2021-05-25 (Tue)✎
『日本百景』 春 第477回 和名倉山 〔埼玉県〕
東仙波より望む和名倉山
・・遠かった あらゆる面で
和名倉山 わなくらやま (秩父多摩国立公園)
和名倉山(わなくらやま)は埼玉県秩父市にある標高2,036mの山で、奥秩父の山の一つ。別名白石山(しろいしやま)。国土地理院の地形図には白石山とあるが、和名倉山が古くからの秩父側の呼称である。
「奥秩父の秘峰」と呼ばれる山深い場所に位置し、四方を谷が刻んだ巨大な山体が特徴的な峰である。
雲取山や甲武信ヶ岳の人気に隠れてあまり認知度の高い山ではなく、登山路も暗い樹林帯に覆われてルートが不明瞭な難路で、過去には道迷いによる山岳遭難の死亡事故も発生する登頂の難しい峰であった。
この峰を極めるには、山中テント泊必須で薮こぎに耐える体力を持ち、地図と磁石で針路を決められる技術を持つ限られた者以外は踏み入れる事を許されぬ“秘峰”とみられていた。 だが、近年に入って登山道の整備が進み、また『秘峰ブーム』で登山者が増えて、現在は一般ルートを取る限り、とくに難しい山ではなくなっている。
前述の通り、かつては奥秩父の秘峰としてその原生林の美しさが讃えられたが、戦前に山林の権利が大滝村(現秩父市の一部)に移った後、1950~60年代の森林伐採と山火事で山域の荒廃が進んで、秩父山塊随一の美林を誇ったコメツガの原生林は皆伐と伐採事業に伴う火災によりほぼその全てが失われ、尾根筋の大半は平凡なカラマツの植林とスズタケの藪に覆われている。 辛うじて伐採を免れた県境付近では、石楠花の群落が見られる。
和名倉山・登山ルート 行程図
行程記録 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 笛吹(石和温泉)市街より車(1:00)→三ノ瀬登山口(1:35)→将監小屋
《2日目》 将監小屋(0:30)→山ノ神土(1:30)→東仙波(1:30)→二瀬分岐
(0:20)→和名倉山(0:20)→二瀬分岐(1:40)→東仙波(1:20)→山ノ神土
(0:30)→将監小屋(1:30)→三ノ瀬登山口より車(1:00)→笛吹(石和温泉)市街
《1日目》 奥秩父の登山基地・将監小屋へ
奥秩父の登山基地・将監小屋までは、将監小屋への物資輸送の軽トラが通れるほどの林道で、歩くに当たって何の感慨もない。 それでも、登山口の三ノ瀬からは400mも登ってるのね。 まぁ、テント担いでも急坂がないので、1時間半程で将監小屋に着く。 将監小屋はテント場前にバイオトイレが建てられるなど快適で、シャクナゲの咲くシーズンが到来に合わせて、小屋宿泊者とテント幕営で賑わっていた。
賑わうって事は、下らぬ事に固執する人間の出来損ないも紛れ込んでくるって事なのだろうか。
残念極まる事に、人間の出来損ない=ヒトモドキの存在が確認されたのだ。 「オメエ・・、日本の国土と自然を汚すなんて、日本人でなくチョーセンヒトモドキだろう?」って輩がテント場に犬を引き連れていたのである。 もちろん、犬の糞もきっちりテント場に残している。 最近、どこでも人間のクズが涌いているなぁ。 困ったモノである。
シャクナゲ満開の
絶好の時期を狙って
《2日目》 和名倉山往復と下山
登山道が整備されて問題なく登れる峰となったとはいえ、往復10時間の登山行程ゆえに朝はできるだけ早目に出発する事にしよう。 4時半に起きてカップ麺をかっ込んで、出発したのが5時半前。
将監小屋より峠への登り道
でも夏至に近い時期だから、とっくに日の出は過ぎている。 天気はかなり良いみたいだ。
大勢で山野に犬を連れ回して、自然を破壊し野生動物を淘汰するなど、日本の国土を破壊する人間の出来損ないのヒトモドキどもが視界に入ったのは胸糞悪かったが、それ以外は爽快な朝である。
小屋より50mほど急登すると
将監峠に出る
爽やかな樹林帯の朝
朝のやわらかい光を浴びて樹林の緑が美しく輝く様に魅せられながらいくと、すぐに《山ノ神土》に着く。 この分岐から一番右端の道に入る。
山の神土には道標が立っていて
指示通りに一番右端の道に入っていく
:
この道標を見落として直進した
タワケ(筆者)って?
