2021-07-25 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第485回 大日三山(奥大日岳・朝景) 〔富山県〕

ほのかに染まる朝の大日岳
大日三山 だいにちさんざん (中部山岳国立公園)
北アルプスの山で最も魅力的な岩の“殿堂”・剱岳。 この剱岳の絶好の展望台が、傍らに鎮座するこの大日三山である。 山の雑誌でよく見る剱岳の写真も、この大日三山の稜線から撮られたモノが多い。
お薦めはは山が染まる夕暮れ時。 岩の殿堂が雲海と伴に輝くのだ。 また、プライベートになるが、夜明けともに頂上稜線の上に立った時、数々の奇跡の絶景が心をつかんで離さないだろう。
奥大日岳の山頂は
北アきっての花の宝庫だ
また、豊富なお花畑もこの山域の魅力の一つだ。 雲海に浮かぶ岩の殿堂を望み、お花端の庭園で遊ぶ山旅は、バスやロープウェイの車窓からは決して味わえない感動を体感できるだろう。

大日三山縦走ルート 行程詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス利用(1:00)→室堂
(0:30)→雷鳥沢(0:50)→新室堂乗越(2:00)→奥大日岳(2:10)→大日小屋
大日小屋から大日岳へは往復20分
※ 奥大日岳で御来光を望むなら、奥大日岳より1.5km地点に
幕営可能スペースあり(非合法)
《2日目》 大日小屋(2:20)→奥大日岳(1:50)→新室堂乗越(0:50)→雷鳥沢
(0:40)→室堂よりバスとケーブル(1:00)→立山駅より鉄道利用
(1:05)→JR富山駅
※ 本行程は、奥大日岳より1.5km地点での幕営地点が出発点である
※ 前回の『第484回 大日三山 その1』の続きです
日の出直前の立山が魅せる情景
《2日目》 奥大日岳で御来光を見て下山
テント設営可能地点である中大日岳の頂上台地の端より、対峙してそびえる奥大日岳の頂上までは、大きなアップダウンを含めて約1時間の道程だ。 これを経て奥大日岳の頂上で御来光を拝むとなると、未だ空の開けやらぬ3時半頃には出発しないと間に合わないかもしれない。
だが、岩がゴロゴロ転がる急下降は、昼間の明るい時でも厄介である。 それを真っ暗な夜空の下、カンテラ一つで下る事は『厄介』を通り越して『恐怖』ですらあるのだ。 無事下りきってホッとひと息着いたなら、顔といわず体といわず汗が噴き出る汗に気づく事だろう。
夜明け前の室堂は暗くて
撮影はムリっていうか
転べば転落必至で写真など
撮る余裕がなかったので
頂上に着いてから望んだ室堂おば
汗を拭いてひと息着いたなら、立山や《室堂》の方向を眺めてみよう。 うっすらと明け始めた空の下、縞模様の残雪を載せた立山や薬師岳、そして未だ安眠の世界から抜け出せない観光基地《室堂》の灯が得もいえぬ情景をかもし出している。
大日岳が朝日に染まりだしてきた
:
これを目にすると御来光に
間に合うか気が気でなくなるが
転べば元も子もないので落ち着いて
奥大日岳への登り返しに入って崩壊地に架かるハシゴを昇る頃には、空も完全に白くなってカンテラの必要もなくなっている事だろう。 しかし、明るくなればなる程に、御来光に間に合うか気が気でなくなるのだ。 最後の登りは岩ガレ場なので、焦って足など挫かぬように。
頂上稜線に這い上がると
二等辺三角形を天に衝き上げる
剱が迫力を持って迫ってくる
岩ガレ場に雪田が乗るようになると、もう頂上は目の前だ。 稜線上に上がると、地の底から鋭い二等辺三角形を突き上げる剱岳が、真正面からド迫力をもって威圧してくる。
御来光の光は剱岳の右肩の
一服剱辺りから輝き出す
そして、剱岳の右側、一服剱の辺りから御来光が昇り始める。 武骨に黒光りする剱と御来光、その迫力には只々呆然とするばかりである。
太古の昔からの万年雪渓
である立山の氷河にも
もうすぐ朝の光が届くだろう
ちなみにワテ自身の事であるが、幕営地点を3:45出発で、到着は4:45。 御来光時刻は5:10頃であった。 このように、北アきっての剱岳展望台であるこの場所で『剱と御来光』を拝む事は、今回の行程以外では恐らく設定不可能なのである。
山荘に泊る通常の山行なら
決して目にする事のできない
朝日に染まり色着く大日岳の絶景
食事付山荘に宿泊して山荘前で楽に御来光を眺めたとしても、これほどの感動はない。
呆然と立ち尽くす事もないだろう。 シャッターを押す手が震える事も・・。
神秘の峰・毛勝山が
朝の光の織りなすベールを纏って
それは、苦労を回避したからに他ならない。 『感動』や『憧れ』は、困難を乗り越えた先にある。
これはワテの山での持論であるが、あながち間違ってはいないと思う。
日本の屋根たる峰々も
朝日に染まり色着き始める
ワテ自身の事であるが、厳しい条件で撮った山岳写真には、一晩を明かしてでも語れるほどの思い入れがある。 そこに「撮影技術云々」といった野暮ったい事は必要ない。 あるのは、山での体験や思い出だけである。
「一枚の写真にどれだけの思い入れがあるか?」
その1枚で一晩でも語り明かせる
思い入れこそがワテの写真の評価基準だ
「一枚の写真にどれだけの思い入れがあるか?」、それがワテの写真の評価方法である。
撮影技術だけで思い入れの乏しい「頭でっかち」の写真には、ワテはその良さを見出す事ができない。
雪渓に花を浮き立たせる
このアングルは
この情景を目にした感動から
思い浮かんだのである
:
ここにテクニックも教科書も
撮り方を指導するセンセイも必要ない
完璧な写真であったとしても、その写真を語る術が『撮影機材』やら『撮影テクニック』だけだなんて、あまりにも寂しいではないか!
