2020-11-25 (Wed)✎
よも”ヤマ”話 第125話 雲ノ平外輪山の名峰めぐり その3 (三俣蓮華・双六)
〔富山県・岐阜県・長野県〕 '95・8
三俣蓮華岳 2841m 、双六・丸山 2854m 、双六岳 2860m
双六岳の頂上は
お花畑と鷲羽岳の好展望台だ
三俣蓮華・双六 みつまたれんげ・すごろく (中部山岳国立公園)
三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)は、飛騨山脈にある標高2,841mの山で、古くは立山七十二峰の1つに数えられてきた。 山域は、中部山岳国立公園に指定されている。 ほぼ飛騨山脈の中央部に位置する峰で、比較的なだらかな山容で東側に圏谷地形(カール)があり、高山植物が咲き乱れるお花畑の豊富な山として知られる。 とりわけ双六岳との間の巻き道は花が豊富である。中生代の花崗閃緑岩から成る山である。
二つの峰をつなぐ稜線上に咲く
コバイケイソウ
:
三俣蓮華と双六の間のカールは
山の短い夏に花の器となる
山名の由来であるが、現在の三俣蓮華岳は明治の登山黎明期には『鷲羽岳』と呼ばれていた。
そして、その北東方向にそびえる現在の鷲羽岳 2924m は『東鷲羽岳』、あるいは『龍池ヶ岳』と呼ばれていた。 戦国時代末期から江戸時代の間の加賀・前田藩政時代に、飛騨山脈の大半は加賀藩の奥山廻りによって調査され、山名や地形が詳細な絵図に記録されていた。 特に、この現在の三俣蓮華岳付近は、加賀藩政時代は『三国境』としての重要地点で、詳細に調査されていた。
ところが、1910年に日本山岳会の小島烏水と高頭仁兵衛が、上高地の上條嘉門次を案内人として信州方面から登山した折、彼らにとってはこの山域は処女地であった。 この時に、三俣蓮華岳の越中側での呼び名を知らなかった案内人・嘉門次に、「飛騨の猟師が、この山で熊を射止め、熊の膽(キモ)のつもりで俗称蓮華膽(肝臓)を腹から引き出して喰ったのを聞いて、嘲笑した信州の猟師達が「蓮華喰みの岳」と皮肉ったのを略して蓮華と呼んでいる」と説明された。
当時の参謀本部陸地測量部の5万分の1地形図では、従来の越中側の山名を踏襲して鷲羽岳と記されていた。そこで日本山岳会の面々は、陸地測量部に調査不十分であると地形図の訂正を強く求めた。
その結果1930年(昭和5年)の修正版で改訂されて現在に至っている。
双六岳から望む三俣蓮華岳
双六岳(すごろくだけ)は、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈『通称・裏銀座』の主稜線に位置する標高2,860 mの山である。 双六岳を含む飛騨山脈の主な山域は、1934年12月に中部山岳国立公園の指定を受けている。 花の百名山・ぎふ百山・新高山市100景の一つに選定されている。
北側には飛騨山脈の主稜線が延び、三俣蓮華岳で立山連峰が後立山連峰へと延びる主稜線から分岐する。 この山頂で稜線は東南東に向きを変えて、槍ヶ岳・穂高岳へと主稜線が続き、東南東の隣のピークの樅沢岳から南西に分岐した稜線が、弓折岳を経て笠ヶ岳へと続く。
また、新穂高温泉からの1955年に開設された『小池新道』の先には、双六岳と樅沢岳との鞍部がある。 双六岳から南東方向へ下ると、鷲羽岳や槍の西鎌尾根、そして小池天童なと、各方面からの登山道が交差する要所で、その交点には双六小屋がある。
双六岳は椀を伏せたような緩やかな高原状の山体で、山頂は砂礫の台地となっていて周氷河地形の線状構造土が見られ、その上に浮かぶ槍ヶ岳と穂高岳の展望地である。 日本で44番目に高い山で、山頂には二等三角点が設置されている。 三角点の点名は「中俣岳」と名付けられている。
カールの花の器には
可憐な花が咲き乱れる
最後に『双六』の山名の由来は、神通川水系最上流部の双六谷に、すごろくの碁盤に似た盤の石がある事が山名の由来であるとする説がある。 また『四五六谷』が転化して双六谷になったとする説もある。
山稜部は森林限界の高山帯で、東面の中道には圏谷地形(カール)があって夏でも雪渓が残り、その登山道周辺には大規模な高山植物の群生地が広がっている。
雲ノ平外輪山の名峰めぐり《3日目》 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR富山駅より鉄道(0:50)→有峰口駅よりバス(1:15)→折立
(4:20)→太郎平小屋(0:20)→薬師峠キャンプ場
《2日目》 薬師峠キャンプ場(0:20)→太郎平小屋(1:40)→北ノ俣岳(3:20)→黒部五朗岳