この道に入ると鬱蒼とした森の中を進んでいく。 ここは、早い時期には雪が吹き溜まって完全に道を埋めるなど、道ロストを起こしやすい地点である。
2度のしくじりの詳細図
御多分に漏れず筆者は、最初の分岐で直進してしまったり、この雪の吹き溜まりで道をロストしたりするなど、2度この山の登頂にしくじっているので注意されたい。
最初のアタックでは
吹き溜まった雪で道をロストし
道が解らぬまま
この雪斜面を上って
ブッシュを掻き分け登り着いた地点で
アサッテの方向に東仙波があるのを目にして
道ロストが確定しますた
戻りもブッシュに絡まれた
崖下りで行き詰まり
ソー○ン寸前となりますた
最初のアタックで道ロストして
遭難しかけた山を感慨深く眺めて
だが、シャクナゲが見られる頃になると雪も完全に消えている事であろう。 山懐に入り込んで雪が吹き溜まる地点を越えると、水場となる支沢の流水も細くなってきて、この状況を見ると豊富な水のある将監小屋で汲んできたのは正解のようだ。
新緑の山野と富士の絶景
雲取山方向を望むと
秩父の奥深い眺めを欲しいままに
歩いていくと、あっという間に富士山の好展望地の吊り尾根に差し掛かる。 今回はまだ6時半過ぎと時間に余裕があるので、しっかりとこの好展望をフイルムに収めよう。 この好展望地を過ぎるとリンノ峰の山腹を巻くべく樹林帯に入っていく。 ここも早い時期は、根腐れ雪で道が完全に埋まる。 前回のしくじりで筆者は、リンノ峰の山腹の巻き道に吹き溜まる根腐れ雪によって3倍の時間を要して引き返している。
西仙波への登りでも
道を塞ぐ猛烈なブッシュに
トドメを刺されたよ
そして、最後の時間ロスの原因となった道を塞ぐ灌木のブッシュは、綺麗に刈り払われて通行に何ら支障はなかった。 シーズンとはすごいモノですなぁ。 ちなみに、このブッシュが前回撤退のトドメとなったのは藪の中に。
この時は東仙波で撤退となった
このブッシュの刈り分けを過ぎるとすぐに西仙波 1983メートル。 西仙波を過ぎると、ちょっとアップダウンして簡単な岩稜を通り過ぎると、東仙波に着く。
西仙波頂上標
東仙波頂上標
いずれも簡易な板札が
置かれていただけだった
今日は快晴という事で、和名倉山が霞なく見渡せる。 これを見て、望むあの山へ到達したい心がより一層強くなる。 時間に余裕があると、こうまで違うモノなのかって事である。
東仙波からの展望
東仙波から望む奥秩父の山なみ
東仙波より和名倉山を望む
:
2度のしくじりで
これよりは初めて通る区間となる
さて、前回のしくじりではこの東仙波で引き返したので、これよりは初めて通る区間である。
東仙波北面の樹林帯の急傾斜を下って、和名倉山の山塊との鞍部に出る。
吹上ノ頭へは牧歌的な
美しい森林草原帯だ
これから100mほど登り返して、対峙する吹上ノ頭の上に立つ。 ここからは、シャクナゲの『花回廊』が展開する。 しばし、シャクナゲを肴に自然風景をカメラを通じて語り合おうか。
満開のシャクナゲ・花回廊にて
カメラを通じて遊んでみる
木陰から射す光で
シャクナゲを
印象的に撮ってみる
次は太陽の光を受けた
鮮やかな花の色を
出してみようか
白いシャクナゲもあったぞ
花に近づくと
甘い香りが漂ってくる
シャクナゲの『花回廊』を過ぎると、唯一南アルプスの展望が望める所があるだけで、概ね樹林帯に潜り込んだ広い尾根道を伝っていく。
和名倉山までの道程で
奥秩父の山なみ
富士とシャクナゲ
唯一見えた
南アルプスの山なみ
富士の白峰
樹林帯の中の蒸し暑い中を1時間ほど行くと《川又分岐》に着く。 この分岐から登りが徐々にキツくなっていき、ちょっと息が上がる程に登っていくとガイド本でも「迷いやすい要注意地点」とあった《二瀬分岐》である。
