風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  名峰百選・はじめに >  名峰百選・中部山岳 >  名峰百選の山々 第35回  白馬岳

名峰百選の山々 第35回  白馬岳

名峰百選の山々 第35回  『48 白馬岳』 富山県・長野県 
後立山山系(中部山岳国立公園) 2932m コース難度 ★★  体力度 ★★
 

白馬岳の頂上へ 
もうすぐだ
 
  《メインサイトより抜粋》
秀峰・白馬岳を盟主とした後立山連峰は個性的で優れた山容を持つ名峰が多く、人気・魅力とも北アルプスではトップクラスである。 
 
大雪渓と広大なお花畑を擁する盟主・白馬岳 2932メートル 、高山のいで湯とお花畑が自慢の白馬鑓ヶ岳 2903メートル 、山々の姿を映す八方沼と広大なお花畑をかかえる唐松岳 2699メートル 、武田氏の御陵菱を雪形に持つ五竜岳 2814メートル 、2つのピークが吊尾根で結ばれていて他の山から眺めてもひときわ目立つ後立山連峰のもう一つの盟主・鹿島槍ヶ岳 2890メートル など、今すぐにでも飛んでいきたい名峰がそろっている。
 

白馬三山・鑓温泉周遊ルート 行程図
 
   行程表         駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻
《2日目》 白馬尻(1:40)→葱平(2:00)→白馬岳キャンプ場

《3日目》 白馬岳キャンプ場(0:30)→白馬岳(2:20)→白馬鑓ヶ岳(0:40)→大出原
     (2:40)→鑓温泉(2:30)→小日向ノコル(2:10)→猿倉よりバス
     (0:30)→JR白馬駅
 
  《1日目》 白馬大雪渓から白馬岳へ
恐らく日本の山では、この山の頂に立った経験のある人が一番多いだろう。 
今回は、その山へ最も人気のあるコースを使って極めたいと思う。 そのコースとは、北アルプス・白馬岳と『日本三大雪渓』の一つ・《白馬大雪渓》だ。 このルートは技術的には初心者向きで高山植物も多く、山中での宿泊や交通の便も至って便利なので、シーズン中は尽きる事なく人の帯ができる。 それでは、この山の人を集める魅力を体感してみよう。
 

シダレるような花をつけるイワオウギ 
山肌を背景に添えると画面が引き締まる
 
JR白馬駅から、《八方》を経由して登山口の《猿倉》までバスの便がある。 始発の便に乗るのもいいし、前夜の内に《猿倉》にある山荘で宿泊して鋭気満々でアタックするのもいいだろう。
《猿倉》からは、車も通れる幅の砂利道を1時間弱歩いていく。 歩いていく内に正面の高台に《白馬尻小屋》の建物が見えてきて、車道から離れてやや傾斜を増した砂利道を登っていくと雪渓の入口《白馬尻》だ。
 

鮮やかな色を魅せるコオニユリ

小屋の裏側に周り込むと、いよいよ大雪渓の裾が白馬三山の稜線から白い帯を掛けているのが見えてくる。 通常は《白馬尻小屋》から20~30分登った辺りから雪渓の中に入っていくのだが、早い時期や雪の厚い時期などは《白馬尻小屋》のすぐそばから雪渓に入る事もある。
 

アイゼンをしっかり装着して
雄大な雪渓登高を楽しもう
 
《白馬大雪渓》は標高差600m。 幅は広い所で100mはあり、日本の雪渓では最もスケールがデカい雪渓である。 またこの雪渓の登降に関してだが、最高の傾斜角でも25°以下で、しかも多くの登山者に踏まれてしっかりした階段状に踏み固められているので、さして神経を使わずに済む。
 

雪渓上に色マーカーも塗られた
初心者コースの白馬大雪渓
 
同じ歩幅で涼しく600mの高度を稼げるので、かなり楽な印象さえ受ける。
この雪渓に限ってはアイゼンなしでも登れるが、あればあるに越した事はない。 
しかし、荒天時は、穏やかすぎるこの雪渓が牙をむいて襲ってくる事も十分にあり得るのだ。
 

登山者が次々と雪渓を登ってくる
 
どこの山に登るにしても言える事だが、天気の見極めはしっかりとしておこう。 雪渓に入ってから1時間少々、距離にして約2km登っていくと、最後に《四号雪渓》出合付近の一番キツい傾斜を越えて、雪渓が途切れた丘の上に出る。
 

大雪渓上部の草付きに咲く
ミヤマダイコンソウの群落
 
ガスに巻かれた際のルートの見誤りとクレバスに近づかないことさえ気をつければ、あっけなく大雪渓を越える事ができるだろう。 この丘からコンクリートの岩小屋を右上に見て、《小雪渓》の広がるモレーンに向かってジグザグをきって岩ガレ場を登っていく。 これを登りきった所が《葱平》だ。
 

岩間に咲くチングルマ
 
この辺りは上から沢が流れ込み、お花畑もそろそろ現れ始めて休憩には持ってこいの場所だ。 
但し、この沢の水は山荘からの排水で汚染されているとの事なので、水の確保はできない。 
この《葱平》はシロウマアサツキという葱の匂いを放つ特有種が植生する事でも有名だ。
 

