風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第442回  根室本線・初田牛駅

『路線の思い出』   第442回  根室本線・初田牛駅 〔北海道〕

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若き鉄道を追っかけていた頃なら
駅寝駅候補となったであろう
建付けのいい初田牛駅の駅待合室
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
     営業区間と営業キロ          輸送密度 / 営業係数(’15)  
    滝川~根室 446.8km              976  /  424
                        ※ 新得~帯広を除いた数値
釧路~根室 運行本数(’21)
     釧路~根室 6往復(内 下り1本・上り2本快速〔はなさき〕、〔ノサップ〕)
     釧路~厚床 2往復

     ※ 2016年の台風災害により、現在は東鹿越~新得は不通となっている
       現在は不通区間に代行バスを運行

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過疎化によって人家まばらな
原野の駅となった初田牛駅
※ ウィキペディア画像を拝借

初田牛駅(はったうしえき)は、かつて北海道根室市初田牛にあったJR北海道・根室本線の駅である。 単式ホーム1面1線を有する駅で、営業当時は根室駅の管理下にあった無人駅であった。
新吉野・姉別と同一形状の待合所を有していた。

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駅舎が改築された当初の
初田牛駅待合室
※ ウィキペディア画像を拝借

開拓農家の利便の為に設置された駅で、元から原野にあった事から利用客は少なく、2019年3月15日のダイヤ改正時に『利用客極少』の理由で、同じ根室本線内の直別・尺別の2駅と共に駅廃止となっている。 駅廃止前の2017年の調査では、1日の平均乗車人員は0.2人との事である。 なお、この数値は、『花咲線』と呼称される釧路~根室に所在する駅では最低の数値であったとの事である。

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開拓農家の利便の為に設置された駅は
駅開設当初は貨物扱いのある有人駅で
立派な駅舎を有していた
※ 根室市のウェブサイトより

駅名の由来は駅の所在した地名からで、当地を水源とする川の名称ともなっている。 アイヌ語地名研究家の山田秀三によるとアイヌ語に由来する以下の2説があり、いずれも永田方正著の『北海道蝦夷語地名解』から紹介している。

一つは、「ブドウ・採る・いつもする・ところ(川)」を表す「ハッタウㇱイ(hat-ta-us-i)」からで、もう一つは「淵が・ついている・もの(川)」を表す「ハッタㇻウㇱイ(hattar-us-i)」からである。

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初田牛駅の駅名の由来は
『川や淵』それとも『葡萄』?
※ ウィキペディア画像を拝借

この2説について「どっちが正解なのかは今となっては分からないが、松浦武四郎(幕末の探検家で『北海道』の名づけ親として知られている)の作成した古い地図『松浦図』では『ハッタウシ』なので、それが原形だとするならば「ブドウ・採る・いつもする・ところ(川)」を表す「ハッタウㇱイ(hat-ta-us-i)」の説に従うべき」として「hat-ta-us-i」説を支持している。

その上で、初田牛川の付近を流れる「和田牛(わったらうし)川」のアイヌ語名とされる「川尻に・岩が・ある・もの(川)を意味するオワタラウㇱイ(o-watara-us-i)」と相互に混合(つまり、岩と淵の混合)があったのではないかと推測している。 また、ブドウの(hat)が、淵を意味する(hattarと読まれる事も「ありそうな事だ」としている。

なお、1939年に札幌鉄道局が編纂した『駅名の起源』では、「アイヌ語『ハッタ、ウシ』から出たもので(葡萄を採る沢)の説を採り、1973年に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では「オ・ハッタラ・ウシ」(川口に淵のある所)を由来とする説を採っている。

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駅に並行する道路から
駅には入場できず
この砂利道にある駅入口まで
迂回せねばならなかった
※ ウィキペディア画像を拝借

待合室は、道道1127号初田牛厚床線から分岐する砂利道の先にあった。 そこは森の中で、付近には初田牛地区の集会所があるが民家は疎らであった。 駅裏には線路に沿って道道142号根室浜中釧路線付近へ至る道路があるが、この道路から駅ホーム上に上る通路・踏切はなく、この道路からだと道道1127号線から分岐する砂利道の先にある駅入口まで、500m近くの迂回が必要であった。

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駅跡に設置された
初田牛駅の沿革を記した
駅名標型のモニュメント
※ 根室市のウェブサイトより

この付近は霧の発生が多い場所であり、駅付近には防霧保安林が設けられている。 駅跡は、住民側からの「モニュメント的なモノの設置」の要望が出され、それを受けて沿革などが記された記念看板が設置されている。



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この駅に立ち寄ったのは
廃止される駅の訪問でも
『撮り鉄』でもなく
『昼寝』場所探しだった

