2021-07-04 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第483回 陸中海岸 〔岩手県〕
エメラルドの碧い海と
造形美あふれる白い岩塊に魅せられて
陸中海岸 りくちゅうかいがん (三陸復興国立公園)
岩手県の太平洋側の海岸で三陸海岸の内の岩手県の部分を指すが、厳密には南端の陸前高田市と大船渡市の海岸を除いた海岸線を言う。 本州最東端(東経 142°4′21″)の重茂半島(おもえはんとう)に抱かれた宮古湾を境に、北は隆起海岸で断崖が続く。
太平洋の荒波が200mの
断崖を刻み込んだ北山崎
南は沈降による典型的なリアス海岸で、屈曲に富んだ海岸風景が展開する。 太平洋の三陸沖という豊かな漁場とともに、宮古・釜石・大船渡などの近代漁港が発展している。 地震が多く、津波などの被害を受けやすい。 2011年の東日本大震災での被災からの復興と被害の記憶の伝承を目的として2013年に制定された三陸復興国立公園に指定され、内海美の瀬戸内海に対して外洋に面する海岸美を魅せている。
陸中海岸の景勝地 位置図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
北山崎 → 三陸鉄道・普代駅よりバスで25分、または島ノ越港より遊覧船あり・所要45分
浄土ヶ浜 → JR宮古駅よりバスで15分、浄土ヶ浜より遊覧船あり・所要40分
天界の極楽浄土は
こんな情景なのかな
『三陸海岸』は、とにかく南北に長い。 それを岩手県北部の海岸線に絞っても、海岸線の延長は150kmに渡り、設定した2つの景勝地をめぐるだけでも1日がかりとなる。 そして、この景勝地を効率よくめぐる為には、やはり車が必要だろう。
行程表では鉄道・バスの利用の形を取っているが、ただでさえ本数が少なく、また盛岡や仙台を起点に取ると所要時間もかなりかかるのである。 従って心苦しいながらも、行程表とは全く違う車利用での探勝となってしまった。 それでは、《北山崎》から訪ねてみよう。
北山崎一帯の詳細図
《北山崎》は、『三陸海岸』の北部に位置する景勝地である。 起点を盛岡にしたとしても、《北山崎》は更に北方に位置するのである。 従って、わざわざ宮古を経由していては、移動だけで1日を費やしてしまう事になるだろう。 また、『三陸海岸』は岩手県の東部海岸なので、より絶景を求めるなら陽が昇る早朝がベストである。
そそり立つ海崖と
押し寄せる波
これらの事から、前日に苦もなくアプローチができる起点は、《北山崎》よりも更に北方の青森県・八戸という事になるのである。 ここから車を南下しながら海岸線をたどっていくと、『三陸海岸』の北部は午前中のいい時間帯に全てをめぐる事ができるだろう。 但し、《北山崎》又は田野畑村で車中泊を強いられる事になるが・・。
豪快な海崖美を魅せる北山崎
さて、前日からの狭い車中泊に耐えた御褒美の眩い日の出を見たなら、早速《北山崎》の海岸へ繰り出そう。 だたっ広い駐車場に車を止めて観光茶屋のある広場を抜けていくと、《北山崎》の展望台だ。
ここは《北山崎》の崖の突端にあり、海抜200mからの《北山崎》を始めとする『三陸海岸』を一望できる。 だが、荒波が白く砕け散る光景や海食洞など、自然の造形美を見るには少し遠過ぎるのである。
断崖に波がぶち当たり
白い渦と化していた
しかし、《北山崎》はこれで終わりでない。 むしろ、これからが見どころとなるのだ。
それは、この崖を下まで下ることで叶うのであるが、高低差は先程述べたように200m・階段にして718段の苦行である。 だが、はるばる東北の東端まで訪れたのだ。 「美味しい所」を見ずに上っ面だけを眺めてもそれは心に残らないし、また『日本百景』めぐりの旅とは成り得ないのである。 ここは体力の許す限り、是非とも往復1436段の苦行を乗り越えていこう。
北山崎の絶景を見るには
718段の苦行を
乗り越えねばならない
但し、階段は急なコンクリート階段で、ここでの転倒は大怪我につながりかねないので、ハイヒールなどの安定のない靴などは見合わせた方が賢明だ。 そして、旅をするのにハイヒールを履いてくるならば『日本百景』の旅に合わないであろうから、そのような方は有名観光ガイドを参照して、安全に別の形の旅を楽しんで頂くとしよう。
