風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第409回  根室本線・稲士別仮乗降場

『路線の思い出』   第409回  根室本線・稲士別仮乗降場 〔北海道〕

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駅廃止が噂され始めた
5月GWの旅で撮った稲士別の待合室

《路線データ》
     営業区間と営業キロ          輸送密度 / 営業係数(’15)  
    滝川~根室 446.8km              976  /  424
                        ※ 新得~帯広を除いた数値

帯広〜池田 運行本数(’20)
         札幌~釧路  特急【おおぞら】6往復
         帯広~池田  普通 13往復

     ※ 2016年の台風災害により、現在は東鹿越~新得は不通となっている
       現在は不通区間に代行バスを運行

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糠南と同じく30数年越しに
車で下車+駅待合室+駅名標を撮る
駅訪問の儀式をようやく成就したよ

稲士別駅(いなしべつえき)は、かつて北海道中川郡幕別町字千住(せんじゅう)にあった
JR北海道・根室本線の駅である。 彼乗降場出自の駅である。 利用者減少の為、2017年3月4日のダイヤ改正と共に駅廃止となった。 2015年の乗降人員調査によると、平均乗降人員は「1名以下」との事。

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駅ホームからの出入口は
偶然にもバリアフリーだった

単式ホーム1面1線を有する駅で、路盤とホームは築堤上にあって木製のスロープが設置されていた。
ホームは線路の南側に存在し、鉄骨の櫓の上に木の板張りとなっていた。 廃止時まで列車接近表示器とブザーが備えられていた。

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ホーム上には列車接近表示器が
備え付けられていた
※ ウィキペディア画像を拝借

帯広駅管理の無人駅でも開業時からの無人駅の為に駅舎は存在せず、かつてはホームの南側に待合室と仮設トイレが設置されていたが、著しい老朽化により荒廃した為に2014年に撤去された。 かつて待合室内には売店があり、女性店員が駄菓子と共に乗車券を売っていた(簡易委託)という。 また、撤去時まで、待合室内に駅ノートが置かれていた。

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トイレもあったようである
※ グーグル画像を拝借

駅名の由来は当駅の所在する地域名からで、それはアイヌ語の「イナウウㇱペッ(inaw-us-pet)」(イナウ〔アイヌの祭事に使われた祭具〕・多い・川)に由来する。 なお、地名は『稲志別』と表記している。

仮乗降場時代は、通常は仮乗降場の記載がある道内時刻表にも掲載されずに「幻の駅」とも言われていた。 民営化後正式な駅に昇格したが、普通列車でも半数以上が通過してしまい、廃止時は下り(池田方面)が昼から夕方にかけて5本、上り(帯広方面)が朝2本と夕方1本の計3本しか停車しなかった。

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駅廃止を控えた晩年は
更に停車する列車が削減されて
下り5本・上り3本となっていた

かつて、昭和40年代前半までは国鉄の保線区の拠点(基地)が存在し、7〜8人の職員が配置され、自転車型のトロッコに乗って勤務していたという。官舎であった建物は民間に売却され、現在もアパートとして使用されている。



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駅廃止間際の再訪時に撮った
稲士別停車の定期列車

この稲士別に下りたったのは。まだ国鉄の局設定の仮乗降場時代の事だった。 降りた理由は、その当時に少しツボにハマっていた仮乗降場めぐりの一環として・・と、上記の駅(仮乗降場)の説明でも触れたように、仮乗降場も記載されていた鉄道弘済会版の『道内時刻表』にも掲載されない仮乗降場を、魅惑的に感じて下車したのである。

でも、この鉄道弘済会版の『道内時刻表』は、旭川鉄道管理局の仮乗降場はほぼもれなく記載されていたが、釧路鉄道管理局管内の仮乗降場は、管理局自体にヤル気がなく情報提供しなかったのかどうかは判らないが、管内に存在する仮乗降場のほとんどが不記載だったようである。 例を取ってみると、この稲士別を始め、士幌線・新士幌、白糠線・共栄、標津線・多和、釧網本線・桂台など。

でも、仮乗降場の数は旭川鉄道管理局の局設定設置が圧倒的に多かったし、釧路鉄道管理局は旭鉄局に比べて輸送量も多く、仮乗降場を設置する必要性もあまりなかったようだし・・ね。

・・さて、その稲士別に降りた感想だが、並行して道道が走り、民家もポツポツと建っている秘境度に乏しいロケーションだったよ。 そして、駅ホームから少し離れた道路沿いに置かれた待合室はボロボロの掘っ立て小屋で窓ガラスも一部割れていて、その割れ口をガムテープと段ボール紙で目張りしていたよ。

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掘っ立て小屋待合室の中はかつて
この中で駄菓子屋兼委託の切符販売が
行われていた事もありテント駅寝も可能だった
※ 冬の再訪時に撮影

そして、天井には裸電球があって、スイッチで点ける事もできた(この頃は旅から帰った後に旅日記をつけていて、その稲士別の訪問記に裸電球の事も記してあった)ようである。 また、列車本数は上下とも運行本数の約1/3だったが、この仮乗降場の所在する帯広〜池田は根室本線最大の列車本数があって、列車本数を半分に割り引いても上下とも4~5本はあったようである。

でも、この頃は写真に撮るのは廃止ローカル線のみで、廃止線でもなく、また未だ秘境駅ブームはおろか『駅降り鉄』も『鉄』のカテゴリーには存在しなかった30年以上前なのである。 この稲士別が「道内時刻表」に掲載されていない稀少性を差っ引いても、道路沿いに掘っ立て小屋の待合室と板張りホームがあるだけの仮乗降場には写欲が湧かなかったようで、タワケはまたもや駅廃止となって「撮っておけばよかった」と後悔するのである。

だが、2017年の駅廃止が迫った頃に、毎年のように冬の北海道と5月ゴールデンウィークにレンタカーで北海道をめぐる旅をしたのである。 その時に、廃止直前の稲士別駅に立ち寄る機会を得たのである。
これらの旅のメインは鉄道旅より、春国岱の野鳥やクッチャロ湖のハクチョウを撮る事で、鉄は冬の宗谷本線の排雪列車や、災害で不通となる前の日高本線以外に撮影計画を立てておらず、この稲士別も「温泉に行くついでの寄り道」だったのである。

その温泉とは「美肌の湯」で名高い十勝川温泉で、この稲士別はこの十勝川温泉に最も近い鉄道駅だったのである。 そう、この稲士別の手前で左折して北上する道道で十勝川を渡ると、すぐに十勝岳温泉の温泉郷だったのである。

そして、十勝川温泉のある帯広〜池田は、北海道の東の果て・根室にある野鳥の楽園《春国岱》へ向かう通り道で、毎年の如く通っていたのである。 そして、根室までは果てしなく遠く、到着する飛行機の時刻によっては『道の駅・浦幌』や『道の駅・白糠』で車寝をする1泊2日の時間を要したのである。

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冬の再訪時に
待合室を撮るという念願を果たす

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更に本願成就の到着列車も撮れたよ

なので、駅撮りではあるが、稲士別に到着する列車も撮れたよ。 もちろん、雪に埋もれかけの稲士別待合室も撮れたよ。 そして再々訪の春には、稲士別駅の全容も撮れたよ。

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車でやって来て余裕があると
秘境駅でも楽に写真が撮れるよ
駅舎が切れたのは
そこにレンタカーを止めた為・・テヘッ

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夕方の情景もいいね
この後に十勝岳温泉で♨&飯


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