この駅の思い出は、ズバリ『昼寝場所』である。 歳食ってからの北海道旅では、旅に出る毎に根室を旅の訪問先にしていたが、それは『撮り鉄』の為ではなく、《春国岱》や《温根沼》などの野鳥や野生動物の楽園での撮影が目的だった。

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『撮り鉄』もラムサール条約に
登録された別寒辺牛川という
有名なお立ち台で撮ってたりする

まぁ、『撮り鉄』も、『ラムサール条約』登録湿地・別寒辺牛川に沿って大カーブを行く線路を俯瞰する『お立ち台』で撮ったりしていたけど。 要するに、この初田牛駅は『撮り鉄』の為に訪れた訳でも、駅廃止になるから訪れた訳でもないのだ。

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他の人が撮った写真を見るにつけ
「撮っていればよかったなぁ」と悔やむワテ
※ 根室市のウェブサイトより

・・っていうか、この駅が廃止になる事を知ったのは、駅廃止の1か月ほど前にJR時刻表を立ち読みして知ったのである。←時刻表を立ち読みするなんて、天下御免のロクデナシだなぁ、このタワケ・・
つまり、この駅の廃止を知ったのは年末年始の北海道旅から帰った後、しかも駅廃止まで1ヶ月を切った「既に手遅れ」な時なのである。 

なら、駅廃止を惜しんで立ち寄った訳でも『撮り鉄』目的でもなく、『昼寝場所』でしかないこの駅が何故に話題に挙がるかというと、この駅で昼寝して時間を潰す必要が生じた事とその理由を記事のネタにする為である。 ・・『路線の思い出』だけは、ネタ詰まり気味なんだよね~。 「叩けばホコリ」の如く、駅での『オチャメ』も、山同様にいくらでも出てくる体質だけど。

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定刻通りにやってくる『撮り鉄』は
撮影計画を立てる事ができるが

その「昼寝をする必要」に迫られた理由を言うと、『撮り鉄』と野生動物の撮影状況の違いが関わってくるのである。 それは、『撮り鉄』の場合は「撮影地通過予定時刻は何時何分」と計画を立てて「待ち伏せ」できるが、野鳥や野生動物相手では『被写体』の眼前通過時刻が予測不可な訳である。
まぁ、当たり前の事であるが。

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飛び回る相手がターゲットなら
撮影チャンスはいつ訪れるか判らない

そして、これまた当たり前の事であるが、飛び回る相手が『被写体』ならば、カメラを構える撮影場所も確定しないのである。 予測できるのは、野生動物の生態系からその行動を鑑みて、出没する時間は食い物を探すべく住処を出る朝と住処に戻る夕暮れで、昼間はプッツリと姿を現さなくなるのである。

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エゾシカの川渡り
生態に合せた朝と夕暮れでないと
姿を現さぬ野生動物たち

まぁ、予測不可能な野生の生態を追うのだから、昼間も「一瞬のチャンス」を狙ってじっとカメラ構えて待機していれば、これとない最高のシーンをゲットできるかもしれないが、そんな気力や撮影意欲を保ち続ける事などできる訳がないのである。

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昼間に姿を現したのは
タンチョウ1羽のみだった

そして、元からない『集中力』(でもオチャメると異常に集中力が高くなるのがこのタワケのクオリティ)は、完全消滅するのである。

そんな訳で、『撮り鉄』なら事が済めば他の撮影場所に移動するなり色々とできるのだが、野生動物相手だと、「モノにできる確率の高い」朝と夕方の各2時間以外にする事がなくなるのだ。 先程も述べたように、昼間はプッツリといなくなるのだから。

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最初の内は『根室車石』や

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長節湖など根室の景勝地めぐりで
時間を潰していたが

それでも最初の内は、付近にある根室の別の景勝地の『根室車石』・『長節湖』・『花咲港』などに立ち寄ったりして時間を潰していたのだが、景勝地の昼間って太陽が真上にあるので、シャドーの写りが汚くて写欲をそそらないのである。 そして、その他の景勝地めぐりもネタが尽きて、いよいよする事がなくなるのである。

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海上保安船とウミネコの白のコラボ
根室の景勝地めぐりは
これ以外に手応えがあるのが
撮れずに飽きてきたよ

・・となればする事は一つ。 それは、車の座席を倒して昼寝する事である。 でも、昼寝は「どこでもできる」訳でもなく、できるだけ人の立ち寄らない所でするのが望ましいのである。 現に、夕張支線の鹿ノ沢で撮影列車待ちで車の中で昼寝していたら、長時間列車の来ぬ駅で留まる怪しい「『わ』ナンバー(余所者が乗るレンタカー)」として職質受けた事もあったしィ。

