風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第139話  石狩連峰 その1

よも”ヤマ”話  第139話  石狩連峰 その1(音更山)〔北海道〕 '96・7
音更山 1932m

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石狩岳の踏破の前に
越えねばならぬ源頭の峰・音更山

  音更山 おとふけやま (大雪山国立公園)
北海道中央部の石狩山地にある標高1,932mの峰である。 石英閃緑岩からなる。 上川・十勝支庁の境界に位置し、上川郡上川町と河東郡上士幌町にまたがっている。 一級河川石狩川水系と一級河川十勝川水系の分水嶺となっており、十勝川水系音更川の水源でもある。

大雪山国立公園の特別保護地区に含まれ、北海道百名山に選ばれている。 山頂には一等三角点『音更山』がある。 山名は音更川の源頭にある峰である事からの命名だが、由来ははっきりしない。
アイヌ語のオトプケ(毛髪を生ずる処)」の転訛という説があるが、だとすれば川に生えたヤナギなどの灌木を意味するものだろうか。

ユニ石狩岳の袂にある十石峠から、尾根伝いに石狩岳へ向かう時に越えるピークがこの音更山である。
それゆえに、石狩岳と一緒に登られる事が多い。 ユニ石狩林道の登山口から約4時間半で、ブヨ沢のキャンプ地がある。

ブヨ沢のキャンプ地より標高差300mの急登で広い頂上台地に登り着き、その一角に頂上がある。
頂上は石狩岳の大きな姿がそびえ、正面には残雪を乗せた大雪・高根ヶ原、振り返るとニペソツ山がそびえ立つ絶景の地だ。



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石狩連峰・ユニ石狩ルート 行程図

   行程表            駐車場・トイレ・山小屋情報                       
《1日目》 上士幌町・糠平より車(1:20)→ユニ石狩岳登山口(1:40)→十石峠
     (1:10)→ブヨ沼幕営地
《2日目》 ブヨ沼幕営地(1:50)→音更山(0:50)→シュナイダーコース分岐(0:40)→石狩岳
     (1:10)→音更山(1:20)→ブヨ沼幕営地(1:00)→十石峠
     (1:10)→ユニ石狩岳登山口より車(1:20)→上士幌町・糠平

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十字路となる十石峠より望む
『北の槍』・ニペソツ山

 《1日目》 ユニ石狩沢からブヨ沼へ
糠平より、今や一級国道顔負けの快適国道273号線を進んでいく。 途中、かつてのライダーの聖地・《三国峠》をスイスイと越えて、ユニ石狩川のたもとから延びている『由仁石狩林道』の入口に着く。
この分岐から、大雪ダム湖の大雪国道39号線まで僅か20km程である。

この林道に入っていくが、林道入口にナンバー錠が掛かっていて、事前に管轄の上川営林署に連絡して開錠番号を聞いておく必要がある。 ついでに登山道についての情報も聞いておくのもいいが、あまりいい返答は得れないだろう。 それは、実際に登山道を歩いてみたなら、歩き出した直後に理解できる事と思う。

林道は約6km先で、猫の額のように狭い荒地となって途切れている。 なお、道はかなり劣悪なダートであるので念の為。 車をこの荒地(車3台程の駐車可)に置いて登山開始する。 登山口には記帳の為のバラック小屋が建ち、案内板も設置されて「ルートもそれなりに整備されている」と思いきや、洪水によって河原と化した不明瞭な林道の残骸を歩く事になる。 しかも、いきなりの渡渉である。

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沢は大雨の度に氾濫し
ルートは荒沢と化していた

途中2~3度、林道を分断するユニ石狩沢を徒渉するが、いずれも靴を脱ぐかどうか迷うきわどい幅の徒渉である。 これを繰り返しながら、轍の跡があるものの、道ともつかぬ河原の中を歩いていく。
すると左手の土手に、笹に覆われた獣道と見まがう小径がある。 この下に、朽ち果てた『ユニ石狩岳登山口』の道標が転がっている(現在は、看板は設置されてる模様)。 どうやら、ここが登山道入口のようだ。

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荒れた沢筋から
森への入口至って不明瞭だ

とりあえず、進むべき道が判ったので登っていく。 だが、案の定、猛烈なクマザサに覆われた道で、足元どころか目の前も見えない。 この道を朝方に通ると、クマザサについた朝露で衣服がベチョベチョになる事だろう。

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背丈ほどに延びたクマザサで
足元が全く見えない中をゆく
またこの辺りはヒグマの巣なので
カサカサ音にビクッとするよ

それよりもっと気になるのは、ヒグマなどの猛獣の事だ。 こういう見通しの利かない所で遭遇したら、“睨みつける”もへったくれもないからである。 そういう訳もあり、羽ばたく野鳥の羽音や、エゾシカの飛び跳ねる音が響いただけでビクッとくる。 

