風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第129話  大朝日岳 その3

よも”ヤマ”話  第129話  大朝日岳 その3(大朝日岳~竜門山 往復)〔山形県・新潟県'95・8
西朝日岳 1814m、竜門山 1688m

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朝日連峰稜線上の峰々

  朝日連峰 あさひれんぽう (磐梯朝日国立公園)
大朝日岳 1870メートル を主峰に連なる朝日連峰は、東北では珍しい隆起山塊である。
それゆえに、重厚で嶮しい山容を魅せている。 また、登山も広域な縦走コースが中心となる為、それ相当の装備と体力が必要となる。 だが、これは裏を返せば、登山者が少なく静かな山行が楽しめて、また手付かずの自然も多く残されている・・という事でもある。 もちろん、“山の楽しみ”である高山植物も豊富で、特にヒナウスユキの群落は見事である。



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今回の朝日連峰山行の行程図

   行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
 《前日》  JR左沢駅より車利用(1:20)→朝日鉱泉
《1日目》 朝日鉱泉(3:00)→鳥原小屋(2:00)→小朝日岳(1:20)→大朝日小屋
      ※大朝日小屋から大朝日岳まで所要15分
《2日目》 大朝日小屋(1:30)→西朝日岳(0:50)→竜門小屋
      ※マイカー回収の為、竜門小屋で折り返し
      竜門小屋(1:00)→西朝日岳(1:20)→大朝日小屋 ※大朝日岳まで往復30分
《3日目》  大朝日小屋(1:10)→小朝日岳(1:30)→鳥原小屋(2:40)→朝日鉱泉より車
       (1:20)→JR左沢駅
  ※ 前話『第128話 大朝日岳 その2』の続き

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朝日連峰稜線の脇に落ちゆく落日

 《2日目》 大朝日小屋から朝日主稜線を
              許す限り奥まで遊歩
朝、小屋の前に立つと、主稜線が朝日を浴びて美しく輝いている。 今日は、この魅力的な主稜線を歩いてみよう。 ただ、大鳥までの朝日連峰の完全縦走となると、下山先の《大鳥・泡滝ダム》の登山口からの公共交通機関は皆無で。最寄りのバス停まで12kmの徒歩が控え、これを歩ききって大鳥のバス停まで出てもバスの行先は鶴岡で、朝日鉱泉に置いてきたマイカーの回収は日数をかけないと不能となる。

従って、朝日鉱泉にマイカーを置いてきた時点で朝日連峰の完全縦走は縦ムリであるし、縦走するとしたなら、公共交通機関の乏しい両側の登山口での足の確保を必要となる。 こういった訳で朝日連峰の完全縦走は諦めざるを得ず、代替案として時間の許す限り縦走路を奥まで入っていく事だけだろう。

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今日は空身で
花を愛でながら歩いていこう

それを踏まえて、所要時間を計算して、朝日連峰の稜線を行ける所まで歩いて楽しもうと思う。
まぁ、往復の所要時間からして、竜門山か狐穴小屋のあたりで折り返しだろうか。 もちろん、今日も大朝日の避難小屋に止るので、シュラフや炊事用具などの荷物は小屋にデポっておく事にしよう。

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それでは稜線漫歩に出かけようか

それでは、稜線漫歩に出かけよう。 小屋の建つ丘から、岩ガレを丸太で塞き止めた階段道を緩やかに下っていく。 下りきった底が、《金玉水》の幕営場だ。 今日の行動水は、ここで十分補給しよう。
《金玉水》からは、ニッコウキスゲの咲き乱れる緩やかな傾斜を登っていく。

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朝日連峰の残雪が育む
金玉水で力水を汲んでいこう

この緩やかな丘のピークからは、西朝日岳より続く主稜線がより迫力を増して望める。 また振り返ると、盟主・大朝日岳が端正な三角錐の姿を魅せている。 ここから主稜線は下りとなり、この下りはややガレた急傾斜となっていて滑りやすいので注意が必要だ。 この下りのガレ場は、ミヤマリンドウの群落地だ。 花を見て楽しみながらも、滑落しないように慎重に下りていこう。 

