風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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『路線の思い出』   第482回  豊肥本線・立野駅

『路線の思い出』  第482回  豊肥本線、南阿蘇鉄道・立野駅 〔熊本県〕

r482-wt.jpgあると思って最終列車を降りたら
駅舎が無かったのが今回の思い出
2020年3月に
駅舎は取り壊されていた
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
豊肥本線
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立野駅に停車する
急行【火の山】

      営業区間と営業キロ        輸送密度 / 営業係数(’15)     
     熊本~大分 148.0km        3439  /   187      
  
運行本数
熊本~肥後大津(電化区間)  毎時3~4本
肥後大津~宮地       下り13本、上り14本(1~2時間に1本)
宮地~豊後竹田       上下共に5本
豊後竹田~大分       毎時1~2本(中判田・三重町までの区間運行も毎時1~2本)
熊本~大分         特急【九州縦断特急】2往復(うち1往復は休日に【あそぼ~い】となる)
熊本~宮地         特急【あそ】1往復

南阿蘇鉄道
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国鉄時代は
高森線ホームも島式2線だった
※『トラベルステーション』より

     営業区間と営業キロ                運行本数
    立野~高森 17.7km        熊本地震による被災により立野~中松 運休
※ 国鉄高森線からの第三セクター移管線    中松~高森 1日3往復
                         熊本地震以前は立野~高森で1時間に1本程度
                       運行されていた
                       ※ 2023年夏に復旧・運行再開予定

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熊本震災前の通常時の
南阿蘇鉄道・立野駅
※ 南阿蘇鉄道のウェブより

立野駅(たてのえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字立野にあるJR九州と南阿蘇鉄道の駅である。
JR九州の豊肥本線と南阿蘇鉄道の高森線の2路線が乗り入れ、高森線は当駅が起点である。 
JR豊肥本線はスイッチバック構造となっており、ななつ星 in 九州を除く全ての特急・普通列車が停車する。

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南阿蘇鉄道は旧国鉄高森線の
第三セクター移管線だ

なお、南阿蘇鉄道の高森線は旧国鉄・高森線の第三センター移管線で、1985年4月1日に国鉄より移管されている。

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立野駅の0番線・高森線ホームで
発車を待つ高森線列車

JRは島式ホーム1面2線を有する駅で、駅前広場とホームとは構内踏切で連絡している。
震災前のホーム長は120mあったが、復旧工事の際に91mへと短縮されている。 また、損傷のあった上屋も新しいものに取り替えられた。

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ホーム工事が完了した
路線復旧直前の立野駅ホーム
※ 西日本新聞より

待合室のあった駅舎は2020年3月に取り壊されており、駅舎内にあった自動券売機もホーム上に移されている。 現在は、JR・南阿蘇鉄道ともに無人駅である。 震災前の2015年の1日平均乗車人員はJR豊肥本線が369人、南阿蘇鉄道が387人との事であった。

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熊本震災前の南阿蘇鉄道ホーム
※『トラベルステーション』より

南阿蘇鉄道は単式ホーム1面1線を有する駅で、かつては島式ホーム1面2線であった。 震災前は、JRの駅本屋はJRホームから見て構内踏切を渡った地点にあった。 駅本屋を出ると正面に南阿蘇鉄道高森線のホームがあり、右手が外部へ出る折返し階段となっていた。 南阿蘇鉄道の駅本屋は高森線のホーム上にあったが、こちらもJRの駅本屋と同時期に解体されている。 駅舎は、2023年頃と見込まれる高森線の復旧に合わせて橋上駅舎とする予定で建設中である。

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立野駅のスイッチバックの概要解説板
※『フォートラベル』より

JR豊肥本線の駅はスイッチバック構造となっている。 それは当駅と赤水の間は約8kmの距離であるが、阿蘇カルデラの外側にある立野とカルデラ内部にある赤水との標高差が約190mある事から、勾配緩和の為のスイッチバックが設けられた為である。

当駅の駅舎及びホームはスイッチバック構造の底点に位置している為、駅舎から入ってホーム右側(1番線)に熊本方面行きが、ホーム左側(2番線)に大分方面行きが発着する。 熊本方面から来た列車は当駅(スイッチバック底点)で進行方向を変えて後進し、スイッチバック頂点(転向線)に向かう。
頂点で更に進行方向を変えて、大分方面に向かって登っていく。

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JR九州のもう一つのスイッチバックは
球磨川水害により八代~人吉が橋梁流失
など甚大な被害を受けた事で八代~吉松が
復旧の目途が立たない不通区間となっている

なお、JR九州の駅でスイッチバックのある駅はこの立野駅の他に、肥薩線の大畑駅・真幸駅がある(いずれも通過不可能型スイッチバック駅)が、肥薩線は2020年7月に発生した球磨川水害により橋梁が流失するなどして八代~吉松が運休となっていて、この立野駅を有する豊肥本線も2016年4月14日に発生した熊本震災より阿蘇~肥後大津が運休となっていた為、2020年8月8日の豊肥本線全線復旧まで、JR九州のスイッチバック駅の営業は異なる災害で2路線とも不通となっていた。



