風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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私の訪ねた路線  第47回  三陸鉄道・北リアス線

『私の訪ねた路線』  第47回  三陸鉄道・北リアス線  〔岩手県〕
 

北山崎から戻ったついでに1ショット
コレ一枚のみ
田野畑駅にて
 
《路線データ》
営業区間と営業キロ  宮古~久慈 71.0km
宮古~田老は旧国鉄宮古線・普代~久慈は旧国鉄久慈線の第三セクター移管線
 
        運行本数  宮古~久慈 12往復
              田野畑~久慈 下り1本
              盛~久慈 2往復(JR山田線・南リアス線直通)
 

田野畑~八戸
の昔ながらの手書き乗車券
 
   《路線史》
元々は旧国鉄廃止転換の対象となっていた久慈線・宮古線・盛線の3路線で、“特定地方交通線の第三セクター化”の第1号として1984年4月に経営移管された路線である。 それと同時に、建設中であった盛線延伸区間の吉浜~釜石と久慈・宮古線の未通区間であった普代~田老も同時に開業した。

開業当初は“転換路線の第一号”として注目を集めた事もあって黒字運営を達成し、“第三セクター路線のモデルケース”と謳われていた。 だが、年を経る毎に経営状況が苦しくなってきている・・との事である。
 

田野畑駅入場券
勢いだけで開業した
廃止ローカル線からの第三セクターは
どこも今は存亡の危機を
取り沙汰される経営難との事

路線運営の点では、運行本数が少なく接続が著しく悪いJRとの連携を捨てて民営のバス会社とタイアップしたり、レンタカー事業やツーリストなどの旅行企画業務を手掛けたりと、かなりの経営努力が見受けられる。

JR山田線を介して盛~久慈の南北リアス線の直通運行もあるが、直通で乗車する乗客の見込みはなく、むしろ直通列車は運用の都合上で仕立てられたものであろうと推察できる。
 

 

豪快な海崖を魅せる北山崎
 
   《沿線景勝地探訪記》
実を言うとこの線には2~3回乗った事があるのだが、いずれも乗車中に爆睡してしまって乗車記を記すにはあまりにも記憶が無さ過ぎて不能となっている。 従って、付近の景勝地を訪ねる旅を掲載しよう。
 
その訪ねる景勝地とは、やはり国立公園にも指定されている陸中海岸であろう。 まずは北山崎。
荒々しい断崖絶壁にぶち当たる波の情景と、波に削られた海食洞の情景が素晴らしい。
 

大きな海洞が並んで口を開ける
《北山崎》の代名詞
 
北山崎へは、田野畑駅からタクシーを利用するのが最も近いようだ。 だたっ広い駐車場でタクシーを降りて、観光茶屋のある広場を抜けていくと《北山崎》の展望台だ。 ここは《北山崎》の崖の突端にあり、海抜200mからの《北山崎》を始めとする『三陸海岸』を一望できる。 だが、荒波が白く砕け散る光景や海食洞など、自然の造形美を見るには少し遠過ぎるのである。 
 

観光客の立ち寄る下限
第二展望台から《北山崎》の海崖を望む

しかし、《北山崎》はこれで終わりでない。 むしろ、これからが見どころとなるのだ。 それは、この崖を下まで下る事で叶うのであるが、高低差は先程述べたように200m。 階段にして718段の苦行である。
だが、はるばる東北の東端まで訪れたのだ。 “美味しい所”を見ずに上っ面だけを眺めても、それは心に残らないのである。 ここは体力の許す限り、是非とも往復1436段の苦行を乗り越えたいものだ。

但し、階段は急なコンクリート階段で、ここでの転倒は大怪我につながりかねないので、ハイヒールなどの安定の無い靴は見合わせた方が賢明だ。
 

望遠で渦巻く
波を狙ってみたが
 
・・さて、コンクリートの階段をつづら折りに下っていくと、約200段下に《第二展望台》という中間の展望台がある。 だが、ここは周りの木々で崖側が覆われて、今イチパッとしない。 これならば、先程の崖上の展望台の方が眺めがいいだろう。 コンクリートの階段は、これよりが急勾配となる。 
 
階段の踏み幅は25cm位となり、横の手すりを持ってでないと下るのに恐怖感を伴うようになってくる。 これをズンズン下っていくと、洞の直径が30mはあろうか・・という海食洞の洞門が眼前に見えてくる。 そして、昔の『三陸越え』の街道(現在は島越へ抜ける自然歩道となっている)を分けて、柵のある波打ち際まで下っていく。
 