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西朝日岳との鞍部から
みちのくの深い山なみを望む

約200mほど下って、西朝日岳との鞍部に下り立つ。 この鞍部は広々とした草原と雪渓からなっており、山を眺めながらの絶好の休憩場所となろう。 この草原は、もちろんお花畑だ。 ひと息着いたなら、西朝日岳への250mの急登だ。

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西朝日岳への登りは
結構なオーダーだ

しかし、終始素直な感じの傾斜が続くのでそれ程キツくなく、割とあっさりと頂上へ登り着く。
この西朝日岳 1814メートル は朝日連峰第二の高峰だが、なぜかあまり注目されない山だ。
二重の尾根が平行するなかなか面白い山なのだが・・。 

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西朝日岳から続く稜線

西朝日岳からは進行方向を変えて、なだらかで平坦な《御坪》と呼ばれるお花畑の中を歩いていく。
ミヤマリンドウ・ウメバチソウ・キンポウゲなどの花を愛でながらの、快適な稜線歩きだ。 

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ハクサンイチゲも咲いていた

もちろん、残雪豊な稜線の眺めも素晴らしい。 稜線歩きの趣を満喫しながら歩いていくと、あっという間に潅木帯に突入し、そのまま少し登ると竜門山 1688メートル 山頂に着く。 

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竜門山頂上より望む
以東岳など朝日連峰北部の峰々

ここからは、《日暮沢小屋》へのエスケープルートが延びている。 主稜線は、晴天なら快適な山遊ができるが、荒天となると暴風が荒れ狂い前進もおぼつかなくなる。 荒天時の備えとして、エスケープルートは頭に入れておこう。

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ウメバチソウ

このエスケープルートを右に分けて、緩やかに下っていくと《竜門小屋》だ。 朝日連峰の小屋のいい所は、どの場所も良好な水場があり、またトイレもあり、体力に応じてどこでも宿泊が可能という事である。 従って、どちらの登山口から登るにしても、朝日連峰の縦走では幅広い角度で縦走計画を立てる事ができるのである。

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もっと先に行きたい・・
あのヤマ・以東岳に
立ちたいのはヤマヤマだけど

・・本当はもっと先に進みたい所だが、記事の冒頭にも記した通りにマイカー回収の事を考えると、この辺りでの折り返しが現実的だろう。 なお、これより先の以東岳や《大鳥池》は、またの機会に大鳥側から、この竜門山までの山行を計画しているので、その機会に委ねようと思う。 なぁ〜に、10ヶ月働いで夏の2ヶ月を山に費やす『山旅放浪』を生業とする・・、即ち今は『プー』だから、いつでも朝日連峰の完踏の本願を叶える事ができるだろう。

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帰りは見た目が急な
西朝日岳へ登り返す

帰りは往路を戻ろう。 コースタイム上では西朝日岳まで1時間・・。 花でも撮りながらゆっくりいくと1時間30分。 西朝日岳の頂点と思しき縦走路上から、少し離れた所にある三角点まて徒歩で片道10分程。 なので立ち寄ってみるが、西朝日岳は名の知られていない峰なので予想通り何もなかったよ。
ただ、朽ちて文字が読めなくなった頂上標が立っていただけだった。

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晴れていたら大朝日岳が見えるハズだが
午後からの厚い雲に覆われて何も見えなかった

西朝日岳からは、情景的には大朝日岳の雄姿を真正面に見ながら戻っていくのだが、午後に入って大朝日岳が分厚い雲に覆われて見えなくなっていたよ。 ・・で、黙々と歩いて、30分チョイで《金玉水》の水場の所まで戻っていく。

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タテヤマリンドウ
8月に咲く花は
秋口を示す淡い紫色の花

