2011-09-08 (Thu)✎
名峰次選の山々 第32回 『110 オプタテシケ山』 その2 北海道
十勝山系(大雪山国立公園) 2013m コース難度 ★★★ 体力度 ★★★★
行程表 駐車場・山小屋・トイレ情報
《1日目》 層雲峡温泉よりタクシー(1:00)→沼ノ原登山口(1:40)→沼ノ原・大沼
《1日目》 層雲峡温泉よりタクシー(1:00)→沼ノ原登山口(1:40)→沼ノ原・大沼
(3:00)→五色ヶ原(0:20)→五色岳(1:10)→化雲岳分岐
(0:40)→ヒサゴ沼避難小屋
《2日目》 ヒサゴ沼避難小屋(0:35)→ヒサゴ沼分岐(0:30)→トムラウシ・日本庭園
《2日目》 ヒサゴ沼避難小屋(0:35)→ヒサゴ沼分岐(0:30)→トムラウシ・日本庭園
(1:25)→北沼(0:30)→トムラウシ山(0:25)→トムラウシ・南沼
《3日目》 トムラウシ・南沼(2:00)→黄金ヶ原(0:30)→三川台(1:30)→ツリガネ山
《3日目》 トムラウシ・南沼(2:00)→黄金ヶ原(0:30)→三川台(1:30)→ツリガネ山
(1:30)→コスマヌプリ(1:00)→双子池
《4日目》 双子池 (2:00)→オプタテシケ山 (2:00)→美瑛富士避難小屋
《4日目》 双子池 (2:00)→オプタテシケ山 (2:00)→美瑛富士避難小屋
(0:30)→美瑛岳分岐(2:30)→十勝岳避難小屋
《5日目》 十勝岳避難小屋(0:50)→望岳台よりタクシー利用(0:20)→十勝岳温泉よりバス
《5日目》 十勝岳避難小屋(0:50)→望岳台よりタクシー利用(0:20)→十勝岳温泉よりバス
(0:35)→JR上富良野駅
※ 『名峰次選 第31回 オプタテシケ山 その1』 《3日目》からの続き
《4・5日目》 オブタテシケ山を越えて、十勝岳避難小屋を経て下山
朝起きてテントを撤収すると、目の前にどっしりとオプタテシケ山がそびえている。
朝起きてテントを撤収すると、目の前にどっしりとオプタテシケ山がそびえている。
思わず、唾を飲み込むような緊張感がほどばしる。 これから、この“壁”のような山を登っていくのである。 登り始めは道が雪渓に覆い隠されて不明瞭で、雪渓からガレ場へ乗り移る所など、どこから足を踏み出せばいいのか迷ってしまう。
“これだ”と思って登った岩の上がハイマツで行く手を阻まれていたり、一度岩の下を巻いてから登ったりと、判り辛い道である。 もしかしたなら、私が通った以外に“正しい道”が他にあるのかもしれない。
とにかく、ハイマツに行く手を阻まれようが、直登で岩をよじ登り何とか乗りきる。
やがて、砂礫帯のジグザグ登りとなり高度を稼ぐ。 振り返ると、下の幕営地が朝日を浴びて黄金色に輝いている。 草地の濃い緑と日の光の黄金色が調和し、得も言えぬような美しい光景だ。
“これだ”と思って登った岩の上がハイマツで行く手を阻まれていたり、一度岩の下を巻いてから登ったりと、判り辛い道である。 もしかしたなら、私が通った以外に“正しい道”が他にあるのかもしれない。
とにかく、ハイマツに行く手を阻まれようが、直登で岩をよじ登り何とか乗りきる。
やがて、砂礫帯のジグザグ登りとなり高度を稼ぐ。 振り返ると、下の幕営地が朝日を浴びて黄金色に輝いている。 草地の濃い緑と日の光の黄金色が調和し、得も言えぬような美しい光景だ。
しばらくジグザグ登りが続くが、やかて山腹に突き出た岩のコブの間を登るようになり、下の風景も見えなくなる。
アオノツガザクラ
黒土の滑りやすい急坂を登りつめると、稜線の肩に登り着く。 この稜線の肩は頂上を意識するような地形で、しかもリボンを結んだ竿がストーンサークルの中心に突きたてられていて、まるで日高の戸蔦別岳の頂上のようである。
