楽しい1時間を過ごせた。

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また、帰り間際に、“小さい秋見~っけた”と口ずさむような、真っ赤なカエデの葉が落ちていて、これをカメラに収めて更に満足。 やっぱり、来て良かったよ・・、五色ヶ原の大草原。 また、いつの日か、エゾノハクサンイチゲが満開の時に訪れたいと願う。

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五色岳に立つ道標が示す通りに
トムラウシの方向へ

・・五色ヶ原に満足して、五色岳に戻る。 五色岳に戻ると、忠別岳避難小屋の後発隊の方々が頂上に登ってきていた。 どうやら、御一人を除いて、五色ヶ原はパスのようだ。 頂上で荷造りをして先に進もう。 時間は今7時半過ぎだ。 これよりは、化雲平に向けて平坦な道が続く。 登りは、2.5キロ歩いて100m未満の標高差だ。

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トムラウシと大地を染める
花々のショータイムの始まり

最初はハイマツのトンネルを掻き分けて進むが、すぐに左右が開けて、トムラウシの王冠が見えてくる。

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アリューシャンの未知の島へ
思いを馳せる花・ホソバウルップソウ

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花開く時は極稀という
リシリリンドウ

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淡い紫は儚さを説く
チシマフウロ

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この時・・7月の末にして
山の花は秋の紫色が主役となっていた

そして、チングルマを中心に、ヨツバシオガマ、ホソバウルップソウ、キンバイソウ、エゾコザクラ、ハクサンイチゲと路傍の花が徐々に増えてくる。 クライマックスは、化雲岳分岐手前にある雪田を渡った所の辺りからだ。

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今年は化雲平が
お花畑のMAXのようであった

今年の今の時期は、標高1900m前後が花満開となっているようだ。 そして、花種はチングルマが主で、エゾノハクサンイチゲは勢力が今一つのようである。 でも、トムラウシをバックにコレほどのお花畑はそうはない。

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今年は心なしか
エゾノハクサンイチゲの
勢いがないようだ

・・で、この化雲平でも、荷物を下ろしては『花とトムラウシ』の撮影に熱中する。 何だかんだて、1時間近くは撮り込んでいたのではないだろうか? でも、昼までにヒサゴ沼に着けばOKなのだから、これでいいのである。

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化雲岳のシンボル・デベソ岩と
周囲を彩るチングルマのお花畑

さて、シャキシャキ歩いても、ダラけ放題にダラけて歩いても、チョットでも進んでいればやがては目的地に着くのである。 で、後者を地で行く筆者も、9時半には化雲岳のデベソ岩の袂に着く。
今日の行程は、ヒサゴ沼まで残り1時間程度だ。 空も程よく曇ってきて歩き良くなったし、撮影を切り上げてヒサゴ沼のテント場に向かう。

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化雲平に広がる
チングルマの大群落とトムラウシ

ヒサゴ沼のテント場は水捌けの悪い泥炭土で、お世辞にもいいテント場とは言えないので、早めに着いてより良いテントサイトを確保しておいた方がいいだろう。 化雲岳のデベソから縦走路とヒサゴ沼との十字路まで10分あまり、ここのお花畑もクライマックスだ。 チングルマのコロニーが幾重にも盛り上がっている。 あと2週間もすると、このチングルマが全て実になるのかと思うと、その情景はそそられるものがある。

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そのチングルマが
実に変わりだすと

ヒサゴ沼へは、縦走路の十字路から南に続く木道沿いに進んでいく。 十字路が途切れると、ヒサゴ沼への水源となる大きな雪田に出る。 この傾斜は、最大傾斜の所でも気を許せば尻もちを着く程度で、安心といえば安心だ。 まぁ、安心を確かめる為にキッチリと『トライ』(尻もち転倒)するワテ。

