2020-08-23 (Sun)✎
よも”ヤマ”話 第115話 大雪山~十勝連峰 大縦走 その1 (層雲峡~北海岳)〔北海道〕 '95・7
大雪・黒岳 1984m、北海岳 2149m(2度目の登頂)
この年は初夏が雨続きだったせいか
『白鳥・千鳥』の雪形も小さく
雪渓の乗りも今イチ
裏大雪 うらたいせつ (大雪山国立公園)
『表大雪』の裏側にそびえる白雲岳 2230メートル を中心とした山々は、『裏大雪』と呼ばれている。 『裏』と呼ばれるだけに、交通手段・設備などは『表大雪』に遅れをとっているが、高山植物をはじめ、山頂からの眺望、漂う原始の香り・・など、山の魅力にあふれる地域だ。
・・『裏大雪』の最大の魅力は、何といっても原始の香り漂う大平原と、それを覆い尽くすお花畑である。
さて、この地域のプロフィールだが、赤岳 2078メートル 手前の《コマクサ平》や、咲く花の種類が『日本一』といわれる小泉岳 2158メートル 、主峰・白雲岳の裾野に広がる《高根ヶ原》の大平原とそこに咲く壮大なお花畑の群落、白雲岳山頂より眺める見事な縞模様の雪渓や、冠型の独特の山容を誇るトムラウシ山 2141メートル 、《高根ヶ原》の大平原から望む“遙か遠き山”『東大雪』・石狩岳 1967メートル 、《大雪高原温泉》の“秘境”沼めぐりコース、原始の香り漂う平ヶ岳 1752メートル ・忠別岳 1963メートル 、《五色ヶ原》の入口となる五色岳 1868メートル など、尽きない魅力を秘めている。
大雪山~十勝連峰 大縦走 1日目 行程図
《車の回送とアプローチ》
JR上富良野駅より車(0:35)→十勝岳温泉・十勝岳温泉の駐車場に車止め置きと上富良野行バス乗車
(0:45)→JR上富良野駅より鉄道利用(0:50)→旭川駅(1:10)→上川よりバス利用
(0:35)→層雲峡(泊)
《1日目》 層雲峡よりロープウェイとリフト(0:25)→黒岳7合目(1:10)→黒岳
(0:15)→黒岳石室(1:40)→北海岳(1:20)→白雲岳避難小屋分岐
白雲岳避難小屋分岐より白雲岳往復 上り40分・下り30分
白雲岳避難小屋分岐(0:20)→白雲岳避難小屋
《2日目》 白雲岳避難小屋(0:40)→高根ヶ原・大雪高原温泉分岐(2:30)→忠別岳
(1:30)→五色岳(1:10)→化雲岳分岐(0:40)→ヒサゴ沼避難小屋
《3日目》 ヒサゴ沼避難小屋(0:35)→ヒサゴ沼分岐(0:30)→トムラウシ・日本庭園
(1:25)→北沼(0:30)→トムラウシ山(0:25)→トムラウシ・南沼
《4日目》 トムラウシ・南沼(2:00)→黄金ヶ原(0:30)→三川台(1:30)→ツリガネ山
(1:30)→コスマヌプリ(1:00)→双子池
《5日目》 双子池(2:00)→オプタテシケ山(2:00)→美瑛富士避難小屋(0:30)→美瑛岳分岐
(2:30)→十勝岳避難小屋
《6日目》 十勝岳避難小屋(0:50)→望岳台よりヒッチハイク成功(0:20)→十勝岳温泉
十勝岳温泉に止め置きの車回収(0:35)→JR上富良野駅
春の大雪とキハ40の普通列車
この時も石北本線上川行は
キハ40の単行だった
:
この山行から20年経ってヘタレても
この情景に絆されて春の大雪・黒岳に登りにいったよ
《車の回送とアプローチ》
今回はこの年( '95)の山旅放浪での最大の山旅・・、大雪山からトムラウシを通って十勝岳まで進むオール天泊・5泊6日のロングラン山行だ。 そして大縦走という事で、登山口と下山口が違う車アプローチでは不利な山行程だ。
実質的な山旅の出発点となったこの駅は
四半世紀前も今と変わらない佇まいだった
※ ウィキペディア画像より
2004年の上富良野駅舎
なので、このロングラン縦走から下山後の宿泊場所の憂いがない様に、下山場所の十勝岳温泉にこの放浪山旅のメイン宿泊場所である車を回送(つまり、普段は車寝という事ですね)し、行きは鉄道バスを乗り継いで登山口の層雲峡に向かう事にした。 それでこの日は、層雲峡のユースホステルで泊って、翌朝1番のロープウェイとリフトで楽に上って、リフト終点の黒岳7合目より登り始める事にしたのである。
山に入る前日は
奮発してユースホステルに宿泊
:
現在のユースは旧館が閉鎖されて
山小屋風の新館に代わっている
・・で、この日は、『ブーの山旅放浪』という立場では、2ヶ月近い旅日程の内で数回許されるユースホステルに宿泊する。 まぁ、ユースに泊ってまで自炊するのも何なので、奮発して夕食付で・・である。
雪渓と白の天使・エゾノハクサンイチゲ
それはカムイミンタラたる情景
《1日目》 表大雪の玄関口・黒岳より
ストライブの絶景を魅せる名峰へ
