風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第150話  中部日高・カムエク その2 (八ノ沢カールへ)

よも”ヤマ”話  第150話  中部日高・カムエク その2 (八ノ沢カールへ) 〔北海道〕 '96・8

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沢の流れが緩やかになると
頭上に『夢の楽園』が見えてきた

  札内川・八ノ沢 さつないがわ・はちのさわ(日高山脈襟裳国定公園)
八ノ沢(はちのさわ)は札内川の支流であり、札内川と合流した後に幕別町で水系本流の十勝川と合流して太平洋に注ぐ。 八ノ沢流域の全てが、日高山脈襟裳国定公園に指定されている。 この沢は、登山道のないカムイエクウチカウシ山への沢登りルートとして認知されている。

北海道日高支庁(支庁は現在振興局となっている)の日高郡新ひだか町と十勝支庁の河西郡中札内村に跨る、日高山脈中央部の主脈であるカムイエクウチカウシ山の八ノ沢カール底のモレーンに源を発し、7月末まで雪渓(デブリ)の残るV字谷を形成しながら、880mの標高差を以って八ノ沢出会で札内川の記念沢と合流している。

『1000m三股』と呼ばれる地点から上流は急峻となって滝が連続するが、八ノ沢カールまでは左岸に高巻する巻き道(踏み跡)がある。 但し、巻き道では滑落事故が多発しているので下山では細心の注意を要する。



 
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中部日高・カムイエクウチカウシ山
八ノ沢遡行ルート行程詳細図

  アプローチ
帯広市街から車(0:40)→中札内村・上札内(0:20)→ピョウタンの滝・日高山岳センター
(0:15)→札内ヒュッテ

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八ノ沢カールより望む
茫洋と対峙する十勝幌尻岳

  行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 札内ヒュッテ(1:00)→七ノ沢出合(1:40)→八ノ沢出合
     (2:10)→1000m三股(2:30)→八ノ沢カール
《2日目》 八ノ沢カール(2:00)→カムイエクウチカウシ山(1:40)→八ノ沢カール
《3日目》 八ノ沢カール(2:20)→1000m三股(2:10)→八ノ沢出合
     (1:40)→七ノ沢出合(1:00)→札内ヒュッテより車(1:40)→帯広市街   
   ※ 当時の札内ヒュッテは、まだ『札内川園地『』として整備されておらず
    ヒュッテもまだ三角屋根のモノだった
  ※ 前話『第149話 その1(前章〉』の続き

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沢を遡って『夢の楽園』へ

ワテをして、この先に『色々』あり過ぎて(このあり過ぎる『色々』は、後々の『よも”ヤマ”話』で記事展開する予定でっす)『永遠の峰』となったカムイエクウチカウシ山・・、通称『カムエク』。
ワテのホームページでのハンドルネームにも採用したこの『カムエク』という山は、『よも”ヤマ”話』でも特別な存在だ。

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儚く淡い薄紫を魅せる
チシマフウロ

渡渉が連なるこの山への山行は、『無訓練山行』を標ぼうして『下り三倍満』となったロクデナシのワテをして、山に数回登って身体がデキ上るまで延期した経緯もある。 それも『放浪山旅』では渡道費用が倍かる御法度の、『北海道への再上陸』もしているのである。

また、渡渉のある日高・幌尻岳さえも、渡渉靴を買わずに履き潰して靴底がツルツルに擦り減ったスニーカーで沢を渡るなど沢をナメきっていたタワケ(筆者)をして、「この山だけは別」と現地で渡渉靴も買って臨んだ山なのである。 これより、その『特別なヤマ』で『憧れの峰』に挑む。

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幕営装備一式担いでの
キツい沢登りで振り返ると
十勝幌尻岳が背後にそびえ立っていた

  《1日目》 七ノ沢出合から八ノ沢カールへ
中札内村・上札内から、ダートの札内林道(当時はまだ砂利道だった)を16km車で進む。 
どんな山に登る時もそうだが、できるだけ早立ちするのが望ましい。 しかし、上札内に宿屋はなく、宿泊となると帯広という事になる。 帯広からだと、ちょっと早立ちは難しい。 そこで登山前日は、快適!?な《札内ヒュッテ》に泊る事にしよう。

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当時の札内ヒュッテは
戸蔦別ヒュッテと同じ造りの
古びた三角屋根の小屋だった

ちなみに、当時は現在のように『札内川園地』として整備されておらず、《札内ヒュッテ》も掲載写真の《戸蔦別ヒュッテ》のような三角屋根の古びたモノだったよ。 でも、コッチの方が山小屋らしく、山の夢を馳せるなら断然こちらだ。

・・朝起きたら、札内林道を車で《七ノ沢出合》まで進める(この翌年位に『札内川園地』の整備が始まり、それ以来は新たに建てられた《札内ヒュッテ》以降の車の進入は禁止となっているので、《札内ヒュッテ》から七ノ沢出合まで歩く必要あり)。

当時、この札内林道は、『道道・静内-上札内線』として日高山脈をぶち抜くべく工事が進められていたが、2003年に工事凍結されて完成した部分ごと放棄され、『壮大なムダの象徴』として橋梁などが佇んでいるという。 この林道終点は、《七ノ沢出合》のダムである。 ここが『憧れの峰』の出発点だ。