なら、いつも宿泊場所にする道の駅も、昼間は営業中で車が頻繁に往来して昼寝なんぞしてられないし、5月のGWの時なんぞ暑くて寝てられないのである。 そこで『昼寝』に適した場所として、初田牛駅のような『秘境駅』が条件に適合してくるのだ。

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誰もおらず木陰で涼しく
静かで昼寝環境抜群の
「昼寝の神様が宿る駅」だったよ
※ スマホ撮り

それはまず車を停めるスペースがあり、利用客がゼロの駅で列車が来ても誰も乗り降りしないし、「乗り降りしない」という事は誰も寄り付かず、トイレがあって、木立が並ぶ日陰の中で付近の道路に車があまり往来しない or 駅から道が離れているという『秘境駅』の中でも選ばれし『秘境駅』なのである。

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『駅昼寝駅』駅としては『神様』だが
『駅寝駅』としては寝転がりにくい
プラッチック椅子であるなど減点
※ ウィキペディア画像を拝借

それに当てはまるのが、今回の初田牛駅なのであった。 車を停めて『昼寝』する場所を探してこの駅に立ち寄った時、『駅寝の神様』ならぬ『駅昼寝の神様が宿る駅』と感激して、即効車の座席を倒して昼寝したよ。

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東の果て・根室では
午後2時を過ぎると
夕暮れの様相を見せ始める

もう、3時間くらい昼寝して、日が傾く午後2時前(北海道の冬は午後1時を回ると斜陽気味となり、午後2時になると完全に夕暮れ前の雰囲気となる)に起きて、車で2~30分程の《春国岱》に向かう。

着いた3時前は、もう完全な日暮れだ。 野鳥が至る所で憩っていて、彼らを襲う猛禽類(オオワシやオジロワシ)の飛来があると一斉に飛び立つ『ニルスの不思議な旅』なシーンや、一日の糧を終えて住処に戻るエゾシカの群れなど、シャッターを押す指が震える感動のシーンが目白押しとなる。

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砂嘴が北欧のフィヨルドの
ような情景を創造して
・・春国岱にて

まぁ、これは年末年始の事で今の季節と合わないので、写真掲載を見送ってリンク参照に留めて(水色の文字の所をクリックしてネ)、この場所は春の《春国岱》の情景を掲載する事にしよう。

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北海道は暮れるのが
恐ろしいほど早い
コレ撮ったの15:40頃
この時間で完全に暮れている

そして陽が沈んで空が暗くなるのは、午後4時過ぎだ。 都会なら、まだ定時にもなっておらず働いている時間帯だ。 夏至に近い春のGWでも午後6時位には陽が沈む。 その代わりに、夜が明けるのは冬の冬至近くでも6時過ぎには明るくなり、山の稜線上などでは、夏の夏至ならば午前3時を回ると空の縁が白み始めるしィ。

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東の果て・根室は
冬でも午前6時過ぎには日が昇る

そして、人の往来の無い過疎地域なら「6時のニュース」がかかる午後6時・・、夕飯も未だの午後6時には、深夜帯のような真っ暗闇となる。 ホント、空の移り変わりが尋常になく早いので、感覚が麻痺してしまうよ。 『道の駅での車寝』をする時なんか、真っ暗闇になった6時過ぎには車は1台もいなくなり、『道の駅』真夜中バージョンとなるよ。 だから6時に飯を食って、7時にはシュラフを出して寝に入るしィ。

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『昼寝』場所探しで訪れた事が
廃止される駅の訪問となる
『結果オーライ』となったよ

まぁ、こんな訳で、初田牛駅は「廃止になる事を全く知らずに」駅訪問が叶う『結果オーライ』になっちまったよ。 このように昼寝場所を探して、いい『昼寝駅』を見つけて昼寝にありつく事は、「無意味な事ではなかった」のである。


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No Subject * by ねむろ大喜
なんか馴染みのある画像やなとおもたら、、、嬉しい感じ

Re: No Subject * by  風来梨
ねむろ大喜さん。こんばんは。

先の話ですが、今年の年末年始は今年の『残念』(手術の)無念を晴らすべく、2年ぶりに春国岱・温根沼に行こうかと。 あと、釧路湿原の塘路でタンチョウと、コッタラ湿原めぐりをしようとしてます。 その際は、駅跡で冬の駅昼寝をしようかと。

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No Subject

なんか馴染みのある画像やなとおもたら、、、嬉しい感じ
2021-05-17 * ねむろ大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

ねむろ大喜さん。こんばんは。

先の話ですが、今年の年末年始は今年の『残念』(手術の)無念を晴らすべく、2年ぶりに春国岱・温根沼に行こうかと。 あと、釧路湿原の塘路でタンチョウと、コッタラ湿原めぐりをしようとしてます。 その際は、駅跡で冬の駅昼寝をしようかと。
2021-05-17 *  風来梨 [ 編集 ]