2021-10-21 (Thu)✎
『日本百景』 秋 第494回 恵那山・秋 〔長野県・岐阜県〕
秋色に染まる衣を纏う恵那山
恵那山 えなさん (胞山〔えなさん〕県立自然公園)
長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがり、木曽山脈(中央アルプス)の最南端に位置する標高2,191mの峰で、美濃国の最高峰である。 岐阜県は、胞山県立自然公園に指定している。 山頂の標高2,191 mの最高点の南東には、一等三角点・展望台・恵那神社奥宮本社がある。
中津川の市街地を見下ろすようにそびえ立ち、そして濃尾平野や岡崎平野、更に遠く伊勢平野の広範囲の地域から、その大きな櫛形の山容を望む事ができる。 その大きく独特な山容から、古くから伊勢湾を航行する船の目標となっていたという。
山頂展望台は周囲にトウヒやコメツガなどの背が高い針葉樹林がある為、展望はあまり良くない。
中津川の支流である黒井沢からの登山道と、主稜線の合流点には恵那山頂避難小屋があり、その裏の岩場からは北アルプス・御岳山・中央アルプス・南アルプス・富士山などの展望が広がる。
北東にある富士見台高原の真下に、中央自動車道の恵那山トンネルが通っている。 北山麓には中山道の馬籠宿と妻籠宿がある。 馬籠で生まれ育った島崎藤村が幼少時代に眺めていた山であり、『夜明け前』で描かれている。
天照大神を奉る恵那山神社
古くは胞衣山(胞山)と呼ばれ、また角度により船を伏せたように見える事から舟覆伏山 (ふなふせやま) などとも呼ばれた。 江戸時代に書かれた古書に、「天照大神がここで降誕され、その胞衣(えな)がこの山に埋められた」と記載されており、これが山名の由来とされている。 また、信州側では『野熊山』とも呼ばれていた。
山の上部はウラジロモミ、コメツガ、トウヒなどの針葉樹林帯である。 江戸時代の初期までは西面がヒノキやモミなどの美林であったが、その後の乱伐により荒廃したという。 他の斜面では、林道が整備されスギやカラマツなどが植林されている。 また、イワウチワ、サラサドウダン、シャクナゲ、ショウジョウバカマ、ズダヤクシュ、バイカオウレンなどの花が見られる。
恵那山・広河原ルート 行程詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
飯田市街より車利用(0:50)→神坂峠・林道車止め(0:40)→広河原登山口
(1:40)→五合目・1716m高点(1:40)→恵那山 ※ 帰路は往路の通り戻る 所要2:40
広河原林道車止より車(0:50)→飯田市街
秋色に染まりつつある恵那山へ
さて今回は、最短ルートの《広河原ルート》を使って、前夜発の日帰りで恵那山を踏破してみよう。
このルートは他に3つある恵那山への登山ルートで最も距離が短く、最も新しく開設された登山道で歩き良い事、水場も沢水を汲めば良く、また展望や紅葉も楽しめるルートである事が挙げられる。
またアプローチも比較的容易で、古くから恵那山のメインルートであった《神坂峠ルート》に取って代わりつつあるとの事である。
林道越しに
紅葉の絶景が広がる
それでは、その《広河原ルート》を使って恵那山に登ってみよう。 さて、アプローチであるが、林道ゲート前の駐車場は30台ほどの車が駐車できるが、トイレは仮設トイレ(工事現場にあるトイレ)が1基だけで後は何にもない所なので、一夜を過ごすのはちょっと避けたいだろう。 ここは少し遠いが、付近の『道の駅』よりアフローチするのがベターかもしれない。
なお、ワテは30km離れた『道の駅・下条』を夜間停泊地としたのだが・・。 この『道の駅』の隣は温泉クアハウスなので、早く着くと温泉も入れるのでその点でも良いだろう。 その『道の駅・下条』を5時半に出ると、6時半には《広河原》のゲート前に着く事ができる。 ゲート前に車を止めたら、林道ゲートを通り抜けて出発だ。
朝日が当たる前は
影っていた紅葉に
朝日が届いて
紅葉が染まり始めた
これより痛んで舗装がめくれ上がった所が目立つ林道を2kmほどゆく。 周囲は朝の光を浴びた山肌の紅葉が美しく輝いている。
山肌には朝の斜光を浴びた
美しい紅葉樹林が林立していた
美しい紅葉樹林が林立していた
林道歩きはあまり
楽しいモノではないが
ここの林道だけは別格
林道歩きはあまり楽しくないものだが、ここは紅葉の眺めが素晴らしいので、楽しくさえある。
紅葉を愛でながらゆくと、あっという間に《広河原》ルートの登山口の標識前に着く。
丸太二本を縛った桟橋で沢を渡る
この標識の指示に従って沢に下りて、木を2本で縛ったものを渡した桟道橋で沢を渡る。
この沢が、この《広河原ルート》唯一の懸念である「増水したら危険」な沢渡渉点だ。 沢が増水して氾濫すると、こんな『渡し橋』は一発で流されるだろうし、増水した沢で流されたら、すぐ近くに砂防ダムがあるので転落して『さよなら』となるだろう。 現にそういう事例が最近あったそうである。