遭難事故が起こったからなのか
コミカル文字で目ざとく
なった《二瀬分岐》道標
以前は「道標に乏しく迷い遭難が多発した」との事で、今は目立ち過ぎる位にカラフルになって文字もマンガチックな文字に変わり、「よもや間違う事はあるまい」という位にまで道標事情が改善されているようだ。 どちらかというと、見た目は秩父湖の二瀬への直進ルートの方が判り易いかも知れないので注意に越した事はない。
途中で《千代蔵ノ休場》という
開けた所を通る
この分岐から下に延びる明確な通路を20分程伝うと和名倉山であるが、樹林帯の中を縫うように進んでいく。
やがて木々が密生してきて
展望ともここでおさらば
途中に《千代蔵ノ休場》という伐採跡のような開けた所も通るが、最後は木々に囲まれた中を迷路のように縫いながら行くと、ガイド本でも「山頂からの眺望は絶無」と記された和名倉山 2036メートル の頂上に着く。 木々に囲まれた頂上サークルはガイド本に記された通り、全方向全てに渡って眺望は『絶無』であった。
完璧なる『眺望絶無』の和名倉山頂
でも、測量の基本となる三角点、しかも二等三角点があるのはどういう事なのだろうか?
また、仁田小屋尾根のルートを示す道標があったが、指示されたその方向は倒木で埋もれて『死亡』していた。
『眺望絶無』の和名倉山頂にて
歳食ってヘタリきった
姿のアリバイ写真
仁田小屋へのルートの
道標札があったが
その道標の差し示す方向は
倒木と密林だった
取り敢えず、なかなかたどり着けなかった山に着いた余韻を味わうべく、ゆっくりと森林浴を楽しもう。
奥秩父の展望を欲しいままに
その果てなき眺めに
秩父は奥深いと改めて認識した
秘峰・和名倉山が
遠ざかっていく
帰りもシャクナゲ回廊で
帰りは往路を戻るが、歩行技術の向上が全くなくて上りより下りの方が時間がかかる変質な筆者は別格としても、下りも東仙波の登り返しなどで往路同等の所要時間がかかる事は頭に留めていた方がいいだろう。
最後はシャクナゲの
キメ写真おば・・
それと、日が上がって暑くなってくる事も留意した方がいいかもしれない。 また、将監小屋でデポった幕営装備一式を回収しての林道歩きも、疲れた足では結構効いてくるのである。 まぁ、所要時間でいえば10時間近くの行程となるのだから。
この期に及んで東京五輪の開催を唱える輩は
気が狂った人としての欠陥品か
日本を憎みこの国の自滅を熱望する
チョンの日本人成り済ましである事を
証明できたのでひとまず終わりとしよう
そこで今回の話題は写真やカメラに
ついて語ろうと思う
ワテは何度も述べてるように
「デジタルカメラを使う位なら写真を
キッパリと辞める」との信念を持っている
そして鉄道でも風景でも野生動物でも
完璧に撮ろうとは一切思わないし
いろいろチャレンジしながら
撮って楽しむ事こそ
写真趣味の醍醐味だと思ってる
だからカメラの用具は極力使わないし
そんなのを使うのは高い金を払って
楽しみを消す愚行だと思っている
そして自分の写真に自信を持っている
ここでいう『自信』とは
皆から評価を受ける事ではなく
採用したアングルや使用したレンズなど
その場でワテがシャッターを押した行動は
その写真を撮る上で最良の
選択だったという『自信』である
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No Subject * by 鳳山
秩父は水も空気を綺麗な東京に近い秘境というイメージがあります。
Re: No Subject * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