(2:00)→黒部五朗小舎
《3日目》 黒部五朗小舎(2:20)→三俣蓮華岳(1:30)→双六岳(0:50)→双六
《4日目》 双六(1:00)→弓折岳分岐(2:20)→抜戸岳(1:10)→笠ヶ岳(3:10)→弓折岳分岐
(1:00)→双六
《5日目》 双六(1:00)→弓折岳分岐(0:40)→鏡平(1:20)→秩父沢(1:10)→ワサビ平
(1:00)→新穂高温泉よりバス(1:40)→JR高山駅
※ 前話『第124回 雲ノ平外輪山の名峰めぐり その2』の続き
三俣蓮華岳と双六岳は
裏銀座の山々では認知度は低いが
カールと砂礫の平原を抱く花の山だ
《3日目》 雲ノ平外輪山の稜線を伝って双六へ
昨日、《雲ノ平》外輪山の約半周を伝うロングコースを歩いてきたので、多少の疲れが残っているだろう。 まぁ、この時は『奇跡の体力』の全盛期で、疲れの自覚症状は皆無だったが、幕営装備と山中5日分の食料、そしてカメラ一式の23㎏担いで7時間以上あるいたからね。
昨日の夕空から予想すると
明日はたぶんいい天気にはならないだろう
従って今日は、歩行時間が5時間足らずの軽めの行程を組む安息日としたのである。 長い山行では、こういう設定も時には必要なのである。
特にこんなドス黒い
夕焼け雲がたなびいたなら
だが、ヘタレた現在では、『奇跡の体力』のホルダー時の1.5~2倍(下りは特に遅くて『下り三倍満』だしィ)かかって、到着までに9時間~10時間かかる事がザラで、こういう場合は如何に判定したらいいものか・・という事が今の研究課題である事は藪の中に。
天気が悪いと写真を
撮る気がなくなるんだよね~
だからこの薬師岳の夕景をもって
打ち止めの可能性もあるかも
少し、自嘲な文が入ったが、それでは出発しよう。 でも、歳食うと、色々な負の要素が心身にまとわりついてくるよ。 それが、イッキに我が身に襲い掛かったのか今年ですね。
三俣蓮華・双六の記事なのに
三俣蓮華は昨日撮ったコレのみ
さて、《黒部五朗小舎》を出ると、すぐに樹林帯の中へ分け入っての急登となる。 この登りは岩ガラの上に樹木が乗っかったような感じで、振り上げる足の歩幅はかなり大きい。 この樹林帯が針葉樹林からハイマツのブッシュとなると、キツい登りもあとひと息だ。 ハイマツのブッシュ帯を這い上がっていくと、広い砂ザラ地の上に出る。 ここは小さいながらもお花畑が点在していて、まるで《肩の広場》と思しき光景だ。
『肩の広場』もどきは
小さなお花畑の庭園を成していた
このような光景ゆえに“肩”と思い込みがちになるが、《三俣山荘》への下り道が分かれていないので、ここは“肩”ではないという事が判る。 この広場から右に直角に折れて、岩の間をすり抜けるように歩いていくと、本当の“肩”の分岐に出る。
だがここは、あの《肩の広場》もどきとは似ても似つかない岩間の一角で、全く持って“肩”の雰囲気のカケラもない所だ。 ここから岩の切れ間を登っていくと、砂利や石の転がった広い丘の上に出る。
ここが三俣蓮華岳 2841メートル の頂上だ。
三俣蓮華の頂上は霧で白夢の状態だった
:
ひとりアリバイ写真も撮るのに
失敗しちゃったので
西鎌尾根から撮った三俣蓮華岳おば・・
この山のそびえ立つ位置からだと、鷲羽岳と黒部五朗岳の素晴らしい展望が広がっている事だろう。
だが、この日はあいにく濃霧に巻かれ、殺風景な丘でしかなかったのである。 展望がなければ何もない所なので、判りにくい所にある三角点をバックに“アリバイ写真”を撮って出発したのだが・・。
雪渓の脇の草付きに咲いていた
ハクサンイチゲ
双六岳の山頂を通る稜線縦走路は、山頂の右端に転がる大岩の背後から続いており、道標の矢印を鵜呑みにすると戸惑うかも知れない。 ここから、砂礫帯の痩せた尾根を下り気味に歩いていく。 信州側が崖となっている細い稜線を伝うと信州側に大きな雪渓が現れて、この縁をかすめるように登り返していく。
これをしばらくつめると、岩に『丸山』と記してあるピークの上に出る。
可哀そうな丸山の手向けに
白の宝石・アオノツガザクラを進呈しよう
:
『丸山』と名付けられた峰は
ぞんざいな扱いを受ける事が多いね
南アの悪沢・丸山は悪沢の源頭の峰で
正式の『悪沢岳』はこの丸山なのに
標高も3032mと3000m越えてるのに・・ね
このピークは双六・丸山で、標高は2854m。 この『裏銀座』の山域では十指に入る高峰なのだが、ほとんど無視されていて、登頂しても何の感慨も湧かない悲運の山である。 このピークを越えると飛騨側に移って、今度は飛騨側が切れ落ちた痩せ尾根を予想外の急下降で下っていく。 この急下降を過ぎると、ようやく双六岳への取付だ。