さて、コンクリートの階段をつづら折りに下っていくと、約200段下に《第二展望台》という中間の展望台がある。 だが、ここは周りの木々で崖側が覆われて、今イチパッとしない。 これならば、先程の崖上の展望台の方が眺めがいいだろう。 コンクリートの階段は、これよりが急勾配となる。 階段の踏み幅は25cm位となり、横の手すりを持ってでないと下るのに恐怖感を伴うようになってくる。
荒波は岩をも刳り貫く
これをズンズン下っていくと、「洞の直径が30mはあろうか」という海食洞の洞門が眼前に見えてくる。 そして、昔の『三陸越え』の街道(現在は島越へ抜ける自然歩道となっている)を分けて、柵のある波打ち際まで下っていく。
波の力はあの硬い岩盤を
刳り貫いてしまうのだ
刳り貫いてしまうのだ
目の前には、先程の洞門の中で波が白く渦巻いている。 上の展望台からは小さな針の穴であった海食洞が、あちらこちらに迫力を増して点在してるのが確認できるだろう。 そして圧巻は、その海食洞に白波が砕け散る様である。 「いつまでも眺めていたい」と思わせる情景が、そこにあるのだ。 ここは、時間の許す限りこの情景を味わおう。 帰りは、当然の如く718段の登りとなるが、無理せずにゆっくりと登っていこう。
断崖の途中にあった海岸滝
もちろん無名滝だ
途中で分岐している自然歩道に、少しだけ立ち寄るのもいいだろう。 木陰の中にベンチがあり、《北山崎》の海岸と無名の海岸滝がひっそりと白布を掛けているのが望めるだろう。 但し、このベンチより先はかなり荒れているので、あまり奥には入らぬように。 休憩を交えながら、コンクリート階段にある10段づつの指標が減っていくのを楽しみにしながら戻っていこう。
さて、《北山崎》の海岸べりより戻ったならば、車を内陸にある街の方へ戻して、県道を南下していこう。 途中に《弁天崎》や《島越》などの漁港があり、ただ単に内陸部の国道をゆくよりも乙である。
なお、《島越》の港は、《北山崎》を海から望む観光船の就航している所である。 やがて、県道は国道45号線に合流して、快適に南下していく。
途中の観光スポット
鵜ノ巣断崖
あまり早く着きすぎるのも何なので、途中の《鵜ノ巣断崖》に寄ってみる事にした。 この《鵜ノ巣断崖》の左折地点は国道標識に掲げてあるので、見落としさえしなければ大丈夫である。 さて、その《鵜ノ巣断崖》であるが、《北山崎》と比べたなら「今ひとつ」であろう。 だが、安全に三陸の長い海岸線を望める所である。 そして、もう1つの寄り道は、《潮吹穴》である。
潮吹穴は
現在“ホラ吹き”中
ここは風景的には「大ハズレ」だが、何故か許せるのである。 それは、案内看板に「この《潮吹穴》はあまり潮を吹く事が少ないので、別名『ホラ吹穴』と呼ばれている」とあるからだ。 向こうから、「ホラを吹いてます」と言われれば、苦笑いをする他にないであろう。 これらの寄り道を経た後、もう一つの景勝地の《浄土ヶ浜》へ向かう。
浄土ヶ浜 位置図
さて、《浄土ヶ浜》であるが、『三陸海岸』では最も有名な観光スポットである。 この事から、ワテの心の中では今イチ期待は持てなかった所である。 だが、嬉しい事にその思いを見事に打ち破る素晴らしい情景があったのだ。 正に、“極楽浄土”への浜であった。
『極楽浄土』を魅せられに
その浄土ヶ浜の地名であるが、宮古山常安寺七世の僧侶・霊鏡竜湖が「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆した事に由来するという。 その例えの如く、真に『極楽浄土』の世を想像しうる景観である。
鋭く尖った白い流紋岩が林立し、その一つ一つが違った表情を魅せて海岸を彩る。 松の緑と岩肌の白、海のエメラルドとが織りなすコントラストは、真に自然の創造し・・海の庭園情景だ。
海の庭園風景に魅せられて
それは古人が例えるが如く、真に『極楽浄土』への浜情景だ。 青く澄んだ海と美しい玉砂利の海岸、そして白く美しい岩礁・・。 全てが絶好のカメラターゲットとなる。
青く透き通った海
美しい玉砂利の海岸
白く美しい岩礁
これらが織りなす極楽浄土の情景