これを目にすると、あらぬ希望を抱いてしまう。 しかし、これは“甘い考え”で、まだまだ稜線上の起伏は続くのである。 一度、頂上を意識すると、起伏の“てっぺん”を踏む毎に頂上に着いたと思うようになってしまう。 だが、頂上でない現実は、心理的に疲れを呼ぶのである。 この悪循環を3~4回繰り返して、より大きい起伏の上に登り立つと、そこが待望のオプタテシケ山 2013メートル 頂上だ。
その頂上には、トムラウシ山と同じ頂上標柱が立っていて、改めてここは踏跡稀な日高の山ではなく、登山客がやってくる十勝の山である・・と認識できる。 オブタテシケ山からの眺めは、この山が絶好の位置に立っているので、トムラウシ山や『表大雪』の眺望は欲しいままであろう。 しかし、それは晴れていたらの事で、残念ながら私が登った時は濃いガスに巻かれて視界ゼロであった。
朝から標高差600m、時間にして2時間登ったので、オプタテシケ山の山頂でゆっくり休憩しよう。
頂上でゆっくり休んで落ち着いたなら、次に進んでいこう。 オプタテシケ山からは、砂礫地の駆け出したくなるような急坂を下っていく。 エゾノハクサンイチゲ・チングルマ・エゾウサキギクなどが、脇に群落を成している坂道を約250m下ると、ベベツ岳との鞍部に下り着く。 しばらく、鞍部の平坦な道を歩いて、ベベツ岳への登り返しとなる。
これを目にすると、あらぬ希望を抱いてしまう。 しかし、これは“甘い考え”で、まだまだ稜線上の起伏は続くのである。 一度、頂上を意識すると、起伏の“てっぺん”を踏む毎に頂上に着いたと思うようになってしまう。 だが、頂上でない現実は、心理的に疲れを呼ぶのである。 この悪循環を3~4回繰り返して、より大きい起伏の上に登り立つと、そこが待望のオプタテシケ山 2013メートル 頂上だ。
その頂上には、トムラウシ山と同じ頂上標柱が立っていて、改めてここは踏跡稀な日高の山ではなく、登山客がやってくる十勝の山である・・と認識できる。 オブタテシケ山からの眺めは、この山が絶好の位置に立っているので、トムラウシ山や『表大雪』の眺望は欲しいままであろう。 しかし、それは晴れていたらの事で、残念ながら私が登った時は濃いガスに巻かれて視界ゼロであった。
朝から標高差600m、時間にして2時間登ったので、オプタテシケ山の山頂でゆっくり休憩しよう。
頂上でゆっくり休んで落ち着いたなら、次に進んでいこう。 オプタテシケ山からは、砂礫地の駆け出したくなるような急坂を下っていく。 エゾノハクサンイチゲ・チングルマ・エゾウサキギクなどが、脇に群落を成している坂道を約250m下ると、ベベツ岳との鞍部に下り着く。 しばらく、鞍部の平坦な道を歩いて、ベベツ岳への登り返しとなる。
イワイチョウ
この登りは、高低差150mの岩ガレ地の登りである。 登り始めは急登だが、それも途中の大きなケルンまでて、これも割とあっさりと登り着くのでそんなにキツくない。 ケルンを越えると緩やかな砂礫地のお花畑となり、これを登っていくとベベツ岳の頂上と思しき広場に出る。 なお頂上は、この広場から10m先のハイマツに囲まれた一角に、シャモジ程の表示がさしてあるだけの貧相なものだった。
ともすれば、見逃して通過してしまう目立たぬ山頂である。
ここからは岩礫の連なる痩せ尾根となり、ハイマツの根が尾根上に迫り出してきて歩き辛い。
また、両サイドが切り立った崖で、天気の良くない日などは、谷底から強風が吹き上げるのである。
この痩せ尾根を半周巻くように歩いていくと、石を積み重ねたような石垣山の鞍部に出る。
また、両サイドが切り立った崖で、天気の良くない日などは、谷底から強風が吹き上げるのである。
この痩せ尾根を半周巻くように歩いていくと、石を積み重ねたような石垣山の鞍部に出る。
ホソバウルップソウ
ここまで来ると痩せ尾根とハイマツ帯からは解放されて、道幅の広い岩ガレ帯の登りとなる。