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沢の中洲への渡渉点

ダムの堰堤を越えると、いきなり徒渉が始まる。 従って、《沢靴》と《ピッケル》は絶対の必需品だ。
七ノ沢のよどんだ流れを渡ると、札内川本流の大瀬に向って遡行していく。 本流の徒渉は八ノ沢出合まで4~5回だが、いずれも水量が多く流れも速いので、流れに足を取られて転倒しないように注意する。
最初の本流徒渉を終えると、中洲の河原や水量の少ない支沢をたどっていく。 

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写真は帰りの晴天時で
水量が少なく見えるが
増水すると水位が腰上まで
達して渡渉不可となる

途中、土手に入っていく所や徒渉地点など、道の変わり目には『道標リボン』が結ばれているが、その数は至って少ないので見落とさないように気を張っていかねばならない。 ルートは《八ノ沢出合》までの中間地点で本流を渡り、対岸の土手に上がって樹林帯を歩いていく。 尾根側の土手が大きく迫り出してくると、《八ノ沢出合》は近い。

この尾根の土手を過ぎる所で、札内川を渡り返して《八ノ沢》に入っていく。 《八ノ沢》の合流口付近を徒渉すると、いいキャンプサイトとなっている《八ノ沢出合》だ。 なお、ここは流れが速く、最も流される危険の多い渡渉点だ。 増水すると、まず渡渉不可能(増水すると渡れないのは、後の『色々』で体験した事だったりする)だ。 

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この時は撮るの忘れて
次は『色々』あり過ぎて
カメラが半水没して
撮影不能で花の写真おば・・
下山後カメラを車のボンネットで
焼付け乾燥させると復活したよ

《八ノ沢カール》までテントを持ち上げるのがキツいのなら、ここでキャンプをして空身の楽な身なりでカムエクまで往復するのも一つの手だが、沢が増水するとデポしたテントごと流されるリスクもある。

これより《八ノ沢》をつめていき、“夢の楽園”《八ノ沢カール》に向う。 いよいよ本番だ。
岩がゴロゴロして歩き辛い河原を、徒渉を何度も絡めながら登っていく。 今までの札内川本流遡行と違い、目印となる『道標リボン』の数もめっきり減って、かなりのルートファインディングが必要となってくる。

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八ノ沢に入ると沢は早瀬となり
ルートファイン力が必要となる

徒渉地点・土手を高巻く地点・岩を飛び越える地点・・と、歩く事の全てに「経験に元づく勘」が必要だ。 途中、藪コギなどもあり、距離の割に大いに時間を食うが、ここは辛抱してひたすら歩く。

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落差100mはあろうか
という3筋の滝の
中央の滝の左側を登っていく

やがて、遠目に見えていた《八ノ沢カール》が見えなくなるまで沢をつめると、落差100mはあろうかという三筋の無名滝が瀑布を掛けている崖にぶち当たる。 ここが《1000m三股》だ。 これから、この無名滝の中央の滝を上がっていかねばならない。 数少ない『道標リボン』の指示に従って、中央の滝の右側の土手を“文字通り”急登する。

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中央の滝は始めは「登れるのか?」
に見えるが案外登れる道筋がある

途中、滝に合流する沢をよじ登ったり、滝のそばにある一枚岩を登ったりしながら、滝上部の沢に上がっていく。 この登りは滝の水で滑りやすく、かなり危険だ。 この地点は、雨が降った時は絶対に登降してはからないだろう。 増水すると、滝が鉄砲水となって襲ってくるからだ。

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《八ノ沢カール》から
流れ落ちる滝
この上に這い上がると
『夢の楽園』は近い

・・滝の上部に登り着くと、樹林帯と岩崖を絡めて《八ノ沢カール》から流れ落ちる沢に出る。
この沢を徒渉し、あるいは高巻くなどして、着実に登りつめると、お花畑の広がる『夢の楽園』《八ノ沢カール》の下手に出る。

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頭上に『夢の楽園』の
下部が見え始める

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荒れだけ急峻だった滝沢も
穏やかな流れの小沢となって

ここで沢から離れてお花畑の中にある踏跡を登っていくと、『夢の楽園』が眼前に広がってくる。

『夢の楽園』序章
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霧のベールが
徐々に切れていって

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淡い紫の儚い花が
きらびやかに魅えた瞬間

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ついに『憧れの峰』を望む
『夢の楽園』の上に立った

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同じチシマフウロでも
様々な表情表情を魅せて

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カールの南手には
通称・ピラミット峰が
そびえ立っている

スプーンでえぐったようなカール壁にのっかる雪渓。 これが《八ノ沢》の源となるのだ。 
そして、広がるお花畑。 カール壁の上にそびえる『憧れの峰』・カムイエクウチカウシ山・・。 
この神秘的な情景の中、キャンプを張って一夜の夢を結ぼう。

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今夜は明日の『憧れの峰』
への夢を馳せよう


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てめエラは「東京五輪と今回の
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さすが成り済ましの『本物』は
自身の事をよく解ってらっしゃる(笑)







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