風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第123話  雲ノ平外輪山の名峰めぐり その1 (黒部五郎岳へ)

よも”ヤマ”話  第123話  雲ノ平外輪山の名峰めぐり その1 (黒部五郎岳へ)
   〔富山県・岐阜県・長野県〕 '95・8
太郎山 2373m、北ノ俣岳 2661m〔名峰次選 25峰目〕、赤木山 2622m、
黒部五郎岳 2840m【名峰百選 49峰目】

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黒部五朗岳とお花畑

  黒部五郎岳 くろべごろうたけ (中部山岳国立公園)
この峰は、富山県富山市・岐阜県飛騨市及び高山市にまたがる飛騨山脈の標高2,840mの峰である。
別名、中ノ俣岳(なかのまただけ)や鍋岳と呼ばれているが、いずれも一般的ではない。
なお、黒部五郎岳は富山県側、中ノ俣岳は岐阜県側の古来の名称とされている。 我が【名峰百選】に選びし峰で、花の百名山にも選定されている。 山域は中部山岳国立公園に指定されている。

立山連峰が薬師岳より南下して、太郎兵衛平から北ノ俣岳を経て続くなだらかで広々とした稜線の先に、大きななカール(圏谷)を抱く特異な山容を魅せている。 花崗閃緑岩で構成され、山頂付近は岩が積み重なった砂礫地である。 飛騨山脈の奥深い位置にある為に日帰りの登山が困難で、山小屋やキャンプ指定地を利用し山中で数泊して登られる事が多い。

山名の由来であるが、人名のような山名の「五郎」は、山の用語であるゴーロ(大きな岩がゴロゴロした場所)が山名の語源で、それに五郎という当て字をあてているのである。 また、苗字のような「黒部」も、村名が由来であるという。

これは近隣の野口五郎岳についても同様で、黒部村の五郎岳と野口村の五郎岳という言い方で、比較的近接している二つの山を区別したものである。 歌手の野口五郎の芸名は野口五郎岳にちなんだものであり、デビュー前には「黒部五郎」も芸名の候補に挙げられていたという。 また、東側が欠けた鍋のように見えていた事から、「鍋岳」とも呼ばれていた事があった。

この山の景観は、何といっても頂上の東側にあるカール地形だろう。 夏の花期ならばカールの中は花の器となり、コバイケイソウがカールの器に白い花の彩りを添えるのである。



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雲ノ平外輪山の名峰めぐり《1日目》 行程図

   行程表            駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR富山駅より鉄道(0:50)→有峰口駅よりバス(1:15)→折立
     (4:20)→太郎平小屋(0:20)→薬師峠キャンプ場
《2日目》 薬師峠キャンプ場(0:20)→太郎平小屋(1:40)→北ノ俣岳(3:20)→黒部五朗岳
     (2:00)→黒部五朗小舎
《3日目》 黒部五朗小舎(2:20)→三俣蓮華岳(1:30)→双六岳(0:50)→双六
《4日目》 双六(1:00)→弓折岳分岐(2:20)→抜戸岳(1:10)→笠ヶ岳(3:10)→弓折岳分岐
     (1:00)→双六
《5日目》 双六(1:00)→弓折岳分岐(0:40)→鏡平(1:20)→秩父沢(1:10)→ワサビ平 
     (1:00)→新穂高温泉よりバス(1:40)→JR高山駅

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広大な草原状の尾根を歩伝って
花の器・カールを抱く名峰へ

 《1日目》 折立より太郎平へ
去年の『山旅放浪』では、立山・薬師から高天原・雲ノ平を経て鷲羽・水晶へ向かったので、今回の『雲ノ平外輪山の峰々』は踏破する事が叶わなかったのである。 それで、今年は満を持して、この『雲ノ平外輪山の峰々』を踏破する山旅を企画したのである。

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今回の山旅も薬師岳を越えてきた前回同様
日数のかかる大がかりな山旅だ

だが、この山行企画は、前回の『立山・薬師~雲ノ平~鷲羽・水晶』同様に山中4~5泊を要する大がかりな山行となるのである。 それて、どうせ大がかりとなるなら、ついでに双六からあさっての位置にそびえる孤高の名峰・笠ヶ岳も踏破する企画を立ててみた。 それでは、去年に続いての北アの大縦走山行記をごろうじろ。