観光客が多いのは難点だが、是非とも立ち寄る価値がある海岸だ。 夏の透き通った海を前に、浜の前でゆったりとした気分を満喫しよう。 だが、この白い岩の裏側は、海水浴場やら観光ボートの船着き場や、訪れる観光客相手の土産物屋や海の家など、『浄土』から引き離される現実的な眺めとなるので、そこは「見なかった事」にしようと思う。
浜でゆったり
極楽気分に浸ろうか
それは、ワテがここに訪れた理由は、『極楽浄土』たる情景に魅せられに来たのだから。
だから、ネイチャーボートや観光船には乗らないでおこうと思う。 まぁ、ネイチャーボートや観光船ならではの新たな景観の発見はあるだろうけど、それは『極楽浄土の浜』とはまた別モノであるような気がするからである。 それでは、その『極楽浄土』の浜をごろうじろ。
エメラルドの碧い海と
造形美あふれる白い岩塊に魅せて
あっという間に時が経つ
立ち去る最後のショットで
海の『極楽浄土』が撮れた
「国民の命の方が大切」との
人間らしい一言が言えず
人間のクズと成り下がったアスリート共
人の命を踏み台にしたが為に
自国民からの声援がない
憐れなアスリート共
そんなA4(アフォー)が
結果を出せるハズもなく
分別ある有力選手が出場辞退した
割り引いた条件でも惨敗だろう
でも国民の命を踏み台にして
私欲を通した傲慢に対して
結果が出せなければ
自費で出場及び競技場建設費用を
支払わせるべきである
国民の命を踏み台にした
奴らの私欲を満たす為に
命の危機に晒された国民が
何で税金で開催費用を
払わねばならんのだ!と言いたい
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Re: No Subject * by 風来梨
hanagonさん、こんばんは。
記事を見させて頂きました。
朝日と海もやの絶景・・、感動的ですね。
私も是非とも無見てみたいです。
海の朝はなかなかいい天気にならず、海は山より朝日を撮るのが難しいですから、
何度も通わなければ難しいですね。
私が海の朝で撮れたのは、根室標津沖の流氷と丹後半島の経ヶ崎と日高本線の節婦くらいですね。
節婦の朝景・毛嵐
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-853.html
碁石海岸
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1754.html
根室標津沖・流氷
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1973.html
丹後半島・経ヶ崎
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-761.html
位でほとんどが、御来光が見えない曇天です。
記事を見させて頂きました。
朝日と海もやの絶景・・、感動的ですね。
私も是非とも無見てみたいです。
海の朝はなかなかいい天気にならず、海は山より朝日を撮るのが難しいですから、
何度も通わなければ難しいですね。
私が海の朝で撮れたのは、根室標津沖の流氷と丹後半島の経ヶ崎と日高本線の節婦くらいですね。
節婦の朝景・毛嵐
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-853.html
碁石海岸
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1754.html
根室標津沖・流氷
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1973.html
丹後半島・経ヶ崎
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-761.html
位でほとんどが、御来光が見えない曇天です。
北山崎には学生時代と仙台赴任時に都合2回出掛けています。
2回目は車中泊して断崖からの御来光を堪能、海辺まで下って自分の生涯最高と言っていい海岸風景を見ることができました。
https://hanagon60.blog.fc2.com/blog-entry-627.html