2011-09-29 (Thu)✎
名峰次選の山々 第35回 『152 小蓮華山』 長野県・新潟県
後立山山系(中部山岳国立公園) 2769m コース難度 ★ 体力度 ★★
白馬岳からの広潤な気分の山遊道
小蓮華山頂上より
今回の名峰次選の山めぐりは、後立山連峰の盟主・白馬岳より北に延びる稜線上の山・小蓮華山を巡ってみよう。 この小蓮華山は後立山の稜線では展望を司る位置にあり、また花に囲まれた山上の池・白馬大池を従えるなど魅力一杯の山である。 また、知る人ぞ知る、新潟県の最高峰でもある。 それでは、白馬岳をめぐる後立山の入門コースとして人気の高いこのルートを歩いてみよう。
白馬岳~小蓮華山~栂池 登山ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
(2:00)→白馬山荘(0:15)→白馬岳(0:25)→白馬岳キャンプ場
《2日目》 白馬岳キャンプ場(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(0:40)→小蓮華山
《2日目》 白馬岳キャンプ場(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(0:40)→小蓮華山
(1:10)→白馬大池(0:25)→白馬乗鞍岳(1:30)→栂池自然園よりバス
(1:20)→JR白馬駅
朝早くに猿倉なり、白馬尻なりを出発すると昼過ぎには《白馬岳キャンプ場》に着くだろうから、昼寝でもしてあの瞬間を心待ちに待とう。
あれだけ賑わった白馬岳頂上も
シーズンオフはひっそりと・・
:
白馬に行くならシーズンオフの
白馬に行くならシーズンオフの
テント山行がいいね
そう、あの叙情的な夕景時だ。 今日は、あの素晴らしい夕景色をとびっきり贅沢に味わおうと思う。
そして、その時がきたなら、カメラと防寒着を持って山頂へいこう。 後は、その時を心より堪能すればいい。
誰もいない山頂で・・
哀愁の1シーンを撮る 『道標』
天界の海と月 『月の海(Luna・sea)』
掲載写真であの時の感動を少しでも伝える事ができたなら、この企画をやって良かったと思えるのである。 いつまでも眺めていたい夕日のおりなすショーが終わりを告げたなら、明日の為に早めに就寝しようと思う。
《2日目》 白馬岳から後立山連峰北部縦走
山の鉄則はここでも生きる。 朝は早く出発しよう。 5時前にキャンプ場を出ると、御来光の直前に白馬岳の頂上に着けるだろう。 白馬岳の御来光はあまり目立った山のない長野盆地辺りから昇るので、昨日の感動的な夕景と比べると今ひとつ物足りない。 だが、朝日を浴びて染まる杓子岳《天狗菱》と“信州おろし”の雲が、この頂を越えて吹き降ろす様は迫力満点だ。
山の鉄則はここでも生きる。 朝は早く出発しよう。 5時前にキャンプ場を出ると、御来光の直前に白馬岳の頂上に着けるだろう。 白馬岳の御来光はあまり目立った山のない長野盆地辺りから昇るので、昨日の感動的な夕景と比べると今ひとつ物足りない。 だが、朝日を浴びて染まる杓子岳《天狗菱》と“信州おろし”の雲が、この頂を越えて吹き降ろす様は迫力満点だ。
杓子岳天狗菱より吹き降ろす雲海
白馬岳の朝景といえばコレですね
下を見ると、朝のハイマツ帯の中で、雷鳥の親子が相変わらずうろうろともたついている。
さて、空がピンク色から白色に変わるまで朝の移り変わりを見届けたなら、下山に取りかかろう。
白馬岳の頂から北に向かって下っていくと《馬ノ背》と呼ばれる痩せた岩稜となり、これを下りきると《三国境》だ。 ここは呼び名の通り、越中・越後・信濃と三国の境を成している。 また雪倉岳から朝日岳への回遊コースの分岐点でもある。
さて、空がピンク色から白色に変わるまで朝の移り変わりを見届けたなら、下山に取りかかろう。
白馬岳の頂から北に向かって下っていくと《馬ノ背》と呼ばれる痩せた岩稜となり、これを下りきると《三国境》だ。 ここは呼び名の通り、越中・越後・信濃と三国の境を成している。 また雪倉岳から朝日岳への回遊コースの分岐点でもある。
美しい斜め縞模様のラインを魅せる雪倉岳
この山はまた次回のお楽しみ
この分岐からは、ほぼ水平に延びる稜線を伝っていく。 眼前に小蓮華山、背後に白馬岳の優雅な姿を見ながら広潤な気分での稜線漫歩が楽しめる。 小さなコブを幾つか越えると石屑の登りとなって、石仏と鉄剣の立つ小蓮華山 2769メートル の頂上だ。