波が岩礁を洗い
白い波の花を咲かす
 
目の前には、先程の洞門の中で波が白く渦巻いている。 上の展望台からは小さな針の穴であった海食洞が、あちらこちらに迫力を増して点在してるのが確認できるだろう。 そして圧巻は、その海食洞に白波が砕け散る様である。
 

引き潮と寄せ波が
合いぶつかって波の渦を魅せる
 
“いつまでも眺めていたい”と思わせる情景が、そこにあるのだ。 ここは、時間の許す限りこの情景を味わおう。 帰りは、当然の如く718段の登りとなるが、無理せずにゆっくりと登っていこう。 

途中で分岐している自然歩道に、少しだけ立ち寄るのもいいだろう。 木陰の中にベンチがあり、《北山崎》の海岸と無名の海岸滝がひっそりと白布を掛けているのが望めるだろう。 
但し、このベンチより先はかなり荒れているので、あまり奥には進まぬように。
 

下る途中にあった海岸滝
もちろん無名滝だ
 
休憩を交えながら、コンクリート階段にある10段づつの指標が減っていくのを楽しみにしながら戻っていこう。 なお、田野畑駅より1つ宮古寄りの駅・島越にある港からは、《北山崎》を海から望む観光船の就航している。 船から望む北山崎も乙である。  

また、レンタカーを借りて、《鵜ノ巣断崖》や《潮吹穴》に立ち寄ってみるのもいいだろう。 
《鵜ノ巣断崖》の左折地点は国道標識に掲げてあるので、見落としさえしなければ大丈夫である。 
さて、その《鵜ノ巣断崖》であるが、《北山崎》と比べたなら“今ひとつ”であろう。 だが、安全に三陸の長い海岸線を望める所である。
 

途中の観光スポット
鵜ノ巣断崖
 
もう1つの寄り道先は、《潮吹穴》である。 ここは風景的には“大ハズレ”だが、何故か許せるのである。
それは、案内看板に「この《潮吹穴》はあまり潮を吹く事が少ないので、別名“ホラ吹穴”と呼ばれている」とあるからだ。 向こうから、“ホラを吹いてます”と言われれば、苦笑いをする他にないであろう。
 

現在“ホラ吹き”中の
潮吹穴

もう一つの訪ねたい景勝地は、『三陸海岸』では最も有名な観光スポットである《浄土ヶ浜》だ。
その情景は、正に“極楽浄土”への浜であった。 青く澄んだ海と美しい玉砂利の海岸、そして白く美しい岩礁。 全て、絶好のカメラターゲットとなる。 観光客が多いのは難点だが、是非とも立ち寄る価値がある海岸だ。 夏の透き通った海を前に、浜の前でゆったりとした気分を満喫しよう。
 

正に透き通った夏
浄土ヶ浜にて

   ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『三陸鉄道・北リアス線』と
     メインサイトより『陸中海岸』を御覧下さい。



 
 
 
 
 
 
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No title * by ひでさん
北山崎の朝陽は素晴らしかったですが、今は地震でどうなっているのでしょうか。田老に泊まり、うきうきしながら早朝、車を飛ばしたのが思い出されます。

No title * by 風来梨
ひでさん様、こんばんは。
コメント有り難うございます。

私が北山崎に訪れたのは、10年前の夏と6年前の正月です。
残念ながら朝日は撮れませんでしたが、冬の波の厳しくも心が熱くなる眺めは間近で堪能しました。

今はどうなっているのでしょうか? 早くいつものように美しい情景が見られる日が来るのを心待ちしています。

でも、今の民主党を一秒でも早く引き摺り下ろさねば停滞したままになるのが気がかりです。 増税も被災地の為ではなく、特アへの貢ぎ金ですから。

コメント






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No title

北山崎の朝陽は素晴らしかったですが、今は地震でどうなっているのでしょうか。田老に泊まり、うきうきしながら早朝、車を飛ばしたのが思い出されます。
2011-10-04 * ひでさん [ 編集 ]

No title

ひでさん様、こんばんは。
コメント有り難うございます。

私が北山崎に訪れたのは、10年前の夏と6年前の正月です。
残念ながら朝日は撮れませんでしたが、冬の波の厳しくも心が熱くなる眺めは間近で堪能しました。

今はどうなっているのでしょうか? 早くいつものように美しい情景が見られる日が来るのを心待ちしています。

でも、今の民主党を一秒でも早く引き摺り下ろさねば停滞したままになるのが気がかりです。 増税も被災地の為ではなく、特アへの貢ぎ金ですから。
2011-10-04 * 風来梨 [ 編集 ]