朝の山がおりなす絶景を味わったら
次は山と花のコラボを楽しもう
岩陰にひっそりと
なおかつ可憐に咲くイワカガミ
さて、ワテ自身でプロデュースしたワテだけの『剱と御来光』に感動したなら、今度はワテだけのお花畑で山旅を満喫しよう。 豊富な雪渓とお花畑、雪渓から上がる水蒸気に朝の光が当たって『光のカーテン』を魅せる 神秘のベールで覆われた剱岳の奇跡の絶景。
雪渓から立ち込める水蒸気に
陽の光が乱反射して
剱岳に『光のカーテン』が掛かる
『光のカーテン』が掛かる足元には
陽の光を浴びて艶めかしく色着く
ミヤマキンバイの花があった
それはこの時に、この場所に来るべく努力をした者だけが望める絶景である。
そして、その情景を望む条件をクリアした者だけが味わえる最も贅沢な眺めなのである。
立山全山が最も光り輝いた瞬間
大地を白く染め上げる力を持つ
毒の花。ハクサンイチゲ
これこそ、我が編集する『日本百景』という文集の究極の目標なのである。
時を忘れて、花と雪と剱の眺め・・、『日本百景』たる絶景を思う存分味わおう。
薬師・水晶・鷲羽・槍・穂高・・
北アの山々のオーケストラが一望できる
魅せてくれるのは、剱岳だけではない。 立山に続く奥大日からの稜線、雪縞模様が鮮やかな立山三山、北アきっての端正な山姿を魅せる薬師岳、その奥には水晶岳や天衝く『槍』も望める。
絞り込んだりボカしたり
いろいろなアングルを
試したくなったよ
花を撮るも良し、振り返って立山から続く『山のオーケストラ』を撮るも良しである。
そうこうしていると、フイルムと時間が湯水の如く消費される事だろう。
草の間から小さな花の妖精が
「コッチも魅てよ」と囁いてきた
時が経って日も完全に高くなると、観光登山客や山荘泊の登山客がやってきて、『我一人だけの楽園』も終わりを告げる。 後は往路を戻るのみだ。 「あの感動的な情景を満喫する、ひと味違った山旅を体験したんだ!」という心の高鳴りを胸に街へ・・、下界へ帰ろう。
いつまでも眺めていたいが
フイルムが尽きた&登ってくる
登山者の姿が見えた時が潮時だろう
:
下に望む室堂へ
下界へ帰るとしよう
最近『仕事を辞めたい』と
いう重いタイトルのブログさんが
度々ウチのブログを見に来られるが
ウチのブログにそういった
キーワードでもあるのかな?
半年前に残念の手術を
してヘタったワテを
一番キツい部署に配属してコキ使う
今勤めてる会社のクソっぷりに
「辞めたい」と愚痴った事もあるけど
でもワテは辞める事を可能にするべく
副業の家主業を本業化して
辞めても暮らしていける
裏付けを構築中である
でもこのブログ主さんはメンタルを
理由に辞めたがっているけど
このブログ主さんの職種のIT関連は
使い捨てを生業にする業種だから
当然歳食うとそういう立場となるだろうね
それはIT関連という職種は継年と共に
スキルアップする訳ではなく
経営者も給料が高くて使い辛い
ロートルからスポイルしていくだろうね
そしてそのスキルは最新の
IT機器に近い世代=若い世代の方が
圧倒的に有利だと思うし
それに今の若手も10数年後は
ロートルとなって同じ立場になると思う
ワテなら悩んでないで
そんな見込みのない
業種はとっとと見切りをつけて
別のやっていける職種を探すけどね
・・エラそうな事失礼しましたぁ~
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