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ワテの立野駅での『思い出』は
スイッチバックでの撮影の思い出ではなく
泊まるハズの駅舎が更地となっていた事を
駅寝しに来たその時に知らされた事だ
※『フォートラベル』より

普通に旅をする者の立野駅での『思い出』と言えば、スイッチバックでの『撮り鉄』撮影記や乗車体験記となるだろう。 だが、このタワケは違った。 ひとことで言えば、知らなかった事とはいえ最悪の体験をしたのである。

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立野での体験により今回は
立野のスイッチバックで撮影するのは
ムリと判断して外輪山バックに変更

この状況に追い込まれた事により、当初予定していた立野のスイッチバックで『撮り鉄』する気持ちがひと欠けらも残さず吹っ飛んだよ。 それは、駅寝しようと降り立ったなら、駅舎が無かったのである。
それも、駅寝を予定していた阿蘇カルデラ内の駅は夜間締め切り対応をしていて、最終列車の前にして追い出されたので、駅舎がないと判っても逃げ道が無かったのである。

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熊本地震で橋脚の変形など
架け換えを要する被害を受けた
日本第二の高さの高森線・白川第一橋梁

でも、夕方の日が明るい内に立野駅に降りとけば良かったよ。 周知の如く立野駅はスイッチバック&列車交換駅で、ほとんどの列車が立野で上下列車交換するので、どの列車も最低4~5分の停車があり、十分駅見学の為の下車ができるのだ。 だが、物臭さなタワケは「40年近く前の国鉄高森線で降りた事あるから、今更降りる必要ナシ」と、車内でボ~っとしていた。 

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豊肥本線用の新鋭気動車
『〇鉄』なので形式は知らん
何か電車みたいで情感湧かないわ

車内から動かなかった理由はもう一つある。 それは車内が結構込んでいて、野宿用具一式のデカザックを車内に立て掛けて放置したまま降りて、それが倒れたりしたら顰蹙を買うからである。 とどのつまり、荷物(デカザック)の監視である。

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高森線には貨物列車も運行していた
結構貴重な
ローカル線の貨物列車

この駅スルーで、立野の駅舎が既に存在しない事に気づかずに過ごしてしまったよ。 だが、この事がこの夜に手痛い「しっぺ返し」となるなんて思いもしなかったよ。 まぁ、正月とはいえ昼間は快晴の小春日和で、最悪に輪を掛けた状況になるなんて思わなかったしィ。

・・で、正月に風呂に入るべく、徒歩圏内に温泉クアハウスのある駅を駅寝駅と定めるが、夜の9時過ぎになってポリが「ここは野宿禁止だ!」と追い払いに来たのである。 それも、「阿蘇カルデラ内は指定地以外一切の野宿禁止だから、宿が取るのが当たり前で宿が取れないなら来るな!」とか、「今日泊まる所がないなら野宿禁止だから一日寝ずに立っとれ! 深夜に駅に入るのも禁止だ!」と抜かしたのである。

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ちなみに阿蘇の本峰の方は
終日逆光でサルベージしなければ
黒潰れの掲載不能写真だった

ワテもコレにはプチンと来て「この寒空で立っとれ!とは死ね!という事か?」、調書に書くので名を名乗れというポリに、「こんな寒空で解決策も示さず寝ずに立っとれ!というオマエのようなアホに名を名乗れるかい!」と捨てゼリフをかまして、22時の熊本行の最終列車に乗る。 熊本行に乗ったのは、「カルデラの中にある阿蘇市内で野宿が禁止なのなら、カルデラの外に出ればいいだろう」という事からである。

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なので阿蘇五岳の方は
高森線で撮ったモノおば・・

コレはバカの一つ覚えの如く、「カルデラ内は野宿禁止だ!」と言い張る上司のポリの脇で突っ立っている新米ポリに、コッチから解決策を示したのである。 それは、「カルデラの外ならオマエらの管轄外だよな! 立野は阿蘇市じゃないだろ?」と聞き返したのである。 さすがに1日夜中を徘徊すれば、凍え死なないまでも明日一日寝不足で行動不能となるだろうしィ。

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阿蘇市は国民の共有財産である
阿蘇カルデラを私物化
している気がしてならない
それは自然に明らかな害のある
自然公園へのベットの連れ込みは良くて
地元のホテルに金を落とさない
野宿がダメなんて・・
※ ウィキペディア画像を拝借

阿蘇カルデラ内全域が阿蘇市なので、カルデラの外である立野は南阿蘇村という『村』なのである。
そして、国立公園の指定外でもある。 奴らポリは、阿蘇カルデラそのものである阿蘇市内全てが阿蘇くじゅう国立公園内である事で、全てを国立公園法である『指定地域以外でのキャンプ禁止』に当てはめていたのである。

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どこの公園でも入口には
こんな注意書きが明記され
実際にライチョウやタヌキなどが
犬の伝染病にかかってコロニー消滅する
事例もあるのに法的な罰則がないのである

奴らにしたら、災害や事故などの止むを得ぬ事があっても、厳格に法律を持ち出すのだろうね。
だから、公園自然保護地域内へのペットの連れ込みなど、法律で罰則が示されないグレーな事(だが、当然のマナーとして、ペットの連れ込みはしないように掲示されている)は、例え違法性が高く国立公園の自然を害する自然破壊行為であっても咎めたりしないのだろうね。

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飼い犬を野生動物からの威嚇によって
精神崩壊に陥れる犬連れ登山
コレが本当に飼い犬を愛する
奴のする行為なのか?