秩父で最も名の知れた雲取山は、東京都なんですよね そして、この和名倉山は埼玉県と、首都圏なんですよね。 でも、周囲や登山口は、『田舎県』の山梨線なんですけど。
でも、東京都や埼玉県と山梨線のイメージの違いは、デカイですね。
秩父で最も名の知れた雲取山は、東京都なんですよね そして、この和名倉山は埼玉県と、首都圏なんですよね。 でも、周囲や登山口は、『田舎県』の山梨線なんですけど。
でも、東京都や埼玉県と山梨線のイメージの違いは、デカイですね。
No Subject * by ねむろ大喜
絶景の富士山を眺めさせていただきました^^)ありがと
Re: No Subject * by 風来梨
ねむろ大喜さん、こんばんは。
また、いつかのイベント(30万カウンターなどが候補です)で、いろんな山からの富士山の絶景をしようかな・・と目論んでいます。
また、いつかのイベント(30万カウンターなどが候補です)で、いろんな山からの富士山の絶景をしようかな・・と目論んでいます。
No Subject * by hanagon60
和名倉は気になる山でした。
若い時に東京出向していた際、和名倉沢からの登頂を企てるも結局中止。未訪のままになってしまいました。
千葉時代に行けばよかったと後悔しきりです。。
若い時に東京出向していた際、和名倉沢からの登頂を企てるも結局中止。未訪のままになってしまいました。
千葉時代に行けばよかったと後悔しきりです。。
Re: No Subject * by 風来梨
hanagonさん、こんばんは。
和名倉山は、私にとっても難攻不落の山でした。 実は、3度目にしてようやく登頂できた山です。
1度目は5年ほど前のゴールデンウィークに行ったのですが、残雪で道が覆われていて、間違って無名峰を藪漕ぎで登ってしまって、下りはブッシュ+倒木+崖で半分ソー○ンしかけました。 2度目は同じ年のゴールデンウイークにリベンジしたのですが、将監峠までの道を林道でなく展望ルートを行ったのですが、ここでも道を間違えて谷の方に下ってしまって、戻り返すのに2時間ロスって東仙波でタイムオーバーの撤退と相成りました。
これはさすがに悔しくて、その年の5月末に有給を取ってムリヤリ行って、シャクナゲ満開のシーズンだった事もあり、ブッシュも残雪もなく、何とか本願成就しました。 さすがに3度目だと、駐車場の茶屋のおばちゃんに顔と車(大阪ナンバーなので)を憶えられて、「また来たの?」「この山が好きなんだねぇ」と言われました。 まぁ、2度の失敗は隠していたので、和名倉山フリークとして通しましたよ。
このように和名倉山は、私も思い入れ深き山ですね。
和名倉山は、私にとっても難攻不落の山でした。 実は、3度目にしてようやく登頂できた山です。
1度目は5年ほど前のゴールデンウィークに行ったのですが、残雪で道が覆われていて、間違って無名峰を藪漕ぎで登ってしまって、下りはブッシュ+倒木+崖で半分ソー○ンしかけました。 2度目は同じ年のゴールデンウイークにリベンジしたのですが、将監峠までの道を林道でなく展望ルートを行ったのですが、ここでも道を間違えて谷の方に下ってしまって、戻り返すのに2時間ロスって東仙波でタイムオーバーの撤退と相成りました。
これはさすがに悔しくて、その年の5月末に有給を取ってムリヤリ行って、シャクナゲ満開のシーズンだった事もあり、ブッシュも残雪もなく、何とか本願成就しました。 さすがに3度目だと、駐車場の茶屋のおばちゃんに顔と車(大阪ナンバーなので)を憶えられて、「また来たの?」「この山が好きなんだねぇ」と言われました。 まぁ、2度の失敗は隠していたので、和名倉山フリークとして通しましたよ。
このように和名倉山は、私も思い入れ深き山ですね。