風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第455回  秋田駒ヶ岳・秋景

『日本百景』 秋  第455回  秋田駒ヶ岳・秋景 〔秋田県〕

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秋田駒の最高峰・男女(おなめ)岳と男岳(おだけ)

  秋田駒ヶ岳  あきたこまがたけ  1637m (十和田八幡平国立公園)
秋田駒ヶ岳(あきたこまがたけ)は、秋田県仙北市と岩手県岩手郡雫石町に跨る活火山で、十和田八幡平国立公園の南端に位置する標高1,637mの峰である。 全国に数多い駒ヶ岳のなかで最も高山植物の豊富な山としても知られている。

この峰は秋田県随一の高峰で、山頂部には北東から南西方向に2つのカルデラが並び、本峰の男岳(おだけ、1,623m)や火口丘の女岳(めだけ、1,512m)、寄生火山の最高峰・男女岳(おなめだけ、女目岳とも書く、1,637m)からなる。 各地の駒ヶ岳と区別する為に秋田駒ヶ岳と呼ばれ、地元では「秋田駒(あきたこま)」とも呼ばれている。 昔は女人禁制の信仰の山であった。

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男岳山頂に建つ
山岳信仰の赤鳥居

乳頭山(岩手県側では烏帽子岳と呼称)からは、山頂が広い湿原となっている小白森と大白森を経て八幡平へ繋がっている。 尾根が尾根が登山道となっており、間には避難小屋も整備されているので縦走に便利である。 秋田駒ヶ岳から乳頭山への縦走路から外れた所には千沼ヶ原と呼ばれる大きな湿原があり、秋田駒ヶ岳山頂と比べて訪れるものも少なく、静かな佇まいを魅せている。

標高が低い為に正確な意味では高山帯を持たないが、頂上効果によって広大な偽高山帯が発達している。 現在も活発な活火山であり、頂上部の地形が絶えず変形し攪乱を受けることも、偽高山帯が維持される要因となっている。

山頂一帯に咲くヒナザクラやタカネスミレ・コマクサ・エゾツツジなどの数百種類の高山植物群は、戦前(1926年2月)に秋田駒ヶ岳高山植物帯として国の天然記念物に指定される程である。



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秋田駒ヶ岳・山上周遊ルート行程図

   行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
仙北市・田沢湖町市街より車(0:45)→八合目避難小屋(1:00)→阿弥陀池避難小屋
 ※ 阿弥陀池避難小屋より男岳へは往復25分、最高峰の男女岳へは往復35分
阿弥陀池避難小屋(0:20)→横岳(0:25)→馬の背・男岳分岐(0:05)→男岳分岐
(0:05)→八合目避難小屋より車(0:45)→仙北市・田沢湖町市街

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手軽に紅葉を魅せられに・・

  《アプローチ》
秋田駒ヶ岳は1637mが最高峰の峰で、登山口は1300mと標高差300mちょっとまで車でアプローチできるお手軽な峰だ。 もちろん、登山口までの道の幅は林道昇格県道レベルだが、舗装完備の道案内完備である。 しかも、駐車場前には立派過ぎる程の避難小屋と水洗洋式トイレ完備され、そして小屋前には豊富な清水が流れ出ている。

これは、前日にこの《八合目駐車場》までアプローチさえすれば朝早くからの登山もでき、比較的天候が安定している午前中に山の周遊が適うのである。 それでは、この贅沢過ぎる設備を思いっきり利用して、比較的早くに紅葉に染まる秋田駒ヶ岳山域を周遊してこよう。

まずは、この《八合目駐車場》までのアプローチであるが、行政区の多重合併によってイメージ薄い地名となった仙北市の旧田沢湖町から延びる国道341号線に乗る。 6~7km進むと、《水沢温泉郷》や《乳頭温泉郷》へ誘う案内看板がある交差点があり、この指示通りに右折して、そのまま《水沢温泉郷》を越えて上って行けばいい。

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立派過ぎる小屋で
炊事場完備でヤマ籠もりも可能
※ ウィキペディア画像を拝借

旧田沢湖町市街から1時間足らずで着く《八合目駐車場》の傍に、立派過ぎる無料の避難小屋が建っている。 中を確認すると、1階は炊事場付のテーブルが並ぶ食堂で、二階が就寝スペースだ。
避難小屋特有の雨漏りや隙間風とは無縁で、寝袋さえあれば十分だ。 トイレも別棟ながら洋式水洗で、朝の仕事!?も楽にこなせる。 前日は早めに着いて、早めに食事して、明日早朝の行動開始までグッスリ眠るとしよう。



