2021-08-29 (Sun)✎
よも”ヤマ”話 第151話 中部日高・カムエク その3 (憧れの峰・カムエクへ) 〔北海道〕 '96・8
カムイエクウチカウシ山 1979m【名峰百選 60峰目】
憧れやまぬ峰の頂へ
※ 別の時に撮影
カムイエクウチカウシ山 かむいえくうちかうしやま (飛鷹山脈襟裳国定公園)
幌尻岳に次ぐ日高山脈第二の高峰であり、標高1,979mである。 日高山脈襟裳国定公園内にあり、山頂には1900年に一等三角点(点名『札内岳』)が置かれている。 日高山脈主稜線上に悠然と聳える男性的な山容を誇り、主脈の盟主として山脈中央部に鎮座する。 札内川上流のいくつものカールの上に君臨する姿は、北の幌尻岳、南のペテガリ岳と比べてもまったく遜色がなく、『中部日高の雄』と表される。
背後には端正な
ピラミッドの容姿を魅せる
1853m無名峰の
通称ピラミット峰がそびえたつ
※ 別の時に撮影
また、この峰の南東側にはピラミッド峰 1,853m と呼ばれる四角錐型のピーク(支峰)が間近に望まれ、本峰を望見する絶好の展望台となるが、この司法の頂上まではハイマツの猛烈なブッシュ漕ぎとなる。
アイヌ語の名称の通り峻険な山容であり、日高山脈の高峰に特徴的な圏谷(カール)地形が見られ、十勝側山腹に八ノ沢カールと日高側山腹にコイボクカールを抱き、カールの下流側ではモレーンも確認されている。
カール底で最も群落を魅せていたのは
淡い薄紫のチシマフウロだ
幌尻岳・カムイエクウチカウシ山およびエサオマントッタベツ岳など日高山脈の山々は圏谷が見られるが、北アルプスの薬師岳や穂高岳に比べると小規模である。 これは2万年前の氷期に日本列島が大陸と陸続きとなって対馬暖流が日本海へ流入しなくなり、降雪が現在よりも少なかった事が原因であると考えられている。
名称はアイヌ語の「熊(神)の転げ落ちる山」に由来する。 登山家の間ではしばしばカムエクと略して呼ばれる。 しかし、この山にはまだ登山道といえるものはついておらず、通常は札内川の八ノ沢、又は九ノ沢を登り、それぞれのカールを経ての登路が取られている。
ウメバチソウ
八ノ沢カールは花の器だ
特に八ノ沢は、上部には滝が続くが沢遡行のルートとしては難しくはなく、本流出合から約6時間で頂上に立てる。 八ノ沢カールでの泊まりも最高の気分で、真に楽園風景の一夜を結べるだろう。
楽園の情景を魅せる
八ノ沢カール
八ノ沢を見下ろして
北のエサオマントッタベツ岳、南のコイカクシュサツナイ岳へも踏み跡が続き、日高側からも道が奥まで入り、コイボクシュシビチャリ川からコイボクカールに登る人も多くなってきたが、八ノ沢ルート以外は熟達者でも難しいルートとなっている。 また、ヒグマの巣でもあり、他ルートを使っての登頂は山行パーティを組む事が必須であろう。
この峰でヒグマといえば、1970年に九州の福岡大学の学生パーティが八ノ沢カール付近でヒグマに襲われ3人が犠牲になった事故が発生している。
中部日高・カムイエクウチカウシ山
八ノ沢遡行ルート行程詳細図
アプローチ
帯広市街から車(0:40)→中札内村・上札内(0:20)→ピョウタンの滝・日高山岳センター
(0:15)→札内ヒュッテ
鶴翼の如く広がる
カムエク西南尾根
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 札内ヒュッテ(1:00)→七ノ沢出合(1:40)→八ノ沢出合
(2:10)→1000m三股(2:30)→八ノ沢カール
《2日目》 八ノ沢カール(2:00)→カムイエクウチカウシ山(1:40)→八ノ沢カール
《3日目》 八ノ沢カール(2:20)→1000m三股(2:10)→八ノ沢出合
(1:40)→七ノ沢出合(1:00)→札内ヒュッテより車(1:40)→帯広市街
※ 当時の札内ヒュッテは、まだ『札内川園地『』として整備されておらず
ヒュッテもまだ三角屋根のモノだった
今日・・憧れやまぬ峰
カムエクの頂に立つ
※ 別の時に撮影
《2日目》 カムイエクウチカウシ山 往復
《八ノ沢カール》の神秘的な夜明けを満喫したなら、いよいよ『カムエク』と愛称される『憧れの峰』・カムイエクウチカウシ山へのアタックだ。 カムイエクウチカウシ山へは、『ピラミッド峰』と呼ばれる峻峰との鞍部に向ってカール壁のお花畑の中を登っていく。 この登りはカール壁を登るにしては傾斜が緩く、お花畑を見ながらゆっくり登れる。
秋口の花・ミヤマリンドウ
:
北の山は8月に入ると
秋の様相を魅せる
だが、緩い傾斜地は、得てしてヒグマがよく出没する所でもあるのだ。 運悪くヒグマとバッタリ遭遇してしまったなら、その時は覚悟を決めて闘う構えで睨みつけるしかないであろう。 不意に遭遇せぬ為にも、こちらの居場所をヒグマに悟らせる『クマ避けの鈴』は絶対の必需品だ。
山の鎮魂歌
大自然に抱かれて安らかに眠れ
:
カール底に置かれた
福岡大学ヒグマ遭難碑
※ 別の時に撮影
この《八ノ沢カール》周辺は、日高山域の中でもとりわけヒグマが出没する「クマの巣」として有名だ。 1970年に福岡大学のパーティがヒグマに襲われて、3人が犠牲になったそうだ。 《八ノ沢カール》の幕営地にある岩にはレリーフが掲げられ、山に眠る3人が祀られている。
