2020-10-04 (Sun)✎
よも”ヤマ”話 第119話 大雪山~十勝連峰 大縦走 その5(トムラウシへ)〔北海道〕 '95・7
トムラウシ山 2141m(3度目の登頂)
トムラウシ・日本庭園を彩る
チングルマの花コロニー
トムラウシ山 とむらうしやま (大雪山国立公園)
大雪山の山の中で、最もどっしりとした山容を魅せるのが、このトムラウシ山 2141メートル である。 この山は、山頂部に円頂丘を持つトロイデ型の火山で、大雪南部の盟主として知られている。
そしてこの山は、周りに素晴らしい自然の造形を創り上げている。
まずは、トムラウシ山腹にある『トムラウシ・日本庭園』である。 池塘と、花と、雪渓がおりなす自然の山水画・・。 大自然が、いったいどのようにしてこの景観を創造しえたのか。
大地をその花の色で染め上げる
また、トムラウシ山の西側には、『五色ヶ原』に優るとも劣らない“花の世界”・『黄金ヶ原』がある。
『黄金ヶ原』は、ミヤマキンバイやキンポウゲなど黄金色の花が多く咲き乱れ、その名の通り花が大地を黄金色に輝かすのである。 そして、この山は“眺める”のもいいだろう。
《化雲平》から眺めるトムラウシ山は、また格別。 すぐ間近に、トムラウシ山がどっしりと構えた姿を魅せて壮観だ。 またこの平原は、ホソバウルップソウやエゾノハクサンイチゲの大群落地としても有名で、特にホソバウルップソウが満開の時は最高。 山の緑と紫の花が美しく、この平原を飾るのである。
ヒサゴ沼~トムラウシ山 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《車の回送とアプローチ》
JR上富良野駅より車(0:35)→十勝岳温泉・十勝岳温泉の駐車場に車止め置きと上富良野行バス乗車
(0:45)→JR上富良野駅より鉄道利用(0:50)→旭川駅(1:10)→上川よりバス利用
(0:35)→層雲峡(泊)
《1日目》 層雲峡よりロープウェイとリフト(0:25)→黒岳7合目(1:10)→黒岳
(0:15)→黒岳石室(1:40)→北海岳(1:20)→白雲岳避難小屋分岐
白雲岳避難小屋分岐より白雲岳往復 上り40分・下り30分
白雲岳避難小屋分岐(0:20)→白雲岳避難小屋
《2日目》 白雲岳避難小屋(0:40)→高根ヶ原・大雪高原温泉分岐(2:30)→忠別岳
(1:30)→五色岳(1:10)→化雲岳分岐(0:40)→ヒサゴ沼避難小屋
《3日目》 ヒサゴ沼避難小屋(0:35)→ヒサゴ沼分岐(0:30)→トムラウシ・日本庭園
(1:25)→北沼(0:30)→トムラウシ山(0:25)→トムラウシ・南沼
《4日目》 トムラウシ・南沼(2:00)→黄金ヶ原(0:30)→三川台(1:30)→ツリガネ山
(1:30)→コスマヌプリ(1:00)→双子池
《5日目》 双子池(2:00)→オプタテシケ山(2:00)→美瑛富士避難小屋(0:30)→美瑛岳分岐
(2:30)→十勝岳避難小屋
《6日目》 十勝岳避難小屋(0:50)→望岳台よりヒッチハイク成功(0:20)→十勝岳温泉
十勝岳温泉に止め置きの車回収(0:35)→JR上富良野駅
※ 前回の『第118話 大雪~十勝連峰 大縦走 その4』の続き
庭園の池塘を囲む
花のコロニーに魅せられて
《3日目》 雨がひたすら降る中をトムラウシ山へ