登山道は石垣山の東側を巻くように続いていく。 花がチラホラ咲く岩ガレ帯を下っていくと、バラックのような《美瑛富士避難小屋》が見えてくる。
登山道は石垣山の東側を巻くように続いていく。 花がチラホラ咲く岩ガレ帯を下っていくと、バラックのような《美瑛富士避難小屋》が見えてくる。
この小屋は“使用には耐える”との事だが、宿泊するなら前の広場にテントを張った方が賢明だろう(最近建て替えられたと聞くが・・)。 前を望むと、石ころを積み重ねてズングリした山容の美瑛岳が、ドッカリと腰を据えている。 疲れた体でこれを見上げると、闘志が萎えて弱気になってくる。
《美瑛富士避難小屋》からは、美瑛岳の裾野の笹に覆われた道を伝っていく。
《美瑛富士避難小屋》からは、美瑛岳の裾野の笹に覆われた道を伝っていく。
途中、雪渓を2回程渡ると、美瑛岳が壁となって立ちはばかる《美瑛岳分岐》にたどり着く。
もし、美瑛岳に登るのなら、朝から2度目の“唾を飲み込む”緊張するシーンである。
なお、今回は強風の為(・・というより、筆者のヤル気が萎えた為)、この先の美瑛岳・十勝岳は残念ながら断念という事になったが、せっかくここまで来たのだから、天気が良ければ富良野岳までの『十勝連峰完全縦走』にアタックしてみよう。 引き続き『十勝連峰完全縦走』となれば、日程的には1日増えるだろう。
十勝連峰の山なみ
完全縦走だと、《4日目》はこの先の美瑛岳・十勝岳を越えて、《上ホロメカトック山避難小屋》前でキャンプする事になる。 そして、《5日目》に富良野岳まで縦走して、《十勝岳温泉》に下山する行程である。
この場合、《4日目》10時間、《5日目》6時間半という事になる。 《4日目》の行程がかなりキツいので、《美瑛富士避難小屋》で一泊して余裕のある山行にした方がいいかもしれない。
この場合、《4日目》10時間、《5日目》6時間半という事になる。 《4日目》の行程がかなりキツいので、《美瑛富士避難小屋》で一泊して余裕のある山行にした方がいいかもしれない。
これに該当するコースガイドは、『名峰次選の山々 第5回 十勝岳』の項目を参照して頂きたい。
この分岐から下山という事で、《望岳台》を目指して下っていく。 道は木の根につかまりながらの急下降や沢の徒渉、そして河原歩き、粘土層地形のトラバースなど、一筋縄ではいかないコースである。
これを登るとなれば、かなりキツイであろう。 2度目の徒渉となる《ポンピ沢》を渡ると、《雲ノ平》と呼ばれる溶岩砕土の丘を登り返す。 これを越えると、《十勝岳スキー場》のリフトが見えてくる。
このリフトの終点を更に5分程登ると、《十勝岳避難小屋》である。
この分岐から下山という事で、《望岳台》を目指して下っていく。 道は木の根につかまりながらの急下降や沢の徒渉、そして河原歩き、粘土層地形のトラバースなど、一筋縄ではいかないコースである。
これを登るとなれば、かなりキツイであろう。 2度目の徒渉となる《ポンピ沢》を渡ると、《雲ノ平》と呼ばれる溶岩砕土の丘を登り返す。 これを越えると、《十勝岳スキー場》のリフトが見えてくる。
このリフトの終点を更に5分程登ると、《十勝岳避難小屋》である。
ハクサンイチゲと
ホソバウルップソウ
この小屋は大きくて中も広いのだが、水場がなく水を得る事が叶わぬ事、便所がない事などが難点である。 十勝連峰縦走の予定で、下山口を十勝岳温泉に設定してマイカーを置いてきたので足がなく、今日はここで泊る事になるが、余力があればイッキに下ることも十分可能である。
その場合、あと50分頑張ると《望岳台》である。 だが、ここは交通機関がなく、バスの出ている《白金温泉》まで、舗装道路を約50分の道程である。 下山したなら、さっそく山のいで湯で山の疲れと汗を洗い流そう。
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