この日はあいにくガスが濃く
山腹より上は魔染めなかった
ピラミット峰も
半分拝むのが精一杯だった
さて、お花畑のカール壁を登りきると、『ピラミット峰』を先頭に日高国境稜線の山々が視界に広がってくる。 また、緑豊かな《コイボクカール》も前面に押し出してくる。 しかし、歩きよいのもここまでだ。
ここは霧露でドレスアップした
花々を愛でながら行こう
ここからは、ハイマツのブッシュや真下に《コイボクカール》が待ち受ける切り立ったカール壁の通過など、緊張する道が続く。 ハイマツの根に足をからまれつつ、岩をよじ登るといった感じでカール壁の急登を登っていく。
稜線上に立つと
幾分ガスが薄くなり
カムエク西南尾根が魅えてきた
こうして、ピラミッド峰から見上げて、カール壁の頂点と思しき所に登り着く。 だが、まだ終わりではない。 「見かけのカール頂点」に登りついたなら、下からは見えなかったカール壁の突起が次々と現れ、その都度急登が課せられる。 だが、晴れていたなら眺めは満点だ。
登ってきた八ノ沢を
感慨深く眺めて
ありのままの大自然を魅せる
コイボクカール
《コイボク》・《八ノ沢》と2つのカールに突き上げられたカール壁からは、2つのカールは元より、日高の山なみ、そして遠くにそびえる大雪の山々と展望が360°広がる。 この足元を気にしながらの山遊漫歩を続けると、ハイマツと岩場はいつの間にか過ぎ去り、斜面一帯に広がるお花畑の道となる。
お花畑が広がる坂道を
登りつめて憧れの峰の頂へ
※ 別の時に撮影
エゾノハクサンチドリ
岩にひっそりと・・
ミヤマリンドウ
後は、このお花畑の急斜面を突っ切るように登っていけば、日高で一番の奥深き山、そして憧れやまなかった山・・、カムイエクウチカウシ山 1,979m の頂上に立つ。
前人未踏のカムエク西南尾根と
日高の山々が望めた
このカムイエクウチカウシ山は一等三角点を持ち、日高山脈の中央に風格ある姿を魅せる名峰だ。
だが、この憧れの山の上に立つには、これまでに述べたような困難が伴う。 それゆえ、この頂に立った時の喜びは、言葉では言い表せないのだ。
コレが憧れの峰でのアリバイ写真
最後まで決められないタワケ
:
ちなみに指さしてるのは
頂上で唯一『カムイエクウチカウシ山』
と書かれた細いリボン
しかし、残念な事に山頂には一等三角点の石柱があるだけで、山頂を示す表示は全くなく(2002年に再訪した時は山名を示すキロポストのような標柱があった)、『アリバイ写真』は撮れそうにないのである。
鶴翼の如く広がる
カムエク西南尾根を振り返り
帰りは、お花畑を楽しみながら往路を着実に戻ろう。 お花畑には、ウメバチソウ・チシマフウロ・エゾウサギギクなどの花が咲き競っている。
カール壁に咲く花々
エゾウサギギク
ウメバチソウ
また、時期さえ合えば、カムイビランジ・ヒダカソウ・ヒダカイワザクラなどの日高山脈の固有種も咲いている事だろう。 でも、お花畑に見とれて足元が疎かにならないように。
霧露の水玉が光る
花名不詳の花
お花畑と国境稜線の贅沢な眺めを楽しみながら下ると、あっという間に《八ノ沢カール》に戻り着く。
余裕があれば、このままテントをたたんでイッキに下山も可能だが、都合10時間の徒歩となるので自重するのが賢明だろう。 なぜなら、イッキに下山の場合はかなりの早立ちを強いられ、また頂上稜線でのゆとりもあまりない。 そして、沢を下降する午後には、夕立に降られる可能性も高くなる。
増水時の沢が危険なのは、前にも述べた通りである。
翌朝撮った花をひとつまみ
:
楽園の朝を魅ずして
憧れの峰は語れない
それよりも、せっかくここまでやってきたのだからもう一夜・・、『夢の楽園』であるカールで夢を結んでもいいのではないだろうか。 もし、夜明けの神秘的な景色を見ていないのなら、尚更である。
※ 続きは、『第152話 その4』にて
開催準備期間を含めた3ヶ月で
日に25000に累計で100万人以上の
感染爆発を引き起こした人災・東京五輪
コレは2009年に政権を騙し取った
ミンスよりもタチが悪い
悪質なものである
なぜなら東京五輪を開催すれば
必ず今日の感染爆発を引き起こす
事が解りきっていて
国民の9割が中止又は延期を
要望したにも関わらず
開催推進派自体が「開催すれば
こうなる事」を知りながら
「安全・安心の東京五輪」と国民を騙して
国を傾け多くの国民の命を奪った事である
そして誰の目を見ても感染爆発の原因は
東京五輪への参加でやってきた
外人共であるにも関わらず
感染爆発の責任を若者を中心とした
日本人の感染者に責任転嫁してる事だ
日本の国民に問いたい
日本人の若者がバタバタ倒れ
国の経済が傾き混迷するコレが
「武漢ウイルスの克服」と「カンドー」なのか?
違うだろ? だったら怒れよ!
国を傾けて日本人の命を奪った
開催推進派の日本人成りすまし共に
この責任を取らせろよ!
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