風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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やっちゃいました! その3 10/17

今日の17日が、この『ビックオチャメ』の核心の日で、「運命の日」となったのである。
アクシデントに対する対応力がワテ以下な人なら、恐らく『額縁の人』になっていると思うよ。

内蔵助カールの縁から200メートル程下った登山道上・・、恐らく標高で2200メートル地点でビバークしたが、その夜に雪が降って、翌朝は一面の銀世界となっていた。 そして、この雪が『ビックオチャメ』を呼び起こしたのである。

昨日に「すぐ下はゴーロ場となってテントは張れそうにない」と記したが、雪でそのゴーロ場が半分以上埋まり、岩につけられたルート指標のペンキマーカーがほぼ全て雪に隠されて、下山ルートが判別できない状況になったのだ。

「ここは諦めて上に戻ろうか」とも思ったが、上部でもゴーロ場があってマーカーが埋もれ消えている状況は変わらんし、上は吹雪なっていたらより状況は悪化すると踏んで下る事にした。 だけど、この判断は正しかったかどうかの自信はない。 なぜなら、登っていく分には滑り落ちる危険は低いし、カール底まで登ってしまえば上に内蔵助山荘が建っていて道の目星が着くのと、縦走路上には営業中の劔御前山荘があって、いざと言う時に逃げ込めるからだ。

でも、実際は下ってしまったのだ。 さて、先程も述べた通り、ゴーロ場の道標マーカーは雪に埋もれて消され、全くルートが分からん状態となる。 ここで約1時間位さまよって時間をロスする。
この状況にイラついたワテは、ハイマツのブッシュを直接漕いでルートが判別できないゴーロ場を飛ばそうと試みる。

なぜなら、ハイマツのブッシュ帯の下に道標リボンと思しきモノが見えた気がしたからだ。 
しかし、ハイマツのブッシュは全身に絡んで行く手を遮り、ここでも1時間はロスする。
だが、ハイマツ帯を突破したら、運良く正規ルートを示す道標リボンが現れたし。

これ以降はルートて迷う事は少なくなったが、新たな難敵が出現する。 それは、ワテの十二指腸を穴をあける寸前の潰瘍にまで持ち込んだ雪付きの一枚岩の下降の連発だ。 それも鎖は設置されておらす、全てが木の枝に縛りつけたザイルロープだったのである。

この一枚岩下りの第一弾と第二弾は何とかクリアしたものの、運命の3つ目で木の枝で踏ん張ろうとした足を滑らせて、一枚岩を5~6メートル転げ落ちる。 この時は死んだと思ったけれど、運良く後ろに背負う幕営装備やらを入れたデカザックが後頭部を守ってくれて、なおかつ前がかりになってデコを軽く打っただけで済んだよ。

1~2分転落の痛さにもんどりうったが、鼻血が出てない事で頭と顔は無事だと思い立ち上がる。
だが、これて終わりでなかった。 4つ目を飛ばして、5発目・6発目のロープ一枚岩も同様に転げ落ちたのである。 でも、この2つの滑落は足から滑り落ちたので、1発目程の死への恐怖感はなかったよ。
また3発目は、登山道を越えて落ちてしまって、デカザックが木の枝に絡まって下まで落ちるのを免れたよ。

しかし、これ以降は足がすくんで尻セード降りを多用したよ。 この時に「内蔵助ガール壁下りでの尻セードの鍛練が活きたよ!」という自分可愛さ満開のワテ。 真面目な人にとっては、さぞかし胸くそ悪い奴だろうね・・、ワテは。

そして、ヤバイ所の大半を滑落と尻セードという有り得ない下山方法で乗りきると、ようやく尻セードが不能な程に雪がなくなって、ジャリザレの急下降となる。 ここでも、ヤバイ所は尻セードを駆使して降りようとするタワケなワテ。

程なく黒部渓谷に流れ込む内蔵助沢が近づいてきて、大きくえぐられた沢筋を渡渉する。
これよりは、入院に至るダメージを受け、なおかつこれ以降の下りでは四つんばいの『クマ下り』が必須となる最後のイベント3連発に遭遇する。