でも、15年後にアラフォーとなって朝日連峰を再訪した時(この時は日暮沢小屋起点の周回ルート)は、ダラダラと歩かなくても竜門山から西朝日岳まで1時間半、また30分チョイだった金玉水》の水場までも1時間半かかり、なおかつ水を汲みに行く途中で足がもつれて、ダイナミックなダメ押しトライ(ド派手な転倒)を決めてしまったよ。

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15年後ここでハデな
ダメ押しトライをした時に
走馬灯のように現れた『高山蝶』
※ 写真はこの時羅取った高山蝶でっす

それは、『血まみれの大ケガ』級のハデなモノであった(岩で顔の側面をブチそうになった)が、悪運長者のワテである。 運良く岩の前に手の甲が入ってセーフ。 ケガも岩でブチそうになった顔をガードした掌にバルカン傷が入った程度である。 でも確かに、顔から落下して「ヤバい」と直感するほどの転び方であったよ。

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稜線慢歩を終えて
大朝日の頂上で憩う

ただ、この時も15年後も一緒だった事が一つある。 それは、大朝日小屋には一番乗りであったという事だ。 まぁ、15年後は、ズタボロだったけど。 後は昨日と同じく、夕方まで小屋で待機してから、頂上まで夕日を撮りに行ってこの日を終える。

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頂上で望んだ
1日の終わりを示す光の芸術

  ※ 続きは、次話の『第130話 その4』にて


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いつもの日本が乗っ取られる元凶である
チョンの背乗り天皇の事は
ひとまず置いといて
自宅待機の年末年始に見ていた
ガンダムアニメについてのネタで

『鉄血のオルフェンズ』は
陰鬱な性格の小僧が
ニュータイプとやらになって無敵を誇る
プラモを売る事が主目的ないつもの内容と違って

ゴミクズな境遇の小僧が成り上がる為に
ヤクザに身を染めるストーリーや
信条や定めを持って戦うのでなく
生きる為に戦い「殺らなきゃ殺られる」の
心境が迫ってくるのが良かったよ

でもガンダムシリーズの中で
『鉄血のオルフェンズ』は
多くのガンダムフェチやアニメ通から
「クソ」の評価を受けているらしい

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まぁ1st『ガンダム』の流れを絶対とすると
確かに『鉄血』は「クソ」の評価となるが
ワテとしては1st『ガンダム』の設定こそが

超能力者紛いのニュータイプが
いきなり敵を倒す有り得ない
「クソ」設定だと思うから
この『鉄血』が最も評価できるよ



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No Subject * by 鳳山
朝日連峰、新潟側からも山形側からもたどり着きにくそうなところにありますね。左沢からでもかなりあります。その分手つかずの自然が豊富なんでしょうね。

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんにちは。

この朝日連峰は、縦走するとなると登山口・下山口での足の確保が必須となりますね。
なので、山岳会の主催山行で縦走パーティーが組まれる事が多いですね。

私は『山旅放浪』の時に、今回の記事の朝日鉱泉(左沢側)と大鳥(鶴岡側)から前回に歩いた地点まで辿って、合わせ技で縦走を完成させましたよ。

標高はやや低いですが、人が入りにくい分と豪雪地帯で山中を澄んだ湧き水が流れ、それに育まれた花と秋の紅葉が素晴らしいですよ。

コメント






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No Subject

朝日連峰、新潟側からも山形側からもたどり着きにくそうなところにありますね。左沢からでもかなりあります。その分手つかずの自然が豊富なんでしょうね。
2021-01-05 * 鳳山 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんにちは。

この朝日連峰は、縦走するとなると登山口・下山口での足の確保が必須となりますね。
なので、山岳会の主催山行で縦走パーティーが組まれる事が多いですね。

私は『山旅放浪』の時に、今回の記事の朝日鉱泉(左沢側)と大鳥(鶴岡側)から前回に歩いた地点まで辿って、合わせ技で縦走を完成させましたよ。

標高はやや低いですが、人が入りにくい分と豪雪地帯で山中を澄んだ湧き水が流れ、それに育まれた花と秋の紅葉が素晴らしいですよ。
2021-01-07 *  風来梨 [ 編集 ]