約30~40分のクマザサの洗礼を受けると、笹地を抜けてダケカンバの樹林帯の中を行くようになる。
ダケカンバからハイマツ帯に変わる頃、小さな巣穴が無数に空く狭い庭園状の岩場に出る。 

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鳴兎園
今は看板が設置されている
※ 『ヤマケイオンライン』より

ここは『鳴兎園』と呼ばれる所で、この小さな巣穴は“氷河時代の生き残り”と言われる彼らの棲だ。
この巣穴のどこからか、彼らのかん高い鳴き声がこだまする。 

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氷河時代の生き残りと
云われるナキウサギ
※ ウィキペディア画像を拝借

『鳴兎園』を越えると道は沢に出て、その右岸(左手)を歩くようになるが、通称『大崩れ』という呼び名の通り大規模な土砂崩れを起こしている。 この崩れそうな浮いた岩ガレの上を延々とトラバース気味に伝っていく。 このトラバースは、崩れそうな岩だけでなく、その上に乗っかっている倒木にも手を焼く。 跨ごうとすると引っ掛かるし、その上に乗って力をかけ過ぎると、地すべり的に落下するのである。 

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崩壊土砂にルートを埋められた
不明瞭な踏み跡を
峠と思しき高みへと登っていく

そのような訳で、倒木は極力避けつつ、所々の岩にあるペンキ印を手掛かりに沢をつめていく。
このようにして“大崩れ”の土砂崩れを越えると、岩ガレ帯もやや大人しくなる。 山肌につけられた道を歩いていくと、再び『小崩れ』という土砂崩れを越えてユニ石狩岳の山腹を大きく巻くように横切って、稜線上のやや低い“峠”と思しき所へ直登していく。 

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逆光にギラリと輝く十石峠道標
背後はユニ石狩岳と『オッパイ山』と
呼ばれる西クマネシリ山

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十石峠に登り着くと
眩いバックライトに光る
東大雪の山々が視界に現れる

この辺りからチラホラと、チシマギキョウやキジムシロなどが花を開いてくる。 そして、最後まで土砂崩れのような岩ガレ帯を登りきると、《十石峠》に着く。 この《十石峠》は石狩岳本コースと合流し、なおかつ左手にはユニ石狩岳、右手には音更山・石狩岳がそびえ立つ石狩連峰の要害である。

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ニペソツ山
空に尖峰を突き立てる姿は
真に『北の槍』

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明日登る盟主の石狩岳も見渡せる

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石狩岳・ニペソツの盟主揃い踏み

そして、ここからの眺めは、ニペソツ山がアルプスばりのゴツゴツした容姿を裾野より魅せて壮観だ。
また、明日に目指す石狩岳も、緑の盾のようにそびえている。 《十石峠》でそよ風に吹かれて、体を休めたなら先に進もう。

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東大雪の未開の山々にも魅せられて

《十石峠》からは進路を右手に取り、稜線上の起伏を確実にこなしていく。 しかし、途中からは猛烈なハイマツのブッシュとなっていて、体に荷物に引っ掛かって、小さな起伏を1つ越えるだけで15分はかかる。

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稜線の起伏の上に立つと
ブッシュ帯が途切れて展望が望める

これを3~4回繰り返すと、ブヨ沢の源頭の峰に立つ。 ここから、ややぬかるんでいる黒土帯を下っていくと、その名の通りブヨが飛び回る濁った小さな沼が現れる。 

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その名の通りブヨが飛び交う
「あな悪ろし」な沼・ブヨ沼

この沼はお世辞にもキレイとは言えず、もちろん沼の水も飲めたモノではない。 早々にこの沼を過ぎて50mほど歩くと、テント5張りほど可能な手狭い平地に出る。 ここが《ブヨ沼幕営地》で、ここもその名の通りブヨが飛び回る「ハッパむしむし!?」状態である。 そして水場も、約10分下ったブヨ沢でしか得る事ができず、お世辞にもいい展場とはいえない。 

また眺めも、ユニ石狩岳の山腹が見えるだけの貧相なものである。 それゆえに、明日の石狩岳には大いなる期待を抱いてしまう。 明日は、石狩岳に登ってユニ石狩沢に下山する長丁場だ。 早発と山頂への早着は当然の事だ。 明日に備えて、今日はゆっくり休もう。



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東大雪の朝の絶景に魅せられて

 《2日目》 石狩岳を踏んで下山
今日はそのまま往路を下山するので、テントは撤収せずにそのままデポって軽身でいく。 但し、持ち物はテントの中に入れて、入口は必ず閉めていこう。 これを怠れば、獣達の格好の餌食となるだけだしィ。

さて、テント場を出ると、途中に雪渓を抱くコブへの急登となる。 小さな雪渓を越えて、笹ヤブの中を笹をつかみたくなる程の急登で乗り越えると、展望が開けたコブの頭に立つ。 《ブヨ沢ノ頭》だ。
ここからは、『東大雪』の山々が一望できる。