先程歩いた林道が
視界から消えるまで登っていく
これを渡ると、先程に林道より紅葉を愛でていた山肌をジグザクを切って登っていく。
傾斜はかなり急だ。 展望は尾根に上がるまでないが、朝の光に輝く紅葉は十分に急登で滅入る心を和らげてくれる。
見上げれば青い空と紅葉
これを見ればキツイ登りも辛くない
なお、この急登が終わる尾根上までだが、木にパウチされた紙が巻きつけられ、1/10、2/10などと書き示された『合目道標』の『4/10』を過ぎて少し登った所が尾根上となる。 そこまではひたすら登っていこう。
五合目の尾根上に出ると
青空が広がっていた
沢を渡って登り始めてから、ちょうど1時間で尾根上に立つ位だろうか。 尾根上に出ると道は平坦となり、眼前に恵那山のピークが見えてくる。 15分ほど平坦な樹林帯を通過すると開けた草原状となり、恵那山のピークに向かってこの草原の山肌を登っていく。 草原帯は展望も良く、またそよ風に草がそよぐ様は気持ちが良い。
下を見下ろすと
山裾に向かって
紅葉の絨毯が敷かれていた
稜線に出ると
草原帯を登っていく
この草原帯を登っていくと潅木のトンネルに入ると、すぐに木に『7/10』のパウチ紙が巻かれている《七合目》だ。 そのまま潅木の急傾斜を詰めて国境稜線まで詰めると《八合目》である。 《七合目》に潅木のトンネルに入ってからは森の中を行くので、ほとんど展望はなくなる。 こうなれば、後は頂上までのラストスパートだ。
パウチされた『9/10』と書かれた
紙が木に巻きつけられた
合目標札以外に何もない《9合目》
国境稜線上の傾斜を詰めていくと、例の木に巻きつけたパウチ紙の道標以外に何もない《九合目》を越えて、程なく恵那山の頂上に着く。
成長した木々に展望を阻まれた
恵那山の頂上は
唯一「ハズレ」だった
展望櫓に上がっても
展望櫓自体が
周囲の木々より低くてこんな感じ
恵那山の頂上は成長した木々に囲まれて展望は乏しく、展望櫓は建っているものの、その上からでも成長した木々が邪魔で展望は悪い。 取り敢えず、山頂をに着いた事だけを示す『アリバイ写真』を土産に、じっくりと休憩したなら往路を戻る。
頂上では得られなかった展望を
堪能しながら下りていく
秋ともなると
午後を周ると斜陽が差し始める
復路は頂上で残念だった展望を得るべく、《七合目》下から続く好展望の草原帯をカメラ片手にゆっくりと下っていこう。
四合目まで下ると
紅葉が広がるので
慌てて駆け下る必要などない
寧ろこの紅葉を前にして
下ばかり見て駆け下る方が
勿体ないし転倒してケガするよ
また、バタ足ついて快速に下る人が多いが、《四合目》からの下りは急なので足首や膝を痛めないように注意しよう。 僅か20分や30分の早い帰着を求めて、そのリスクで足首や膝を痛めて山に登れなくなる方が愚かであろうから。
最後まで楽しめる秋の山
最後の林道歩きこそが
クライマックスだ
紅葉狩り気分で歩く林道
楓の紅は濃淡があってより美しい
恵那山の紅葉は真っ赤に燃える
楓系の紅葉ですね
いつもは歳食ってヘタってからは遅く
もどかしい足であるがこの時ばかりは
「もっと遅くてもいいぞ」となったよ
登りで3時間(ワテの登りの所要時間)と、行程時間的には余裕があるので、ゆっくりと山肌の紅葉を愛でながら下っていくといいだろう。 ゆっくり下っても、恐らく14時位までには下山できるだろうから。
紅葉が燃える紅から
黄葉に変わって
紅の占める割合が
小さくなって
「もうすぐこの山行が終わる」
って事を教えてくれた
「ひずみ」によって
滲んで写り込むのは
主にズームレンズを使った時である
なぜならこの原因は
ズーミングでのレンズ移動が必要な為に
焦点距離に比較して鏡筒が長く
レンズ構成枚数が多いズームレンズの弱点
あり丁寧に言うと長い鏡筒内で
通過光が乱反射して写り込む
ズームレンズの構造的な弱点であり
一般的には『フレア』と呼ばれている
要するに凹凸の如く波打って見えるのは
歪んでいるのではなく
「ひずみ」によって映像が滲んで
凹凸に波打って写り込んだ
ように見えるモノである
歪む方向が定まらない歪みは
立体である球体を立方体に
変換した時に生じる三次元的な
凹凸以外には有り得ないのである
従ってコレはデジタル変換でも修正不能で
『フレア』が出たらその写真は
残念ながら「ボツ」判定となるのである
同じ光の乱反射による「ひずみ」でも
絞り羽根が連続的な光跡として映り込む
『ゴースト』は強い光線状態を
表現できるなど使い道はあるが
『フレア』は醜いだけで使い道がない
ちなみにワテは広角系は単焦点レンズ
しか持ってないし望遠レンズも70~210
の中望遠しか持ってないので
幸い自身て撮った写真が
『フレア』となった事は一度もなかったりして
コレは金が無くて
高倍率のズームレンズや
超望遠レンズが買えなかった
『ビンボー』の賜物であり
勝利であると言えよう
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