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ヒサゴ沼の水源となる
万年雪渓の上を行くようになる

やがて、大雪田が途切れて木段の階段が見えてきて、再び小雪田を越えて雪田の融雪水が沼に流れ込むルンゼを伝っていくと、ヒサゴ沼の畔の木道に出る。 今のヒサゴ沼の水は、この水が飲料水のようだ。
以前は違う所から出ていたが、今回は今まで歩いてきたルンゼに流れ込んだ水を使わねばならない。
イメージ的に少し『引く』飲料水である。 今回に限っては、水も混み具合もテント場も忠別岳避難小屋の方が良さそうだ。 特に、水は段違いの差がある。

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雨が降ると水が浮かび
泥沼状となる悪いテント場の
ヒサゴ沼テントサイト

さて、テント場に着いたのは10時20分過ぎ。 もう、今日は“店じまい”としよう。 テント場は、何となくシケッていて微妙な感じだ。 一回でも雨が降ったら、たぶん泥田状となるだろうね。
それに、シケッた土壌の水蒸気がモァ~と湧き上がって、何となく蒸し暑い。 なので、小屋の前で、こんなに天気がいいのに沈殿している御仁と談笑する。

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避難小屋到着はいい意味での「午前様」で
しかも一番乗りだった9
※ 十勝総合振興局環境部のウエブサイトより

すると、午後を過ぎると、かなりやってくるね。 都合、40人くらいの宿泊者と15張位のテントがやってきた。 だが、この年は沼ノ原からの格段に楽にたどり着けるメインルートが豪雨災害で封鎖されていたせいか、いつもの半分位の利用率だそうだ。

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小屋の中はこんな感じで
込まなければ快適

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2009年の遭難事故を契機に
改装された後の小屋内
壁と床を全面張り替えたみたい
※ 上下いずれも
十勝総合振興局環境部のウエブサイトより

まぁ、以前は昼前に着いて小屋でゴロゴロしてたら、次々に小屋利用“確定”者が入り込んできて、『大の字にゴロ寝』から『気をつけ!』となり、ついには『三角座り』となって、最後は食料で買収されて雨の中外に追い出されてテントを張るハメになった事もあったね。

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暮れなずむ大雪の山々と
影となるヒサゴ沼

まぁ、今日は幸い夕立もなく、明日も午前中は天気が持ちそうである。 明日は、いよいよトムラウシ山をめぐる山旅である。 距離は4キロほど・・とあるが、ダラダラ行けば3時間以上かかる強烈なアップダウンルートである。 明日で、最盛期と比べた筆者の身体能力の退化具合が、数字として現れるようになる。


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パヨクに煽られた奴らが
安倍氏の国葬に反対の声を上げるが
こういう奴らって国家のやり取りの重大性が
まるで解っていないよね

でもこういう奴らっていい大学出で
大手企業の商社マンになるなど
結構インテリな奴らが多い

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でもその商社で経営層に取り入る事が
できなかった残念な『ヒラ』で
そういった鬱憤が積もり積もって
やる事成す事「為政者が悪い」となるのだろうね

でも西側諸国の首脳に招待状まで出して
中止した日には日本の面子が丸潰れに
なる事くらい解らないかなぁ

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この前の「物価を下げる為に利上げをしろ!」
もそうだけどそういった劇薬には
身を滅ぼす副作用があるって事をいい大学を出た
良い頭なら分析できないのかなぁ
できないのなら大学行ったってムダじゃん

それと右翼の奴らも国葬に反対するのは
国を滅ぼす非国民と罵るが
おまエラこそ国民の9割以上が
再延期や中止を要望する東京五輪を
開催して感染爆発を引き起こしただろうが!

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東京五輪開催によって感染爆発を
引き起こした責任を問う批判の声を
安倍氏の国葬批判と同等にパヨクによる
政府批判の反日行為と切って捨てる

でも安倍氏の国葬の『いまさら中止』は
国の面子を潰す国の棄損行為なのに対し
東京五輪は中止していれば国民の大多数の
命が救われ経済が窮乏する事もないなど
東京五輪の開催自体が日本の棄損そのものだったのだ

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要するに右翼もパヨクもこの国の為に
声を上げているのではなく
日本を乗っ取り隷属支配するべく
左右双方から日本を棄損して
貶めようとしてるのである







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