朝は5時に起床する。 ヤマの時間で5時は寝坊だが、今日の行程の層雲峡・黒岳ロープウェイの始発は7時なので、慌てる必要はない。 ボチボチ準備して、ユースが配る山の途中で食うおにぎり(朝食の代わり)をザックにしまいこんで、点呼を取って出発。
何故に単独縦走山行のワテが点呼を取ったかというと、ワテが幕営装備のデカいザックを担いでいた事で『山の玄人』扱いされて、ユースの黒岳登山ツアーに参加を希望する『スニーカー登山隊』の黒岳の頂上までの引率を任されたのである。
黒岳7合目でのお見送りは
エゾリスだった
この時のワテは、バリバリの『奇跡の体力』の最盛期で、食糧5泊分+テント装備とカメラ一式24㎏のザックを担いでいたのだが、これだけ担いでいても『スニーカー登山隊』の空身の宿泊者より早く登れたのである。 でも、普通に登っても空身の『スニーカー登山隊』をブッちぎってしまう(ブッちぎってしまうと、それこそ顰蹙者だしィ)ので、何度も何度も途中で立ち止まって、遅れがちの『スニーカー登山隊』がちゃんと着いてきているか監視せねばならないのである。
これは重荷を担いだままで無駄に立ち止まらないので、結構無駄な徒労となったよ。 でも、何とかツアー参加者全員を頂上まで引っ張ってこれたので、黒岳頂上で引率は「お役御免」となる。 この引率で、1時間かからず登れる所をコースタイムより+15分の1:25かかって、黒岳通過。
無人の避難小屋だけの大雪山域で
今や食事さえ提供のある別格の黒岳石室
:
でも四半世紀前は
缶ビール・ジュースの販売のみ
※ 北海道新聞社のウェブ記事より
黒岳から20分程下ると黒岳の石室があって、この石室は大雪一豪華な山小屋で、シーズン中は管理人が入ってジュースやビールの販売もあるが、宿泊に関しては食事提供はまだで素泊まりのみのようで、寝袋などの寝具も要持参との事であった。 まぁ、今はレトルトの食事付で、寝具もあって空身で泊れるようだけど。
沢の手前の雪田に咲いていた
エゾノハクサンイチゲ
:
背後に赤石沢が見える
黒岳石室を出て少し進むと、赤石川の渡渉点に着く。 黒岳石室の掲示によると「今日の赤石川はやや増水気味で渡渉注意」との事だった。 この時は「多少の増水」との事だったが、全く記憶に無い所を見ると難なく渡ったのだろう・・と思う。
御鉢平から流れ出る赤石川
この沢を渡渉するが川床が浅いので
多少の増水でも何とかなった
※ この山行後の再訪時に撮った写真を掲載
つけていた日記によると、親子連れ一組が沢で転んでビショ濡れになっていた・・との事だった。
全く憶えていないけど。
多雨だったこの夏の尾を引いて
この日も空には雨雲漂う曇天だった
この日の天気は朝方は曇りがちで、雪解けも早かったみたいで『白鳥・千鳥』の雪形はかなり小さく見えたっていうか、この時は『白鳥・千鳥』の雪形の事なんて知らなかったけど・・。
御鉢平を囲む火口壁
:
上を見ると強風に流される雲が
次々に頭上を駆け抜けていた
上半身はふらつく程の
強風が待っていたが
花の高さまでしゃがみ込むと
風も収まっていた
そして、御鉢平の周辺は強風が巻いていて、重い荷を担いでいたワテなどは何度か風にあおられてふらついたよ。 まぁ、ふらつくついでに路傍に咲く花々を愛でながらゆく。
吹き荒れる風を避けるべくしゃがみ込むと
紅白の可憐な花々がお出迎え
やがて空を覆っていた雲が強風に吹き飛ばされるが如く、一気に青空が広がってきた。 このシーンはダイナミックな情景を魅せてくれたよ。 そして程なく北海岳に着く。
上空に吹き荒れる強風が
最後の大きな雨雲を吹き飛ばすと
急速に青空が広がってきた
夏の日差しが差し込んで
花の女王も美しくドレスアップ
これよりは、夏の熱い日差しがカムイミンタラの園を照らし始める。 これより神遊びの庭が魅せる絶景に出会えると思うと、わくわくしてくるよ。
※ 行程《1日目》途中の北海岳とやや中途半端ではあるが、掲載写真の枚数の事もあってここで
1話を区切って、続きは次の『第116話 その2』で語る事にしよう。
おおよそ7ヶ月かかって
このブログの全記事のリンク修正と
文字のミディアム化が完了したよ
この記事を含めて全部で1863記事
その内ヤフー時代の要修正記事が1560記事
そら7ヶ月はかかるわなぁ
これで多少の抜けはあるかもしれないけど
このブログからは鬱陶しい事この上ない
「Yahoo!ブログ終了のお知らせ」
は表示されないと思うよ
この作業を終えた次は
メインサイトのレイアウト校正と
ビルダーと忍者ツールのせいで
壊れたファイルの作り直しだ
ホント・・インターネットっていうのは
パソコンを買えたり使っていたサービスの終了で
一から作り直さねばならないので
思ったより便利なアイテムではないと思ったワテ
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