小蓮華山より望む白馬三山
小蓮華山は展望を司る山だ
この頂上からは、左手に大らかな山容を魅せる北部稜線の山々が見渡せる。 右手を望むと、信州側に切れ立った白馬三山から唐松岳、大きな岩峰をもたげる五竜岳、“二ッ耳”を顕著に示す鹿島槍ヶ岳などが雲海の白い雲の上に突き出ている。 そして、左も右もスカイブルーの空の下に続いている。
素晴らしい眺めを満喫したなら、先に進んでいこう。 小蓮華山からは、コバルトブルーの水鏡を魅せる《白馬大池》を見つめながら、《雷鳥坂》と呼ばれる傾斜を緩やかに下っていく。 信州側を見下ろせば、昨日通ってきた《白馬大雪渓》の白い帯と、その裾野にある《白馬尻》の小屋が点景で望めるだろう。
素晴らしい眺めを満喫したなら、先に進んでいこう。 小蓮華山からは、コバルトブルーの水鏡を魅せる《白馬大池》を見つめながら、《雷鳥坂》と呼ばれる傾斜を緩やかに下っていく。 信州側を見下ろせば、昨日通ってきた《白馬大雪渓》の白い帯と、その裾野にある《白馬尻》の小屋が点景で望めるだろう。
《雷鳥坂》の砂礫の傾斜を下りきると、ハイマツや草原帯の広い稜線台地の上を行くようになり、残雪とお花畑に彩られた《白馬大池》の湖畔に出る。 湖畔脇のお花畑の咲く湿地帯で《蓮華温泉》への道を分け、《白馬大池》の山荘前に着く。
コマクサ
山荘では飲み物などを販売しているので、《白馬大池》の静かな雰囲気を眺めながらひと息着くといいだろう。 山荘を出ると大池の周りを半周するように周り込んで、大池の奥にロックフィルのように積まれた黒い安山岩台地をよじ登っていく。 登りきった所が白馬乗鞍岳 2469メートル の山頂だが、これが茫洋とした広いステップ帯でどこが山頂だか検討をつけにくい。 しかし、道は山頂を越えて下り道へと続いているので、山頂を見つけない事には先には進めない。
トウヤクリンドウ
周囲を見渡すと、白馬三山から鹿島槍までの後立山主稜線が雲海に悠然と浮かんでいる。
そして、惑うばかりのケルン群。 見るもの全てが山頂の雰囲気を漂わせているのだ。
ここで迷ってうろうろしている登山者を見かける事もあるだろう。 ここは、立ち並ぶケルン群の間を忠実に行く事が、山頂標石を見つける近道である(今は迷わぬ程に道標が立っているので、道迷いの心配はない)。
そして、惑うばかりのケルン群。 見るもの全てが山頂の雰囲気を漂わせているのだ。
ここで迷ってうろうろしている登山者を見かける事もあるだろう。 ここは、立ち並ぶケルン群の間を忠実に行く事が、山頂標石を見つける近道である(今は迷わぬ程に道標が立っているので、道迷いの心配はない)。
ミヤマオダマキ ホソバウルップソウ
道は頂上標柱の前にある三角点から右に進路を取って、急傾斜で下っていく。 大きな岩がゴロゴロと転がるロックガーデン状の急下降だ。 早い時期だと上部が雪渓となっていて、ルートを誤ると岩の間を踏み抜いたりして思わぬケガをするので注意が必要だ。 これを下りきると広葉樹林帯となり、これを通り抜けると《乗鞍天狗原》の湿原台地の上に出る。
この湿原には木道の遊歩道が敷設されているので、時間があればこの《天狗原》の散策をするといい。
この湿原には木道の遊歩道が敷設されているので、時間があればこの《天狗原》の散策をするといい。
イワイチョウやワタスゲなどが、山旅のフィナーレを演出してくれるだろう。 後は、ハイカーも登ってくる整備された道を花を見ながら250m下っていくといい。
下り着いた《栂池》でバスの時刻に待ちがあるなら、《栂池自然園》で高山植物観賞もいいだろう。
なお、バスはシーズン中のみ《栂池自然園》まで延長運転される。 バス便がない時は、相乗りでタクシーを利用するしかないのが難点だ。
なお、バスはシーズン中のみ《栂池自然園》まで延長運転される。 バス便がない時は、相乗りでタクシーを利用するしかないのが難点だ。
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No title * by 風来梨
maro様、おいで頂きありがとうございます。
トラックバックもありがとうございます。
また、いろいろな花の写真を魅せてくださいね。
トラックバックもありがとうございます。
また、いろいろな花の写真を魅せてくださいね。
秋の静かな白馬もいいですね。哀愁の1シーン『道標』が印象的です。
TB、よろしくおねがいします