数は少なくなったがまだ健在
白馬の“お花畑”
 
様々な種の高山植物を見ながら登っていくと、《葱平》を越えて《小雪渓》に突入する。 
見上げると、前方に白馬岳のピークと《白馬山荘》、そして左側に白馬三山の中で最も武骨な【名峰百選】・杓子岳 2812メートル が視界に入ってくる。
 

天に鋭く突き出す杓子岳天狗菱
 
この方向からの杓子岳は北東稜末端の《天狗菱岩稜》を迫り出し、山岳美きわだつ眺めを魅せている。
《小雪渓》を越えて、お花畑と氷河遺跡の名残りを示す赤っぽい巨岩を見ながら石段状に整備された道を登りきると、《村営頂上宿舎》前に出る。
 

イワツメクサの群落
 
この《村営頂上宿舎》後の広場はキャンプ指定地となっているので、幕営山行ならテントを設営してから、空身で白馬岳のピークを往復するのがいいだろう。 ここから《白馬山荘》までは一投足の距離、砂利で踏み固められた稜線を25分程伝えば着く。
 

稜線上で目立った花はこれだった
 
《白馬山荘》は、収容人員1500人と日本最大の山荘である。 山荘内には自動販売機や“雲上ビアガーデン”があるなど、少々俗化が気になる所である。 また宿泊費用も、北アルプスゆえにかなり割高である(’03現在、二食付きで8500円との事)。 山荘でひと息着いたなら、後立山の盟主・白馬岳の頂上を極めよう。 頂上までは砂礫の傾斜を僅か15分、早足だとものの10分で登り着く。
 

あれだけ賑わった白馬岳頂上も
シーズンオフはひっそりと・・
 

夕暮れの雲海と山なみと・・
最高の“アリバイ”写真
 
白馬岳 2932メートル からの眺めは、いうまでもなく雄大だ。 剱岳が雲海に浮かぶ航空母艦のように悠々と浮かび、唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・・といった後立山の名峰が雲海という天の大海を疾走する軍艦の如く堂々と突き出している。 その背後には、槍の穂先が更に鋭く天を衝いている。
山岳美を求めるなら、杓子岳であろう。 東北稜の《天狗菱岩稜》が魅せる眺めは、真に『名峰』にふさわしき気品を感じる。
 

湧き立つ雲海と槍ヶ岳
 

白馬岳頂上より果てしなく続く山なみ
 

落日の後・・ 染まる空と剱
 

夕日に染まる白馬三山の背後に
後立山の名峰群が・・ 
 
そして、クライマックスは夕暮れ時であろう。 雲海が黄金色に光り空がスペクトルの色彩を帯びる中、剱の空母のようなシルエットが悠然と雲海の中にたたずんでいる。 そして、空に三日月1つ。
 

天海に船出す・・
熱き情感が込み上げる
 
天海に向けて船出する巨大艦に“幸多かれ”と、思わず敬礼して目を閉じる。 胸には熱い情感が込み上げてくる。 涙さえでそうな情景がそこにあった。 天海の船出を最後まで見届けたなら、今日の宿泊場所に戻ろう。 明日は白馬三山に登って、その後にとっておきのお花畑といで湯をめぐるコースを御紹介しよう。
 

道標・・
叙情あふれる1シーンだ
 
    
     続く《2日目》の行程は、次回『名峰百選 第36回 杓子岳』をご覧下さい。
     また、次回からの名峰次選では、白馬岳山頂を始点に『152 小蓮華山』や
     『151 雪倉岳』、『150 白馬朝日岳』をめぐる山旅のUP予定です。
 
 
    ※ 詳細はメインサイトより『後立山連峰<1>』と
       撮影旅行記より『白馬三山・鑓温泉周遊』を御覧下さい。


関連記事
スポンサーサイト



No title * by yama
何時もご訪問ありがとうございます。
TBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きましたよろしくお願いします。
☆ポチッ!!

No title * by yamanbou
こんばんは。
エンゴサクじゃなく「イワオウギ」だと思います。
キンポウゲは間違いじゃないですが「ミヤマダイコンソウ」と
思われます。ナマ言いました。

No title * by 風来梨
yama様、こんばんは。

こちらこそ、トラックバックありがとうございます。
また、合致した山がありましたら、宜しくお願いしたいと思います。

No title * by 風来梨
yamanbou様、こんばんは。

花の名前はあまり自信がないので・・。
訂正しときますね。

コメント






管理者にだけ表示を許可

No title

何時もご訪問ありがとうございます。
TBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きましたよろしくお願いします。
☆ポチッ!!
2011-09-29 * yama [ 編集 ]

No title

こんばんは。
エンゴサクじゃなく「イワオウギ」だと思います。
キンポウゲは間違いじゃないですが「ミヤマダイコンソウ」と
思われます。ナマ言いました。
2011-09-29 * yamanbou [ 編集 ]

No title

yama様、こんばんは。

こちらこそ、トラックバックありがとうございます。
また、合致した山がありましたら、宜しくお願いしたいと思います。
2011-09-29 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

yamanbou様、こんばんは。

花の名前はあまり自信がないので・・。
訂正しときますね。
2011-09-29 * 風来梨 [ 編集 ]