双六岳への登りは、下った分そのまま取り戻さねばならないので、かなりのオーダーとなる。
約150m位だろうか・・、急な坂を登っていくと、大きな岩コロが積み重なった双六岳 2860メートル の山頂に出る。
双六岳でのアリバイ写真
:
今より10㎏も太っているのに
今より2倍以上山で早く歩けた
今のワテをして
詐欺とも思える魔訶不思議の一つ
双六の頂上を発つと程なく
急速に鷲羽岳方向の霧が晴れてきた
『双六』という名前がトボケたイメージを抱くからだろうか、この山も標高の割には人気のない山である。 また巻道があり、無理して山頂を通らずともよいというのも、評価を下げた要因かもしれない。
双六岳は槍・穂高や鷲羽・水晶に
比べて名は通ってないが
頂上丘に花が咲き乱れる
大草原を抱く魅力あふれる峰だ
だが、この双六岳山頂の南側にはガレ岩からなる大平原が広がっており、時期が合えばウルップソウの紫がこの岩ガレの大地を飾るのである。 この広大な頂上大地を、その尽きる所まで歩いていく。
双六岳の頂上平原に咲く
ハクサンイチゲ
:
花の山との称号に相応しく
花の一輪一輪が凛々しく美しい
頂上標柱の立っている所から30分程歩くと、岩が崩れ落ちている下降点に出る。 ここから、岩崩れの小さい所をトラバースで伝うように下っていく。
霧が晴れてきて薄っすらと青空も・・
:
正面にどっしりと構える
鷲羽岳が現れた
天候は少し持ち直してきて、正面に鷲羽岳がどっしりと構えているのが見えた。 この岩ガレの下りはザラザラして滑りやすいので、鷲羽岳の勇姿に見とれて足元が疎かにならぬように。
双六のカール地形をゆく
お花畑ルートとの合流点には
イワカガミが咲き乱れていた
この岩ガレ場を下りきって、イワカガミの咲き乱れる草付きで双六岳の裾を巻く巻道と合流した後に、下に見える《双六山荘》の屋根に向かって急下降で下っていく。
本来なら山荘を見下ろす画が欲しいけど
撮るの忘れたから華麗な裏技の使い回し
写真撮るの忘れたので
双六のテント場とキャンプ場と
そびえる双六岳も使い回し
《双六》は、水場設備や便所がよく整備された北アでも最大級のキャンプ場だ。 明日は、笠ヶ岳への空身での往復なので、この《双六》には今日・明日と2日間お世話になる。 できるだけ平ないい場所にテントを設営しよう。 後は、鷲羽岳が赤く染まる夕景を待つのみである。
登山基地・双六での
プレミアムなひととき
今日の空をぐずつかせた
黒雲が白い雲に変っていく
鷲羽岳の頂稜部を覆っていた
黒雲が離れると斜陽が差し込み始めた
そして空は夕暮れの色彩が覆い始めた
振り返ると樅沢岳の方向は
雲が晴れて月も出ていた
明日の好天を呼ぶ青空が
鷲羽岳のすぐそばまで来ていた
今日の空を一日中覆っていた黒雲は吸い込まれるように東の空に去っていき、鷲羽岳の頂のすぐそばまで青空が接近していた。 また振り向けば、樅沢岳の方向は青空に月が光る雲一つない快晴となっていた。
どうやら、明日は絶好の山日和となりそうだ。
※ 続く《4日目》の行程は、次話の『第126話 その4』にて
また外国人優遇法案が国会承認されたね
何でも在留外国人の生活の安定の為に
日本人が尽くさねばならないらしい
そう・・尽くすって事は
日本人は税を払って
外人の暮らしを支えなければならないが
外人には日本の国に合せる
努力目標は特に定めのない
一方的なもてなしを求める法案だそうだ
こんな事を考え就くのは
やはり日本人でないチョンの
日本人成り済まし議員だろうね
「皇室はチョンと縁(血縁)がある」と
日本人では有り得ない文言を吐いた
チョンの背乗りの前天皇・アキヒト
小室圭とかいうチョンと
婚姻を結び国の金を湯水の如く
使おうとする皇族のチョンのメスモドキ
そして国会の外人優遇法案・・
どれもこれもチョンの背乗り天皇・ヒロヒトを
終戦時にキチンと処刑せずに逃げた壮大なツケなのだ
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No Subject * by 根室大喜
出たがりなんですね^^)v
Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、こんばんは。
> 出たがりなんですね^^)v
出たがりというより、「出したがり」ですね。 もう、ドン退かれようが、『オチャメ』な体験を書きたくて仕方ないワタシ。
> 出たがりなんですね^^)v
出たがりというより、「出したがり」ですね。 もう、ドン退かれようが、『オチャメ』な体験を書きたくて仕方ないワタシ。