今日の行程は、下山後の”宿泊場所”のマイカーの回収を容易にすべく、立山駅の無料駐車場に止め置いて、立山から富山地鉄ガチャコン(この頃は旧型電車が唸りながら行き交うガチャコンだったよ)に乗って有峰口まで出て、そこからバスで登山口の折立に向かう。

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山岳指導所の詰所として
使われている折立ヒュッテ
このヒュッテは休憩のみで宿泊不可だ
※ 北アルプス山小屋ウェブより

登山客で組ん陰となったバスで、1時間半ほど揺られて折立に。 折立はもう登山者のマイカーで満杯で、車で行ってもたぶん駐車できなかったと思う。 折立ヒュッテ内にある山岳指導所で、登山届を出して出発。

登山口をくぐると、ブナ林とクマザサが生い茂る中のジグザグ登りから始まる。 ジグザグ登りを繰り返しながら植生がブナ林からクロベの林になるまで登っていくと、尾根筋に出て次第に傾斜も緩くなる。
なおも登り続けると、オオシラビソやシラカバの樹林帯の中を行くようになり、これを抜け出ると標高1870m三角点のある広い丘の上に出る。 ここら辺りから薬師岳が顔を覗かせてくる。 

この三角点の丘から草原地帯を下り、樹林帯の中に一度もぐり込んでから整備された石畳の坂をイッキに登っていく。 この石畳の坂を下から見ると、万里の頂上の城郭跡のように見える。 この石畳の坂で高度をグングン稼いでいく。 

登っていく内に周囲の木々が潅木に変わり、やがて森林限界を越えて樹木が姿を消すようになると、池塘やお花畑が点在してきてそれらしくなってくる。 点在する砂礫地のお花畑の中を緩やかに登っていくと、やがて《太郎平小屋》が上に見え出し、その裏手に登り着く。 

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薬師岳を見上げて
※ 去年の立山・薬師・雲ノ平の山旅より

小屋の正面に周って重いザックを下ろしたなら、小屋前に広がる数々の名峰がおりなす素晴らしき眺めを楽しもう。 まず、目を引くのが薬師岳であろう。 尾根を大きく広げてそびえ立つその姿は壮観だ。 

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光芒に輝く北アの峰々と雲ノ平

《雲ノ平》の溶岩台地は、山なみの中に浮かぶ“緑の島”のようだ。 もし、朝に雲海が立ち込めたなら、正しく“雲の上に浮かぶ楽園”となろう。 また、その背後に黒光りした姿を示す水晶岳には、登山の思いを馳せずにはいられまい。 遠くに見える槍ヶ岳の“天衝く”穂先も印象的だ。 

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トイレ・水場完備の薬師峠キャンプ場
※ 太郎平小屋のウェブサイトより

名峰のおりなす素晴らしき風景に、時を忘れてしばし酔おう。 そして、素晴らしき景色に“ほろ酔い”気分になったなら、ニッコウキスゲの咲く丘を下って《薬師峠》のキャンプ場に向かおう。 《薬師峠》は、便所・水場完備の絶好のキャンプ場である。 明日は、黒部五朗岳を経て《黒部五朗カール》の端にある《黒部五朗小舎》まで、《雲ノ平》の周りを半周近く歩く事になる。 今夜はゆっくりと休息して明日に備えよう。



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広潤な平原状となっている
雲ノ平外輪山の稜線上を伝っていく

 《2日目》 太郎平より黒部五朗岳を経て黒部五朗カールへ
今日は、《雲ノ平》の周りを約半周するロングラン行程だ。 従って、出発も早い方がいい。
《薬師峠》のキャンプ場から20分程緩やかに登ると、《雲ノ平》との分岐である《太郎平》だ。
山荘の前を通ると、宿泊客が御来光を眺めたり、出発の準備などをしている事だろう。 山荘を見送ってすぐの所にある分岐を右手の『ダイヤモンドコース』の方へ進路を取る。 

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雲ノ平外輪山の名峰めぐり《2日目》 行程図

分岐を過ぎてからザラ砂の坂を緩やかに登っていくと、太郎山 2373メートル の頂上に出る。
頂上といっても丸い砂礫の丘で、頂上標柱がなければピークとも感じない所だ。

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ともすれば今いる外輪山の稜線上より
高い位置にある雲ノ平の台地

このピークから少し下ると、北ノ俣岳方向の見通しが良くなってきて、北ノ俣岳から黒部五朗岳への緑濃き美しい稜線が《雲ノ平》を緩やかに囲んでいるのが見渡せる。 また振り返ると、お花畑を借景に薬師岳が優雅な姿を魅せてくれる事だろう。 