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紅葉越に最高峰・男女岳を望む
  
  秋田駒ヶ岳・山游
さて、夜が明けると、天気はどんよりとした曇天だった。 だが、降雨はなかったので予定通りに出発。
登山口にある案内板によると、周回ルートの東側である爆裂火口際をゆくルートは土砂崩れによる登山道の損壊場所があり、通行自粛となっている模様だ。 従って、登山道として指定・整備されている《片倉展望台》経由のルートを行く事にしよう。

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秋田駒は登山道が完全整備された
「ヌルい」登山レベルの山だ

まぁ、標高差で300m余り、秋田駒の峰々への基点となる《阿弥陀池》までの250mは、怠惰なメタボーマンのワテを持ってしても、息も上がらずに展望台地までやってこれる。 この展望台地は田沢湖が見下ろせ、そしてその向こう岸には美しい三角の裾野を広げる森吉山が望める。

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西の空を望むと森吉山が望めた

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田沢湖も見下ろせる

そして紅葉は、最高峰の男女岳の山肌を染める赤を中心とした艶姿を魅せてくれる。
残念な事は、曇天で朝の光による輝きが無かった事であろうか。

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見上げると最高峰・男女岳が
紅葉の錦単衣を纏っていた

山肌が紅葉に染まる艶姿を見ながら行くと、「えっ、もう着いたの?」という位にあっけなく、《阿弥陀池》のある山稜台地の木道に出る。 山々はこの《阿弥陀池》を囲むように頂を隆起させている。
どの峰も往復で30分前後だ。

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男岳の姿を水面に映す阿弥陀池

まずは、一番手前の男岳 1623メートル から登ってみよう。 男岳は標高で最高峰の男女岳に一歩譲るせいか、はたまた火山である秋田駒ヶ岳山塊の外輪山に当てはまる為か、登頂ルートはややガチャガチャした岩場となっている。

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ガチャガチャした岩場をよじ登ると
男岳へと向かう尾根道に出る

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男岳からは田沢湖も見渡せる

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山岳信仰の中心であった
男岳山頂

だが、眺望は最高峰の男女岳を凌ぐ絶景で、女岳(この峰には登頂路がない)にある噴火口跡のマールがクレーターの如く見渡せ、また火山壁の端にある頂上からは田沢湖や森吉山 1454メートル 、振り向けば立派な黒々とした山体を示す岩手山 2039メートル 、最高峰の男女岳 1637メートル の山肌を染める紅葉が見渡せる。

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山頂から見下ろすと
尾根筋の道は
鮮やかな紅葉絵巻に染まっていた

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魚の目のような噴火口(マール)跡

男岳の絶景を目にしたら基点である阿弥陀池に戻り、ついでに湖畔に建つ避難小屋(こちらも宿泊に十分な位の立派な小屋である)のトイレで用を足して、湖畔より延びる最高峰への登路を登っていく。

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登っていくと
阿弥陀池と馬の背が望める

こちらの道は、最高峰という事もあって全て丸太の木段で整備されている。 距離は先程の男岳より少し長い位だが、15~20分もあれば頂上に登り着く事ができる。

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秋田駒ヶ岳の最高峰・男女岳にて

登り着いた山頂は丸みを帯びたそれなりに広いサークルで、通行自粛となっている爆裂火口への道筋と乳頭山 1478メートル のシンボルである“オッパイ突起”、そしてその背後に黒々とした岩手山が望める。

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男女岳からの下りで望む岩手山

だが、紅葉は自身の山体が紅葉に染まっているせいか、男岳からの眺めと比べれば今イチである。
また田沢湖の眺めも、男岳に一歩譲るみたいだ。

ともあれ最高峰の男女岳を踏んで、基点の《阿弥陀池》に戻る。 次は山域に広がる艶やかな紅葉を愛でにいこう。 まずは、通行自粛となっている爆裂火口ルートを、登山道が崩れている地点まで行く事にしよう。 実際に見て、紅葉が広がって通れるようなら通ればいいし、ダメなら引き返して往路を行けばいい。 だが、男女岳から見た限りでは紅葉は今イチそうだったが。

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阿弥陀池避難小屋の台地より
旧道ルートを少しだけ下りてみる

《阿弥陀池》の山稜台地を下り、木道が敷かれた湿原状の所をゆく。 木道の入口には『登山道が崩壊しているので、下山は片倉ルートを通行下さい』と記述した警告札が立てかけられている。
ここは《焼森》と呼ばれるみたいで、夏はお花畑の宝庫となるみたいである。 紅葉はルートに平行して横たわる横岳の紅葉が見事だ。