要するにタバコのポイ捨てなどの法処罰の対象になる事は動くが、法処罰が明記されていない事は無視しているのである。 こんなのに税金を払いたくないなぁ。 まぁ、頭が硬いから、法に明記されている所だけを拠り所にしてるのだろうね。 だけど、ポリ自体が一般民であるワテに、「夜の寒空に寝ずに突っ立ってろ」=「死ね」という事と同意義な事を言うのは生存権の否定という立派な罪である。 まぁ、アホに何言ってもムダだけど。

さて、熊本行きの列車は赤水まではカルデラ内である阿蘇市内を行き、スイッチバックでカルデラの外に下った最初の駅が、南阿蘇村の立野である。 そして、電化路線となる肥後大津以遠の熊本寄りは電車路線で、駅構造的に駅寝がムリなので必然的に立野か瀬田となる。 そして、「瀬田は駅舎がない可能性がある」と踏んで立野にした事で、「ミイラ取りがミイラ」となったのである。 ちなみに、立野の次の瀬田は駅舎があったが小さい駅舎で、中でテントが張れるかどうか微妙だったよ。

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この椅子の前にテントを
張るつもりだったのに
ミゾレ舞う路上になっちまったよ
※『フォートラベル』より

・・立野駅に下車した途端、戦慄が走ったよ。 駅舎が無かったのである。 ついでに便所も男女別に2基の工事現場用の仮設トイレがあるだけであった。 そして、駅ホームにつながる階段の入口に『JR立野駅 入口 』の看板があるだけであった。

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最終列車が去った深夜に
ミゾレ舞うこの看板を目にした時の
ワテの戦慄を解りますか?
※ 南阿蘇村のウェブサイト

要するに、駅舎もない寒空の中での『駅前路上寝』が確定したのである。 そして、追い打ちをかけるようにミゾレが降り出しやがるの・・。 即効テントを張って、中に潜り込んでガスコンロを焚いて暖を取る。 あぁ・・、テントの中でガスコンロで暖を取ったのは、『スーパーオチャメ』のあの時以来だねェ。
でも、酸欠になったらテントの中で額縁当選しかねないので、極限状態以外はマネをせぬように・・。

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日本の風景にキハ40はよく合うね

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この時はミノルタのα303iを使っていて
2秒で1枚の連写を駆使したら
2枚目は影となりますた

湯を沸かしてシグボトルに湯を入れて湯たんぽを作ってから、火を止めてコンロを冷まして(5分放置で素手でバーナーが触れる程に冷える)寝に入る。 やっぱり、冬のテントで湯たんぽは必須アイテムですねぇ。 5時までの5時間半をグッスリ寝れたよ。

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阿蘇外輪山に昨日の
ミゾレ雲の影が掛かって縞となり

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外輪山はいい感じだか
列車は少し白く飛んだかな?

でも、駅舎のない駅を拠点に『撮り鉄』は厳しいので、予定を立てていた立野のスイッチバックはムリっぽいだろう。 なので、追い出された阿蘇カルデラに戻り、阿蘇カルデラの外輪山や阿蘇の主峰をバックに撮る事に計画変更。 なお、記事途中の掲載写真は、全て阿蘇外輪山をバックに撮ったモノや旧国鉄・高森線のモノなど記事内容とは関わりが無いですが、悪しからず。 さすがにポリとの言い争いのイメージ写真などないしィ。

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立野の地名は阿蘇を開拓したとされる
健磐龍命(たけいわたつのみこと)が
カルデラを囲む外輪山を蹴り壊して
水路を作ろうとしたが蹴り損ねて転び
「もう立てぬ」といった事に由来しているという
・・ホンマかいな
※『ユキサキナビ』より

で、始発の5:44の宮地行に乗るが、駅の仮設トイレで『大』をしたくなかった(夜空の仮設和式トイレはさすがにちょっと・・ネ)ので、着いた列車に乗り込んですぐに列車トイレに入って用を足したよ。

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キハ40をこのアングルで
撮れば良かったね

苦難の一夜っていうか今年の旅のヤマを越えると、翌朝は昨日のミゾレをもたらした雲がいい風に雲を残すまずまずの天気。 でも、阿蘇カルデラの朝は氷点下2.3度だったよ。 ちなみに昨日の夜のテント内と同じ位で、氷点下3.6度のえびのよりは気温が高かったよ。


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