2020-12-23 (Wed)✎
『日本百景』 冬 第461回 凍結したクッチャロ湖 〔北海道〕
湖面を優雅に舞う
コハクチョウの群れ
クッチャロ湖 くっちゃろこ (北オホーツク道立自然公園)
クッチャロ湖は宗谷・頓別原野にある、北西側の小沼と南東の湖の本体を成す大沼からなる汽水(海跡)湖である。 宗谷丘陵内陸部から流れ出る仁達内川の形成した河谷(川の流れで浸食されてできた谷)が、砂州によってオホーツク海と隔てられて形成された湖である。
クッチャロ湖・概念図
湖の形成にこういった理由がある為、河口部の近くに位置する大沼はオホーツク海から流入する海水の影響を受けて塩分濃度が高くなり、元来川だった上流側の小沼は塩分濃度の薄い淡水に近い水質となっている。
この事で、淡水に近い小沼には淡水を好む野鳥が飛来する。 一方、海水の流入で塩分濃度が高い大沼では海から小エビ類などが流入し、湖水の塩分濃度が適度な為に海藻類も繁殖するなど餌が豊富で、渡り鳥達の絶好の越冬中継点となっている。 中でも、湖の別称が『白鳥の湖』と言われる程にコハクチョウが飛来し、優雅な姿を魅せてくれる。
クッチャロ湖は渡り鳥である
彼らの長い旅路での越冬・中継点だ
また、オナガガモ・ヒドリガモといったカモ類も多数飛来し、その数は2万羽以上に達するとの事である。 このように渡り鳥の楽園の景観を魅せるクッチャロ湖は、1989年に重要湿地の保存に関する国際条約の《ラムサール条約》に『水鳥の生息地として国際的に重要な湿地』として、我が国では3番目の登録指定を受けたのである。
クッチャロ湖上を
優雅に舞うコハクチョウ
冬から春先の季節、越冬の為に湖の畔に飛来する数万羽といわれる水鳥、優雅に飛来するコハクチョウ、そして猛禽類で国の天然記念物に指定されているオジロワシやオオワシなど野鳥の楽園となる。
中でも、猛禽類のオジロワシの接近で、数千羽の水鳥が一斉に羽ばたく様は圧巻である。
クッチャロ湖と浜頓別市街地図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
稚内市街よりバス(鬼志別バスターミナル乗り換え便含めて1日4便) 所要2:40
又は JR音威子府駅よりバス(1日4便) 所要1:30で浜頓別バスターミナル
浜頓別バスターミナルより徒歩30分程で湖畔に建つクッチャロ湖・水鳥観察館前に着く
マイカー・レンタカー利用 稚内市街より国道238号を浜頓別・枝幸方面へ約90km・所要2時間20分でクッチャロ湖・水鳥観察館前の駐車場
クッチャロ湖標柱と
氷結する湖面でたたずむハクチョウ達
ラムサール条約登録湿地に指定されているこの《クッチャロ湖》は、野鳥と自然の宝庫だ。
白鳥が群れを成して優雅に空を舞う姿や、湖面への着水や湖面から飛び立つ姿を心ゆくまで堪能できる。
また、オジロワシやオオワシの接近で鳥達が一斉に羽ばたく様や、そのオジロワシやオオワシの優雅な姿を目にすると、きっと虜になる事だろう。
この地でカメラを構えると
湖上を優雅に舞う
水鳥達の姿に虜となるだろう
だが、都会に住む者にとっては、ヘタすれば飛行機で向かう外国の街よりも遠いのである。
それは、我が国の北の果て・・だからである。 そう、北海道の道都・札幌からでも移動に半日はかかるのである。 従って、この地を訪れるなら、時間や費用などの旅計画を周到に決めねばならないだろう。
相手は野生動物である渡り鳥
そして、魅せられる相手は、この地の主である野生動物や野鳥である。 故に、カメラで追い求めてもなかなかに捉まらないだろう。 なぜなら、自然界のフィールドで最も能力の劣るのは我々人間なのだから。
自然のフィールドで最も劣る人間が
追っかけてもなかなか捉えられない
それゆえに万を持して訪れたとしても、『せっかく訪れたのに写真はまるでダメだった』ってオチが多分にあるのだ。 それを踏まえて、何度でも訪れたくなる所がこの《クッチャロ湖》なのである。