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爆裂火口を巻くように
つけられている旧道ルート
もちろん「通行自粛下さい」の
立て札が立てられている

しかし、この木道が途切れると爆裂火口域に入ってゆき、その際をトラバースするようにルートが付けられているようだが、火口壁が地滑りを起こしているようで通路が斜めに削られていたようである。
また紅葉も、爆裂火口という事で“草木の生えない地帯”のようで、ロープが通してあって通過可能のレベルではあるが、リスクを負ってまでいく事もないので自重して引き返す。

元の《阿弥陀池》に戻り、今度は先程に《焼森》の湿原から見た横岳の紅葉を愛でにゆく事にしよう。
横岳へは、阿弥陀池から15分ほどの登りだ。 少し負荷のかかる登りで70~80m登っていくと、馬の背と横岳の分岐に出る。 これより横岳へは200m程だ。

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馬ノ背の山肌を彩る紅葉

この200mはなだらかな横岳の山体を染める紅葉が織り成す絢爛豪華たる道となる。 そして、曇天だった空が少しづつ快方に向かって、薄日が差すようになってきて、山肌を染める紅葉に日の光が当たって艶やかに染まるシーンが堪能できるようになってきた。 この横岳が、今日のクライマックスとなるだろう。
それでは、拙い写真であるがそのシーンを撮ってきたので、とくとごろうじろ。

横岳発 紅葉の“絶景かな”
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馬ノ背の紅葉と阿弥陀池を前景に望む男女岳

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山を染める紅葉の絢爛絵巻

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錦に染まる尾根越しに
南部富士・岩手山を望む

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曇りがちのこの日で
一瞬だけ日が射し
鮮やかな彩りが甦る

艶やかな紅葉で満足したので、横岳から男岳をつなぐ火口壁の《馬の背》を伝って帰路に着こう。
このルートは痩せ尾根ではあるが、両脇に潅木が並んでそんなに高度感はない。 ただガチャガチャした岩場の乗り越えで歩き辛いだけである。 また、この《馬の背》からは、男岳で見た噴火口跡のマールや火口壁を染める紅葉、切り立った岩の情景が眺められて“お得”である。

馬ノ背発 紅葉の“絶景かな”
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田沢湖と紅葉に染まる馬の背

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馬ノ背の錦絵巻の壁越しに
女岳(めだけ)を望む

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紅葉越しに望む男女岳

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馬ノ背が羽織る錦の衣に酔って

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馬ノ背は鋭い尖峰美も魅せてくれる

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馬ノ背の尖峰を個性的に染め上げる紅葉絵巻

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秋田駒ヶ岳の裏側は
噴火の爪痕が生々しく残る

帰路はこの《馬の背》を越えて、前述のように往路の《片倉ルート》を取る事にしよう。
山上の周遊で3時間程取っても、朝5時半に出ての戻りが10時半過ぎと“午前中上がり”ができるのである。 この事からも、手軽な紅葉ハイクとしてはうってつけの山である。

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最後の一枚まで楽しめた

後の楽しみは、山の後のいで湯だろう。 ここは東北でも有数の温泉郷で、名湯の目白押しだ。
国道341号に出るまでに、《乳頭温泉郷》と《水沢温泉郷》がある。 また、国道341号を飛ばして奥田沢の《玉川温泉郷》、そして次の目標である八幡平の麓に沸く《八幡平温泉郷》などなど。
さぁ、選り取り見取りだ。 こうなれば、“温泉ハシゴ”でも行っとく!?
 
  ※ 元ネタは、メインサイトの『撮影旅行記』より『みちのく・秋の名峰へ・・』です。
    宜しければ(宜しくなくても)どうぞ(かつての創生サイトも今やアクセス数が1ケタなの)。


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今回の大阪を守った事を腐す
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No Subject * by 根室大喜
山肌の紅葉って初めて見ました@@;高山植物の紅葉

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

山の紅葉は素晴らしいですよ。
私もこの紅葉に魅せられて、メインで山へ行く時期を夏から秋に変えましたから。

そして、今回『ビック・オチャメ』をやっちゃいました。 エヘッ

コメント






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No Subject

山肌の紅葉って初めて見ました@@;高山植物の紅葉
2020-11-03 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんばんは。

山の紅葉は素晴らしいですよ。
私もこの紅葉に魅せられて、メインで山へ行く時期を夏から秋に変えましたから。

そして、今回『ビック・オチャメ』をやっちゃいました。 エヘッ
2020-11-03 *  風来梨 [ 編集 ]