2011-09-26 (Mon)✎
日本の滝を訪ねて 第36回 安ノ滝
やや遅れ気味だか秋色の安ノ滝
安ノ滝 やすのたき 落差 80m 分岐瀑 〔秋田県・北秋田市〕
『日本の滝100選』の中でも最も人気のある滝といえば、この安ノ滝であろう。 滝を題材にしたウェブサイトでも、この滝の秋模様をトップに飾ったサイトが多く見られる。 そして、アプローチや滝までの道程も比較的容易で多くの行楽客の目に止まる事も、この滝を全国区に押し上げた理由だと思われる。
だが、“思い入れ”を重視する私としては、安易に立ち寄れる所には大きな情感が湧いてこないのである。 そして、この滝には2回訪れたのだがその全てが天候不順で、その事も負の印象を抱く事になったようだ。 でも、本当のこの滝の魅力はこんなものではない・・との思いもある。 だから、次の年も納得のいく秋情景を撮れるまで、何度でもこの滝を訪れようと思っている。 それでは、滝までを歩いてみよう。
秋の安ノ滝全景
国道105号線より、『マタギの里』で売り出し中の《打当》集落の方向へ進路を取る。 この辺りは『マタギの里』として売り出し中という事で、宿泊施設完備の温泉クアハウスはあるわ、クマ牧場はあるわ・・と、秋田県内の一大レジャーランドと化しているようである。 そして、安ノ滝やすぐ隣の渓谷である立又峡谷の瀑布群も、豊かな自然景観の観光スポットとして宣伝されている。
滝が点在する渓谷は、この一大レジャーランドの中心である打当温泉のクアハウスより10km程、車で約20分程の所に位置する。 滝への林道分岐までは舗装道、林道はダートであるが滝までのキロポストが設置されているなど、観光客をかなり意識した道である。 だが、林道は崖をヘツるようにつけられているので、荒っぽい運転は転落事故につながりかねないので安全運転の程を。
観光客を意識した造りの
安ノ滝駐車場の公衆トイレ
林道の終点は20台程の車が駐車できるスペースと、観光を意識した立派な水洗トイレが建てられている。 滝へは、このトイレの脇から沢に沿って1.9km、通常に歩いて所要40分の遊歩道が続いている。
トイレ脇より、石をコンクリートで固めて足の踏場状にした段差歩道で急下降していく。
急下降といっても、ものの2~3分で下り終える事ができるだろう。 後は、沢の左岸(進行方向右手)につけられた踏跡を改良した遊歩道を伝っていくだけだ。 たぶん、トイレの設置と同時に整備されたのだろう。 だからか、渓流の一枚岩をコンクリートで固めて歩道化したような所も見られる。
トイレ脇より、石をコンクリートで固めて足の踏場状にした段差歩道で急下降していく。
急下降といっても、ものの2~3分で下り終える事ができるだろう。 後は、沢の左岸(進行方向右手)につけられた踏跡を改良した遊歩道を伝っていくだけだ。 たぶん、トイレの設置と同時に整備されたのだろう。 だからか、渓流の一枚岩をコンクリートで固めて歩道化したような所も見られる。
探勝路だけでなく河床も整備されている
渓谷を通る割には、あまり情感の湧かない遊歩道だ。 始めは500m毎、滝に近づけは200m毎に、滝までの距離を示した道標が立つ。 残り400mの道標を過ぎると、やや傾斜が増し、遊歩道もコンクリート加工したモノより、自然の岩の比率が大きくなっていく。 やがて、端正な2段の滝が見えてくる事だろう。 滝が見えてきたら道は階段状となり、この急登に少し喘ぐと滝前の展望台に出る。
滝の展望台は狭く、三脚を立てる写真家が3人もいればかなり窮屈になる。 従って、大型三脚で長時間滝前を占有するのは、大いなる顰蹙行為となるのは念の為。 滝は2段の端正な瀑布を魅せ、両岸の垂直に迫り立った岩肌が、滝の高度感を際立たせる。 ただ一つ残念なのは、上段の瀑布のちょうど真ん中に大きな樹木が横たわっている事だろうか。
真ん中に位置取る一本の樹は
アクセントとみるか
それとも!?
写真を撮る人の感性によってこの樹木の印象は異なるであろうが、ワテとしては『目の上のタンコブ』の如くに映ったのだが。 特に夏などは、この樹木が滝の中央部でマングローブのように丸く葉をもたげ、かなり滝の雰囲気を阻害したのである。 その事があってか、ワテには特別にイチオシする滝には映らなかったのである。
あと、滝の名称の由来も、あまりピンとはこなかった。 何でも禁忌の恋が叶わぬ男と女の悲恋物語から名づけられたようだが、自然景観としての滝の印象を捉えたものでないので、正直あまり情感が湧いてこない。 まぁ、こんな小さな事はどうでもいい事なのだが。 何はともあれ、この素晴らしい滝の秋情景を撮って私の中のこの滝の印象が最高潮に上がるまで、この滝へ通い続けようと思う。
あと、滝の名称の由来も、あまりピンとはこなかった。 何でも禁忌の恋が叶わぬ男と女の悲恋物語から名づけられたようだが、自然景観としての滝の印象を捉えたものでないので、正直あまり情感が湧いてこない。 まぁ、こんな小さな事はどうでもいい事なのだが。 何はともあれ、この素晴らしい滝の秋情景を撮って私の中のこの滝の印象が最高潮に上がるまで、この滝へ通い続けようと思う。
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No title * by kei
風来梨さん、こんにちは。私はこの安の滝が好きで2回も行きました。悲恋伝説が残る華麗な滝ですね。
No title * by 風来梨
keiさん、こんばんは。
秋田には素晴らしい滝がたくさんありますね。
中でも森吉山の山麓は、豊富な森林と美しい渓谷を多く従えています。 安ノ滝の横の立又渓谷にある幸兵衛滝もいいですよ。
あと、少しキツいですが、同じく100名滝の茶釜ノ滝も虜になりました。 もう、5回も通っています。
秋田には素晴らしい滝がたくさんありますね。
中でも森吉山の山麓は、豊富な森林と美しい渓谷を多く従えています。 安ノ滝の横の立又渓谷にある幸兵衛滝もいいですよ。
あと、少しキツいですが、同じく100名滝の茶釜ノ滝も虜になりました。 もう、5回も通っています。