前置きが長くなったが、この最果ての『白鳥の湖』を心ゆくまで堪能しよう。
水鳥の楽園・クッチャロ湖で
心ゆくまで彼らの舞を堪能しよう
日本の北の果てにあるこの地までマイカーで行くのは不可能ではないが、現実的ではないだろう。
だが、北海道をめぐるなら、車は必要不可欠だ。 となると、選択肢は否応なく『レンタカー』って事になるだろう。
理想としては稚内で借りるのが最もいいが稚内駅に駅レンタカーはなく、稚内市内のレンタカー会社をネットで検索する以外にないだろう。 それに昨今の経営損失が問題となっているJR北海道では宗谷本線の運行本数が大削減され、正直言うと鉄道利用で稚内まで行くのはかなり厳しくなってきている。
天北線があった頃は
鉄道利用でもこの地を
訪れる事が出来たのだが
要するに、鉄道とバス利用では稚内での停泊・・、即ち日程の1日追加が確実となるのである。
ただでさえ休みの日が限られている観光目的では、この日程増は真に”痛い”のである。
年末年始の一定期間の休暇で
北の最果てまでやってくるので
日程のムダは避けたいものだ
従って、ここは札幌などの北海道の中心部でレンタカーを借りて、旅の計画に併せて北海道の各地を寄り道しながら、この《クッチャロ湖》に向かうのが、この地を探勝するに当たって現実的だろうと思う。
それでも札幌からの長い距離を運転しなければならないので、レンタカー又は鉄道利用のいずれにせよ、かなりキツい移動となるのではあるが・・。
この地を行き交っていた天北線が
「思い出お~い」となってしまって
鉄道での来訪は不可能に近いのが現実
所要時間でいうと、稚内から3時間半くらいで《クッチャロ湖》のある浜頓別町の中心街に着く。
浜頓別のバスターミナルは旧国鉄天北線の浜頓別駅跡で、周囲は町役場及びバス利用者用の駐車場となっている。 町役場とバスターミナルのある街の中心から《クッチャロ湖》への案内表示に従って約1km位内陸に進むと、湖を囲んで樹立するアカエゾ松が行く手を阻む突き当りとなって、これをジグザクに交わしていくと浜頓別温泉のクアハウスを越えて程なく湖畔に出る。
ネイチャーセンター裏の
餌付け場以外は
湖面が完全凍結している
冬季の《クッチャロ湖》はネイチャーセンター裏の一部を除き、完全に氷結している。
その水面となっている湖面の一部に、ハクチョウやカモが群れを成して寝そべっている。
ネイチャーセンターでは
渡り鳥である彼らの事が
詳細に説明・展示されている
湖畔にあるネイチャーセンターには《クッチャロ湖》に関する様々な資料が展示されているので、野鳥たちが優雅に舞うその時までの開いた時間に立ち寄ってみよう。
餌付けの時間となると
ハクチョウたちが飛来してくる
そのネイチャーセンターでは湖畔でハクチョウの餌付けをしていて、その”餌撒き”時が先程に述べた「野鳥たちが優雅に舞うその時」なのである。
ハクチョウ達が次々と
湖上に舞い降りて
ネイチャーセンターの職員が餌を満載した雪降ろしのボードを湖面まで引きずって、それを水面となった”一部”の湖面の周囲に撒くと、寝そべっていた野鳥たちが起き上がってノソノソとやってくる。
餌付けの時間となると
中央で寝そべっていた怠惰組が
一斉に徒歩で餌場に近寄ってくる
それを遠くから見ていたのか
一つの群れの飛来を皮切りに
湖の四方から次々と飛来してくる
そして、その時間は定まっているのか、遠くから白鳥の群れが次々と飛来してくるのだ。
コレを狙うと、ハクチョウの優雅な飛来シーンをフイルムに収める事ができるだろう。
つがいで餌場に飛来する
ハクチョウもいた
そのつがいは仲睦ましく・・
だが、この飛来シーンよりも更に圧巻で興奮するシーンがあるのだ。 それはオジロワシやオオワシ等の猛禽類が飛び交ってきたなら、これらに捕えられる事を恐れたカモの群れが一斉に羽ばたくのだ。
圧巻のシーンは彼らを狙う
オオワシの飛来と共に訪れる