本当なら、以下に続く文の通りに絶景が広がる中を『山游漫歩』のハズだった。 でも、昨日午後からの雨は、今日一日中降り続いたのであった。 でも、それを正直に書くと、「ダダ降りの雨の中、びしょ濡れになって歩いた」だの、「花の写真を撮ってはみたが、いずれも靄が掛かってしまったよ」ってな具合になって、この『第119話』が終わってしまう。 なので、過去の記憶を蘇らせて(とどのつまり、過去の文と写真の使い回し)より魅惑的に、この日《3日目》の行程を語っていこうか。
いくらこの時が『奇跡の体力』の最盛期と言えども、昨日までの行程がかなりハードであるので、ここは体力を回復させる為にも短い行程としたのである。 この時の体力ならば無理をすれば《双子池》まで進む事も可能であったが、歩行時間が10時間超と全く余裕のない山行となってしまう。 それに、この日は昨日から続くダダ雨の空模様だったしィ。
せっかく“憧れの山”と“花の楽園”に
やってきたのだから
その絶景に魅せられたいものだ
「何はともあれ、せっかく“憧れの山”トムラウシ山と“花の楽園”・《黄金ヶ原》にやってきたのだから、その景色を充分に味わう行程を組みたいものだ」と、建前を語ってみる。
さて、短い行程といえども、早発は山の鉄則である。 《ヒサゴ沼》を遅くとも7時までに出発しよう。 朝の清々しい雰囲気を味わう為にも、5時頃の出発が望ましい。←また建前を語ってやがる・・、このタワケ。 でも実際は、雨の中でのテント撤収やらで時間を喰って、出発は7時頃だったしィ。
万年雪渓より望むヒサゴ沼
・・《ヒサゴ沼避難小屋》前の幕営地を出ると、《ヒサゴ沼》に沿って《大雪万年雪渓》の縁をトラバースしていく。
雪渓の縁のトラバースは
かなりおっかない
しかし、いつ崩れるかわからぬ雪渓の縁を歩くのは、かなりおっかないものである。 崩れ落ちると、もちろん沼に“ドボン”である。←この時は雪渓の縁を歩くのに恐怖心は無かったけど、ヘタれてからは沼に滑り落ちる恐怖にかられたよ。
稜線上に登る雪渓は
沼が下で口を開けてない分気が楽だ
この雪渓のトラバースを越えると、《ヒサゴ沼》右側の急な雪渓を登っていく。 この雪渓はかなり急で、しかも吹き降ろす風の影響でアイスバーン状になっている事もあり、滑落の危険が大いにある。
滑落すると、間違いなく《ヒサゴ沼》に“ドボン”である。 ここは、ピッケルを突いて慎重に登っていく。
なお、この雪渓登りに自信がないなら、《ヒサゴ沼》左側の比較的緩やかな雪渓を登って、《化雲平》を経ての迂回ルートもある。 この場合、歩行時間は1時間余分にみておくといいだろう。
化雲平周りもチングルマのコロニーが
見れるのでいいかもしんない
このように、のっけから緊張する場面が続くが、この雪渓の急登を乗りきると岩がゴロゴロする岩石帯を通る。 ここは岩の一つ一つがかなり大きくて、その間を飛び越えていかねばならないので、結構疲れるのである。 ここも岩を飛び損ねると大ケガにつながるので、慎重にいく。 岩石帯が途切れると《ヒサゴ沼分岐》である。
雪渓を登りきって振り返ると
縞模様を映すヒサゴ沼と石狩連峰の絶景が・・
《ヒサゴ沼分岐》からは緊張する状況から解放されて、広い稜線上の道となる。 分岐から目の前に見える砂礫地の丘をジグザグ登りでつめると、丘いっぱいに“夢の楽園”が広がる。 ここが《トムラウシ・日本庭園》である。
大自然が創造し
天然の庭園風景に魅せられて
・・ナキウサギの鳴き声がどこからか鳴り響き、お花畑が庭園を創造して整然と咲き競っている。
あちらこちらに点在する池塘が、静かに波紋を漂わせている。 そして、後にそびえるトムラウシ山。
いったい、どのようにしてこのような風景を創造しえたのか。 もし、神として崇めるなら、このような風景を創造した大自然こそ“神”だとワテは思う。