沢を渡るとルートは河原の土手上の岩コロ帯の通過となる。 ヘツリの幅が狭く、岩を踏み損なうと河原へ落ちて『サヨナラ』となり得るような難所で、しかもこれまでの『滑落3連発』で足が萎縮しまくっているワテ。 これで『イベント』が起こる確率はうなぎ登りとなる。 そして、その予感は的中する。

それは、転落はしなかったものの、岩の間に右足をズッポリハメてしまって転び、身体が観音開き状となって足首を骨折しちまったのである。 ちなみに、この時から3日間歩けたので「足首の軽い捻挫」と思ってたが、入院先で受けたCTスキャンで、見事に右足外くるぶし下に骨折痕が写っていたよ。

だが、この右足首の骨折(軽い捻挫だと思ってたけど)によって、新たな難題が発生したのである。
それは、先程の『転倒3連発』との合わせ技で、元から潰瘍持ちだった十二指腸がストレスでのたうち回り始めたのである。 もう、ムカつく胃液は上がってくるし、そのショックでシャックリがでて、なにも食ってないのに、空吐きの徴候が連発してグロッキーとなる。

更に、『ゴーロ場での道ロストとハイマツのブッシュ突破』や『滑落3連発』、それに此度の『右足首骨折』で足が遅くなって、日もくれて来たよ。 日が暮れると、ホントまっ暗闇になるよ。
でも、こんな河原の石がゴロゴロと転がる所ではビバークもできそうにないので、カンテラ点けて最大直径3メートルの大きさの石が転がる沢を下っていく。 だが、まっ暗闇の河原で右足骨折で下ると、当然あらたなる『オチャメ』イベントが発生するのである。

今回の『オチャメ』イベントは2回。 1つ目は、2.5メートルの石の段差を降りる時にしくじって前胸を強打。 これによって潰瘍との合わせ技で、シャックリ激痛発作が起こるようになったよ。

2つ目は、3メートルの岩を降りる時に横に転んで、下の石で脇腹を強打して肋骨を痛めたよ。
これは転んだ後に、いつもの如く1~2分のインターバル(悶え苦しむ)で立ち上がれたので『折れてなく肋軟骨損傷』程度の軽いモノと思ってたけど、入院時の病院のCTスキャンで見ると、肋骨8本が折れる「骨バキバキ」状態であった。 まぁ、日高のペテガリでも肋骨2本へし折りながら沢を下ったので、ワテは肋骨骨折に強いみたい。

暗闇の中を河原状の岩コロを下っていくと、いつの間にかルートを示す岩のペンキマーカーも見当たらなくなり、どうやら道を外したようだ。 でも、ペンキマーカーを探して暗闇の河原をうろつくのは自殺行為(今日のこの状況にハマる事自体が自殺行為そのものなのだが)なので、下に聞こえる沢音に向かって下っていく。

取り敢えず、正しいルートを示すペンキマーカー探しは明日明るくなってから探せばいいだろう。
それに、道をロストした所(最後にペンキマーカーを確認した所)までそんなに離れていないし。

下り着いた河原は、小石がゴロゴロと転がりテント適地とは言えなかったが、ここより他にテントビバークできそうな所はなかったので、無理矢理設営してビバークする。 この日は沢のザーザー音と、昨日の雪で湿気ったシュラフ、そしてガタガタの床に加えて、潰瘍のシャックリが折れた肋骨に響いてあまり寝れなんだよ。

PS  10/16以来8日ぶりに大のお通じが出たよ。 そして、入院食も、三分粥から五分粥に昇格!
念願のブログ再開に一歩づつ近づいてまっす。


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No Subject * by 根室大喜
逞しいものですね@@;足首が折れても心が折れなかったんですね

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

基本、能天気てすから。
そして、簡単に『オチャメ』るけど、『オチャメ』ると冷静になれる残念な私です。

どう考えても、『オチャメ』ないのが一番ですから。
でも、『オチャメ』ると、ブログネタは増えます。(悶)

コメント






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No Subject

逞しいものですね@@;足首が折れても心が折れなかったんですね
2020-10-25 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんばんは。

基本、能天気てすから。
そして、簡単に『オチャメ』るけど、『オチャメ』ると冷静になれる残念な私です。

どう考えても、『オチャメ』ないのが一番ですから。
でも、『オチャメ』ると、ブログネタは増えます。(悶)
2020-10-25 *  風来梨 [ 編集 ]