そう・・それは餌付けの時間から
時が経ってまったりとした雰囲気の中で
陽が傾き始めた頃にやってきた
その数は1000羽以上。 空がカモの黒い身体の斑点で埋まる程の凄しい光景を魅せられるのだ。
そう・・、野鳥における自然の摂理が眼前で大迫力で展開するのである。 それでは、大迫力のシーンを含めて、《クッチャロ湖》の野鳥がおりなす優雅な舞をごろうじろ。
湖にいる鳥たちの全てが
羽ばたく音で地鳴りがなったよ
:
彼らが一斉に飛び立つその瞬間
羽ばたく鳥たちの黒い斑点で
空が被われたのだ
浜頓別から安別仮乗降場付近までの地図
:
天北線の線路跡はサイクリングロード
として転用されている
天北線があった頃に鉄道だけでなく
クッチャロ湖の野鳥の
魅力に気づいていれば・・
:
ムリか・・
周囲の見えない小僧だったし・・ね
また、クッチャロ湖は大沼と小沼の2つから形成されているので、大沼と違って淡水性が強く静かな原生の雰囲気を醸し出す小沼も合せて訪ねるのもいいかもしれない。
廃止となったが
現存する宗谷本線より
輸送実績の良かった天北線
そして、この小沼の東岸沿いには、我が青春時代を虜にした北の廃止ローカル線・天北線が行き交っていた。
機を衒ってクッチャロ湖の
対岸から撮ってみたら
点景となって轟沈しますた
その天北線が最も《クッチャロ湖》に近づくのは、次の安別仮乗降場付近であろう。 湖は山軽付近のくびれより小沼となり、飛来する鳥も渡り鳥から水鳥となる。 その安別仮乗降場の直前まで《クッチャロ湖》の小沼が広がり、それと並走する天北線を撮影する事ができた。
やっぱり小僧は
逆光の補正が上手くできてませんねぇ
筆者もここで何枚か撮ったのであるが湖のある方向は夕暮れを除いて終日逆光気味で、残念ながら写真のデキは今イチであった。
安別仮乗降場の待合室
:
現在はサイクリングロードの
休憩所となっている
※ ウィキペディア画像より
現役時代から建付けの良かったこの乗降場の待合室は、補修されてサイクリングロードの休憩所として使われている。
感染者が急増する『武漢ウイルス』
これは究極の『3密阻止』を
実行したとしても終息には向かわない
なぜなら根本原因を糾さぬまま
例え究極ともいえる街の閉鎖をしても
終息はおろか感染拡大も止められないだろう
旅行による移動者や
飲食店での密集に責任転嫁しているが
原因は世界覇権を目論むシナ共産党が
撒き散らしたウイルス兵器なのだ
それはこの『武漢ウイルス』が
媒体であるコウモリが異常繁殖するなどの
天変地異が発生した訳でもないのに
シナ人の入国緩和の失政と共に
感染が爆発的に拡大した事が
根拠として挙げられる
もし『武漢ウイルス』が自然発生的なモノなら
媒体が異常に繁殖する事がない限り
2次・3次の感染拡大は起り得ないし
それがなければ自然終息して然るべきなのだ
だから『武漢ウイルス』を終息させる方法はただ一つ
それはシナ共産党を完膚無きまでに討ち滅ぼし
シナ共産党幹部を全て処刑・処罰し
シナ人を棄民として
シナ領内に封じ込める事なのである
その為にウイルスを撒き散らした
邪悪な国・シナと事を構えるのは
世界を守る為に必須な事だし
その覚悟も必要だと強く思う
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No Subject * by 根室大喜
オオワシが流氷に乗ってる姿を見ましたが、写真に収めることができませんでした。シャッターチャンスを逃したことが返す返す残念です。
Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、こんばんは。
それは絶好のシャッターチャンスですね。
この撮り返しは、来年の冬に私が撮り返せたら・・いいなぁ。
それは絶好のシャッターチャンスですね。
この撮り返しは、来年の冬に私が撮り返せたら・・いいなぁ。