庭園の風景だけでなく、周囲の風景も素晴らしい。 筋雲を映し縞模様に光る《ヒサゴ沼》、シルエットを魅せる“遙か遠き山”・石狩連峰など、眺めは申し分ない。
エゾコザクラのピンク
チングルマの白
キンポウゲの黄色・・
草原がカラフルに染まって
チングルマ・イワイチョウ・エゾコザクラ・エゾノハクサンイチゲ・リシリリンドウ・・など、庭園のお花畑に彩られた池塘の周りをゆっくりと、“神”の創りし風景を味わいながらいこう。 《ヒサゴ沼》からトムラウシ山までは約3時間だが、このような風景を魅せられると、もっと時間がかかりそうである。
前方に岩屑が積み重なる
《ロックガーデン》が見えてきた
この静かなる情景の庭園を越えると、雪渓と露岩帯に突入する。 ここも大岩がゴロゴロしていて、岩をよじ登ったり飛び越えたり・・と、距離の割には結構時間を食う。 この露岩帯を岩を選びながら飛び越えていく。 一度、谷地形に下ってから、今日の行程最大の登りとなる通称『ロックガーデン』といわれる高低差200mの露岩帯の急登が始まる。
ロックガーデン直下のお花畑
岩をよじ登り、飛び越え、あるいは大岩の縁をトラバースしたりしながら登っていく。 途中、イワギキョウやミヤマリンドウなどが岩の間から顔をのぞかせているが、この登りはなかなかキツく、この場面では花を愛でる余裕は持てないだろう。
《ロックガーデン》上部の
お花畑に咲く花々
魅惑的な紫を魅せる
ミヤマリンドウ
ピンクの花じゅうたんを魅せる
エゾコザクラ
神秘的な小さな濃紺の花に虜となる
リシリリンドウ
その名にまだ見ぬ北方の島を思い描く
ホソバウルップソウ
これを越えると広い砂礫地の丘となり、エゾノハクサンイチゲ・エゾツガザクラ・ミヤマリンドウ・タカネナデシコ・チングルマのお花畑が丘一面に広がる。 しかし、トムラウシ山は、この丘の陰に隠れて見えなくなる。
トムラウシが見えなくなる間は
代わりに振り返って表大雪・旭岳をば・・
実を言うと、『ロックガーデン』で見えた山頂は、この丘の“てっぺん”にあたるのである。
本当の頂上は、この丘を越えて《北沼》の畔の高台まで行って、初めて見えるのである。
このトムラウシ山の頂を隠す丘を登りつめると、辺りが開けて《北沼》と待望のトムラウシ山の勇姿が望まれる。 トムラウシ山は全体が岩石で積み重なって、どっしりとした重厚な山容を魅せている。
《ロックガーデン》の
岩屑の『ヤマ』に隠れていた
トムラウシの本峰が眼前に現れる
丘の頂からは、《北沼》に向けて緩やかに下っていく。 目の前に“憧れの山”がそびえ立ち、しかも緩やかな下り坂で思わず駆け出したくなるような状況であるが、明日からは長い行程となるので足を痛めぬようにゆっくりと下っていこう。
トムラウシ直下の湧水が沼となった
透明度抜群の北沼の畔を通り過ぎ
そして、《北沼》の湖畔に着いたなら、トムラウシを眼前においてゆっくり休憩しよう。
沼を眺めると、畔の至る所から泉が湧き出ているのが発見できるだろう。 どうやら、この沼は天然の湧泉沼のようで、その泉の上をハクサンイチゲが咲いている幻想的なシーンが見られる。 このシーンをカメラに収める事ができれば、写真好きとしては至福の喜びである。
湧き出る泉の上に咲いていた
エゾノハクサンイチゲ
さあ、これより“憧れの山”に登頂するのだが、息を切らして登頂するのは“憧れの山”に対しての礼儀に反すると思うので息を整えていこう。 そして、ひと息着いたなら、“憧れの山”の頂に立とう。
露岩帯を斜めによじ登っていくと、一ヶ所鎖場を越えて約20分で“憧れの山”・トムラウシ山 2141メートル の頂に立つ。
