2020-09-05 (Sat)✎
『日本百景』 晩夏 第449回 伊勢志摩の海 〔三重県〕
夜明け前のかぎろいに
染まるリアスの入江
伊勢志摩 いせしま (伊勢志摩国立公園)
志摩半島の南部は隆起した台地が浸食されて、それが沈降した典型的なリアス式海岸が連なっている。
《的矢湾》・《英虞湾》・《五ヶ所湾》なども、このリアス式海岸の典型である。
穏やかな眺めの英虞湾
景観では《英虞湾》が特に素晴らしく、真珠養殖の筏と付近の入りくんだ湾内の風景とが調和して美しい。 《英虞湾》を望む展望地としては、登茂山・横山・金毘羅山などの小高い丘の上がいいだろう。
また、情景的なクライマックスは、外海の《的矢湾》の海岸線での夜明け時。 湾内が黄金色に輝き叙情的である。
伊勢志摩・探勝図
この項目では、景勝地が半島の各所に散らばっているので、バスなどの交通機関を利用するよりは賢島駅で駅レンタカーをチャーターした方が効率的に周遊できるだろう。 そして、日の高い内に《登茂山》・《横山》・《金毘羅山》などの高台まで行って、実際に海を望んでみよう。 その中で、最も夕日のイメージが湧いた所を夕日撮影地とすれば、きっと素晴らしい作品を得る事ができるだろう。
さて、この項目の景勝地めぐりであるが、前述のように景勝地があちらこちらに散らばっているので、全てをめぐるのは少々難しい。 従って、ワテがめぐった所を御紹介していこうと思う。 行程表と少し異なるのは心苦しい所ではあるが。
海の景色を訪ねる旅は、あまり長期間の行程は組み辛い。 それは、旅の期間が長くなればなる程に、宿泊場所が問題となってくるからである。 毎日の宿泊に旅館を利用するのは費用がかかり過ぎるし、山の旅のようにテント泊というのもそぐわない。 従って、ワテは前夜発の1泊2日のマイカー旅行を企画してみたのである。 当然、その夜は車の中で仮眠をして明かすのである。 狭苦しい車中泊でも、1日位なら受忍の範囲であろう。
伊勢志摩・相差の砂浜の前に
車を停めて夜明けの1シーンを迎える
さて、今回の旅でワテが前夜に車を止めた所は、《的矢湾》を見下ろせる『パールロード(有料道路)』上の《相差 おうさつ 展望台》という高台である。
その後に高台にある展望台に昇り
夜明け前のリアス海岸を望む
:
まだ海岸線は街灯のみが灯る
眠りから醒めぬ情景だった
なぜ、この場所を選んだかというと、この場所からは叙情的な朝景が望めるからである。 かぎろい色の空と《安乗崎灯台》の光、そしてまだ空けやらぬ港町の灯り、影となったリアス式海岸の入江・・など、美しい情景があふれているのである。
夜明け前のかぎろい空に
富士が浮かんでた
:
何でも富士の望める南限が
伊勢志摩の海岸との事
これこそ、ワテが求める『日本百景』の海の景色なのだ。 また、空気が澄みきった夜明けの空ならば、掲載写真のように富士山も望めるだろう。
やがて海面に帯のように乗っかる
雲の合間より御来光が・・
:
でも究極の日の出風景である
『ダルマさん』はダメだったよ
現れた朝日の光がリアスの島々を
ハッキリと映し出したなら
再び砂浜へ戻ってみよう
やがて、日の出の時がやってくる。 海上より昇る朝日はリアス式の入江を影に、そして海原に一筋の光跡を刻んでいく。 これも、また叙情的な眺めだ。
それは砂浜から朝日が海原に刻む
黄金の光跡に魅せられる為に・・
的矢湾の夜明けの風景を堪能できたなら
伊勢志摩の次の見どころに向かう
飛沫立つ波と大王崎灯台
:
大王崎の定番アングルだ
次の目的地は、《大王崎灯台》である。 白亜の灯台と波打つ岩礁の情景は必見である。
ただ、有名観光地としてよく知られている所なので、写真撮影に関しては目障りな護岸ブロックや観光旅館の建物などの障害物が多々あり、苦労させられそうだ。
リアスの海崖に波がぶち当たり
潮騒となるシーンを狙ってみたが・・
:
海岸風景を撮るのは
撮影の経験値が低く発想も貧困だね
灯台風景だけてなく、行き交う船舶や海女さんの漁獲の妙技なども“海の情景”として取り入れると、海をめぐる撮影旅も奥深くなる事だろう。 灯台までの通路に並ぶ露天商や漁港風景もいい。
いちおう・・海女ちゃん
人物を入れて撮ると
撮影意欲が下がっておざなりに
ワテはその点をまとめるのが下手なので掲載写真とはならなかったが、これらを上手にまとめると、潮の香りを感じ取れる素晴らしい作品を得る事ができると思う。
英虞湾の定番撮影地
登茂山展望台より
英虞湾に浮かぶ岩礁の島と
真珠養殖イカダを望む
港と灯台の風景を堪能したならば、伊勢志摩の最大の観光名所である《英虞湾》にいってみよう。
《大王崎灯台》から最も近い《英虞湾》の展望台は、《登茂山展望台》である。 灯台からなら、車で10分位である。 この高台からは、湾内のリアス式の入江と養殖イカダのおりなす穏やかな風景が視界いっぱいに広がってくる。
こういった定番・お立ち台はともすれば
最も撮るのがムズい撮影場所かも
この限りなく穏やかな風景を眺めていると、時間に追われ続ける都会人がボロボロと落としてきた“時”を少し取り戻せたような気がするのである。 そして、最大のお薦め時は夕暮れ・・といきたい所であるが、“都会人”ゆえの時間の都合で、残念な事に夕暮れ時まで滞在する事ができなかったのである。
このように、ワテの旅は“不完全”に終わってしまった。 しかし、まだ全てが終わった訳ではない。
いつでも、この“悔い”を取り戻しにいく事ができるのである。
その一例として、サーフィンを趣味とする知り合いの車に便乗して、前夜発で伊勢志摩の浜に訪れる機会ができたのである。
今まで人を入れて撮るのを
タブーとしていたので
依頼者の要望に応えるモノは撮れませんですた
まぁ、ワテは人が入った『絵』をあまり撮った事がないので、車に乗っけてくれる交換条件のサーフィンの情景の写真の要望にはあまり応える事ができなかったけど、自分自身ではますまずのデキと思っている(といっても、上手くいったのはこの3枚だけだけれど)のである。
波に挑む漢(おとこ)達
:
唯一決まったかな~ってモノ
でも・・あくまでも写真界の底辺を這いずる
『写真床』のウデを基準にしての事だよ
そう・・伊勢志摩は、何度と訪れてもその魅力は尽きない。 そして、また訪れたくなる。
また写真を撮りに行きたくなる。 これこそが、『日本百景』たる名景に相応しい条件なのである。
それが成就したなら、また新たに『伊勢志摩』の記事を書き上げたいと思う。
『武漢ウイルス』の為に
休みやホームワークが多くなり
それを機会に近場で精力的に撮りに出かける
ブログさんが結構あるみたいだけど
ワテは予定を立てて・・でないと
出る気が全く起きない
だから山も登れないし『○鉄』もできず
コリはフラストが溜まるよ
この鬱憤を9月末の白馬山行に賭けるか・・
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