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ミルク色の空に凛々しくそびえ立つ
『北の槍』・ニペソツ山

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朝の大空を白鳥雲が
優雅に舞う『奇跡の絶景』

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それはほんのいっときの
『奇跡』だった
この後すぐに散らけて
たなびく雲となった

音更山がデンとそびえてそれに続く石狩岳や、真横に凛々しく尖峰を突き上げた秀麗な容姿のニペソツ山など、「山で魅せられたい」と思い描く景色が眼前に広がる。 また、明けの空に、白鳥雲が優雅に空を舞う『奇跡の絶景』も望めたよ。 しかし、展望が開けて朝の爽快な気分を味わえるのはここだけで、この先音更山の頂上付近に登り着くまで、延々とブッシュ漕ぎとなるのだ。

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これよりハイマツのブッシュ帯に
突入するので山々の情景とはしばしお別れ

朝の爽快感と『奇跡の絶景』を満喫したら、名残惜しいが先に進もう。 このコブからは、ハイマツや潅木林の森に向かって急下降していく。 先程も述べたように、当然ブッシュ漕ぎだ。 コブの上から眺めた通り、緑濃く薄暗い“樹海”の中を最低鞍部まで下っていく。 下りきると当然、音更山への“跳ね返し”の急登が待っている。 ハイマツのブッシュにつかまりながら、約300m登っていく事になる。

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砂礫の石ころに隠れて
ひっそりと咲くヤマツツジ
中腹の砂礫帯まで上がると
ハイマツのブッシュも収まってきて
砂礫の花が魅れるようになる

ブッシュに手こずりながらも、中腹までくると岩の突き出た砂礫地帯となり、ひとまずハイマツのブッシュも収まってくる。 しかし、相変わらずの急登で、汗を搾り取られる事には変わりはない。
この砂礫地の急坂で振り返ると、先程通った樹海が盛り上がって“ラクダの背”のようになっている。
ここから見る限り、相当深い密林地帯だったようである。 

砂礫地から、再びハイマツのブッシュの急斜面をよじ登る。 これを乗り越えて、再び背後にニペソツ山が美しい姿を現しだすと、音更山の頂上へはあとひと息だ。 最後は、岩ガレを直登気味に登りつめると、お花畑の点在するただっ広い音更山の頂上丘に着く。

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広い頂上丘からは
残雪光る表大雪の山なみが望めた

ここからの眺めは、正に雄大だ。 旭岳・白雲岳の大雪の山なみ、それに続き雪渓を乗せて幾筋もの縞模様を白く輝かせた平坦な丘が眼前に広がっている。 そう、《高根ヶ原》の大平原だ。 向こうには、《五色ヶ原》の緩やかな傾斜台地も見える。

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表大雪から高根ヶ原へと続く山なみ
去年の山旅では
あの山なみを歩いたんだなぁ

そして、その奥に独特な冠を乗せた“聖なる山”・トムラウシ山も頭を覗かせる。 それに、辺り一面のお花畑。 これらを全て我一人で味わえるのだ。 この高揚感は、人気の高い手軽な山や整備の行き届いた山では、決して味わえない感覚だと思う。 

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ニペソツ山が朝の空に
『北の槍』を突き立てて

ブッシュ漕ぎや徒渉など、困難の末に登りついて始めて享受できる喜びであろうと思うし、またそうでなくてはならないとも思う。 この周り、足元全てに素晴らしい景色を楽しみながら、頂上丘を歩いていこう。

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この頂より望む表大雪から高根ヶ原の情景は
真に『日本百景』たる情景だ

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進む方向にはこれより目指す
石狩岳がデンと構えている

やがて、最も西寄りの岩レキで一段盛り上がった丘にたどり着くだろう。 この上が、音更山 1932メートル 頂上だ。 ケルンが積んである頂上で、変わらぬ雄大な景色を楽しみながらひと息入れよう。
いつまでも眺めていたいが、まだ先があるので切り上げて先に進もう。

  ※ 続きは、次話の『第140話 その2』にて


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ホント今の日本は危険予知と
危機管理ができない国になったね
原発の汚染水の処理問題一つ見ても
チョンは自国の事を棚に上げて日本を詰ってくる

自然に浴びる被曝量の
何十分の一に希釈した汚染水を
海洋投棄する至極真っ当な処理法でさえ
チョンは難癖をつけてくる

そんなチョンやその宗主国のシナが
日本の五輪の成功を
指を咥えて傍観するとでも思ってるの?
頭がお目出た過ぎるよ

それも原発の汚染水では
科学的根拠に基づいて
完璧なまでの希釈をした上で
実行すると言っているのに

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という保全を全くしないままに
開催しようとしているよ
日本の国は外人に優しく国民は虐げるよね


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判明している原因の駆除・排除だろうがよ



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