憧れの峰・トムラウシの頂上にて
“憧れの山”からの眺めは、その期待を裏切らない素晴らしい眺めで、化雲岳の“デベソ岩”や、旭岳・白雲岳など『表大雪』の山々、そして《高根ヶ原》から続く大平原、遙か遠くそびえる石狩連峰の山なみと続く。
トムラウシから望むその絶景は
真に"神遊びの庭"だった
振り返ると
雲海を隔てる“天ノ橋立”
十勝連峰の山なみが・・
また振り返れば、十勝連峰や美しい三角錐を魅せるオプタテシケ山、そして何よりも魅せられるのが大地が白く輝きを放つ光景だ。 これはこの先にある黄金ヶ原で、エゾノハクサンイチゲが大地を埋め尽くすように咲いて、その花の色『白』が大地を眩く染め上げているのだ。
頂きから十勝岳方向を望むと
緑の平原の先が白く輝いていた
“憧れの山”の頂上を満喫したなら、今日の幕営地《トムラウシ・南沼》に向っていこう。
トムラウシの山頂から僅か15分程の距離だが、ガレ場の急坂で滑りやすいので注意して下りていこう。
下りきると冷たい沢が流れ、花が咲き乱れる絶好のキャンプ地・《トムラウシ・南沼》に着く。
たぶん、昼前までに到着する事と思うが、明日からの長い行程に備えて花でも撮りながらくつろぐとしよう。 長い行程の山行は、息抜きのできる日程も必要だ。
雨粒を乗せるエゾノハクサンイチゲ
:
実際はこの日はコレを含めて3枚しか
まともな写真が撮れなかったのでした
残りの2枚はどれか当ててみよう!
なお当たっても景品の類はありません
まぁ・・、何といいますか、以上のこの文は晴れた日の回想に過ぎないのですね。 実際は、ダダ雨の中で素早くテントを立てて、荷物を放り込んで、濡れたTシャツから替えのTシャツに着替えて、ズブ濡れとなったTシャツをコンロで炙って乾かしていた(良い子はマネしないように)なぁ。 でも、雨が2日続くと、体力があっても結構追いつめられる状況となるよな。
※ 続く《4日目》の行程は、次話の『第120話 その6』にて
チョンの背乗り・天皇ヒロヒトを
処刑・処罰せずに逃げた事により
蒙ったチョンの災禍『Kの法則』
これはワテの身の上にも天候不順や
『武漢ウイルス』蔓延による
都会に住む者に蔓延の責任転嫁をした
移動制限という形で見舞われた
春の緊急事態制限による間違った対策の
都会人に責任転嫁した移動制限で
休みに旅に出る事を異端者扱いにして
その後に『Go to キャンペーン』で
「旅に出よう」と取り繕っても後の祭りである
先ずすべき事はウイルスを撒き散らした
シナへの制裁だろうがよ
そして事の根源であるチョンの背乗り・天皇を
チョンと暴いてのチョンへの追放
:
要するに蔓延の原因を駆除・排除しないで
感染被害者の多い都会に住む者を
魔女狩りする事自体が間違いだったのだ!
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No Subject * by 根室大喜
嶮しい山と美しい花のコントラストが目を惹きます@@;びっくり
Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、こんばんは。
ここは『カムイミンタラ』・・訳すると「神遊びの庭」と呼ばれている花の楽園です。 訪れるには山中1泊が必ず必要な、大雪のど真ん中です。
また行きたいなぁ ヘタレだけど。
ここは『カムイミンタラ』・・訳すると「神遊びの庭」と呼ばれている花の楽園です。 訪れるには山中1泊が必ず必要な、大雪のど真ん中です。
また行きたいなぁ ヘタレだけど。