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ハクサンイチゲが咲く草原を
借景に望む黒部五郎岳

ここからしばらくは、ハクサンイチゲの大群落や草原と池塘を借景とした山岳風景を見ながらの気分のいい稜線遊歩が楽しめる。 やがて、草原地帯からハイマツ帯に入り、その中の岩屑の斜面を急登すると《北ノ俣岳ノ肩》と呼ばれる尾根筋の上に出る。 この尾根上も、ハクサンイチゲの大群落地だ。 

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北ノ俣岳付近の草原も
大地が花の色に染まるお花畑だ

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振り返ると東南稜を延ばした
薬師岳が大きく鎮座していた

この肩からお花畑を愛でながら10分程歩いていくと、右手から『神岡新道』が合流して北ノ俣岳 2661メートル 山頂に着く。 ここから望む黒部五朗岳へ続く山なみは、彫りの深いシブい姿を魅せている。 
また、《雲ノ平》を浮かび上がらせている黒部川源流は、『縦ビンガ』の地形を創って黒部五朗岳の奥の方へ入り込んでいる。 ひと味違った山岳風景を満喫したなら、先に進んでいこう。

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雲ノ平の奥に水晶岳が望めた

北ノ俣岳から先を望むと、ガリガリに痩せた稜線が赤木山にかけて連なっている。 しかし、これは見かけ上だけで、実際に歩いてみると単なる岩屑のゴロゴロしたアップダウンで多少汗をかく程度で乗り越える事ができる。


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この山旅が放浪に出てから9発目・・
放浪山旅の夏も終わりに近づき
秋口の花・タテヤマリンドウも見られた

赤木山 2622メートル の下りで少しガチャガチャした岩場を通過すると、稜線上の幅が広くなってくる。 ここから砂礫の丘のような小ピークを幾つか越えると、黒部五朗岳の取付となる《中俣乗越》に出る。 

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中俣乗越からは雲ノ平と水晶岳が
お花畑が正面の峰となる
この景観の変化は
外輪山が雲ノ平を
円周状に囲っている証だろう

見上げると、さっきまで遙か遠くにあった黒部五朗岳が間近に迫ってそびえているのが目に入るだろう。 天をも衝きそうな勢いで急斜面を上に延ばしているように見えるが、実際に登ってみると“肩”まで40分程で登ってしまうので、見かけ程にはキツくはない。

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薬師岳の上空を帯雲が流れ込んできた
美しくも午後の空模様が
下り坂となる暗示の雲情景だ

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天気が下り坂となるのを暗示するかのように
雲の割合が増えてきたよ

登山道は概ね黒部川側を巻くようにトラバース気味に伝っていく。
足場は踏み固められた砂礫帯なので、崩れたりする心配はまずないだろう。 

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カールへの下降分岐は
薬師岳がそびえる広潤な草原大地と
黒部五郎岳の砂礫帯の合流点だ

この砂礫帯を登っていくと、色とりどりのザックがデポってある黒部五朗岳の“肩”が見えてくる。
これが見え始めてから砂礫帯を4~5回ジグザグに切って登ると、“肩”の上に這い出る。
ここから黒部五朗岳のピークまでは、岩ガレを登ること15分位だ。 前踏者と同じく、荷物を“肩”にデポっていこう。 

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黒部五郎岳の頂上にて
髪ボサボサのこのモサい成りの時が
間違いなくワテの最強の時だった

黒部五朗岳 2840メートル の頂上からは、槍の穂先や水晶岳が逆光のバックライトに照らされてシャドー気味に見渡せる。

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正午過ぎの逆光・バックライトに
照らされる水晶岳

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雲ノ平外輪山と対峙してそびえる
裏銀座の山なみ

ワテの眼で見た感想ではあるが、槍の穂先は順光線の中で望むより逆光のバックライトに照らされてシャドー気味に望む方がいい感じである。 山なみを見るのもいいし、今まで歩いてきた稜線を望むのも感慨深いであろう。

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真正面にそびえる鷲羽岳
明日はあの峰の更に奥にある
テント場まで歩いていくのだ

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カールへの下降は滑りやすいザラ場の
急下降なので気を引き締めて・・

黒部五郎岳の頂からの絶景を思う存分味わったなら、今度はカールの花の器に向けて下っていこう。
ただ気がかりは、あれだけ快晴だった空が、午後に湧き立つ雲で陰り出してきた事だろうか。

 
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